突然ですが、チェーンのメンテナンスはしていますか?「はい」と答えることが出来た方、素晴らしいです。「いいえ」と答えられた方も「いずれしなければならならないとは思ってるんだけど…」と考えたことはあるはず。

それでは「はい」と答えられた方にもう一つお聞きします。変速機系統のメンテナンスはしていますか?「変速機系統?」と恐らく多くの方が首を傾げられたことと思います。

自転車のギアの上げ下げがうまくいかない場合は、変速機系統のメンテナンスが必要です。

自転車の変速の原理は、シフトワイヤーを緩めたり伸ばしたりすることでディレイラーが稼働し、チェーンを強制的に他の段へ動かしてシフトチェンジします。ギアをスムーズに変えるなら、それぞれのパーツを調整しましょう。

変速機系統とは?


レバー、ワイヤー、ディレイラー、スプロケット等、チェーンやブレーキ周りの様々なパーツを総括して呼びます。

「そんなにたくさん…」と驚かれるかもしれませんが、この記事で一つずつ解説していくと同時に簡単なメンテナンス法もご紹介します。

チェーンの洗浄


image15 チェーンというものはタイヤに次ぐ摩耗品です。適切な手入れさえ怠らなければかなり長い間使用することができるパーツです。

メンテナンス方法は思っているほど難しくはないので、あまり身構えずに調整してあげてください。

一番良いのは専用のチェーンクリーナを購入するのが最も効果が高く、また手軽に行えます。

FINISHLINE(フィニッシュライン)チェーンクリーナーキット


私を含め、面倒くさがり屋さんがいまいちメンテナンスに踏み込めない要因の一つが、色々と準備をしなければならず後片付けも大変ということなので、この”手軽に”というのは非常に重要です。

洗浄液はサイクルショップに売っているチェーン用洗剤でもいいのですが、いわゆる台所洗剤等の中性洗剤でも十分代用できますので試してみてください。

チェーンクリーナーキットの使い方


まず、洗剤と水を1:1で混ぜ所定の位置にセットしてチェーンを回します。するとみるみる汚れが落ちてくるので、後は何回か水を入れてすすぎましょう。

その後乾いた布などで水気を拭き取って水分をしっかりと飛ばした後、チェーンのコマ一つ一つに注油していきます。

また注油した後はそのままにせず、余分な油は拭き取ること。特にチェーンのサイドに残っていると、再び汚れやゴミが付着しやすくなってしまいますよ。

ちなみに”欠け”等があった場合、どうやっても綺麗な変速にはなりません。新しいチェーンに交換しましょう。

スプロケットの拭き掃除


image03 リアホイールに取り付けられており、シフトチェンジの8割を占めるパーツがスプロケットです。その為汚れがめだつ部分ですが、乾いた布さえ用意してしまえば新品同様に綺麗にすることができます。

ホイールを取り外しスプロケットの段と段の間に布を差し込みゴシゴシするだけであっという間にピカピカになっていきます。

全ての隙間を綺麗にしたら再び取り付け、注油したチェーンを何度かシフトチェンジさせて馴染ませてください。

リアディレイラーの調整


image00 スプロケット上のチェーンを別の段へ移動させるためのパーツがリアディレイラーです。「ギアがうまく入らないな」と感じた場合、ほとんどがこの部分の問題でしょう。

ワイヤーの伸びをチェック


まずは全体を綺麗に拭き上げた後、チェーンをトップの方へ移動させます。

シフトレバーとディレイラーを繋ぐワイヤーは劣化するもので、長く使えば使うほど伸びてきてしまいます。このトップにした状態でダルンダルンに緩んでいるようでしたら張り直しの合図。しっかりと伸ばして張り直してあげましょう。

これでローからトップまでスムーズに動けば問題はないのですが、たまにローやトップにだけギアが入らないことがあります。この場合はトップ・ローアジャストボルトを使用してスムーズに動くまで調整しましょう。

