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ビンディングペダル × 初心者のメリットとは?<br>フラットペダルと何が違う? 数字で比較してみた!

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スポーツ自転車に乗っていると誰しも一度は耳にする「ビンディングペダル」。

今回はビンディングペダルの効果を、解析システムを使った比較実験を通して検証していきます。ビンディングシステムのメリットを理解して、是非導入してみてください。それではどうぞ!

フラットペダルとビンディングペダルの違い

まずはフラットペダルとビンディングペダルの違いについて見ていきましょう。

フラットペダルとは、名前のとおり「踏み面がフラットになっているペダル」です。

フラットペダル

普段使いのシューズのまま乗ることができ、気軽に使えるというメリットが挙げられます。

対してビンディングペダルは、足とペダルを固定します。ペダルと専用シューズ、ふたつを固定するクリートの3点で構成されます。一定方向に力を入れない限り、足はペダルから外れません。

ビンディングペダル

それぞれのメリット/デメリットをまとめてみました。

メリット デメリット
フラットペダル
  • 初心者でも気軽に乗れる
  • シューズを選ばない
  • ペダリング効率/出力を上げにくい
  • 足が滑る
  • 長距離走行には不向き
ビンディングペダル
  • ペダリング効率/出力をあげやすい
  • 疲労感の軽減
  • 長距離走行に向いている
  • 靴とペダルを固定する不安感(慣れるまで)
  • 専用シューズが必要
  • 消耗品(クリート)の買い替えが必要

ビンディングペダルを使うと、ペダリング効率/出力をあげやすい、疲労感の軽減など、サイクリングをする上で嬉しいメリットがあることが分かります。

本当にペダリング効率があがる?「ビンディングシューズ&ペダル」vs「スニーカー&フラットペダル」徹底比較

「ビンディングペダルは、ペダリング効率やペダリング出力をあげやすい」
そう言われても、いまいちピンとこない人も多いのではないでしょうか。

今回はそんな疑問に “数字で答える” べく、とある実験を行いました!!協力していただいたのは、大阪市内にお店を構える「ベックオン」さん。

周りをビル群に囲まれたビシネス街の一角にお店を構えるベックオンさん、お洒落な雰囲気です!大阪を代表するプロショップとして多くの方が来店しています。

今回はシマノが提供するバイクフィッティングシステム「ペダリングアナライザー」を使って実験します。

佇まいがメカメカしくて格好良い

ペダリングアナライザーとは

自転車のペダリングは個人によって回し方や踏み方が全く異なります。みなさんそれぞれ筋力や体格の差、経験の差、クセの違いがあるからです。うまくペダリングをするには理想の回し方を理解して、練習をし、習得しなければなりませんが、これが難しい!

このペダリングアナライザーはペダリングの「クセ」や「無駄・ムラ」を可視化=見える化してくれる装置なのです。

ペダリング効率や出力を見える化することで、自分の現状を理解して、改善に繋げていくことができるわけですね。すごい!

さまざまな人に対応するように、ハンドルの高さや距離の調整ができる構造になっています。

今回ペダリングアナライザーを使ってレクチャーしていただくのは、ベックオン店長の金森さんです。

金森店長がこのシステムでフィッティングを行ったプロ選手の方々の写真が飾られていました。名選手ばかりです。

実験スタート!

今回ペダリングアナライザーを体験するのは、ビンディングシューズ&ペダルが人生初というなみこさん。フラットペダルとビンディングペダルを比較すべく、以下の条件で測定することにしました。

  • 1回目:スニーカー&フラットペダルで計測
  • 2回目:ビンディングシューズ&ビンディングペダル(SPD-SL)で計測
  • 3回目:ペダリングレクチャーを受けたのち、再度ビンディングシューズ&ペダルで計測

※負荷(ペダリングの重さ)は一定。自然なペダリングで計測。


それぞれのペダリング後に出力されるデータを見て、ペダリング効率や出力がどのように変化したかをチェックしていきます。

①まずはスニーカー&フラットペダルから

さあ、まずは普通のスニーカー&フラットペダルでチャレンジです。普段履いている靴でそのままペダリングしてもらいます。

約60秒間、黙々とペダリング。

マシンに接続されたディスプレイには、リアルタイムで出力やペダリング効率、左右バランスなどが表示されています。すごい!

データを見ているとペダリングに変化が出てしまうため、ディスプレイは見ずに漕いでもらいます。

②ビンディングシューズ&ペダルにスイッチ!「ペダリング、ラクな気がする…!?」

続いてはビンディングシューズ(SPD-SL)に履き替えてチャレンジです。

シマノシューズ RC3 ウイメンズを履いてのチャレンジです。インディゴブルーがオシャレ!

