ロードバイクの空気の入れ方+おすすめポンプ12選|現役自転車メカニックに聞く!

【2021/04/29更新】 自転車が走る上で一番大事なのが空気。そもそも空気が入っていなければ自転車をこぐことはできません。

誰もが一度はママチャリに乗って空気を入れた経験はあると思います。しかし初めてスポーツ自転車を買った方はびっくりしたのではないでしょうか? 一般的なママチャリと同じように空気を入れようと思ったら、見たこともない空気口が!

今回はスポーツ自転車を購入したばかりの方に向けて、現役自転車メカニックが空気の入れ方をわかりやすくレクチャーします。

さらに空気入れの購入を考えている方へ、使いやすいポンプやカッコ良いポンプなど、おすすめ商品を紹介していこうと思います。

メンテナンスの基本は空気入れから始まる

空気入れはメンテナンスの基本中の基本です。空気をしっかり管理することで、パンクのリスクを相当減らすことができます。私は乗るたびに空気の管理を行っています。そのおかげで、前回パンクしたのがいつだったか思い出せないくらいパンクしていません。

空気口(バルブ)は主に3種類

日本の生活の中から生まれたママチャリは、独自の発展をしてきました。まさに日本人の体型やスタイルに合った自転車です。一方で欧米からやってきたスポーツ自転車は、さまざまな点でママチャリと異なります。

その1つが、空気口の形の違いです。世界中の自転車には、主に3つの空気口(以下バルブ)が存在します。

  • 仏式バルブ(フレンチバルブ、プレスタバルブとも言います)
  • 米式バルブ(シュレーダーバルブとも言います)
  • 英式バルブ(ウッズバルブ、ダンロップバルブとも言います)
バルブ

仏式バルブは、ロードバイクをはじめとしたスポーツ自転車に一番多く採用されているバルブです。入れ方がわからなくて困ってしまうのは、おそらくこの形状ではないでしょうか。

米式バルブは、仏式バルブに比べて太い形状でMTBやBMXなど太めのタイヤに採用されるバルブです。自動車やオートバイと同じ形状で、例えばガソリンスタンドでも空気の補充ができます。

英式バルブはママチャリに採用される、おなじみのバルブです。

では、入れ方がわからない、難しいと言われる仏式バルブの空気の入れ方を、手順を追って詳しく説明していきます。

仏式バルブの空気の入れ方

1.仏式バルブ対応の空気入れを用意する

まずは、仏式バルブに対応するポンプを準備します。

2.タイヤを押してみて空気の具合をチェック

まず空気を入れる前に、タイヤ全体をチェックします。最初にタイヤの空気がどれくらい残っているか、タイヤを押してチェックしましょう。また、異物が刺さっていたり、摩耗によってタイヤが割れたりしていないかのチェックも必要です。

3.先端のキャップを外す

仏式バルブの先端にはキャップが付いています。これを左に回して外すと、仏式バルブの先端が現れます。このキャップは黒い場合が多いですが、透明なものやカラフルなものもショップで売っているため、アクセントとしても楽しめるアイテムです。

4.バルブの先端を最後まで緩める

キャップを外したらバルブの先端を指でつまみ、左に回し緩めていきます。緩み切った時点で止まる仕組みです。バルブの先端を緩めなければ、空気入れを差し込んでも空気はいっこうに入ってきません。

5.バルブの先端を2〜3回軽く押して空気を抜く

バルブの先端を最後まで緩めたら、指の腹で軽く2〜3回押します。そうすると「プシュッ、プシュッ」と微量の空気が抜けていくのがわかります。こうすることで、空気入れを挿入した時にバルブ内で空気が詰まって入れづらくなるのを防ぐ効果があります。

6.空気入れの口金を差し込む

空気入れの口金をバルブに対して垂直に差し込みます。その際奥までしっかり差し込んでください。差し込みが甘いと空気がしっかり入らず、「シューシュー」と脇から抜けていってしまいます。空気をうまく入れられない人のほとんどは、ここでつまずいているのです。

7.口金を固定するためレバーを上げる

空気入れを奥まで差し込んだら、バルブからポンプが外れないようにレバーを上げてロックを掛けます。ポンプメーカーによっては最初にレバーが上がった状態で、固定するときにレバーを倒すものもあります。

8.適正空気圧までポンピングする

空気入れを固定したら、空気を入れていきます。ロードバイク、クロスバイク、MTBそれぞれタイヤのサイズや太さが異なるので、空気を入れる量も変わってきます。

たとえばこの写真のように、タイヤのサイドに空気をどれくらい入れたら良いか表示されています(適正空気圧)。

空気入れの気圧計をチェックしながら、表示されている適正空気圧まで入れていけば簡単です。

9.固定を解除し、真上の方向に抜く

適正空気圧まで空気を入れたら、レバーを戻し、口金を真上の方向に向かって抜きます。

【注意するポイント】

このように真上の方向ではなく、斜めに抜いてしまうと、バルブの先端を曲げてしまったり、せっかく入れた空気が抜けてしまうことがあるので注意しましょう。特にロードバイクのように高い気圧を入れるタイヤは、一気に空気が抜けるので要注意です。

