シッティングとダンシングを上手に使い分ける ~自転車の処方箋 #06~

「自転車の処方箋」は、サイクリストの悩みに元プロロードレーサーが、スパっと回答する連載企画です。神奈川県のユウさんからの「長い上りに苦手意識がある」という悩みに前編・中編とお答えいただきました。今回は「上り」のテーマの最終回です。斜度が変化するコースの走り方を紹介します。それでは管さん、今回もよろしくお願いします!

自転車の処方箋 #06

緩急が続く「姫百合駐車場~頂上」はこれまで覚えた走りを総動員

赤城山のヒルクライムコースの終盤、緩い坂、急な坂が連続するセクションの走り方を紹介します。
最後のセクションは距離:5.7km、標高差:411m、平均勾配約:7.7%の九十九折を多く含む区間です。九十九折が続く区間は「直線」と「コーナー」の組み合わせのコースになります。いい感じに上るためには以下のポイントに気をつけましょう。

  • 斜度の緩急の変化があっても一定の集中力と出力を保つ。
  • 直線の直登、さらに九十九折りはイン側とアウト側での勾配の感覚が変わります。勾配変化に柔軟に対応してクレバーに走る。

直登区間では腰を前に出し上体を起こしたフォームで

前ももを動員した“カカトが下がった”フォーム
詳細は前回を参照していただきたいのですが、直登区間では踏み込みを意識したペダリングを意識しましょう。前ももを動員した“カカトが下がった”フォームです。

コーナーのイン側のルートではダンシングを使う

カカトを落としたダンシング
九十九折のコーナーはイン側に寄れば寄るほど、斜度キツくなります。急勾配でスピードがそれほど出ないシーンになるので、前回紹介したカカトを落としたダンシングを利用していきましょう。
ポイントはヒジを伸ばして胸を高い位置に置くこと、でしたね(※詳細はこちらから

コーナーのアウト側はリズムよくシッティングで

コーナーのアウト側にルートをとったときは、ヒジをくの字に曲げ、腰を軽く引いたシッティングでリズムよくペダリングをします。

ヒジをくの字に曲げ、腰を軽く引いたシッティング
このフォームでは腰を引くことでハムストリングス中心のペダリングになります。アウト側はイン側より勾配が緩くなるので、少し四頭筋を休めるイメージでこなすと良いでしょう。

まとめ

  • あらあかじめコースの下見をしておく(コースマップ、ルートラボなどでも可)
  • 斜度に対応したフォームで走る

以上のように準備を心がけることで、ただ漠然と走っていた登りが、楽しくリズムよく臨めるようになります。「運動強度を感じながら、フォームも意識してみる」これが「いい感じで登れた!」につながるポイントなのです。

キツいコースを前に漠然と「もうダメだ」と白旗を振る前に、ヒルクライムのコースとフォームに対して少し意識を高めてみましょう。

●バックナンバー
怖さを克服! うまい「下り」のための3つの基本フォーム ~自転車の処方箋 #01~
ヒルクライムの走り方。“いい感じ”で上るためのペーシングを知ろう!前編 ~自転車の処方箋 #02~
ヒルクライムの走り方。 “いい感じ”で上るためのペーシングを知ろう!中編 ~自転車の処方箋 #03~
ヒルクライムの走り方。“いい感じ”で上るためのペーシングを知ろう!後編その1~自転車の処方箋 #04~

管洋介

WRITTEN BY管洋介

1980年生 A型 日本スポーツ協会公認コーチ 競技歴22年のベテラン。国内外で50ステージレース以上経験し、スペインで5シーズン BRICO IBERIA 、VIVEROS [現 CONTROL PACK]と契約、国内ではアクアタマを設立、インタープロ、マトリックス、群馬グリフィンを経て、国内の有望な若手選手とファーストエイドなど安全啓蒙を指南できるメンバーを集めたAVENTURA CYCLINGを2017年に設立、走りながら監督を務める。プロカメラマンでもあり、自転車雑誌の製作に長く関わっている。現在はプロライディングアドバイザーとして初心者向けのライディングレッスンなどを多く手がける。

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