車 ヒューズボックス 電源 取り出し

ヒューズボックスの電源取り出し方法!向きやアンペアの注意点も解説

クルマを走らせるうえで「電気」は欠かせない要素になりました。ラジオやカーナビのような快適装備も増え、スマートフォンやタブレット端末の利用率も上がっています。そこで問題となってくるのが電源の確保。もはやシガーソケット1口では足りないのです。

電力供給を解決する手段として、ヒューズから電気を分配する「ヒューズ電源」というアイテムがあります。車両に備え付けられたヒューズと取り替えるだけで電力を取り出せますが、間違った使い方をするとトラブルの原因にもなります。

今回はヒューズの役割とヒューズ電源の使い方を紹介します。

ヒューズボックスから電源を取り出すための基礎知識5つ

ヒューズボックス
すべてのクルマに備えられているヒューズボックス。この中には電装品を保護するヒューズが備えられています。

ETCやカーナビ、ドライブレコーダー、レーダー探知機、スマートフォンやタブレット端末を充電するためのUSB電源など、現代のクルマはさまざまな電装品が搭載されています。これらの電源はシガーソケットから取り出すこともできますが、大きなアダプターや太い配線で車内が溢れてしまいます。

よく考えると一つひとつの電装品はそれほど多くの電力を使いません。ならば、ほかの電装品から電気を分配して分けてもらえば良いのではないか?そういった考えから生まれたのが、ヒューズから電気を分配する「ヒューズ電源」というアイテムです。

➀ヒューズとは?

ヒューズは電源と電装品との間に設けられるもので、それ自体は回路上に設けられた細い配線です。ではヒューズが何故存在するのか? 

ヒューズは想定以上の電流が流れた時に、電気を遮断する安全装置としての役割があるのです!

ヒューズボックス

これがヒューズボックス内に備えられているヒューズ。指定のアンペア数を超えた電気が流れると、中央の細い線が焼き切れる仕組み。

中の細い線が焼ききれる

たとえば、ウインカーやカーエアコンなどの電装品がショートしたとします。すると、勢いよく電流が流れて最終的には配線のどこかが焼き切れます。「クルマに張り巡らされた配線のどこかが焼き切れました」となると、焼き切れた配線1本を交換するだけで非常に大がかりな作業が必要になってしまいます。

そこで、配線よりも先にヒューズが焼き切れることで電流を遮断し、後の交換作業を容易にしたものがヒューズなのです。

②ヒューズの形状は平型・ミニ平型・低背(ていはい)の3種類


ヒューズは3種類


ヒューズ

Image:エーモン

クルマで使用されるヒューズは主に3種類。基本的な形状、使用できるアンペア数は同じですが、大きさが異なっています。

「平型」は古い車種に使われていたもので、クルマの電装品で使われるヒューズの中では比較的大きなもの。足のように突き出た端子が特徴的で、輸入車では今でも使用されています。

「ミニ平型」は平型を小型化したもの。現在の国産車でも使用される例が見られます。

「低背」はミニ平型をさらに小型化したもので、上記の2つより端子がかなり短くなっています。現在多くの日本車で採用されているヒューズがこの低背型となっています。

ヒューズの小型化はヒューズボックスの小型化にも繋がるため、これからは低背型やそれに代わるヒューズの採用例が増えると思われます。

➂ヒューズにはアンペア(電流)がある


エーモンのヒューズ電源

ヒューズにはアンペアがある

Image:エーモン

ヒューズは、安全装置として焼き切れる太さに調整されています。この焼き切れる基準というのが電流の大きさ=アンペア数になります。

アンペア数は、自動車のバッテリー電圧(12Vもしくは24V)と、使用する電装品の最大消費電力から求めることができます。

W(ワット 電力)÷ V(ボルト 電圧)= A(アンペア 電流)

仮に12Vで動く最大消費電力60Wの電装品があったとすると、60W÷12V=5Aが使用時に流れる電流=アンペア数となります。通常の使用でヒューズが切れては困りますので、実際には使用時に流れる電流より少し余裕を持たせた7.5Aや10A程度のものを選ぶ形です。

上記のヒューズ形状にもよりますが、エーモンのヒューズ電源は5A・7.5A・10A・15A・20Aがあるので、間違えないように注意しましょう。配線がアンペア数で色分けされいるので分かりやすいですが、先に紹介した10Aは赤色で15Aは水色になっています。

