一番欲しいブランドとして、常に上位に来るPINARELLOは、コルナゴやデローザ、チネリなどと並んで憧れのブランドのひとつとされています。その中でもGANシリーズはピナレロロードバイクを支える大事な位置にいます。
なぜなら実際乗ってる人、売れているモデルというのはミドルレンジだからです。ブランドの顔はフラッグシップモデルになりますが、ミドルレンジのパフォーマンスが悪ければ、フラッグシップにも影響が出て、ブランディングがうまく行かなくなってしまいます。
今回は、元自転車屋の店長で現役メカニックの石橋が、PINARELLO(ピナレロ)の2017年モデルの中から、GANシリーズを詳しく紹介します。
フラッグシップの弟分-GAN RS
フレームセット(参考価格:税別455,000円)
カンパニョーロ・コーラス11S 完成車(参考価格:税別620,000円)
シマノ・アルテグラ11S 完成車(参考価格:税別520,000円)
GAN RSはピナレロのトップグレードでツールドフランスも制したフラッグシップモデルDOGMA F8 の弟分として昨年デビューしました。できるだけDOGMA F8 の走りを体感しやすくするために、ジオメトリー(寸法)を多少変更しながらも多くのテクノロジーを踏襲。フレーム、完成車の両モデルで展開をしています。
フレーム素材は、日本の東レ社のT900カーボンを使用。T900とはカーボン繊維の種類の事で、数字が上がるほど軽量になり、剛性(硬さ)も上がりますが、その分コストも上がります。例えば、T1100カーボンを使用するDOGMA F8 は、フレーム参考価格615,000円とトップグレードにふさわしい価格になっているのです。
ピナレロといえばご存知の方も多いと思いますが、ONDAフォークです。この波打つようなフロントフォークは、長い間ピナレロのアイコンとして活躍してきました。そして、モデルチェンジを繰り返したONDAフォークはONDA F8 として、従来よりも落ち着いた印象になりましたが、54%もの空気抵抗の軽減、10%の軽量化を果たしています。
なんと完成車にカンパニョーロのコーラス仕様もあるのです。シマノ、スラムと並び、ギアやブレーキなどのコンポーネントを製造する世界3大メーカーのひとつであるイタリアのカンパニョーロ。フレームメーカーと同様に軽量化するためカーボンを多用し、歴史と高級感を醸し出す独特のデザインは私にとっても憧れのメーカーです。
最高級のコンポーネントセットで総額60万円以上もするスーパーレコードは、いつかは手にしてみたいコンポーネントです。他社を見回しても、カンパニョーロ完成車を出しているブランドは少ないので、それだけでも貴重な存在ですね。
もうひとつはシマノ・アルテグラのコンポーネント。シマノはカンパニョーロに比べてコストパフォーマンスが高いと言われています。その証拠に完成車は圧倒的にシマノ仕様です。アルテグラはシマノの最上級グレードであるデュラーエースの1つ下のモデルで、レースもツーリングも高いレベルで楽しめます。
GAN RSは、カンパニョーロ、シマノ両コンポーネントメーカーの機能や価格など、ユーザーの好みに合わせて選ぶことができますね。
ピナレロを支えるミドルレンジモデル-GAN S
カンパニョーロ・ポテンザ完成車(参考価格:税別435,000円)
シマノ・アルテグラ完成車(参考価格:税別435,000円)
シマノ・105完成車(参考価格:税別370,000円)
昨年まであったモデル、MARVELの後継に当たるミドルレンジがGAN Sです。T700カーボンを使用することでコストダウンを計っていますが、GAN RSと同じジオメトリー(寸法)で、ONDA F8フォークも採用しているので上位に迫るパフォーマンスも期待できます。
今季カンパニョーロのコンポーネントに新たに仲間入りを果たしたポテンザは、今まで展開していたアテナの後継モデルとして期待されています。カンパニョーロの中ではエントリーモデルとしての位置づけで、GAN RSと同じく、カンパニョーロを採用している完成車が少ない中では貴重な1台と言えますね。
シマノ・アルテグラの他に105仕様の完成車も用意されています。本格的にロードバイクをはじめたい時に選ぶのが105。お店でそのようにすすめられた人も多いでしょう。ある程度ロードバイクを乗り慣れた人でも満足できると言われている性能は申し分ないと思います。
GAN Sは、まさにピナレロを支えるミドルレンジの代表的格です。
初めてのピナレロにぴったりな1台-GAN
シマノ・105完成車(参考価格:税別298,000円)
GANシリーズのベーシックモデルであるGAN。T600カーボンを使用。シマノ・105完成車のみの展開です。あの有名なサイクリングチーム、チームスカイカラーが入ったモデルもありますね。上位モデルとジオメトリー(寸法)は変わらないので、憧れのピナレロに乗りたい人にはピッタリな1台かもしれません。
まとめ
私は、ピナレロはGANをはじめミドルレンジに魅力的な車種が多いブランドだと思います。初心者にとって、手が届きそうで、届かなかったり微妙な価格帯も、所有欲が湧く一因かもしれないですね。
今後もピナレロの2017年モデルを紹介していきます。お楽しみに。