ロードバイクの空気の入れ方+おすすめポンプ11選|現役自転車メカニックに聞く!

自転車が走る上で一番大事なのが空気。そもそも空気が入っていなければ自転車をこぐことはできません。
誰もが一度はママチャリに乗って空気を入れた経験はあると思います。しかし初めてスポーツ自転車を買った方はびっくりしたのではないでしょうか?ママチャリと同じように空気を入れようと思ったら見たこともない空気口が!
今回はスポーツ自転車を購入したばかりの方に向けて、現役自転車メカニックが、空気の入れ方をわかりやすくレクチャーします。
さらに空気入れの購入も考えている方へ、使いやすいポンプやカッコ良いポンプなど、おすすめ品をご紹介していこうと思います。

メンテナンスの基本は空気入れから始まる

自転車は空気が命。自転車は基本的に空気がなければ走ることができません。空気入れはメンテナンスの基本中の基本となります。空気をしっかり管理することでパンクのリスクを相当減らすことができます。私は乗るたびに空気の管理を行っています。そのおかげで前回パンクしたのがいつだったか思い出せないくらいパンクしていません。

空気口(バルブ)は主に3種類

日本の生活の中から生まれたママチャリは独自の発展をしてきました。まさに日本人の体形やスタイルに合った自転車です。一方で欧米からやってきたスポーツ自転車は様々な点でママチャリと異なります。

それは空気を入れる空気口の形も違いがあり、世界中の自転車には主に3つの空気口(以下バルブ)が存在します。

仏式バルブ(フレンチバルブ、プレスタバルブとも言います)
米式バルブ(シュレーダーバルブとも言います)
英式バルブ(ウッズバルブ、ダンロップバルブとも言います)
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仏式バルブはロードバイクをはじめとしたスポーツ自転車に一番多く採用されているバルブです。入れ方がわからなくて困ってしまうのはおそらくこの形状ではないでしょうか。

米式バルブは、仏式バルブに比べて太い形状でMTBやBMXなど太めのタイヤに採用されるバルブです。自動車やオートバイと同じ形状で、例えばガソリンスタンドでも空気の補充ができます。

英式バルブはママチャリに採用される、おなじみのバルブです。

では、入れ方がわからない、難しいと言われる仏式バルブの空気の入れ方を手順を追って詳しく説明していきます。

仏式バルブの空気の入れ方

1.仏式バルブ対応の空気入れを用意する

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まずは、仏式バルブに対応するポンプを準備します。

2.タイヤを押してみて空気の具合をチェック

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まず空気を入れる前に、タイヤ全体をチェックします。最初にタイヤの空気がどれくらい残っているかタイヤを押してチェックしましょう。また、異物が刺さっていたり、摩耗によってタイヤが割れていないどうかチェックも必要です。

3.先端のキャップを外す

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仏式バルブの先端にはキャップが付いています。これを左に回して外します。すると、仏式バルブの形状が表れます。このキャップは黒い場合が多いですが、透明のものやカラフルなものもショップで売っていたり、アクセントとして楽しめるアイテムでもあります。

4.バルブの先端を最後まで緩める

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キャップを外したら、バルブの先端を指でつまみ、左に回し緩めていきます。緩み切った時点で止まる仕組みです。バルブの先端を緩めなければ、空気入れを差し込んでも空気はいっこうに入ってきません。

5.バルブの先端を2,3回軽く押して空気を抜く

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バルブの先端を最後まで緩めたら、指の腹でバルブの先端を軽く2,3回押します。そうすると「プシュッ、プシュッ」と微量の空気が抜けていくのがわかります。こうすることで空気入れを挿入した時にバルブ内で空気が詰まって入れづらくなるのを防ぐ効果があります。

6.空気入れの口金を差し込む

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空気入れの口金をバルブに対して垂直に差し込みます。その際奥までしっかり差し込んでください。差し込みが甘いと空気がしっかり入らず、「シューシュー」と脇から抜けていってしまいます。空気がうまく入れられないほとんどの人はここでつまずいているのです。

7.口金を固定するためレバーを上げる

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空気入れを奥まで差し込んだら、バルブからポンプが外れないようにレバーを上げてロックを掛けます。ポンプメーカーによっては最初にレバーが上がった状態で、固定するときにレバーを倒すものもあります。

8.適正空気圧までポンピングする

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空気入れを固定したら、空気を入れていきます。ロードバイク、クロスバイク、MTBそれぞれタイヤのサイズや太さが異なりますので、空気を入れる量も変わってきます。

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たとえばこの写真のようにタイヤのサイドに空気をどれくらい入れたら良いか表示されています(適正空気圧)。画像にはbarとpsiの2種類の気圧単位で表示されています。

psiはポンド・スクエア・インチの略。意味は1平方インチあたりに何ポンドの圧力がかかるかを表わします。主にロードバイクをはじめ高圧を保つタイヤに使用される単位です。

barはMTBなどの太いタイヤを中心に利用される単位です。自動車やオートバイにも利用される単位です。

空気入れの気圧計をチェックしながら、表示されている適正空気圧まで入れていけば簡単です。仏式バルブを使用している自転車をお持ちであれば、空気圧計が付属したポンプを強くおすすめします。特に細いタイヤは、空気の量が適正よりも少ないとパンクしたりトラブルを起こしやすいからです。

