【2019年】Raleigh(ラレー)最新ロードバイクおすすめ全8台

Raleigh(ラレー)のロードバイクは、もちろんイメージどおりクラシカルな英国の情感を漂わせるモデルが揃うのだが、その実、細かい配慮は実用性に富んでいる。
2019年のラインナップにはトレンドがしっかり組み込まれたツーリングモデル「CRT」も登場。変わらない良さはそのままに、ただし単なる懐古主義ではない。いま自転車に乗る人のために、実用主義のラレーがつくるバイク群を紹介しよう。

Raleigh(ラレー)とは英国の老舗ブランド

Raleigh(ラレー)とは英国の老舗ブランド
ラレーの創立者は1870年代、香港で実業をなしたフランク・ボーデン。香港での激務に体調を崩すも、トライシクルでのサイクリングにより医者も驚くほどに回復。のちに現在の自転車の原型であるセイフティサイクルに乗りかえ、欧州各地を走るサイクルツーリストとなった。

自転車の素晴らしさを知ったボーデンは、ノッティンガムのラレーストリートで会社を設立。ラレーの名は通りの名前に由来している。
▲自転車の素晴らしさを知ったボーデンは、ノッティンガムのラレーストリートで会社を設立。ラレーの名は通りの名前に由来している。

1888年のカンパニー設立後、ラレーは発展を続け、世界的な自転車のスタンダードとしてブランドを展開するようになった。ツール・ド・フランス優勝をはじめ、著名なレースなどでサイクルスポーツの一角を占めることになる。

ツール・ド・フランス優勝をはじめ、著名なレースなどでサイクルスポーツの一角を占めることになる

ラレーの歩み、それは自転車の歴史

ラレーの概念を表現してきた数々のイラストは、ポストカードとして現在も英国の人々に親しまれている。
▲ラレーの概念を表現してきた数々のイラストは、ポストカードとして現在も英国の人々に親しまれている。

ラレーの歴史は自転車の歴史でもある。そしてボーデン自らが体験したヘルシー・スポーツ・モビリティとしての有効性、英国のプラグマティズム、実用主義のコンセプトは、現在に至るまですべてのモデルに引き継がれている。

ラレーロードバイクの特徴

各種カスタマイズも可能。フルマッドガード、リヤバッグサポーターをつけて、英国伝統のクラブモデルのテイストが存分に愉しめる。
▲各種カスタマイズも可能。フルマッドガード、リヤバッグサポーターをつけて、英国伝統のクラブモデルのテイストが存分に愉しめる。

なんと言っても、ラレーの魅力は1960年代のバイク・ディテールを頑に踏襲していること。そのクラシカルな風情はヴィンテージ好きのマニアから大きな支持を得ている。
毎年ニューイヤーモデルが発売されるが、革新的なものもある一方、カラーや微細なデザインだけのモデルチェンジも少なくない。

実用主義を根底に、長く愛せるバイクを

実用主義をコンセプトに、変える必要のないものは変えず、長く愛してもらいたいとラレーは考える。無意味なモデルチェンジを避けながらも、常に新たな自転車を開発して製品の発展を行なってきた。
もちろん、高性能、高機能、ユーザー本位の設計思想は変わらないのがラレーの特徴である。

「Carlton」と「Club」シリーズ

Carlton
現在ラレーのラインナップで中核を占めるカールトンだが、もとは1898年に創業したモーターサイクルの製造所であった。「カールトン」とは、1932年からレーシングサイクルに特化したワークショップの名称である。
60年代、ロードレースが盛んな欧州への販売強化のためにロードバイクの重要性を感じたラレーは、テーラーメイドの実績が高いカールトンを吸収合併。その製作思想を継承した現在のカールトン・シリーズは永きにわたる歴史と実績を誇るスチール素材を駆使し、速く走るための機能だけでなく自転車本来の美しさも追求している。

Club
クラシック・シリーズは、英国流のサイクリングから誕生したクラブモデル。田園地帯を訪ねるツーリングから、時には仲間でタイムを競うロードレースなどにも活用されてきたのがクラブモデルである。
名の通り、発祥はクラブでの友情を育むものであり、地位を築いた紳士・淑女の知性と競争心をくすぐるレクリエーション用に製造されてきたものだ。ラレーでは1930年に「Club Model」と称された製品がカタログに見られ、その後ラレー・レコード、そして名車ラレー・レコード・エースに引き継がれた。

2019年の注目モデル「CRT」

CRT 550mm (バーンブラック)
▲CRT 550mm (バーンブラック)

注目は新たにラインナップに加わったツーリングロード「CRT」。ロードバイクの外観を保ちながら標準で28Cのタイヤを装着し、オプションで泥除けの取り付けが可能だ。
またキャリアの取り付けにも考慮しており、フロントフォークとリアエンドにはダボ穴が2つずつ設けられている。

リアはもちろん、フロントフォークに、しかも2つのダボ穴が左右につく。
▲リアはもちろん、フロントフォークに、しかも2つのダボ穴が左右につく。

シートステーの内部にはチェーンフックが配備され、拡張性と輪行への配慮がなされている。460、490、520、550mmの4サイズ展開で、ラレーの力の入れようが伺える一台だ。

460サイズ展開は女性にもうれしい。ホリゾンタル(水平)フレームの520、550サイズに比べ、スローピング(傾向)したフレームはまたぎやすく、さすが実用主義といえる。
▲460サイズ展開は女性にもうれしい。ホリゾンタル(水平)フレームの520、550サイズに比べ、スローピング(傾向)したフレームはまたぎやすく、さすが実用主義といえる。