ペダリング、スタート!

「……なんかペダリングがラクな気がする!?」と、なみこさん。計測数値を待つことなく、体感としても差があるようです。

これは結果が楽しみですね。

果たしてどのような数字になったのでしょうか

スニーカー&フラットペダルとビンディングシューズ&ペダルの結果の差に、撮影陣含めて全員が注目……!

ビンディングシューズ&ペダルではペダリング効率・出力・左右バランスが向上

ビンディングシステムに人生初挑戦というなみこさん、最初の測定が無事終了しました。
ペダリングアナライザーの測定結果はこのようにデータで出力されます。

ビンディングシューズ&ペダルでの測定結果

ケイデンス(1分間のクランク回転数)や力の大きさ・方向・効率が可視化される
クランクの位置ごとに、どのくらいトルクがかかっているかわかる

ペダリング効率、ペダルへの荷重位置を可視化

以上のデータレポートが、スニーカーとビンディングシューズそれぞれで出力されました。今回注目したいのは3点。

  • ペダリング効率UP



    ペダリング効率は、スニーカーで37%、ビンディングシューズで42%という結果に。ビンディングシューズの使用で、5%UPです。
  • 出力(パワー)UP



    ワット数(W)と呼ばれるこの出力値は、トルク×ケイデンスで算出されます。パワーと言い換えることができるくらい、自転車を速く進ませるのには重要な数字です。
    スニーカーで71W、ビンディングシューズで78Wという結果に。ビンディングシューズの使用で、7W UPです。
  • 左右のペダリングバランスの向上


    左右のペダリングバランスは、スニーカーで 53 : 47。ビンディングシューズでは 51 : 49 に。ビンディングシューズ使用時では左右差が大幅に減るという結果になりました。


上記をまとめたグラフがこちら。

ケイデンスは初めてのビンディングで慣れていないこともありほぼ同じでしたが、出力とペダリング効率はともにアップしていることがわかります。負荷・ケイデンスが一定にもかかわらず、出力が向上し、ペダリング効率が上がったのは、ビンディングシューズ&ペダルの効果だと思われます。

③ペダリングレクチャー後にビンディングシューズ&ペダルで再度測定

スニーカーからビンディングシューズに替えるだけでペダリング効率と出力がアップすることを確認できましたが、さらに! 実際にペダリングをしながらレクチャーを受けることでより大きな効果が得られるとのこと。

「数字でも体感でも改善されてるのに、ここからさらに良くなる??」

と少々疑問に感じますが……

再びなみこさんがビンディングシューズでペダリング。

今回は解説データを見ながらのペダリングです。
リアルタイムでレポートをチェックできるので、身体の使い方の修正も即時に指示してもらえます。

金森さんが横につきながら、ペダリング解説やフォームのアドバイスを受けてのチャレンジ。なんて豪華!

「なみこさんの場合、ペダルが下に来たときに踏み込みすぎていますね」

「踏み込みというよりは『引く』イメージでペダリングしてください」

「モモを上げるイメージで、もう少し左足の引き足を意識するとさらに良くなります!」

金森さんによるシンプルながらも的確なアドバイスを受けて、いよいよ再測定。改めて60秒間、黙々とペダリングをしてもらいます。

気になるその結果は……

ケイデンス・出力・ペダリング効率、すべてUP!

  • ケイデンスUP


    まずはケイデンスの数字から見てみると……
    • (通常のスニーカー → 62rpm)
    • ビンディングシューズ → 61rpm
    • レクチャー後のビンディングシューズ → 81rpm

    通常のスニーカー→ビンディングシューズで数字が下がっているのは、初めてのビンディングシューズで回し方が分からなかったからと予想されます。それがレクチャー後には大幅アップ!
    ケイデンスが80rpmを越えるというのは、脱初心者と言っても過言ではないくらいの成果です。間違いなくロングライドやツーリングが楽になるはず。
  • 出力(パワー)UP


    続いて出力(パワー)の数字を比較してみると……
    • (通常のスニーカー → 71W)
    • ビンディングシューズ → 78W
    • レクチャー後のビンディングシューズ → 112W

    大幅な改善です!
    ワット数が大きくなると速度アップが期待できることから、レースやヒルクライムに挑戦する人はもちろん、週末のロングライドやツーリングをする人にとっても数字の改善は効果大です。
  • ペダリング効率UP


    最後にペダリング効率です。こちらも大きく改善されていますね!
    • (通常のスニーカー → 37%)
    • ビンディングシューズ → 42%
    • レクチャー後のビンディングシューズ → 49%

上記をまとめたグラフがこちら。

ケイデンスが一定ではないため単純な比較はできませんが、改めて数字で見てみるとレクチャー後の数字の改善ぶりがものすごいですね!

