ガーミンがForerunnerを発表。果たしてサイクリストにForerunnerは必要か?
Garminの新製品説明会が6月8日に行われ、「Forerunner255」シリーズと「Forerunner955」シリーズが紹介された。2シリーズとも2022年6月16日から発売される。
まずはForerunnerという名称から説明しよう。ちなみに、Forerunnerはフォアランナーと読む。
目次
Forerunner=すべてのランナーのために
今までのランニングウォッチに使われていた名称は「ForeAthlete」。その名の通り、アスリート・シリアスランナー向けだった。
ところが、今回の新製品には「Forerunner」と名付けられた。なぜガーミンは名称を変更したのだろう。それはアスリートだけでなく、すべてのランナーにウォッチを活用してもらうためだ。
人によって走る理由は違う。自己ベスト更新のために走る人もいれば、健康のために走る人だっている。Forerunnerはすべてのランナーを支え、自己記録達成や健康へ導く。
Forerunner 955シリーズ
Forerunner 955シリーズは、フルマラソンやトライアスロン、ウルトラマラソンなど限界に挑むアスリート向けのハイエンドモデル。
Dual Powerモデルはソーラー充電が可能。バッテリー稼働時間は、スマートウォッチモードで約20日(※)と驚異的だ。
ノーマルモデルのForerunner 955は、ソーラー充電に対応していない。それでもバッテリー稼働時間は、スマートウォッチモードで約15日と十分長い。
2モデルの価格差はちょうど1万円。2モデルの違いはソーラー充電ができるか否かのみだ。
Forerunner 955 Dual Power | Forerunner 955 | |
カラー | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト |
価格(税込) | 84,800円 | 74,800円 |
(※)屋外にて毎日、3時間50,000ルクスの光にあてた場合。
Forerunner 255 シリーズ
Forerunner 255シリーズは、ランニングビギナーから中級者向けモデル。
ビギナー~中級者向けだが、高精密なGPS測位とトレーニング機能を搭載している。Forerunner 255シリーズは2サイズ展開だ。(小さい方のサイズは、Forerunner 255S シリーズ。下で紹介)
それぞれに音楽機能を搭載したMusicモデルも展開する。
Forerunner 255 Music | Forerunner 255 | |
カラー | ブラック、ホワイトストーン | スレートグレイ、タイダルブルー |
価格(税込) | 52,800円 | 49,800円 |
Forerunner 255S シリーズ
女性ランナーにも使いやすいコンパクトかつ軽量のForerunner 255S シリーズ。
ノーマルサイズは45.6mm/49g、Sサイズは41.0mm/39gだ。
Forerunner 255S Music | Forerunner 255S | |
カラー | ブラック、ホワイトストーン | パウダーグレイ、バブルガム |
価格(税込) | 50,800円 | 47,800円 |
新機能
ソーラー充電(Forerunner 955 Dual Powerのみ)
GARMINランニングウォッチに初のパワーガラスを搭載。ソーラー充電により、今までに発売されたランニングウォッチの中でも一番の稼働時間を実現する。
バッテリー稼働時間 | Solar | Non-Solar |
スマートウォッチモード | 約20日(※1) | 約15日 |
マルチGNSSマルチバンド | 約22時間(※2) | 約20時間 |
Ultra Tracモード | 約100時間(※2) | 約80時間 |
GNSSマルチバンド
GNSSマルチバンドが搭載されたことで、測位精度が格段に向上。従来のGPSでは、ランニングの軌跡がゆらゆらと乱れることもあった。マルチバンドの搭載により、軌跡の乱れは無くなり、正確な軌跡を残せるようになる。
ガーミンといえば、航空機や船舶に搭載するGPSも扱う老舗。正確なログを求めるランナーには、待望のアップデートだ。
タッチスクリーン+ボタン操作(Forerunner 955のみ)
ボタンのみでは、地図の縮尺調整や移動がしにくかった。今回、タッチパネル+ボタンになったことで、色々な場面で便利に操作できるようになった。
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充実のトレーニング機能 ペース配分もこれ一台
リアルタイムスタミナ(Forerunner 955のみ)
リアルタイムで自身のスタミナが分かる機能。現在のペースであとどれくらい走る/漕げるかを予測できる。
何回かトレーニング履歴を残し、ウォッチに学習させると、ペース配分の指標がより正確に示されるという。
地図搭載(Forerunner 955のみ)
OSM(OpenStreetMap)ではなく、昭文社のマップを採用。無料の整備されていないマップではなく、昭文社の日本詳細地形図を使うところがガーミンのこだわりだ。自分の分からないところでも、正確な地図を使うことにより、必ず帰ってくることができる。
HRVステータス
睡眠時の心拍の変動を解析する機能。トレーニングする際、体調がどれだけ良いかの指標を示してくれる。ウォッチがランナーの体調を解析し、どれくらいの負荷で運動すべきか示す。
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あなたはどっちを使う?Forerunner955 or Forerunner255
簡単に言ってしまえば、ランニング初心者・中級者はForerunner255シリーズ、上級者はForerunner955シリーズを使うとよい。しかし、それではあまりに漠然としていているので、機能の違いを表にまとめる。
Forerunner955シリーズ | Forerunner255シリーズ | |
GNSSマルチバンド | ○ | ○ |
第4世代光学式心拍計 | ○ | ○ |
ソーラー充電 | ○(Dual Powerモデルのみ) | × |
タッチスクリーン | ○ | × |
地図搭載 | ○ | × |
トレーニングレディネス、リアルタイムスタミナ | ○ | × |
正確な測位、心拍の計測はどちらのシリーズでもできる。
ソーラー充電、タッチスクリーン、地図機能、高度なトレーニング機能はForerunner955シリーズにしかない。どの機能を重視するかで、どちらのシリーズを選択するかが変わるだろう。
サイクリストは買い or 見送り?
ランナーなら、間違いなく買いだろう。他社製のスマートウォッチと比べ、明らかに稼働時間が長いうえ、トレーニング機能も充実している。
では、サイクリストはどうか?実際に製品を触った筆者が、正直に言うと
- サイクリング中の使用が目的なら→見送り
- 日常的に付けて体の変化を把握したいなら→買い
最上位機種 Forerunner 955にはカラー地図が搭載されているが、走行中に確認するには小さすぎると感じた。また、前述したようにトレーニング機能は充実しているが、ガーミンのサイコンでも同じような機能がある。サイクリング中の使用が目的の人は、Forerunnerシリーズでなく、ガーミンのサイコンを買えばいいというのが正直な感想だ。
しかし、日常的につけて体調やストレス、心拍の変化を把握したい人は別だ。これはサイコンではできない。まさか胸用心拍バンドを私生活でも付ける人はいないだろう。
体調や心拍数の変化を把握し、トレーニングに生かしたい方は、 Forerunnerシリーズは買いだ。
24時間365日
ガーミンのForerunnerシリーズは、ランニングするためだけの時計ではない。
ガーミンジャパンの川口明夫さんは、走るときだけでなく24時間365時間付けてほしいと説明した。日常的に付けることで、自身の体をより正確に把握できるようになる。
ガーミンのForerunnerシリーズは、すべてのランナーをすべての時間サポートする。