ポタリング=自転車×散歩!サイクリングとの違いは?服装は?ベテランライダーが教えます。
自転車の大きな魅力は、のんびりと道中を楽しむことができること。例えば有名なパン屋さんのハシゴをしたり、風を感じながら海沿いを走ったら、眺めの最高なテラスでコーヒー休憩……。そんな自転車ならではの楽しみ方をめいっぱい味わえるのが「ポタリング」。
今回はポタリングのイロハとその魅力に迫ります。今週末、きっと行きたくなること請け合いです!
目次
ポタリングとは?
「ポタリング」、単に「ポタ」とも言いますが、一般的には、ゆっくり気楽なサイクリングのことを指します。
明確な基準はありませんが、がんばらない程度の速度で自転車で散歩するような感覚のサイクリングになります。
ペースはもちろん、参加する人の経験や走行頻度、自転車の種類で異なります。
平均すると、走行速度は25~30km/h未満、初心者であれば20〜25km/h未満が目安になるでしょう。距離は目的によりけりですが、だいたい15km~100km未満ほどで、あくまで「自転車で散歩」するイメージを想定しています。
ポタリングとサイクリングって何が違うの?初心者からの質問にお答えします
スポーツサイクルにも乗り始めたばかり、ポタリングと言う言葉もようやく耳にするようになった。そんなサイクリング初心者からの疑問について、Q&A形式でお答えしましょう!
Q:「ポタリングとサイクリングってどう違うの?」
→いわゆる「サイクリング」は広く自転車で走ることを意味しますが、ポタリングは散歩程度のゆっくり気楽なサイクリングのことを指します。
Q:「自転車はなんでもいいの?シティサイクルでいってもいい?」
→対象となるポタリングの内容、ペースによって異なります。
ポタリングするのに決められた自転車の種類があるわけではないので、ロードバイクでもシティサイクルでもポタリングは出来ます。
ただしポタリングの内容がロードバイク前提のものなのか、シティサイクルやクロスバイク、ミニベロでも参加できるものなのかは事前に確認しましょう。
Q:「普段着で参加していいんだよね?スカートで、ヒールで、いいよね…?」
→基本的にスポーツ自転車では、動きやすいカジュアルな恰好がおすすめです。
自分だけの気ままなポタリングならペースも自分次第なので服装や靴は自由ですが、グループポタリングなど人と一緒の場合はサイクリング向けの服装の方が楽になります。
Q:「おしゃれカフェ必須なんですけど……そういう感覚でいいんだよね?」
→ポタリングの内容は企画する人それぞれです。
「おしゃれカフェを目指す」、「景色のよい海沿いを走る」など目的はさまざまなので、自分の参加したいポタリング内容かどうか確認するとよいでしょう。
ベテランライダーが教えるアドバイス集
ひとくちにポタリングと言っても参加者や目的によってさまざまです。楽しいポタリングのためにはどのようなことに注意したらよいのでしょうか?
服装は動きやすさ重視、日焼け対策も忘れずに
基本的にカジュアルで動きやすい服装がおすすめです。
ペースがゆるいポタリングとは言っても、自転車に乗れば思ったよりも汗をかきますので、汗対策は必須です。吸湿速乾性の高い服装がおすすめです。
そして気軽なポタリングといえども、安全のための装備は必要です。ヘルメットと、できればグローブも身に着けましょう。
持ち物は「できるだけ少なく&軽く」が鉄則です。
バックパックを背負うだけで、背中は蒸れ汗をかきます。持ち物は必要最低限にして、荷物はウェアのポケットやサドルバックなどに分散させて、軽装を心掛けたほうが楽です。
必要最低限の持ち物の代表が水分補給の飲み物。出来ればボトルに入れた水分を持参することをおすすめします。
また日焼け対策も必要です。休憩場所が少ないサイクリングロードでは日焼け止めの塗り直しも思うようにできません。汗にも強いウォータープルーフタイプの日焼け止めは必須です。
場所にもよりますが、夏場に山に行く場合は手足に虫よけをしておくと安心です。
まとめると、
- 動きやすい服装で、ヘルメットは忘れずに
- 持ち物は必要最低限に、ただし水分は必須
- 日焼け止めと、場所によっては虫よけも準備する
この3つのポイントを押さえておくと良いでしょう。
サイクリング用の服装について詳しくはこちら
→「サイクリングウェア徹底解説|ロードバイク初心者必見!自転車にピッタリの服装とは」
楽しいポタリングのために
ポタリングの人数や内容にもよりますが、あらかじめ休憩場所を設定しておき、休憩時間を見積もっておきましょう。
距離が短い街中のポタは別としても、サイクリングロードや立ち寄るスポットが限られているコースの場合は、事前に休憩場所の目星をつけておかなければなりません。
夏の暑い日なら日差しが避けられる日陰の場所や給水できる場所、冬の寒い日はトイレが近くなる場合も見越して、多めに休憩できる場所を見つけておきましょう。
