自転車で出かけると、どうしても駐輪中にイタズラされたり、盗まれたりしないか不安になってしまいますよね。買い物などで長時間自転車から離れる時なんかは自転車が心配でゆっくり品物を選ぶ事も出来ません。
ロードバイクやクロスバイク、MTBなどのスポーツ自転車では、車体にカギがついていないので、追加でロックを購入しなければいけないのですが、頑丈なロックは重いですし、軽量で持ち運びやすいものは強度に不安があるのでなかなかベストなものが見つかりません。
軽量で頑丈なロックや、圧倒的に頑丈なロックをお探しの方におすすめのメーカーがABUSです。
目次
ABUS(アブス)ってどんなメーカー?
ABUS(アブス)は1924年創業のドイツに本社があるロックメーカー。当初は南京錠の会社として有名でしたが、現在は自転車用などさまざまな鍵を作っています。鍵については世界中で高いシェアを持っており、110カ国以上の国で販売されているほか、ヨーロッパではNo.1のシェアも獲得している人気のメーカーです。
ABUSの自転車用ロックは頑丈なことが特徴ですので、盗まれたくないスポーツサイクル向けとなっています。また、用途に合わせて「重さ」と「頑丈さ」の2つの観点からさまざまな鍵を販売しているので、ちょっとした駐輪から長時間の駐輪まで利用する条件に合った鍵を選べるのもポイントです。
また、ABUSは鍵の性能が一流であるだけでなく、万が一、盗難に遭った場合の対応や補償制度も非常に充実しています。
- 盗難見舞金制度:ABUSロックを正しく使用していたにも関わらず、ロックが切断され自転車の盗難に遭った場合、新たな自転車購入費用を最大12万円サポートする見舞金制度。
- 「CSI:自転車特捜24時」:ロードバイクやマウンテンバイクといった高級自転車の盗難事件の共有・発見に繋がる情報提供を募集するサイト。
ABUSの鍵にはどんなものがある?
出典:ABUS公式サイト
ABUSの自転車用ロックは大きなものから小さなものまでさまざまな種類のものが販売されていますが、それぞれに会社独自の頑丈さを表すレベルが記されているので、どの鍵がどの程度頑丈かを一目で判断できます。このレベルは1から15までとなっていますので、鍵を選ぶ際に参考にすると良いでしょう。
とにかく頑丈なものがいいならU-LOCK!
自転車用の鍵としては特に頑丈な部類に入るのがこちらのU-LOCKです。ABUSの鍵シリーズにおいても随一の安全性を誇ります。
ただ、畳んだり丸めたりしてコンパクトにすることはできないので、持ち運びには専用のホルダーをつかって自転車のフレームに取り付けておくか、バッグなどに収納する必要があります。
また、固定形状なためロックできる範囲が狭いという難点もあります。
ABUSで最強の鍵『GRANIT X-PLUS540/230』
こちらの鍵はABUSの中でも最も頑丈なセキュリティレベル15の製品です。アーム部分は14tの負荷に耐える特別製の素材が使われているほか、鍵穴も特殊な形状となっているため、ピッキングで外されることもありません。
頑丈な分、重量は約1.5kgとかなり重めになっていますが、付属のホルダーを使えば自転車に取り付けることができます。
通勤用の自転車など、長時間駐輪する方におすすめです。
地球ロックにも使えて持ち運びやすい『Ultra Mini 410SH+Cobra』
こちらの製品のセキュリティレベルは8となっており、先ほどのものに比べるとやや強度では劣りますが、その分使いやすく持ち運びやすい製品です。ワイヤーが付属しているので、地球ロックや前後輪をまとめてロックすることができます。
重さは150mmタイプがU-LOCKだけで755g、ワイヤーを含めると1.1kgです。多少重めではありますが、サイズが小さいので鞄に入れてもあまり邪魔になりません。こちらの製品にもホルダーが付属しているので、自転車に固定しておくこともできます。
コンパクトに持ち運びたいなら折畳み式のBORDOシリーズ
ポケットなどに入れて気軽に持ち運びたいなら折畳み式のロックが便利です。コンパクトなのにある程度長さも確保でき、地球ロックにも対応。重量が少し重めですが、金属板を重ねた形状となっているため、頑丈さも十分確保されています。
折畳み式なのに超頑丈『BORDO GRANIT X-PLUS 6500 BLACK』