④ヒューズ電源には使用可能電力がある

ヒューズ電源はヒューズボックスから電源が取り出せる便利なアイテムですが、使用可能な電流と電力が決まっています。

たとえば、10Aのヒューズと差し替えて使うエーモン製品の仕様は以下のとおりです。

  • 電流5Aまで
  • 電力は60W(DC12V車)/120W(DC24V車)まで

「10Aと交換するので10Aまで使えるのでは?」と思ってしまいますが、「10Aヒューズからは5Aの電源が取れる」ことになります。これは、電源ヒューズに内蔵の管ヒューズが備えられているためです(白い筒状の部分)。

5A以上の電流が流れるとこの管ヒューズが切れるので、そこから先の反対側(メスのギボシ)に接続した電装品が保護できるのです。

⑤フリータイプのヒューズ電源もある

フリータイプのヒューズ電源のメリットは、ヒューズの形状さえ合っていれば5~20Aまで対応できること。電源を取り出す側のヒューズに関しても、車両に備え付けられていた純正のヒューズや市販のヒューズがそのまま流用できます。

また通常のヒューズ電源は電源を取り出す側のヒューズに配線がはんだ付けされているため、このヒューズが切れた場合はヒューズ電源一式を交換する必要がありましたが、フリータイプはヒューズだけの交換で済みます。

唯一のデメリットといえば、ヒューズボックス内で場所を取ってしまうことです。

ヒューズボックス電源取り出し手順は3ステップ

ヒューズボックス

ヒューズの仕組みなどを理解したところで、実際にヒューズボックスを確認してヒューズ電源を取り出す工程を説明したいと思います。

工程としては大きく分けて3ステップあり、使用する道具や注意点なども併せて解説していきます。

➀ヒューズボックスの場所を確認

ヒューズボックスは主に車内とエンジンルームの2か所にあります。増設する電装品の設置場所に近いヒューズボックスから取ると良いでしょう。


ヒューズボックス

車内のヒューズボックス例

ヒューズボックス

エンジンルームのヒューズボックス例

車内のヒューズボックスは運転席の足元付近、もしくはダッシュボードや助手席のグローブボックス付近に設置されています。「FUSE」の文字を目印にして探し、見つけられない場合は車両の取扱説明書からヒューズボックスの場所を確認しましょう。車種によっては内張りでヒューズボックスを隠している場合もあるので、内張り剥がしを用意しておくと便利です。

②電源を取り出すヒューズを探す

ヒューズボックスが確認できたら、ヒューズボックスのカバーなどに記載されているヒューズの配置図を見ながら、電源を取り出すヒューズを探していきます。そのヒューズがどの電装品に繋がっているかが記載されているので、電源を取り出す際の判断基準にしましょう。

クルマの電源回路を大きく分けると「常時電源」「アクセサリー電源」「イグニッション電源」の3系統があります。アクセサリーとイグニッションは、エンジンが回っている=オルタネーターが発電している時に動く電装品で、アクセサリー電源は「車両の走行には影響しない電装品」という位置付けでもあります。

3つのうちどこから電源を取り出すかは、取り付ける電装品によって異なります。たとえば、ドライブレコーダーやETCなどはアクセサリー電源に繋ぐのが一般的なので、ヒューズボックス内のアクセサリー電源を探す必要があります。

そこで便利なのが「検電テスター」です。これを使うことで必要な電源を簡単に調べることができます。

検電テスターの使い方

ヒューズの上部には穴が2つあり、端子部分に触れられるようになっています。この部分にテスターの針を当てて、電気が流れているかどうかをチェックします。
検電テスターは電気が流れると、LEDが光ることで通電していることを知らせてくれる仕組みになっており、同時にブザー音が出る製品もあります。検電テスターの端子は針になったプラス極と、ワニ口クリップの付いたマイナス極になっており、針側はヒューズに当て、ワニ口側はボディーアースに接続します。

ボディーアースは塗装されていない金属部分であれば、どこに接続しても構いません。車内の前席足元にヒューズボックスがある場合であれば、ドアヒンジ固定用のボルトにワニ口を噛ませるのが位置的にも近くて確実性も高いでしょう。