10.バルブの先端を締める(右回し)

ここからは、空気を入れる前と逆の手順を踏んでいきます。右に回してバルブの先端を締め込みます。強く締める必要はありません、7〜8割の力で良いでしょう。

11.先端のキャップを締める

バルブ先端にキャップを取り付けます。

これらの手順を守れば、しっかりと空気を入れられるでしょう。もし万が一空気が入らないのであれば、後述するような原因が考えられるので参考にしてみてください。

ロードバイクに空気を入れる頻度は?

ロードバイクは、シティサイクルなどに比べるとマメに空気を入れなければいけません。

タイヤの空気圧は、走行性能や乗り心地、トラブルにもかかわってきます。快適に乗るためには、空気圧の管理が大切です。

最低でも週1回

最低でも週に一回程度は空気を入れましょう。理想は、毎回確認して適正空気圧にして乗ること。面倒でも、パンクリスクを考えるとそれが一番です。また、乗る距離や頻度によって変わります。適度なペースを守りましょう。

適性空気圧を確認

上記しましたが、タイヤのサイドに記されている数量が適性空気圧です。主にBARとPSIの2種類の気圧単位が表示されています。

PSIはポンド・スクエア・インチの略。意味は1平方インチあたりに何ポンドの圧力がかかるかを表します。主にロードバイクをはじめ高圧を保つタイヤに使用される単位です。

BARはMTBなどの太いタイヤを中心に利用される単位です。自動車やオートバイにも用いられています。

仏式バルブを使用している自転車をお持ちであれば、空気圧計が付属したポンプを強くおすすめします。特に細いタイヤは、空気の量が適正よりも少ないとパンクしたりトラブルを起こしたりしやすいからです。

ではここからは、初めて空気入れを買う方や買い替えを考えている方におすすめのアイテムを紹介しましょう。

ロードバイクのおすすめポンプ8

主に自宅やレース会場、トランポ先の駐車場など、出発前に使用することの多いフロアポンプは、エアボリューム管理の正確さや、口金の精度、ゲージの見やすさなどで選ぶとよいでしょう。

シマノ プロ(PRO) フロアポンプ

ツール・ド・フランスや世界の有名なレースに参戦している、プロロードレースチームの要望を取り入れ開発されたシマノPROの空気入れです。木製ハンドルのグリップ性が高く、握りやすい構造です。

参考価格:9,908円(税込)

TOPEAK(トピーク) JoeBlow Sport Ⅲ フロアーポンプ

私が今まで使ってきた中で、使いやすかった空気入れのひとつがジョーブローシリーズです。

ロードバイクなどの細いタイヤに空気を入れる場合、最後の方になると空気圧の反発力で押しにくくなってしまうのですが、ジョーブロースポーツ3は比較的楽にサクサクと入れられます。

ユーザーに優しい点として、長期間使用して部品が消耗しても修理部品がほとんど手に入るので、新しいポンプを買いなおす必要がありません。ジョーブロースポーツ3の空気圧計は、空気圧の単位であるBARとPSIの両方で利用できます。適正空気圧の目盛りに、あらかじめメーター上にある黄色の印を置いておけば、迷うことなく空気を入れられるでしょう。

参考価格:5,115円(税込)

SERFAS(サーファス) FP-200 フロアポンプ

サーファスの空気入れも軽いポンピングが特徴で、愛用者はのべ50万人以上とも言われています。空気入れにもかかわらず、5色のカラーバリエーションがあるんです。

空気圧計がハンドルのすぐ近くに付属しているので、空気を入れているときに非常に見やすいのも人気の秘密です。

参考価格:3,938円(税込)

LEZYNE(レザイン) STEEL FLOOR DRIVE TALL

レザインはポンプをはじめ、携帯工具やLEDライトなどをリリースしているメーカー。ハンドルが木製になっているなど、他社の空気入れとは違ったデザイン性と高級感が漂います。

さらにスチールフロアドライブは、今回紹介したポンプの口を差し込んでレバーを固定するやり方ではなく、仏式バルブへ口金をネジ込んでいく固定の方法を取ります。押し込む必要がないので、力を必要とせず楽に取付けできると評判です。

参考価格:10,406円(税込)

Panaracer(パナレーサー) ゲージ付フロアポンプ

ゲージ付きで実売価格2千円台のお手頃な商品。初めてのスポーツバイクと合わせて買うにはおすすめです。

ただし充填圧の上限は700kPaなので、高圧での使用が多い方(ロードバイクがメインで23Cといった細いタイヤを好む方)には向きません。

参考価格:3,109円(税込)

SERFAS(サーファス) デジタルゲージフロアポンプ

高性能で大型のメーターが付いているため、ポンピング中も確認しやすいのが特徴です。ボールなどにも空気を入れられるアタッチメント付。一家に一台あると様々なシーンで使えます!