調整方法


image14 これらはリアディレイラーの後ろに2つあり、上がトップギア、下がローギアの調整と連動しています。

それぞれがリアディレイラーの位置を調節する役割を持っており、トップ・アジャスタボルトを時計回りに回すと外側へリアディレイラーが動きます。

しかし反対に、ローアジャスタボルトは内側へ動きますのでご注意ください。

調整がし終わったら最後に、可動部へオイルを一滴ずつ垂らしてあげると摩耗劣化を抑えることができますよ。

ちなみに、上記のことを試してみても思うようにシフトチェンジが行えなかった場合、ディレイラーハンガーの曲がりが考えられます。こうなってしまってはどうしようもないので、サイクルショップへ持っていきましょう。

チェーンリングの掃除


image07 スプロケットは後輪で変速を行うパーツですが、チェーンリングは前輪でのシフトチェンジをする部分です。こちらは後輪のように取り外すことができないので少々掃除がしにくいものですが、スプロケットと同じように乾いた布を隙間へ差し込んで拭き拭きすると綺麗になります。

フロントディレイラーの調整


image13 リアディレイラーよりもシビアな判定で最も調整が難しい部分です。正直こちらに関してはショップに持ち込んでいただいた方がもっとも確実な気もしますが、要領さえ理解すれば問題なくメンテナンスを行えるようになるでしょう。

この部品ですがワイヤーを張り詰めていないと自動的にインナーへ落ちるように設計されています。反対に言えばワイヤーがきちんと張られていないとうまくトップのほうへ変速されません。

調整方法


1.まずは全体を綺麗に拭きあげます。

2.ワイヤーを外した時の衝撃を抑えるためにフロントをインナーに入れ、リアをローへ落とします。無事に取り外したらチェーンガイドがアウターチェーンリングの上3mm以内、平行になるように再度取り付けてください。

3.次に上部にある調節ネジで位置を設定します。

こちらもリアディレイラーと同じく2つあり、内側がインナー調節ネジ、外側がアウター調節ネジです。ネジを時計回りに動かすと稼働する方向も逆で、インナー側は時計回り、アウター側は内側へ移動するので注意してください。

image16 4.インナー側の調節ネジを回し、インナーへ落ちているチェーンにチェーンガイドがギリギリ接触するかしないかの位置に持っていきます。ここの隙間が広いとトップへ移動させた時に戻ってきてしまうので慎重に行いましょう。

5.再びワイヤーをしっかりと張りながらセットし、今度はフロントをアウター、リアをトップへ入れます。この時、張りなおしたワイヤーの引きが弱いとアウターへ入ってくれませんのでその場合は再び繋ぎ直しましょう。

6.最後にアウター側のチェーンガイド位置の設定ですがこちらもインナーと同様、アウターネジを回し、同じようにチェーンが触れるか触れないかの位置に調整します。スムーズにシフトチェンジが行えることが確認できれば完了です。

7.終わりに、可動部にオイルを一滴ずつ垂らしてあげると長持ちしますよ。

シフトチェンジについて


主に走行中はリアディレイラーを使用することになるでしょう。右手側のSTIレバーで変速を行います。

この時注意すべきことは、最大負荷の状態で変速行為をしないことです。パワーがかかったままだと各パーツへ負担がかかってしまうので、気持ちスッと力を抜く感じで行いましょう。

また、最適な段数というのも存在し、人によって様々ですが基本は1秒間に3回ペダルが軽く踏めればよしとされています。一つの目安として覚えておくのもいいでしょう。

フロントの変速については各ライダーさんの好みで使用されている空気がありますが、もっともノーマルな使い方としてはリアディレイラーのみでは走破できない激坂へ差し掛かった時などに使用します。

この時、リアディレイラーを2段ほど上げてからフロントを落とせば、ガクンとした空回りの衝撃が緩和されますよ。

シフトレバーの種類を知ろう


上記のパーツ画像はロードバイクのものを使用しましたが、原理的にはクロスバイクやMTBでも同じです。しかし、シフトチェンジを行うためのそもそものレバーの形状はその自転車の種類によってそれぞれ異なっています。

STIレバー


image17 変速を行うシフトレバーとブレーキレバーを一体化させたのがこのSTIレバーです。ロードバイクの標準装備となっており、独特な形状のドロップハンドルと一体化したフォルムとなっているのが特徴的です。