では検電テスターを使って「アクセサリー電源」「常時電源」「イグニッション電源」を探す方法をご紹介します。

アクセサリー(ACC)電源の調べ方

アクセサリー電源として取れるヒューズの代表が「シガーソケット(アクセサリーソケット)」や「ACC」です。ほかにも「ラジオ」「オーディオ」関係のヒューズも該当します。

検電テスターを使ってアクセサリー電源を探す方法

  1. キーを挿さない or エンジンスタートボタンを押していない状態で始める
  2. 上記の状態で検電テスターを当てて、反応する=常時電源系統のヒューズと判断して除外する
  3. キーをアクセサリー位置 or ブレーキを踏まずにエンジンスタートボタンを1回押して、アクセサリー状態にする
  4. アクセサリー状態で検電テスターが反応するヒューズをアクセサリー電源系統と判断

常時電源の調べ方

常時電源はエンジン停止状態で、バッテリーからの電力供給を受けている電装品に使われます。具体的な例でいえば、ハザードのヒューズが該当します。

ハザードはウィンカーを点滅させる単純な仕組みで、配線自体も太目なのでヒューズ電源取り出しにオススメ。そのほかの常時電源に当たるものとしては「ルームランプ」「スライドドアクローザー」「ラゲッジクローザー」などがあります。

一方で、常時電源でも取り出しに不向きなのが「ECU」などの制御ユニット系に繋がっているヒューズです。安定した電力供給が必要な電装品なので、ヒューズ電源を繋いで電力を奪うとトラブルの原因になる可能性があります。万が一ヒューズが切れても車の走行に影響の出ないヒューズを選びましょう。

検電テスターを使って常時電源を探す方法

  1. キーを挿さない or エンジンスタートボタンを押していない状態であること
  2. 上記の状態で検電テスターを当てて反応したら常時電源系統のヒューズと判断

イグニッション電源の調べ方

イグニッション電源の役割はほぼアクセサリー電源と同じです。つまりエンジンが回っていて、オルタネーターによる発電が行われている事を前提としており、エンジン停止状態で長時間使う事は想定していません。イグニッション電源は「走行時に必要となる電装品」という位置付けで、消費電力も大きな電装品であることが多いです。

イグニッション電源で動くものとしては「ワイパー」「ウォッシャー」「エアコン」などが該当します。ヒューズ電源の取り出しとしては「ウォッシャー」辺りから取るのがオススメです。ただイグニッション電源は走行に必要な電装品という位置付けなので、直接電源を取り出すのではなく、リレーの信号線として使うのが良いでしょう。

検電テスターを使ってイグニッション電源を探す方法

  1. キーを挿さない or エンジンスタートボタンを押していない状態で始める
  2. 上記の状態で検電テスターを当てて反応したら、常時電源系統のヒューズと判断し除外する
  3. キーをアクセサリー位置 or ブレーキを踏まずにエンジンスタートボタンを1回押して、アクセサリー状態にする
  4. アクセサリー状態で反応するようになったヒューズをアクセサリー電源系統と判断し除外する
  5. キーをイグニッション or ブレーキを踏まずにエンジンスタートボタンを2回押して、イグニッション状態にする
  6. イグニッション状態で反応するヒューズをイグニッション電源系統と判断

➂ヒューズ電源と挿し替える

目当てのヒューズを探し当てたら、ヒューズ電源との差し替えになるわけですが、2つの注意点があります。

  • ヒューズ電源には差し込む向きがあるので注意
  • ヒューズ電源のコードが付いたツメが電源側端子になるように差し込む

まずヒューズボックスのヒューズを抜いたら、ヒューズボックス側の端子に検電テスターを当てて「どちらがバッテリー側」かを判断しましょう。バッテリー側であれば、検電テスターを当てた際に反応があります。

次に電源ヒューズの分配コードが付いた側がバッテリー側端子に来るように差し込みます。通常のヒューズには極性や向きという考えはありませんが、ヒューズ電源には向きがあります。

これは元あるヒューズの上流から電源を取るか、下流から電源を取るかの話です。ヒューズより上流であれば、それぞれのヒューズに電流が分かれます。下流だと元あるヒューズの電装品と増設された電装品2つが繋がっている状態になり、2つ分の電流が流れた際に元のヒューズが切れる可能性があります。