また時間配分もコツが必要です。立ち寄る場所が多いと、行列や店内での待ち時間で思ったより時間がかかる場合があります。休憩時間は余裕をもって見積もっておき、一番遅い人のペースに合わせて無理のない走行距離で計画しましょう。
ひとりの場合は良いのですが、グループでのポタだとついついお喋りが弾んだりして行動が遅めになりがちです。
ワイワイガヤガヤ楽しむのは良いけど、ほどほどにという気持ちも大切です。タイムキーパー役がいれば安心ですね。
それから経験上、FacebookやInstagramなどのSNSにも注意です。休憩時にちょっと投稿〜♪と思ってサイトを開くと、ついつい気付かないうちに時間が経ってしまうことも。
他にも初めてサイクリングするときの注意点はこちらから。ポタリングにも通じる部分がたくさんあります。
→「【完全保存版】初めてのサイクリング|自転車選び、服装からアプリほか徹底解説」
おすすめポタリング!写真たっぷり、明日行きたくなるライド集
ポタリングの内容は基本的に自由ですが、主に「グルメ」や「観光」が多いです。他にも「初日の出」や「桜」、「紅葉」などの季節の景色を楽しむパターンもあります。
ここからはおすすめのポタリングをご紹介します。
最強!グルメポタ|サイクルカフェ、デカ盛り、海鮮、スイーツ祭りでも♪
ポタリングで一番人気なのは、やはり「グルメポタ」。
グルメと言っても、サイクリストに人気のカフェもあれば、「デカ」盛り、旬の海鮮、有名スイーツを目的とするなどいろいろあります。
一例として、
- 人気ブーランジェリー(パン屋さん)を巡るポタ
- 築地に朝食を食べに行くポタ
- 熊谷名物「雪くま」食べ比べポタ
などなど……メインのお店を決めて、その他にちょっとした休憩のドリンクや、デザートとしてスイーツのお店を加えていくのがコツです。
景色や観光を楽しむポタ!花見にイルミネーション、SL…可能性は無限大
グルメもよいですが、普段見られないような良い景色も押さえたいところです。海沿いや見晴らしのよいところなど、気持ちよく走れるコースもポタリングには最適です。
一例として、
- 湘南や伊豆、房総など、海沿いの景色を楽しむポタ
- 小京都川越の街並みを楽しむポタ
- 鎌倉や越生など、アジサイを見に行くポタ
などがあります。
景色だけでなく、地元のグルメもセットすれば最高ですね。
ポタリングコースの参考にはこちらもどうぞ
→「おいしくてオシャレなフランス系パン屋さんをクロスバイクで巡るツールドブーランジェリー2017秋」
→「東京イルミネーションライド | 一度に回れるおすすめスポット6つと撮影のコツ」
→「【築地・晴海・銀座】クロスバイクで都内のおしゃれスポット巡り」
「ゆるポタ詐欺」って知ってる?初心者を襲う自転車乗りの洗礼とは
ロードバイク乗りは嘘つき。そう言われるのを聞いたことがある方もいるのでは?
「今日は調子悪いから緩く行くって言ったよね…」
「坂はもうないって言ったのに!」
「今日は平坦のはずなのに、これのどこが平坦なの~!!」
お恥ずかしい話ですが、私は嘘をついたこともつかれたこともどちらも経験あります。
嘘をついたときは、この程度なら大丈夫かなと計画したコースが、「あれ?キツかったか……!」となったケース。決して嘘をつこうとしたのではなく、認識が誤っていたのが原因でした……(ゴメンなさーい!)
明らかな確信犯はのぞくとして(汗)、だいたいは企画する側と参加する側の認識の不一致によって起こります。同じレベルの自転車乗りだと思っていても、普段の走行頻度や距離にも結構差があるものなのです。
極端な話で言うと、平日はジテ通(自転車通勤)やローラーで毎日、休日は周回コースや峠でバリバリ走っている人と、月の内に週末何回か平坦のサイクリング程度しか走らない人では、普段の走行ペースや体力に差があるのは当然です。ポタリングのゆるさの認識にも差がでてきます。
普段一緒に走っているメンバーだと、このような認識の差は起きにくく、レベル別に住み分けができているはずです。ただし、SNSやショップでの初めての走行会などでは、相手の走行ペースや体力などがわかりにくいです。
ショップによっては、走行会の参加条件を設定しているところもあります。
不安な場合は、あらかじめ走行ペースや距離、コースに坂や上りがあるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
また、ポタリングを企画する人は参加者が普段どれくらいのペースや頻度で走っているのかを把握しておき、一番遅いペースの人に合わせて内容を調整できるようにしておくとよいでしょう。
嘘をつきたくてついている訳ではないと思いますが、なかにはこんな例も。
→「ゆるポタのはずが30km/hで100km!? 自転車乗りはなぜ嘘をつくのか」
おわりに
自転車があれば気軽にできるポタリング。好きなお店巡りをしたり、自分のペースでゆっくり走ったりと、いろいろできます。ひとりでのんびり走るのもよいですが、仲間と気楽におしゃべりしながら走れるのも魅力です。ぜひお気に入りのポタリングコースを見つけて仲間と行ってみてくださいね。