シーズン終わりに日本で魅せる、世界トップ選手の走りとファンとの交流
来た、今年もイエロー・ジャージ達がやって来た!
11月4日(土)に開催される「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」。その年のツール・ド・フランスで活躍した選手たちが、さいたま新都心で走りを魅せてくれるレースだ。
ツール・ド・フランス優勝者=マイヨ・ジョーヌ(黄色いジャージの意味。レースの順位が一位の選手は黄色いジャージを着る。イエロー・ジャージとも呼ばれる)のクリス・フルーム(イギリス/チーム・スカイ)はもちろん、山岳王のワレン・バルギル(フランス/チーム・サンウェブ)、またステージ途中落車によるリタイアで姿を消したスプリンター、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/チーム・ディメンションデータ)、マルセル・キッテル(ドイツ/クイックステップ・フロアーズ)などの人気選手も!
リップサービスも多分にあるとは思うが、来日した選手誰もが口をそろえて言うのである。
「チームメイトから話には聞いてたんだけど、話半分に思ってたんだ。でも空港に着いた瞬間から本当に出迎えのファンがいて、本当にわざわざオリジナルの応援グッズを作って声をかけてくれるんだ。その熱さにものすごくビックリしたよ!」と。
日本という極東の地での、熱いファンの熱量。一度さいたまクリテに出場した選手は、それにやられるのである。
それは例えて言うなら日本の相撲取りが海外興行に出かけた際、熱狂的なファンが空港で出待ちして興行も大盛況、みたいな風に捉えられているのだろうと想像する。命賭けて自転車乗ってることが、遠い異国で尊敬され愛される。それってめっちゃ嬉しいよね、やっぱり。
充実シーズンを終えた選手+来年頑張る選手の素晴らしき顔見世興行
「でもさいたまクリテって、選手はもうシーズン終わってるし、本気のレースじゃないんでしょ?本気の走りならみたいけどなー」と言う声も以前はあったが、現実にあなたの目の前を世界トップ選手が走るのである。それもこの日本で。
選手たちはシーズン終わりなので、サービス精神も旺盛。
今回は「ニンジャとサムライ」に扮して手裏剣投げや殺陣に挑戦までしてくれる。
うなぎ職人に扮してうなぎも食す。
選手の皆さんもとても楽しんでいるようで、「お仕事でしょうがなくやってます」( ˘•ω•˘ ) という感じはまったくないのだ。
マイヨジョーヌ忍者になる。。。#さいたまクリテ pic.twitter.com/1PwSfFiTuT
— FRAME-フレイム (@frame_bike) November 3, 2017
すでにシーズン・オフモードだから、ポロッと本音も出る
海外プレスも招待されているため、英語・フランス語など通訳なしの取材時間も設けられているのだが、そこで主だった選手たちに直接話を聞いてみた。
マルセル・キッテル(ドイツ/クイックステップ・フロアーズ)は間近に寄っても美男すぎる。
世界のトップ選手に桃太郎みたいな格好までさせていいんだろうか、ホントは怒ってない?と及び腰の質問をしてみたら、
「さいたまクリテ、第一回の時はスモウレスラーをやって、今回はサムライ。日本独自の文化に触れられてすごく楽しい」と超ポジティブ。
「(ライバル)カヴェンディッシュとはもう話した?」と聞いたら「えっ、うーんまだ・・・」とちょっと複雑な表情も覗かせた。
キッテル、桃太郎侍になってニンジャを成敗。#さいたまクリテ pic.twitter.com/APoMIhVpcI
— FRAME-フレイム (@frame_bike) November 3, 2017
来日前は「日本嫌い」という噂があったカヴェンディッシュだが、
「あなたのファンが日本にたくさん居るんだけど!」と写真リクエストしたら、この通りFRAME読者の皆さんにめちゃイイ笑顔。
ジャパンカップにも出場、日本に3週間も滞在しているというネイサン・ハース(オーストラリア/ディメンションデータ)。今回は日本の峠もしっかり攻め、「京都では嵐山?に登ったよ。実はそのへん走っててもけっこう気づかれない(笑)。今日はフルームとアラサイに行ったんだ、初めて自分たちでオーガナイズして。でもやっぱり彼と一緒だとすぐ気づかれたね!」
フルームアラサイ登場の黒幕は彼だった!
一方「チーム・ジャパン」として2人だけのチームを組んでクリテリウムを走る新城幸也選手と別府史之選手。
別府選手は「作戦はこれから新城君と話し合って今晩決めます。でも、この前新城くんがアシストしてくれたから今度は僕がアシストする番かなと思ってます」と、明日の作戦もポロリ。
シーズンオフだからこそガードがゆるく「楽しもうぜ!」というモードになっている選手たち。それがさいたまクリテリウムの魅力に繋がっているのだろう。これは見なきゃ損。
フルーム、カヴェンディッシュなどが漏らした「本音」はまた次稿で詳しくご紹介します。
All the photos by Kenichi Inomata