最後にヒューズ電源を挿し込んで、取り外したヒューズはグローブボックスなど車内で保管しておきましょう。ヒューズが切れたときにその場で交換するためです。

ヒューズボックスから電源を取り出してシガーソケット増設も可能

シガーソケット

ポータブルタイプのカーナビをはじめ、ドライブレコーダーやレーダー探知機など、シガーソケットを使う電装品が増えています。

シガーソケットは運転席付近に1つあるのが一般的で、ソケットの口を増設するアダプターはあるものの、シガーソケット1系統から取り出せるのは120~180W(10A~15A)程度。接続する電装品が増えてくると足りなくなってきます。

そこでヒューズ電源を使ってシガーソケットそのものを増設するという方法があります。

ヒューズ電源と同じ構造をした2つの連結ヒューズを持った増設用シガーソケットです。ドライブレコーダー、カーナビ、車載用空気清浄機、レーダー探知機などの設置に使えます。

ヒューズボックスに差し込むヒューズは、低背、ミニ平型、平型と3種類用意されており、増設用の管ヒューズに付け替えるだけでさまざまな車種に対応しています。シガーソケットもプラグロック機構付きで、走行中の振動による脱落を防止。コードの長さも2mあり、後部座席にソケットの口を移植することもできるでしょう。

増設したシガーソケットから取り出せる電力は60Wまで。12V用の管ヒューズ5Aが付いていますが、24V車使用時には2.5A以下の物に付け替える必要があります。

  • 出力:60Wまで
  • 対応電圧:12V/ 24V
  • ポート数:1ポート
  • 交換ヒューズ:15A(平型・ミニ平型・低背に対応)
  • 参考価格:999円(税込/Amazon価格・執筆時点)

こちらはソケットの口が2連式になっているタイプです。

3種類のヒューズが付いていますが、配線と分離、接続ができる形状をしており極性のマークがある専用のヒューズとなっています。取り出せる出力は7Aで、12Vなら84Wまでとなります。配線の長さは電源線が80cm、ボディーアース線が60cmなので、前席周辺での仕様が前提。本体固定には両面テープを使い、張り付けて固定できます。

シガーソケットの口にプラグ抜け防止のリングがあり、走行中の振動にも対応しています。

  • 出力:7A
  • 対応電圧:12V/24V
  • ポート数:2ポート
  • 交換ヒューズ:15A(平型・ミニ平型・低背に対応)
  • 参考価格:1,305円(税込/Amazon価格・執筆時点)

ヒューズボックスからUSB電源を取り出す方法

USB電源

スマートフォンやタブレット端末の充電に使うUSB電源。同乗者はもちろん、ドライバーもスマートフォンをカーナビアプリを起動して使うというケースも増えています。

このUSB電源もヒューズ電源と電圧変換を兼ねた「USB電源ポート」を使って増設できます。

冒頭で紹介したヒューズ電源を使うことで、USB電源ポートを設置できる製品です。ギボシ端子が最初から取り付けられており、ヒューズ電源のギボシ端子と接続が可能。クワ型端子は、ボディアースが取れるボルトに共締めします。

コードは1mあるので、運転席周りの使いやすい場所に設置するのがオススメです。USBの最大出力12Vから5Vに変換され、5V×2.1Aの10.5W出力に対応。本体に流れる消費電流は1A未満になっています。

取り付けは両面テープを使った貼り付けで固定。USB端子はスマートフォンやタブレット端末の充電にのみ対応しており、通信線としては使えない構造となっています。

  • 出力:2.1A
  • 対応電圧:12V
  • ポート数:1
  • 参考価格:808円(税込/Amazon価格・執筆時点)

先述のUSBポートを2つに増設したタイプです。

使用方法も同じで、ヒューズ電源に取り付けられたギボシ端子とUSBポート側のギボシ端子を接続し、クワ型端子をボディアースが取れるボルトに共締めするだけです。

最大出力が2ポート合わせて4.8Aとなっていますので、2台の端末を12Wの高速充電が同時に可能。本体へ流れる消費電流は1.5Aです。またUSBポートの口には防塵キャップ付きで、ホコリの付着を防ぎます。

取り付けは両面テープによる貼り付け方式。1mのコードで届く範囲から考えれば前席からセンターコンソール付近に取り付けるのがオススメです。USBポートは端末充電専用で、通信機能はありません。

  • 出力:4.8(2ポート合計)
  • 対応電圧:12V
  • ポート数:2
  • 参考価格:1,500円(税込/Amazon価格・執筆時点)