金森店長は結果をこのように分析しています。

「レクチャー前はフラットペダル時と同じ部位の筋肉しか使えておらず、力のベクトル自体は変わっていませんでした」
「そこでペダリングに対する筋肉、特に引き上げる動作、モモ上げなどを意識してもらった結果、数値の向上につながったと考えられます」

横でペダリングレクチャーのようすを見ていましたが、専門家によるアドバイスを「体験しながら」聞くというのは相当効果があるのだな!と思いました。

知識として知るだけであれば、雑誌や専門書、ブログにSNS等で勉強することもできますが、そう簡単ではないのがスポーツ自転車のペダリング。
何が良くて何がダメなのか、具体的なフォームをその場で把握しながら修正していける。直感的な習得体験は、想像以上の効果が得られるようです。私も受けてみたい!

ビンディングシューズ&ペダルでペダリング効率があがる、は本当だった

「ビンディングシューズ&ペダルでペダリング効率UP」は本当でした。

今回の実験では、

  • ビンディングシューズ&ペダルに替えるだけでも効果がある
  • 正しいペダリングで効果をさらに高めることができる

ということが確認できました。

筋力をつけたり心肺機能を強化することも自転車に乗る上で重要なことですが、この結果を見ているとまずはビンディングペダル&シューズを導入するところから始めるべし!とさえ言える気がしてきます。

ペダリング効率があがると長距離サイクリングもラクに。怪我の防止にも

ビンディングシューズ&ペダルを使う、さらに正しいペダリングを意識するとこで、ペダリング効率は大幅に向上することがわかりました。
ペダリング効率が向上すると、具体的にどんなメリットがあるのか?

金森店長に教えていただきました。

「ペダリング効率が良いとはつまり、同じ速度を出すときにより少ない力で済むということ。逆に言うと、少ない力で速度が出せることになりますね。」

それは大きなメリットですね。長距離サイクリングを嗜む私としても、この結果はとても興味深いです。ちなみにこんなことも教えてもらいました。

「ペダリング効率が良いと怪我の予防にも繋がります。無理な力を加えることがなくなるので、筋肉や関節へのダメージも軽減されるんです」

つまりビンディングシューズ&ペダルは長距離サイクリングがラクになるだけでなく、怪我の防止にも役立つと。メリットだらけです。

人生初のビンディングシューズ&ペダル経験だったなみこさん。シューズの履き方やペダルへの装着方法から教わるところからのスタートでしたが、嬉しそうに効果を実感していたのが印象的でした。

ビンディングシステムは、「もっと遠くまで」を叶えてくれる

今回の比較実験により、ビンディングシューズ&ペダルで正しいペダリングを行えば、体感でも数値上でもペダリング効率があがることが実証されました。
実際に自転車に乗る上では以下のようなメリットに繋がります。

ペダリング効率がアップ → 無駄な力がなくなる
ペダリング出力がアップ → より速く走ることができる

 ⇒⇒ 長距離や長時間の走行がよりラクになり、もっと遠くまで走ることができる!

初心者は経験者と比べてまだまだ体力面やスキル面では発展途上。ですがビンディングシューズ&ペダルを使うことで、もう一段階上のペダリングができるようになります。

より少ない力で、より速く、より遠くまで走ることができればそれだけで自転車ライフの幅がぐっと広がりますね! 今まで50kmしか走れなかったのが70km、100kmと距離が伸びていく。そんなワクワク感も提供してくれるのがビンディングシューズ&ペダルなのです!

ペダリングのアドバイスを受けて、ペダリング効率やワット数、ケイデンス が上がっていることに驚くなみこさん。

まとめ

今回紹介したようにビンディングシューズ&ペダルを使うこと自体は決してハードルは高くありません。一度でも使ってみると誰もが口を揃えて「良い!」と言うくらいコストパフォーマンスの高いカスタムの一つです。

「ビンディング、使ってみようかな……!」
そんなあなたのために、後編ではビンディングシステム導入への具体的な方法をガイドしていきます。

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Photos © 神楽坂つむり、SHIMANO
提供:シマノセールス株式会社

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