100日以上旅した人が教える!初心者も楽しめる自転車旅行のいろは
こんにちは!僕は現在大学生。これまでに自転車で北海道一周や日本縦断、さらにはベトナム縦断などを達成してきました。その距離約2万km(地球半周分)、日数にして150日以上!そんな僕が「自転車旅をしてみたいけど、どうすればいいか分からなくて不安」という方向けに、日本で自転車旅をする方法や魅力をご紹介いたします。
目次
自転車旅とは
旅について、大辞泉には「住んでいる所を離れて、よその土地を訪ねること。旅行。」と書いてあります。つまり、家から出て見知らぬ土地にいくこと自体が旅だということです。
自分のお気に入りの自転車とともに出かけるなら、それはもう立派な自転車旅。自転車での旅といえば、パンクなどのトラブルが起きたり過酷だったりするイメージがありますよね。もちろんそれも旅の醍醐味ではありますが、決してハードルの高いものではありません。
自転車日本一周経験者などに話をきくと、皆こう言います。「自分はなにもすごいことはしていない。誰でもできる簡単なことをしてただけ」と。体力がなくたって10kmも走ればそこは見知らぬ土地でしょう。どこにどんな景色が待っているのか、それを楽しんでいる人を旅人というのです。
自転車旅に必要な期間
日帰り
前述の通り、旅は数時間でだってすることができます。朝に出発してランチを楽しみ、夕方ごろ家に帰ってくるだけでも、自分の知らない世界を見て、感じて、充分な満足感を得られるでしょう。
1泊2日~2泊3日
大学生でもなければなかなか長期間休むことは難しいでしょうから、1泊2日~2泊3日で旅をすることが一般的になるかと思います。実はこれがオススメで、気軽に旅の達成感を得ることができますし、程よい疲労感が得られてストレス発散や気分転換になります。
それ以上
中には2泊程度では飽き足らず、日本一周や世界一周に旅立つ人もいます。自分の力で大陸を制覇し、未知の世界を見て回る。ロマンがありますね。
自転車旅のルートの決め方
自転車旅とは自由なものです。何km走るか、いつ休憩するかはすべて自分次第。ふと行きたいところがみつかれば、立ち寄ることができます。時刻表のある電車では難しいことも、自転車ならできてしまうのです。この自由さは、自転車旅最大の魅力だと言ってよいでしょう。
また、電車やバスなどを利用して”輪行”すれば、同じ期間でもより遠くに行けるようになります。行きは自走で帰りは輪行するなど、自由自在に楽しむことができます。
あてのない旅も良いですが、自転車で旅をするときは何か目的を決めることをオススメします。綺麗な景色を見に行く!美味しいものを食べる!など何でもよいのです。ちなみに僕は、自転車でおばあちゃんに会いに行ったことがあります。いつもは車で通っていた道を自転車で走るワクワク感はたまりませんでした。
はじめに”ゴール”を決める
ルートの決め方としてはまずその日のゴールを決めましょう。つまり宿泊地です。
次に途中の行きたいスポットも見つけて下さい。宿泊地につくことだけが目的になってしまうと旅がなんとも味気ないものとなってしまいます。おしゃれなカフェなどでは補給もできて一石二鳥です。
キャンプする場合
まずキャンプ場または野宿する場所を探します。移動距離100kmを目安にするとよいでしょう。冬期閉鎖しているキャンプ場もあるので、事前に調べておく必要があります。同時にキャンプ場近くのスーパーマーケットやコンビニも調べておきましょう。家から夕食用の食料を持っていくのは大変ですから、現地調達がおすすめです。近くに温泉があるとなおよし!
自転車旅のおすすめはキャンプ。旅感が増し、1人で過ごす時間が多くなって、その日あったことを振り返る余裕が生まれます。快適とは言えない環境で過ごすことにより、日々の生活のありがたさを再認識できるでしょう。また、1日中外にいることになり、自然と一体化した感覚を味わえます。
ホテル泊する場合
「ホテルを予約してしまって、そこまでたどり着けなかったらどうしよう」と不安になることもあるかと思います。しかし、スマホでも予約はできますし、当日でも十分に予約できることがほとんどですので、到着の目途が着いてから予約してもよいでしょう。
ホテル泊のメリットは、部屋に荷物を置いておけるので、周辺を観光しやすいこと。走行距離は少し抑えめにして、観光の時間を多くとることをオススメします。
例えば東京駅スタートで自転車旅プラン
一泊二日でどんな旅ができるのか。東京駅からスタートする自転車旅のモデルプランを考えてみました。
1日目 東京駅→柏→清水公園キャンプ場(約65㎞)
柏では野菜レストランSHONANさんで休憩!バイクラックが設置されているサイクリストに優しいお店です。テラス席もあり、愛車の盗難リスクを減らすことができます。
LINK:農家直営 野菜レストランSHONAN
柏からは手賀沼サイクリングロードと江戸川サイクリングロードを走って、千葉県野田市の清水公園キャンプ場へ。
ベイシア野田さくらの里店が間近にあるので好都合ですね。
2日目 清水公園キャンプ場→大宮→東京駅(80㎞)
大宮公園で休憩。時期によってはサクラも見られる風光明媚な公園です。
大宮公園からは荒川サイクリングロードを通って東京駅へ。
いつかは走ってみたい!自転車旅におすすめの国内スポット16選
こちらの記事でおすすめのサイクリングスポットを紹介しています。併せてご参考にしてください。