この製品はセキュリティレベルが最高の15を達成している折畳みロックです。折りたたむことで手のひらサイズにまで小さくできるので、ポケットに入れておいてもそれほどかさばりません。ただ、プレート部分が分厚いスチール製なので、重量があるのがデメリット。
小さくて持ち運びやすいのですが、1.5kg以上の重さがあるのでサイクルジャージの背中にはちょっと入れにくいものとなっています。持ち運びの際にはリュックに入れたり、専用のホルダーでフレームに固定したりするのがおすすめです。
ちょっとした駐輪におすすめの『BORDO LITE MINI 6055/60』
折畳みロックの中ではセキュリティレベルが7と最も低いモデルです。重量は折畳みロックで最軽量の400g、ちょっとしたお出かけの際に使いやすいものとなっています。
プレート部分が薄いのでセキュリティレベルが低くなっていますが、ジョイント部分や材質については上位モデルと同じものが使われているので、十分な堅牢さが確保されています。
固定が簡単で持ち運びやすいチェーンロック
チェーンロックはその名の通り、チェーンを用いたロックです。カバーの中にはスチールで作られたチェーンが入っており、力を加えなくてもフレキシブルに形状を変化させることができます。形状がある程度自在に変化するので、持ち運びの際には肩にかけることができるのもポイント。
ちょっと重いのが難点ですが、長さがあって使いやすいので、前後輪と構造物をまとめて1つでロックすることもできます。
頑丈さを追求するなら『Granit City Chain X-Plus 1060』
バイク用チェーンロック。
とにかく頑丈で長いロックが欲しいという方におすすめなのがこちらの製品です。長さは850mmと1100mmの2種類があり、簡単にフレームとホイール、構造物をまとめて固定できます。ただ、元々がバイク用の鍵なので重量が2kgを超えてしまうのが難点。
セキュリティレベルは当然最強の15となっていますので、長時間の駐車や自宅の庭などに駐車する用途に向いています。
使いやすさと重さのバランスが絶妙『6806K/110』
先ほどの製品はとにかく頑丈さ重視のものでしたが、こちらはバランス重視の製品となります。セキュリティレベルはやや低めの6ですが、6mmのチェーンが使われているので通常の駐輪なら十分な強度を持っています。さらに、キーの厚みを増やし、軸をずらすことでピッキングに強い構造になっています。
重量は950gとなっているので、持ち運びの邪魔になりにくいのもポイント。出先での駐輪用に持ち運ぶのも楽ですし、駐輪の際も長さがあるので固定方法を自由に選べます。
とにかく軽量なチェーン『1200』
チェーンロックの中で最も軽量のモデルとなります。セキュリティレベルは最低の2ですが、4mmのチェーンが使われているのでちょっとした工具では破壊するのは難しいものとなっています。なんと言っても特徴は軽さ、650mmモデルが200g、1,100mmモデルで330gとチェーンロックとしては破格の軽さとなっています。
ここまで軽いとサイクルジャージの背中ポケットに入れても良いですし、適当にズボンのポケットに入れても大丈夫なので、駐輪は地球ロックを絶対にしたいという方におすすめです。
隙間無くきっちり固定したいならケーブルロックがおすすめ
ケーブルロックはチェーンロックのチェーン部分を鋼鉄のワイヤーに変えることで重量を抑え、より自由に固定できるようにしたロックです。チェーンと同様にフレキシブルに巻き付けることができるので、固定場所を選びません。強度ではチェーンに劣りますが、軽量なので持ち運びが簡単なのもポイントです。
長さと重量のバランスが良い『ivera Cable 7200/110』
ABUSのケーブルロックの中でもバランスの良さで選ぶならこちらのモデルがおすすめです。長さが850mmと後輪とフレームをまとめて固定するには十分な長さとなっていますし、重量も700gで持ち運びも簡単。ワイヤーは太さ22mmのものが使われているので、ちょっと扱いにくい部分もありますが、十分な強度が確保されています。
ダイヤル式で使いやすい『Tresor 6512 Combo』
12mmの細めのケーブルが使われているモデルです。セキュリティレベルは少々低めの4ですので、ちょっとした買い物などで短時間駐輪する際に使うと良いでしょう。出先で簡単にロックがかけられるダイヤル式なのもポイント。すぐにロックを外したり取り付けたりできるので、何回も駐車するような用途にぴったりです。