ラレー最新ロードバイクおすすめ全8台

それではラレーの2019年最新モデルを網羅して紹介していこう。

CRR Carlton-R

CRR Carlton-R
シマノの新型アルテグラをメインコンポーネントに配したハイエンドロード。レイノルズ631フレーム製で、エアロ効果と美観なワイヤー内蔵設計に加え、コロンバス社製の軽量フルカーボンフォーク、チューブレス対応の高性能ホイールを標準装備する。真に価値のあるクロモリロードを追求した一台。

価格 295,000円(税抜)
コンポーネント シマノ・アルテグラ
サイズ 480、520、560
カラー グロスブラック

CRF Carlton-F

カラー:マルーンレッド
▲カラー:マルーンレッド

シマノの新型105をフル採用し、さらなる進化を遂げたモデル。サイズ・バリエーションもより幅広くなり、様々なライダーの体格に合わせやすい。チューブは理想のスチールフレーム素材として開発されたレイノルズ631を採用。軽量なフレームには、ラレー独自の工作と設計が施されている。

価格 173,000円(税抜)
コンポーネント シマノ・105
サイズ 420、480、510、540、570
カラー サモアブルー、パールホワイト、マルーンレッド、クラブグリーン

CRA Carlton-A

カラー:バーンブラック
▲カラー:バーンブラック

コンポーネントにシマノ・ソラをフルスペックで採用し、450mmサイズも追加。クロモリの軽量フレームやカールトン共通のフィーチャーなど、要所をしっかり押えたベーシックモデルである。各チューブ接合は均一なビードのTIG溶接で加工され、美しさだけではなく高い精度と強度を約束。

価格 102,000円(税抜)
コンポーネント シマノ・ソラ
サイズ 450、500、550
カラー ヴィンテージレッド、バーンブラック

CRT Carlton-T

カラー:ヴィンテージブルー
▲カラー:ヴィンテージブルー

速く楽に走るというロードバイクの根源的な歓びをより幅広い層に訴求しつつ、ツーリング車としての楽しみを求めた新しいモデル。ラレー定番の軽量クロモリフレームを幅広いサイズで展開し、コンポーネントにシマノ・クラリスをフルスペックでインストールして実用主義を貫いている。

価格 92,000円(税抜)
コンポーネント シマノ・クラリス
サイズ 460、490、520、550
カラー バーンブラック、ヴィンテージブルー

CRC Carlton-C

CRC Carlton-C
レイノルズ631の中でも強度の高い厚肉の組み合わせでフレームを構成。新型シマノ・105をフルスペックで搭載し、油圧ディスクブレーキ、前後スルーアクスルを採用している。最新機能を盛り込んだハイエンドな仕様ながら、グラベルツーリングにも対応。コンペティションにも秀でる性能と懐の深い作りで、幅広い乗り方ができる。

価格 250,000円(税抜)
コンポーネント シマノ・105
サイズ 460、500、540
カラー ピーコックブルー

CRS Carlton Stainless Frame-set

CRS Carlton Stainless Frame-set
新しい可能性を秘めたスチールステンレス製モデル。固有化熱処理により成型加工し、さらに析出熱処理を施した米国カーペンター社のカスタム630を採用している。ステンレスの高い防錆はそのままに、材料工学の粋を尽くして理想的な強度と剛性、なめらかなライドフィールの獲得に成功している。

販売形態 フレームセット
価格 232,000円(税抜)
サイズ 520
カラー スコッチブライト

CRD Carlton Record Frame-set

CRD Carlton Record Frame-set
美しいラグで組まれたフレームは、名品と称されるレイノルズ531で構成。光沢を放つクロームメッキラグは、丁寧な工程の証でもある。細部までラレー・クラシックとヘリテイジを追求した伝統を継ぐ一台。

販売形態 フレームセット
価格 140,000円(税抜)
サイズ 533、570
カラー クラブグリーン

CLS Club Special

カラー:マルーンレッド
▲カラー:マルーンレッド

かつてラレーが提唱した一世紀前のクラブモデルのコンセプトを再現。基本的な自転車の美しさを求めたレトロ性だけではなく、現代的なコンポーネントを搭載し、高い機能と操作性も獲得している。ラレー型とも呼ばれる独自デザインのマッドガードも再現。分割機能も持ち、輪行に手堅く対応する。

価格(税抜) 152,000円(税抜)
コンポーネント シマノ・ティアグラ
サイズ 510、550
カラー クラブグリーン、マルーンレッド

まとめ

テーマは「変わらないこと、進化すること」への追求。2019年モデルにもその思想は深く受け継がれている。ハイエンドパーツを盛り込んだレーシングモデルの他、進取の志向から生まれた高強度ステンレス鋼によるフレームも新たに問う。
使用領域をロード専用に留めず、カスタマイズの懐深さを有しているのも大きな魅力。決してヴィンテージマニアだけのためのブランドではない。乗り手を選ばず、楽しく日常に溶け込む実用的なバイク——それがラレーだ。

All photos ©新家工業
LINK:ARAYA RALEIGH

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WRITTEN BY増渕俊之

出版社勤務を経て、フリーランスの編集/ライター。編著に『これがデザイナーの道』『自転車ファンのためのiPhoneアプリガイド』『岡崎京子の仕事集』がある。現在、編集を手がけた岡崎京子の単行本『レアリティーズ』が発売中。

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