
タイプ別に紹介するロードバイクのメンテナンススタンド6選
これまでも何度かメンテナンスに関する記事を書いてきましたが、「自転車をどう固定するか」が重要な問題になります。
カメラの三脚しかり、車のドライビングポジションしかり、精度を要求される作業ではまずは固定から確認する事が大事です。
足元がぐらついている状態では、どんなに技術が高くても良いメンテナンスはできませんし、下手をすれば自転車が転倒したり自分が怪我したりといいことはありません。
一方専用のメンテンススタンドを使えば、そういったリスクが回避出来るだけではなく、作業効率も上がり一度のメンテナンスで多くのことをこなせるようになります。
今回紹介するようなメンテナンススタンドをうまく使って、安全正確高精度なメンテナンスの基礎を作りましょう!
目次
メンテナンススタンドとは?
(出典:RCUK)
細かく言えば様々な種類がありますが、大まかにいうとメンテナンススタンドは「自転車を固定して作業をやりやすくするスタンド」です。
更にほとんどのタイプのメンテナンススタンドは後輪を浮かせて空転させられるようになっており、ブレーキや変速調整がスムーズにできるようになっています。
たとえば上の写真のようなプロ仕様のスタンドもあり、立ったままの作業ができるようになり作業効率が格段に上がります。
以下では、メンテナンススタンドを4つのカテゴリに分け、その詳細と代表的な製品を紹介します!
1.リアフック型スタンド:MINOURA DS-520
MINOURA(ミノウラ) ディスプレイスタンド [DS-520] 折畳式 ブラック
このカテゴリのオススメ商品は上記写真のMINOURA DS-520。最も固定が簡単なスタンド。シートステーとチェーンステーにフックを引っ掛けるだけで自転車が自立します。
固定箇所がフレームなので、後輪を外した状態でも固定できるのが地味に良い所。意外と後輪外したバイクの置き場所って無いものですよ!
折りたたみ式でコンパクトになるので、ガレージの隅や車のトランクに一つおいておくととても便利です。
バーテープ交換やサイコン調整、チェーン清掃など簡単なメンテナンスに最適。
ただし後輪スポークと非常に近い位置にフックがあり、固定力も弱くふらつくため、変速調整など後輪を回す必要があるメンテナンスには向きません。(税込4,000円)
2.ディスプレイスタンド:MINOURA DS-30BLT
MINOURA(ミノウラ) ディスプレイスタンド [DS-30BLT] 折りたたみ式 ブラック
使用者が最も多いのはこのタイプではないでしょうか。自転車店で陳列されているロードバイクには大抵このタイプのスタンドが使われています。
後輪のクイックレリーズ部分を挟みこむことでがっちり固定できるので、上で紹介したリアフック型よりも固定力が高く安定します。
更に後輪を回しても車体がブレること無く、変速調整にはもってこい。大抵の整備はこのスタンドで十分対応できます。
自分もこれを所持していて、自宅に一台、車に一台常備していつでもどこでもメンテ可能な態勢を整えています。折りたためばコンパクトになるので場所も取りません。
欠点としてはクイックレリーズを固定するため、後輪が外れたバイクは固定できないこと、またクイックレリーズのメーカーによって対応するスタンドを選ばなければいけないなどの一手間があります。Campagnoloホイールの人は気をつけて!(参考価格:税込2,800円)
3.シートポスト/トップチューブ固定型 – MINOURA W-3100
MINOURA(ミノウラ) ワークスタンド [W-3100] スチール
シートポストをクランプで固定して吊り下げるタイプ。この辺からいわゆるプロユーズドのワークスタンドカテゴリに入ってきます。
さすがワークスタンド、胸の高さで自転車を固定できるため、あれやこれやのメンテナンスを一気にやりたい時にとても便利。
レース会場に持っていけば一目置かれること間違い無し。チームで一台持っていけば即席ピットの出来上がりです。
シートポストの固定が甘いまま固定するとスポッと抜けて悲惨なことになりますので、使用前にはシートの固定状態を確認してください。
クランプ部分を交換することで、固定部分をトップチューブに変更できますが、フレームを傷つけるおそれがあるので個人的にはあまりおすすめしません。(参考価格:税込20,500円)
4.フレームエンド/BB固定型 – Tacx Cycle Motion Stand
Tacx [ タックス ] T3075 CYCLE MOTION STAND サイクルモーションスタンド
本格的にメンテナンスをしたいならこのタイプのスタンドを使うべきでしょう。フロントとリアどちらのフレームエンドでも固定できる優れものです。
固定するのに前後輪どちらかを外さなければならない一手間がありますが、フレームの2点を固定するため自転車の固定が他のタイプに比べて強固です。
細かな作業をしているときに自転車がゆらゆら動くかがっちり固定されているかは、作業効率上も作業者の精神衛生上も重要な問題です。
チーム帯同のプロメカニックが軒並みこのタイプのスタンドを使っているのも、そういった道具としての信頼性あってのことでしょう。
上に挙げたTacxのCycle Motion Standはこのタイプのスタンドの中でも比較的リーズナブルなモデル。水平方向の回転機能や上下報告の角度調整機能もついていません。(参考価格:16,000円)
Tacx Spider Team
タックス T3350 SPIDER TEAM スパイダー チーム ワークスタンド
もっと本格的にやりたいなら、バイクの角度を常に水平に保ってくれるTacx Spider Teamというものもおすすめです。(参考価格:税抜27,200円)
ParkTool Super Lite Team Race Stand
Park Tool PRS-21 Super Lite Team Race Stand
また、ポータブル性に優れたParkTool Super Lite Team Race Standも検討してみてはいかがでしょうか。(税込56,592円)
番外編。倒立メンテ
(出典:CoreyFOLO)
上記でスタンドを紹介してきましたが、常にメンテナンススタンドを持ち合わせていられるかといえば、そうではありません。状況によってはスタンドなしでメンテナンスをしなければいけなくなることもあるでしょう。
ライド中、山のど真ん中で変速がおかしくなったり、駆動系に何かが挟まるなんかはよくあることです。
そういった緊急時に役立つメンテナンス方法として、バイクを倒立させてメンテするという方法があります。バイクを倒立させることで手を離してもバイクが自立し、後輪が空転するので変速の調整も可能です。
ただし、サドルやシフトレバーなど自転車上面の部分は痛みますし、油圧ディスクブレーキ装着のバイクを倒立させるとエア噛みの原因になりますので、状況と自転車のスペックをよく考えて行ってくださいね。
最後に
いかがでしたでしょうか。メンテナンススタンドにも様々なものがありますが、他の自転車部品と同じように際限なくいいものが欲しくなるので、始めからプロユースのものを買ってしまうのも一つの手かもしれませんよ。
(TOP画像出典:WSJ)

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