自転車旅に必要な費用
食費
装備を揃えてしまえば、自転車旅にかかる費用で大きなウエイトを占めるのが食費。キャンプしながら旅する場合は、ほとんどが食費と言っても過言ではないでしょう。それゆえ食事は重要。1日2,000円は見ておきたいですね。ご当地グルメを積極的に食べて予算をオーバーする日があったとしても、その価値はあると思います。
1日に100kmも走れば疲労し、免疫力は低下します。風邪をひいてしまっては旅が辛いものとなりますので、栄養補給はけちりたくないところです。
入浴費
キャンプする場合、注意したいのがお風呂。キャンプ場近くに銭湯がないこともあるので、毎日お風呂に入れるとは限りません。そんなときは、濡れタオルやボディーシートで拭くだけになります。
銭湯があれば600円程度で入浴できます。また無料の温泉というのも意外にあるものです。無料温泉巡りというのも楽しいかもしれません。
宿泊費
キャンプ場代もしくはホテル代です。キャンプ場も意外に無料のところがあります。ホテルの場合、県庁所在地や大きな観光地では比較的安く泊まれますが、場所によっては選択肢がなかったり料金が高いこともあるため注意が必要です。また、朝のエネルギー補給は一日の中で最も重要なので、ホテルに泊まるときは朝食付きをオススメします。
観光費
博物館の入館料や庭園の入園料など。行きたいところは事前に調べておきましょう。とはいえ、ふらっと思い付きで寄ってみることができるのが自転車旅のよさでもあります。
交通費(輪行)
輪行する予定がない場合は必要ないでしょう。ただもしものとき必要になるかもしれません。フェリーは輪行袋に入れる面倒がなく便利です。
参考までに僕が27日間で北海道一周をしたとき掛かった費用は、交通費などすべて込みで6万円程でした。
自転車旅の魅力
ご当地グルメ
僕にとって、自転車旅のもっとも大きな楽しみのひとつ。新鮮な海の幸やその地域ならではの料理を食べるのは、地元の人びとの食生活を肌で感じたり、新たな刺激を受けたりできる、それはそれは楽しいひとときです。
日本は絶景の宝庫
四方を海に囲われた島国であり、自然に恵まれた日本では、至るところに四季折々の絶景が堪能できるスポットがあります。
青い空に白い雲、それを貫く山脈。一面の稲穂。ちょっと走ればまたちがう景色を見せてくれる……
これを見ずしてこの世を去っていいのだろうかーそう思わずにはいられません。
都市間の距離感がちょうどいい(ホテル泊しやすい)
自転車で100㎞も走れば隣の県に入り、違う雰囲気を感じることができます。
例えば東京から100㎞進むと宇都宮まで行けます。東京では食べられない餃子を食べられますし、さらに70㎞走れば水戸まで行けます。次から次へと情緒が変り、感性が追いつかないほどです。
人に優しくなれる
旅をしているとありがたいことに応援していただくことがあります。自分がしたいことをしているだけなのに「ガンバって!」と声をかけられたり、ときにはごはんをご馳走していただいたり。見返りを求めないその優しさに救われ、自分がもらった優しさを誰かに繋げていきたい、と僕は自然に思いました。どんな形であれ人の力とは絶大で、自分も誰かの力になれるのかもしれません。
出会い
応援してくださる方々との出会いはもちろん、旅中はさまざまな出会いがあります。中でも同じ旅人との出会いは、特に楽しいものです。その日初めて会った人と一緒にごはんを食べながら旅の情報交換をして、新たな価値観に出会うことができます。旅から帰ったあとも連絡を取る仲間もできるかもしれません。出身地の大阪から遠く離れた北海道で、同じ中学校の先輩と出会ったりもしました。
自転車旅の注意点
ハンガーノック
ガソリンがないと車が走らないように、ごはんを食べなければ自転車は走りません。朝・昼・晩の3回に分けて食事をすることにこだわらず、お腹がすく前に少しずつ食べるようにしましょう。辺りに何もないところでハンガーノックになっては危険ですので、非常食に吸収の早いゼリー飲料を用意しておくとよいでしょう。
▶ハンガーノックについてはこちらの記事が参考になります。
水分補給
言うまでもなく、水分補給を怠ると危険です。水を飲むだけでは失われたミネラルを補給できず、自発的脱水*という状態に陥ってしまうこともあります。汗をかいたときは、スポーツドリンクを飲むことをオススメします。また、スポーツドリンクには糖質も含まれていますので、エネルギー源にもなります。
*水を飲んでも体の水分量が十分には回復しない状態。
楽しいことだけではない
自転車旅はご当地グルメや出会いなどの楽しいことだけではありません。楽しいと思えることなんて時間にするとほんの少しで、坂や雨など過酷な状況の中走っていることがほとんどだったりします。「なんで自分はこんなことをしているのだろうか」と考えることもありました。それをどう受け止め、どう対処するのかを考えることが旅の本質ではないかと僕は思います。どんな辛いことも、その先にある達成感や美しい景色をより輝かせてくれるでしょう。
あくまでこれは僕の現時点の考えです。ぜひ貴方自身が旅して感じて見てください。
まとめ
自転車旅についていろいろと綴ってきましたがいかがだったでしょうか。自転車旅とは自由なものであり、今回ご紹介した内容は、ほんの一例に過ぎません。皆さんの感性のままに自転車ライフを楽しんでくださいね。
▶後編では、自転車旅に必要な装備をご紹介しています。