参考価格:4,180円(税込)

SKS(エスケーエス) レンコンプレッサー マルチバルブヘッド

1932年創業のドイツの老舗メーカーSKSの中でも、50年以上のロングセールスを記録しているモデルです。古さを感じさせない質実剛健なスチールボディは、パーツを交換することで長く愛用されることでしょう。

参考価格:11,404円(税込)

番外編:携帯用ポンプ4選

携帯用ポンプは、主に走行中にパンクしたときの使用が目的です。軽量化のためミニサイズで機能を最低限に絞っているものも多く、空気の充填に時間がかかったり、空気圧の管理が難しかったりといったデメリットがあります。「お家用と携帯用、両方買うほど予算がないよ~!」というアナタにはこんなモデルをおすすめします。

TOPEAK(トピーク) ターボ モーフ G

ターボモーフGは、携帯用としてはやや大きな部類(全長35㎝)です。しかしフロアポンプ同様に空気圧計が付属しているため、地面に立ててしっかりポンピングできます。携帯用の中では非常に使いやすいモデルです。ただし小さなボディに機能を凝縮させた分、フロアポンプよりも割高です。

参考価格:6,028円(税込)

LANDCAST(ランドキャスト) 自転車 空気入れ

SNSで「軽い力で空気を入れることができる」と話題になりました。

空気が入れやすいとポンプ自体が大きくなってしまうのですが、こちらはツールケースに入れられるくらいコンパクトな作りになっています。

参考価格:2,904円(税込)

TNI(ティーエヌアイ) ハイブリッドポンプ

CO2インフレーター機能と、ポンプの機能を持った超コンパクトな一品。携行ボンベが尽きても、通常の手押しポンプで空気を充填可能です。バルブは仏式/米式に対応。ポンプは最大7BAR(100PSI)まで可能で、ボンベが1本付属されています。

参考価格:2,358円(税込)

TNI ハイブリッドポンプ
TNI(ティーエヌアイ)

CYCPLUS 電動エアーポンプ

話題の電動式ポンプです。液晶画面で空気圧単位、モード、バッテリー残量、リアルタイムの気圧値、指定空気圧を管理します。小型軽量なのも嬉しいポイント。ただし充填時の音が大きいので注意してください。

参考価格:4,394円(税込)

ロードバイクの空気入れQ&A

Q1. 空気入れの口金のサイズが合わない 

A. お使いの空気入れが仏式バルブに対応していない可能性があります。

Q2. 空気を入れようとしても固くてハンドルが下まで降りない

A. 仏式バルブの先端を緩めましたか? もし緩んでいるのであれば、先端を2〜3回押しましたか? 先端を押すことで、仏式バルブ内の空気のつまりを解消し、空気がうまく入っていきます。

Q3. 空気を入れると半分くらい横から漏れてる気がする

A. 口金を奥までしっかりと入れましたか? 差し込みが甘いと横から空気が漏れていってしまいます。しっかり差し込んだらレバーを90度に起こすのも忘れずに。

Q4. 米式バルブを使用しています。空気入れの手順は仏式とどう違うのですか?

A. まず米式バルブに空気を入れるには、米式対応の空気入れが必要です。最近の空気入れは仏式米式両対応のものが多いので、購入の際は表記を確認してください。

入れ方は仏式バルブのような先端を緩める形状ではありません。先端のキャップを外したら、ポンプの口を奥までしっかり差して、レバーで固定します。適正まで入れ終わったら、レバーを解除し、真上に抜きます。この手順は仏式と同様です。

最後に

以上、スポーツ自転車のバルブの種類や仏式バルブの空気の入れ方を説明してきました。上手に仏式バルブに空気を入れるには「バルブの先端を2〜3回軽く押して空気を抜くこと」「奥までしっかり差し込むこと」が上手く入れるコツです。この2つはしっかり押さえておきましょう。

手順通りにいかない場合は、文中のQ&Aも参考にしてみてください。タイヤの空気の管理は快適な走りに直結する大事なメンテナンスです。日々実践していきましょう!

Second edition by Toshiyuki Masubuchi

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

あわせて読みたい!

WRITTEN BYVIKING the MAINTENANCE

都内のプロショップに10年間在籍後、2015年VIKING the MAINTENANCE を設立。東京・西新宿を拠点にスポーク自転車の組付け、カスタマイズ、メンテナンスを軸に展開中。年2回富士山麓でサイクルイベントも企画中。 http://www.viking-the-maintenance.com/

他の記事も読む

pagetop