トリガーシフト


OLYMPUS DIGITAL CAMERA 主にクロスバイクへ多く採用されているのがこのタイプです。後述するグリップシフトより楽に変速が行えるため、中グレードの自転車にはほぼ実装されているでしょう。

グリップシフト


image08 ママチャリからスポーツサイクルルック車まで、恐らく一番普及しているタイプのものです。簡単な構造で低コストで製造できると同時にその扱いやすさから、広く親しまれています。

コンポーネントと、そのグレードの知識


略して”コンポ”は元々フレーム以外で自転車を構成する稼働パーツ全般を指す言葉として生まれました。上記のメンテナンスの際に説明しましたものは一部であり、この他にもボトムブラケットやブレーキ等も含まれます。

これらにはもちろん種類があり様々なものが発売されていますが、大きく分けるとSHIMANO社とカンパニョーロ社の2社から発売されているものに限られ、またそれぞれにもグレードが存在します。

SHIMANO社


105




“Dura-Ace””ULTEGRA”に次ぐエントリーモデルのロードバイクに多く標準搭載されているモデルです。コストパフォーマンスが非常に高く、使いようによっては上位機種と互角に渡り合えるような造りとなっています。

SHIMANO 105 R7000シリーズをAmazonで見る

ULTEGRA




“Dura−Ace”と”105″の中間に位置するグレードで、ミドルクラスのロードバイクに標準装備されています。非常にバランスが良い機体で、ここぞという時には必ず瞬時に反応してくれることでしょう。

SHIMANO(シマノ)ULTEGRA R8000


Dura-Ace




SHIMANO社最高品質のコンポであり、その性能は最高のライディングを約束してくれるでしょう。変則性能はもちろんピカイチで、誰よりも早くゴールへ導いてくれるはずです。

SHIMANO(シマノ)DURAACE R9100


(シマノ製コンポーネント 出典:シマノ


カンパニョーロ社


Athena


image10 全体的に価格設定が高く感じるカンパニョーロはよく外車に例えられます。洗練されたデザインと性能は折り紙付きで、あなたのフレームを、走りをワンランク上のものに変えてくれるでしょう。

Chorus


image06 SHIMANO社のコンポが完璧に設計された機械というイメージであるなら、カンパニョーロのコンポはアンドロイドといったところでしょうか。まるで対面で会話しているかのようなライディングを楽しむ事が出来るはずです。

Record


image04 カンパニョーロ最高品質であるこのモデルは加速性、操作性、どれをとっても欠点がなく素晴らしい走行体験を約束してくれるでしょう。また、上位版として軽量化した”Super Record”が存在します。

どちらのメーカーも上のグレードになればなるほど操作性や変換機能の差は開いていくのですが、それはあくまでもメンテナンスを怠らない場合の話です。

どれだけ高級なコンポに変えようと、錆びついてカサカサであればいくらDura−Aceといえど105には敵わないでしょう。せっかく悩み抜いて購入したものですので、愛着を持ってパーツ・コンポと向き合ってあげてください。

(カンパニョーロ製コンポーネント 出典:カワシマサイクルサプライ


最後に


当たり前の事ですが、シフトチェンジはストレスなくスムーズに行えた方が精神的にもパーツ的にも優しいものです。その為にも日々のメンテナンスは欠かせませんが、中々お時間も取れない方が多いと思います。

ですが最低でも2週間に一度はチェーンだけでもお掃除してあげた方が長く使用する事ができますし、経済的にも安く抑えることが出来るので、是非ご参考にしていただけたらと思います。

人気の峠をRoadQuestでみる

都民の森

都民の森:都内サイクリストの聖地!初心者ヒルクライマーの登竜門

ヤビツ峠

ヤビツ峠:一度は訪れるべき、関東ヒルクライマーの聖地

大垂水峠

大垂水峠:初心者向けのほどよく緩い峠!ただし大型車には注意

白石峠

白石峠:関東ヒルクライマーで賑わう、埼玉県の有名な峠。ハードな上りを制覇せよ!