【元自転車屋が教える】ハンドルの種類:フラットバー・ドロップハンドルの特徴とは?調節・交換方法の手引き
【2021年9月更新】ロードバイクのグリンと下に曲がったドロップハンドルと、ママチャリのようなシティサイクルやMTB・クロスバイクなどに付けられた、まっすぐなフラットバーハンドル。意外に知られていないこれらのハンドルの違い、ご存じですか??
「え?単に見た目が違うだけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ハンドルの形状はそれぞれに異なる機能と、シチュエーションの向き不向きがあります。その違いを知れば、あなたの愛車がもっと乗りやすくなるかもしれません。
今回は、各ハンドルの種類やそれぞれのメリットとデメリットを解説し、最後にフラットバーの簡単なカスタム方法をお伝えします。
フラットバーの特徴
MTBやクロスバイクなどに取り付けられることが多いフラットバーハンドル。今持っている自転車のハンドルがこれ、という方も多いのではないでしょうか。
そんなフラットバーはどのような特徴を持つのでしょうか?
メリット
- 低速での操作性に優れる
フラットバーは、急ブレーキや急ハンドルなどの操作性に優れる。 - 視界が広い
ドロップハンドルに比べて上半身が上がるフラットバー。視界が広くなりやすいので、安全な走行を助けます。
デメリット
- 長時間の走行には向かない
フラットバーは握る場所で同じ姿勢になりやすいので、長時間走行していると疲れやすいです。 - 高速走行には向かない
乗車中は上半身が上がりやすいので、空気抵抗が増えてしまいます。そのため、高速で走るのには向きません。
上記をまとめると「オフロードや街中での比較的低速な走行、短距離向き」なのがフラットバー。オフロード用のMTBや、街中を走るために作られたクロスバイクなどは、完成車の場合、フラットバーを採用している自転車が多いと思います。それには上記のような理由があったのです。
ハンドルは単に見た目だけの問題ではなく、機能にも大きな影響を与えます。登山をするのにサンダルを履いていきませんよね。それと同じで、ハンドルにもそれぞれ得意なシチュエーションがあるので用途に合ったものを選ぶと良いでしょう。
ドロップハンドルの特徴
主にロードバイクやミニベロなどに付いているクイッと下向きに半円を描いたようなハンドル。これをドロップハンドルと呼びます。このかっこいいハンドルは、どのような特徴を持つものなのでしょうか?
メリット
- 長時間の走行でも疲れづらい
ドロップハンドルはバーの上部、湾曲部、下部を握ることで様々なポジション取りが可能です。様々な姿勢で乗ることができるため、上半身への負担が少なく、長時間の走行でも疲れづらいと言われています。 - 高速走行に向いている
前傾姿勢を取りやすいので、空気抵抗を減らすことができ、高速走行に向いています。
デメリット
- 操作に慣れが必要
シティサイクルなどとはハンドル形状が違うため、乗り慣れていない方には操作しづらい点に注意が必要です。 - 低速の走行がしづらい
フラットバーは低速の操作性に優れると先ほど説明しました。それに対し、ドロップハンドルは低速での安定した取り回しがしづらく、フラフラしてしまうことがあります。
>> ドロップハンドルのメリットって? 交換手順は? プロがしっかり解説しています!
「パイプカット」をしてみませんか?そのメリット
もしあなたがフラットバーを選ぶのなら、おすすめしたいカスタムがあります。
それが「パイプカット」という作業。
乗る人のサイズに合わせてハンドルを切断し、長さを調節するという簡単なカスタムなのですが、乗り心地がぐっと向上するんです。
新車を購入した時に付いてくるフラットバーの自転車はハンドルが長めに作られていることが多く、そのまま乗ってしまうと肩幅が狭い人は腕を開いて握るような格好になるため、余計な体力を使ってしまいます。手の位置を広くして腕立て伏せをすると、肩幅で行うより疲れるのと同じ原理です。
必要なもの
- パイプカッター
- 紙ヤスリ
- 油性のサインペン
- アーレンキー
これらのものは100円ショップでも手に入れることができます。今回ピックアップした、精度がより高い工具を持っておくと、作業がしやすくなるのでおすすめです。
やり方
- アーレンキーでハンドルのネジを緩める
- ハンドルレバーとグリップをハンドルから外す
- 自転車にまたがり、前ならえをする
- そのまま手を下ろし、ハンドルに小指を当てる
- 小指が当たった箇所から、こぶし一個分(この場合、ひと差し指から小指まで)外側に油性ペンで印をつける
- 印をつけた箇所にパイプカッターを当て、切断する
- 切断が終わったら、切断面にヤスリをかける
- ハンドルレバーとグリップを付け直して終了
ハンドルは一度切断してしまうとやり直しがきかないので、不安な方はお店に任せるか、少し長めに、こぶし一個分+指二本分の長さでまずは試してみると良いでしょう。
まとめ:ハンドルの交換はまずお店に相談を!
この記事を読んで、フラットバーからドロップハンドルへと付け替えたい!と考えられた方もいらっしゃると思います。しかし、ドロップバーからフラットバーへ、また逆の場合でも、両ハンドル間でブレーキやシフターの仕組みが違うため、交換には専門の知識が必要です。
もし交換を希望される時は、自転車を買ったお店や、近くの自転車屋さんで相談をしてみましょう。きっと乗りやすい自転車にカスタムしてくれることでしょう。
>> ドロップハンドルの交換をお店で頼むと? 必要なものと費用
ハンドルひとつで自転車は乗り心地が変わるものです。長さや角度など様々なものが選べますので、ご興味を持たれた方は、ぜひ大きな自転車屋さんでチェックしてみてください。ちなみに、Amazonにも様々な商品があります。
同じZOOMのAL-153よりハンドルの上がり幅が大きいモデル。
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WRITTEN BYスズキ ガク
1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI」