春からデビューする人へ〜自転車通勤の達人が最初にオススメするのは「ルート決め」

だいぶ暖かくなり、自転車通勤も気持ち良いこの季節。春からの新生活で自転車通勤を始める人も、別に環境は変わらなくても、今年の春から自転車通勤を始めてみようと思っている人もいると思います。

そこで往復で90km近い距離の自転車通勤をしている私のノウハウをご紹介したいと思います。初回の今回は自転車通勤を始める際に必要な計画編です。

 

 

まずはルート決め|理想は実際に走って決めること

自転車通勤の計画を立てる際いろいろ準備は必要だけど、まず最初にやるべきは通勤ルートを決めることでしょう。完全に生活圏内で片道10分もしないような場所であれば勝手知ったるエリアかも知れませんが、朝の通勤ラッシュを数キロでも走るならば、最適なルートについて事前に調べておく方が無難です。

 

理想は、休みの日などに下調べをしておくこと。

最近はネットの地図サービスも発達しているうえに、携帯にナビ機能もついているので、おおまなかルート検索は簡単に出来るでしょう。この情報を元に、実際に走りに行くのです。

 

最初はネットでの下調べから。その中でもgoogleマットのストリートビューは大きな交差点などを調べるのに便利。
最初はネットでの下調べから。その中でもgoogleマットのストリートビューは大きな交差点などを調べるのに便利。

 

特に大きな交差点等は注意深く見ておきましょう。朝の混雑時は大きな交差点は渋滞ポイントになりますし、右折が必要かなども見ておきましょう。

国道などの大きな街道を利用する場合、交通量も集中するので、路肩に自転車が安全に走れるスペースがあるか、路上駐車の車両が途切れないかなど、チェックしておきましょう。

 

ちなみに、交通量が多く、路肩を自転車で安全に走れない場合は、最徐行で歩道を走った方が安全です。法律上、自転車は軽車両に相当するので本来は車道を走るべきなのですが、安全上、交通量の多い路線などは自転車走行可能な歩道になっていることがほとんどです。ただし、歩道は歩行者最優先。自転車は最徐行で走行しましょう。

こうした条件を踏まえて、ネットで検索したルートに一部修正を行います。脇道だけどショートカット出来るポイントや、少々遠回りだけど交通量が少なくて安全なポイントなど、実際に見てルートをカスタマイズするのです。

 

このマークがある歩道は自転車走行可能。当然、走る時は最徐行で。

 

サイクリングロードの活用についてと注意点

自転車通勤をするうえで、ルート上にサイクリングロードがあるなら、上手に活用しましょう。私も通勤時は15キロほど多摩川サイクリングロードを利用します。クルマが来ない上、信号もないので時間の見通しも立てやすく便利です。

ただ、サイクリングロードとは言え最優先は歩行者。歩いている人には細心の注意を払い、人がいる時は徐行しましょう。

 

また、サイクリングロードは気を付けないといけない点がいくつかあります。

例えば、街灯がないサイクリングロードも多いので、夜間は避けたほうが無難。走行する場合は細心の注意が必要です。夜間のサイクリングロードを走ったことがある方は想像が付くと思いますが、街灯がないと歩行者の存在がかなり見え辛くなります。特に怖いのが、反対方向からも自転車が来てライトがまぶしい時に黒っぽい服装の歩行者がいるとかなり見え辛いです。私もこういう見え辛い条件が揃った時にヒヤっとしたことが何度かあります。ライトはしっかり光るものを用意し、対向車に迷惑を掛けないように下向きにセットすることもお忘れなく。

私が使っているライトはキャットアイのVOLT1600。とても見易いが強力なので、人がいる時はローモードにすることや対向車のために下向きにセットするなどマナーも重要。

 

また、河川敷のサイクリングロードなどは自然の影響を受けやすいのです。向かい風が吹けば到着時間に影響が出るので、天気予報で雨の情報だけでなく風向きもチェックしておいた方が良いのはもちろんのこと。ちなみに、サイクリングロードを走っている時の突然の雷はとても怖い。平らな場所では自分に雷が落ちる可能性があるので、こんな時は建物がある市街地方向へ一目散に逃げましょう。

 

 

所要時間は余裕を持って見積もろう

ルートが決まれば、おおまかな所要時間も見えてきます。脚力や走る場所によって変わってきますが、1キロ走るのに2分~4分と言う感じでしょうか。巡航35km/hくらいで走れる脚力があれば、2分で1キロ進むこともできるでしょうが、都心部では思い描いたとおりにいかないことが多々あります。渋滞が多く信号の間隔も短い区間であれば、たった1キロ進むのにどんなに頑張っても4分以上かかってしまうこともあります。

私の場合、信号待ちの時間も含め、全行程を平均時速30km(1キロ2分ペース)で走るのですが、東京駅の近くなど渋滞と信号に捕まる区間では1キロに4分以上かかってしまいます

まずは所要時間を多めに見積もり、自転車通勤をスタートさせると良いでしょう。その内、差異が大きいことが分かってきたら後で調整すれば充分です。

 

 

自転車通勤始めたら定期券要らなくなる?

計画編と言うことで、最後に定期券の購入について触れておきましょう。

先に答えを言ってしまうと、自転車通勤をスタートさせても、しばらくは定期券がある方が安心です。

残念ながら三日坊主で終わってしまうこともあるでしょうし、そうではなくても、そこそこの距離の自転車通勤となると毎日続けるのは負担が大きいですし、雨が降る日もあれば、仕事の関係で直行や直帰の日もあるからです。

私自身、さすがに往復90キロは長いので、毎日自転車通勤をしている訳ではありません。週に2~3往復です。残りの日は電車通勤ですし、雨が降れば当然電車通勤。

会社によっては自転車通勤には申請が必要で、そうなると定期が買えないと言う方もいるかも知れません。が、特段の問題がなければ、しばらくは定期券を買って、電車通勤と併用で様子を見た方が良いかと思います。あまり無理をしないことが長く続ける秘訣ですので。

雨などを考慮し、自転車通勤をしてしばらくは定期券を用意して様子を見よう
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WRITTEN BY向山浩司

シクロクロッサー、自転車店店長。高校から自転車競技を始め、就職を機に一度引退。その後、ロードレースに復帰し、Jプロツアーを転戦。クリテリウムを得意とするスピードマンでならす。現在はSNEL CYCLOCROSS TEAMに所属し国内外のシクロクロスレースを主戦場にする。ロードからMTBまでこなすマルチライダーとして、自身の経験を活かして東京・あきる野市で自転車店A-Pad SPORT CYCLE STOREを運営する。A-Pad SPORT CYCLE STORE 

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