専用ホルダーで自転車に取り付けることもできるので、街乗り用自転車に取り付けておくと便利です。
ちょっとした固定に便利『Star COMBO 4508』
とりあえず鍵を1つ持っておきたいという方におすすめなのがこちらです。8mmのケーブルを使用しているのでちょっと強度的に不安がありますが、長さが1,500mmあり、重量も330gと軽量なので前後輪とフレーム、構造物をまとめてロックすることができます。
こちらも専用のマウントが付属しているので自転車に取り付けできるので、街乗り用に鍵をとりあえず用意しておきたい場合や、メインの鍵を補助する用途などに向いています。
ワイヤーと組み合わせて自由に使えるディスクロック
ちょっと変わった鍵として、ワイヤーやチェーンと組み合わせて使う南京錠タイプの鍵もあります。このような鍵の場合、追加でワイヤーなどを購入する必要がありますが、目的に合わせてワイヤーの長さや太さを選べるので、自分の好みのロックにすることができます。
また、本体が小さいので、ワイヤーと別々に持ち歩けるのもポイント。街乗りの際には長いワイヤーを持ち歩き、ロングライドであまり駐輪しないような時は短くて軽いワイヤーを持っていくといった使い分けができるので、これ1つで複数のシチュエーションに対応できるでしょう。
チェーンと組み合わせて自由に固定『Diskus 24 IB / 60』
まずはチェーンと組み合わせる南京錠です。こちらの製品はABUSの古いモデルが元となっており、まさにABUSの原点とも言えるモデルです。シンプルな作りなので頑丈ですし、手のひらにのるぐらい小さいので持ち運びも簡単。重量も220gと軽量ですので、鍵をいくつも買うのが勿体ないと思う方はこれとワイヤーを組み合わせて使うと良いでしょう。
南京錠のお供に『Chain omly 8KS 110』
南京錠と組み合わせて使うチェーンです。長さは1,100mmですが、太さが6mmのチェーンを用いたものと8mmのチェーンを用いたものがあります。ほかにも太さが9mmで1,200mmのものもありますので、用途に合わせて選びましょう。
頑丈さはどれが一番?
頑丈さだけを追求するなら、一番最初に紹介した『Granit X-Plus 540』が一番です。アーム部分がコーティングを含めて13mmなので、簡単に持ち運びできるようなニッパーやペンチでは刃そのものが上手く差し込めず、力を加えることもできません。
このレベルの鍵になると破壊には大型のワイヤーカッターやプラズマ溶断機が必要となりますので、地球ロックをしておけばほぼ安心と言えます。
また150万通り以上の組み合わせがあるX Plusシリンダーを採用したモデルは非常に精巧な作りをしており、偽物を作ることやピッキングでこじ開けることが難しい構造になっています。
頑丈な鍵のメリットとデメリット
頑丈な鍵を使っていれば、隠し持てる程度の工具では破壊することができないため、盗難の危険性を抑えることができます。しかし、どうしても頑丈な鍵は重かったり大きかったりするため、携帯性は悪くなります。
ABUSのロックはフレームに固定できるホルダーが付属しているものが多いので、持ち運びの面では多少便利になっていますが、それでも重量が2kgを超えるものもあるため、ロードバイクでロングライドをするような用途には使いづらいでしょう。
自転車を盗まれないためにはどうすればいい?
できるだけ盗難被害を予防するなら、頑丈で長いロックを使ってフレームを頑丈な構造物と固定(地球ロック)するのが一番です。できることなら人通りが多く、目立つ場所に止めておくと時間をかけて鍵を破壊できなくなるのでより安心です。
ただ、目立つ場所では盗難よりイタズラによる被害が起きる可能性もありますので、前後ライトやボトルを外すことを徹底したり、管理人がいる駐輪場を選んで駐輪したりすると良いでしょう。
▼盗難対策について知りたい方はこちら
最後に
ABUSの鍵は頑丈で重いものから、バランスが良く使いやすいもの、軽量で持ち運びやすいものまでさまざまな種類があります。街乗りや自宅での保管用、ロングライドでの一時駐車など、使用用途に合ったものを購入してください。
基本的に自転車から離れる時間が長ければ長いほど頑丈なロックを使うのが望ましいので、買い物や通勤用の自転車には頑丈なロックを、コンビニなどでちょっと駐輪する程度なら手軽に持ち歩ける軽量なロックを選ぶのがおすすめです。