山道を爽快に駆け抜けるマウンテンバイク、楽しいですよね!ですが標高が上がればそれだけ登るのも一苦労、しんどいグラベルの登り坂で「ああ、誰か背中を押してくれないかなぁ」と思ったことは数知れず。そんな望みを叶えてくれるバイクが電動アシスト自転車(e-Bike)なんです!
目次
そもそもe-Bikeって?
電動アシスト自転車というと日本が誇る発明品ですが、国内で普及したのは一般的にママチャリと呼ばれる軽快車タイプでした。
1993年の電動アシスト自転車の誕生から月日は流れ、欧米諸国では「e-Bike」と呼ばれるスポーツタイプの電動アシスト自転車が大きな支持を得ています。
欧米では一大カテゴリーとなっているe-Bike
日本ではまだなじみの薄いスポーツタイプのe-Bikeですが、海外では大きなムーブメントとなっています。ですが国内における規制の関係で、海外で走っているバイクがそのまま輸入されることはありませんでした。
日本上陸を阻む規制って何?
最大速度が低いことも見受けられますが、最大の難関は他の国にはない「アシスト最大比率 最大1:2」でしょう。ちなみにこの比率は10km/h以下までが、乗り手の漕ぐ力を1とした時に対して最大の2倍のアシスト力を発揮するということで、10km/hを越えると徐々にアシスト力が弱まり24km/hに達した時点でアシスト力はゼロになります。
計算式は 2-(A-10)/7 (Aは10km/h~24km/h未満 のその時の速度)
【例】17km/hの時は、2-(17-10)/7=1 で、漕ぐ力と同じだけのアシスト力になる
風穴を開けたBOCSHとShimano
規制のために既存のe-Bikeの輸入ができない状態が数年続きましたが、今年からボッシュ社やShimano社により日本向けユニットの開発がされ、2018モデルではTREKなど幾つかのメーカーからクロスバイクや小径車などのe-Bikeが発売されます。
注目のマウンテンバイクタイプのe-Bike 5選
2018モデルで最注目のMTBタイプのe-Bikeをご紹介します。
実は国内ではすでにパナソニックのXM1やイタリアのオートバイメーカーBenelli(ベネリ)のTAGET27.5などがすでに販売されています。
ですが通常のMTBで人気を得ているいわゆるビッグメーカーの製品は残念ながらMTBタイプはどの海外メーカーも国内販売未定のようです。とはいえ、規制をクリアして解禁となる日も近いでしょう。注目の海外モデルをご紹介します。
GIANT FULL-E+ 3
(出典:GIANT)
参考価格:US$3,500
重さやペダリングロスといったフルサスの弱点を完全に補ってくれます。前後とも140mmのサスペンションが搭載されており、トレイルの登りも下りも楽チンです。
TREK Powerfly 5
(出典:TREK)
参考価格:US$4,499.99
定評のあるBOCSH社のモーターを搭載したフルサスペンションバイク。映像でも軽やかさをアピールしていてその気にさせられます。
FELT Outfitter
(出典:FELT)
ファットバイクにもe-Bikeが!ファットバイク特有の乗り心地は失わずに、漕ぎの重さだけを補えるなら最高の組み合わせですね。
Rocky Mountain Altitude Powerplay
(出典:Rocky Mountain)
e-Bikeの象徴ともいえるダウンチューブにボコッと置かれたバッテリーを排除した新しいタイプのユニットです。ダウンチューブ内にバッテリーを内蔵しています。
ノーマルタイプのAltitudeとジオメトリが同じで、走りを重視したメーカーの自信が伺えます。
corratec E-Power RS 150 650B Plus CX
(出典:corratec)
こちらもダウンチューブ内にバッテリーが内蔵されたタイプ。これからは間違いなく内蔵型が主流になるでしょう。トレンドのフロントシングルもアシストがあれば怖いものなしですね。
自力にこだわらず広がる可能性を楽しもう
「スポーツである以上、速さが正義、軽さが正義、そして脚力が正義」と考える人もいるでしょう。その考え方は間違いではありません。しかしながら今世界でeマウンテンバイクが圧倒的に支持されているのは「昔はバリバリ走っていたけれど、年齢を重ねてちょっとしんどくなった」というライダーや「マウンテンバイクの醍醐味を楽しみたい」というライダーたちに、新しい楽しみ方を提供したからだと言われています。
バイクのアシストによって今まで行けなかった場所まで走れた、自走だとトレイルヘッドに着くまでに疲れ切っていたが、余裕を持ってダウンヒルを楽しめるようになった。などe-Bikeによって広がる可能性は、新たな喜びに満ちています。
これからどんどん新製品が出てくるであろうe-Bike、高齢化が深刻化する日本にこそ必要とされるアイテムかもしれません。
いずれにせよ新しい自転車に会えるのはどのモデルでも心躍るものです。積極的に活用したいですね。
TOP画像:ROCKY MOUNTAIN