作業や配線処理に便利なエーモン製品

配線処理

ヒューズ電源を使って新たな配線を引っ張り出したということは、そのままだと配線が剥き出しに。見た目が悪いだけでなく、乗り降りの際に引っ掻けたり走行中の振動などで、配線やギボシ端子が外れてしまうことも考えられます。

ヒューズボックスから電源を取り出す際は、配線の見た目も良くしておきましょう。配線をキレイに固定するには、以下のようなアイテムが活躍します。

  • 全長:100 mm
  • 最大結束径:φ 22
  • 入数:120 本
  • 参考価格:268円(税込/Amazon価格・執筆時点)
  • サイズ:8.0 × 15.5 mm
  • 取り付け:両面テープ付き
  • 参考価格:408円(税込/Amazon価格・執筆時点)
  • サイズ:全長約 210 mm
  • 材質:キズを付けにくいソフトタイプ
  • 参考価格:398円(税込/Amazon価格・執筆時点)
  • サイズ:全長約 100 cm
  • 材質:形状を自由に変えられるフレックス素材
  • 参考価格:798円(税込/Amazon価格・執筆時点)
  • サイズ:3 φ (内径) × 2 m
  • 材質:ポリプロピレン(難燃性)・RoHS対応
  • 特徴:軽量、フレキシブル、配線コードを収納しやすいスリット加工
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  • サイズ:19 mm × 約 25 m 厚さ 0.11 mm
  • 使用可能温度範囲:0~80 度
  • 参考価格:447円(税込/Amazon価格・執筆時点)

ヒューズボックスから電源を取り出すときの注意点

ヒューズボックスの空きスペースは使わないほうがいい?

ヒューズボックスには使用されていない「空きスペース」があります。

ヒューズボックス自体がほかの車種と共有部品であったり、グレードによるオプションの違いがあったりなどの理由で、「このクルマでは使いませんでした」という状態で空きスペースとなっています。

理論上は「電源が来ている限りヒューズを繋げば電源を取り出すことは可能」で、電圧もサーキットテスターを使えば測定できます。常時電源、アクセサリー電源、イグニッション電源かも分かります。

しかし、その空きスペースには何が接続される予定であったのか?残念ながらヒューズボックスの蓋などには記載はなく、元のヒューズのアンペア数も分かりません。さらにいえば、そこに使われている配線の太さも不明です。

ヒューズというのは配線が焼き切れる前に切れる=配線より細くなければ意味が無いので、配線の太さが分からないことにはヒューズの太さも決められません。そのため、空きスペースに電源が来ていたとしても適切なヒューズを選ぶことができないのです。ヒューズボックスの空きスペースは、使わない方が無難といえます。

ヒューズボックスから複数電源を取り出しても大丈夫?

ヒューズボックスから取り出せる電力には限界があり、使用できるヒューズ電源にも限りがあります。

元はバッテリーから1本で伸びている配線があり、そこから分岐してヒューズボックスなどを通って各種電装品へ電力が分配されています。このバッテリーからヒューズボックスの間に、ヒュージブルリンクという100Aクラスの大きなヒューズがあり、太いハーネスの焼損を防いでいます。言い換えればヒュージブルリンクのアンペア数を超えるほどの電流は、車両火災に繋がる可能性があります。

以上のことから「安易にヒューズ電源を多用するのは良くない」となります。総消費電力が大きくなることが明確な場合は、配線とヒューズの太さを計算し、バッテリーと直接接続して新たな回路を構築するのが良いでしょう。

まとめ

ヒューズ電源はバッテリーまでの新しい回路を作ることなく、電源を増設できる便利な道具です。

しかし実際に使用するには多くの注意点があり、正しく使わないとヒューズ切れによるトラブルにも繋がります。ヒューズがどの様な役割をしているか、回路図上ではどの様な配線になっているか、という点を考えた上で使用することが重要です。

ヒューズ電源を使えば無限に電装品を増設できるわけではなく、あくまでも小規模な電力の取り出しに留めることを意識して使いましょう。

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WRITTEN BYamarunba

1987年生まれ。養成学校卒業後、一級自動車整備士としてディーラーに勤務。病気を理由にディーラー退職後は、稲作をしながら2015年よりフリーライターとして活動を開始。自動車関連以外では趣味であるクワガタの採集と育成、PCゲームおよびゲーミングPC関連の記事も執筆中。

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