元自転車屋がサビ取り法伝授!サビに備えるメンテナンスの方法

【2021年10月更新】購入した自転車にサビが出てきて、乗るのをためらうようになってしまったことはありませんか?

「元自転車屋が教える!」シリーズの第4回目は、サビを防ぐ方法と、サビを取る方法を合わせて紹介します。

サビを取るとどうなるの?

錆びてしまったボルト

サビを取る理由は、大きく分けて2つあります。

  1. 見た目の劣化を防ぐため
  2. 機能の劣化を防ぐため

以上の2点です。サビがパーツに生じると、チェーンならば変速速度が落ち、ワイヤーならば、ブレーキや変速機の動きが鈍くなります。すると、買った時に比べて段々と乗り心地が悪く感じるようになってしまいます。

また、ネジにサビが生じると、ネジの形が潰れやすくなります。パッと聞いても問題に感じないかもしれませんが、ネジ自体が潰れてしまうとパーツの取り外しができなくなってしまうこともあるので、最悪の場合には買い替えという一大事に繋がるのです。

サビの予防、肝は「保管場所」にあり

錆びた自転車

とはいえ急な雨に遭遇してしまったり、保管中に雨に濡れてしまったりすると、サビはどうしても発生してしまうものです。しかも一度サビが発生してしまうと、全てのサビを取り去るのは難しいのが現実です。

そこでサビが発生しないよう予防することが重要です。そのために、まず大事なのが保管場所。ポイントは雨風にさらさないことです。

保管場所として最適なのが部屋の中などの屋内、次に良いのが屋根のある場所、一番良くないのが屋外にそのまま置いておくことです。

とはいえ屋外にしか自転車を置くスペースがないも場合もあると思います。そのような場合は、自転車屋さんやホームセンターでビニール製のカバーが売っているので、被せておきましょう。雨風を防ぐことができますよ。

それから海の近くに住んでいる人。塩分もサビの原因になるため、海の近くに住んでいるなら、基本は屋内に保管するようにしたいですね。水分を拭き取ってあげることでサビが出づらくなるので、水に濡れた場合は軽く水分を拭き取ってあげましょう。

サビが出やすいパーツについて

さびやすい場所

サビが出やすい箇所としては、

  • チェーン
  • ホイールのスポーク*
  • ブレーキのインナーワイヤー*
  • ハンドルなど未塗装のパーツ
  • カゴの足
  • ネジ

が挙げられます。

*補足

ホイールのスポーク……前輪・後輪を組んでいる骨組みのこと

ブレーキのインナーワイヤー……ブレーキの部分に付いている色のついたケーブルの内側を通っている金属のワイヤー

鉄製のパーツで未塗装の部分にサビが生じやすいことを覚えておいてください。なお、今回ご紹介する方法は、これら全てのパーツに対応可能です。

サビ取りに必要なもの

サビ取りに必要なもの

今回のメンテナンスも前回までと同じく、特別な工具は使用せず、100円ショップやホームセンターで手に入るものを利用します。

用意するものは以下の5点です。

揮発性がある、気体で噴射できるタイプのオイル

スプレー式のものがおすすめです。

スチールブラシ(ステンレス製がベター)

サビをある程度落とすためのブラシです。歯ブラシよりも硬い、スチールブラシがおすすめです。

ウェス

タオルやTシャツなど、いらない布を20cm四方に切り分けたものでもOKです。

軍手

作業中に着用しておくと、手の汚れやケガを防止することができます。

研磨剤入りのサビ落としクリーム

サビを落とすために使うクリームです。無ければ2000番台の細かい紙ヤスリをお使いください。クエン酸、クレンザーでも代用できる場合がありますが、専用のクリームを使うと安心です。

これらを手に入れたら、軍手をはめてさっそく作業に入りましょう。

サビ取りの手順

サビ取り手順

1.揮発性のオイルをサビた箇所に塗る

スプレー式のオイルであればサビた箇所にそのまま吹き付けます。オイルを塗った後は浸透するまで数分待ちます。

2.スチールブラシでこする 〈※ブレーキのインナーワイヤーはこのステップを飛ばしてください。〉

オイルを塗りこんだ場所をスチールブラシでこすります。この時あまり力を入れずに、深い傷がつかないよう気をつけてください

一番避けたいのが、塗装面を含め、サビが発生していない箇所に傷がつくこと。新しい傷ができるとそこから水分が浸食し、新しいサビの原因になってしまうからです。

一度サビが発生すると完全にきれいにすることは難しいので、この工程である程度サビが取れたら、次のステップに進んでください。

3.サビ落としクリーム(研磨剤)で表面を磨く 〈※チェーンの場合は、このステップを飛ばしてください。〉

研磨剤入りのサビ落としクリームをウェスに付け、ステップ「2」でこすった箇所を磨きます。無い場合は紙ヤスリで代用しましょう。このステップで、スチールブラシでついた荒い傷をなめらかにして、再びサビないようにします。

この作業は根気が必要ですが、磨いているうちに表面がなめらかに、きれいになってくるはずです。

指で触れてざらつきを感じなくなったら次のステップに進んでください。

4.表面にオイルを塗る

新しいサビを予防するため、磨いた箇所に揮発性のオイルを塗りこみます。これでサビ落としは完了です。

特にチェーンは、チェーンメンテナンスの記事を参考に、表面に機械油を塗るようにしてください。

1〜4の作業を終えれば、サビていた自転車のパーツもきれいに蘇るはずです。

メンテナンスは定期的に!

実際にメンテナンスしてみると、愛車にもっと愛着が湧いてきたのではないでしょうか? 雨に降られたら自分の洋服を拭くついでに、一緒に自転車も拭いてあげようという気になりましたか?

このシリーズで紹介した方法はあくまで個人でできる範囲のものです。困った時にはプロである自転車屋さんに任せることも必要だと覚えておきましょう。

最後に、過去のメンテナンス記事を紹介します。

こちらを参考にして、愛車と良い付き合いを続けるためにも、定期的にメンテナンスを続けてくださいね。

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WRITTEN BYスズキ ガク

1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI

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