9.固定を解除し、真上の方向に抜く

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適正空気圧まで空気を入れたら、レバーを戻し、口金を真上の方向に向かって抜きます。

【注意するポイント】

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このように真上の方向ではなく、斜めに抜いてしまうと、バルブの先端を曲げてしまったり、せっかく入れた空気が抜けてしまうことがあるので注意しましょう。特にロードバイクのように高い気圧を入れるタイヤは一気に空気が抜けていますので、要注意です。

10.バルブの先端を締める(右回し)

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ここからは、空気を入れる前と逆の手順を踏んでいきます。右に回してバルブの先端を締め込みます。強く締める必要はありません、7,8割の力で良いでしょう。

11.先端のキャップを締める

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バルブ先端にキャップを取り付けます。

12.空気入れ完了

これらの手順を守れば、しっかりと空気を入れることができると思います。もし万が一空気が入らないのであれば、以下のような原因が考えられるので、参考にしてみてください。

Q1.空気入れの口金のサイズが合わない 
A.お使いの空気入れが仏式バルブに対応していない可能性があります。

Q2.空気を入れようとしても固くてハンドルが下まで降りない
A.仏式バルブの先端を緩めましたか?もし緩んでいるのであれば、先端を2,3回押しましたか?先端を押すことで、仏式バルブ内の空気のつまりを解消し、空気がうまく入っていきます。

Q3.空気を入れると半分くらい横から漏れてる気がする
A.口金を奥までしっかりと入れましたか?差し込みが甘いと横から空気が漏れていってしまいます。しっかり差し込んだらレバーを90度に起こすのも忘れずに。

Q4.米式バルブを使用しています。空気入れの手順は仏式とどう違うのですか?
A.まず米式バルブに空気を入れるには、米式対応の空気入れが必要です。最近の空気入れは仏式米式両対応のものが多いので、購入の際は表記を確認してください。

入れ方は仏式バルブのような先端を緩める形状ではありません。先端のキャップを外したら、ポンプの口を奥までしっかり差して、レバーで固定します。適正まで入れ終わったら、レバーを解除し、真上に抜きます。この手順は仏式と同様です。

ではここからは、初めて空気入れを買う方や買い替えを考えている方におすすめのアイテムをご紹介しましょう。

おすすめのポンプ

主に自宅やレース会場、トランポ先の駐車場など、出発前に使用することの多いフロアポンプは、エアボリューム管理の正確さや、口金の精度、ゲージの見やすさなどで選ぶとよいでしょう。

プロ(PRO) フロアポンプ

ツール・ド・フランスや世界の有名なレースに参戦しているプロロードレースチームの要望を取り入れ開発されたシマノPROの空気入れです。ハンドルのグリップ性が高く、握りやすい構造です。

プロ(PRO) フロアポンプ
参考価格: ¥6,696(税抜)

TOPEAK(トピーク) JoeBlow Sport Ⅲ フロアーポンプ

私が今まで使ってきた中で、使いやすかった空気入れのひとつがジョーブローシリーズです。

ロードバイクなどの細いタイヤに空気を入れる場合、最後の方になると空気圧の反発力で押しにくくなってしまうのですが、ジョーブロースポーツ3は比較的楽にサクサクと入れられます。

ユーザーに優しい点として、長期間使用し、部品が消耗しても修理部品がほとんど手に入るので、新しいポンプを買いなおす必要がありません。ジョーブロースポーツ3の空気圧計は空気圧の単位であるbarとpsiの両方で利用できます。適正空気圧の目盛りにあらかじめメーター上にある黄色の印を置いておけば、迷うことなく空気を入れることができるでしょう。

TOPEAK(トピーク) JoeBlow Sport Ⅲ フロアーポンプ
参考価格: ¥4,800(税抜)

SERFAS(サーファス) FP-200 フロアポンプ

サーファスの空気入れも軽いポンピングが特徴で愛用者はのべ50万人以上とも言われてます。空気入れにもかかわらず8色ものカラーバリエーションがあるんです。

空気圧計がハンドルのすぐ近くに付属しているので、空気を入れているときに非常に見やすいのも人気の秘密です。

SERFAS(サーファス) FP-200 フロアポンプ
参考価格: ¥3,800(税抜)

LEZYNE(レザイン) STEEL FLOOR DRIVE BLACK

レザインはポンプをはじめ、携帯工具やLEDライトなどをリリースしているメーカー。ハンドルが木製になっているなど、他社の空気入れとは違ったデザイン性と高級感が漂います。

さらにスチールフロアドライブは今回紹介したポンプの口を差し込んで、レバーを固定するやり方ではなく、仏式バルブへ口金をネジ込んでいく固定の方法を取ります。押し込む必要がないので力を必要とせず楽に取付できると評判です。

LEZYNE(レザイン) STEEL FLOOR DRIVE BLACK
参考価格: ¥9,030(税抜)

BBB ポンプ エアーステルス フロア スチール ホワイト BFP-24

自転車大国オランダのサイクルパーツメーカーBBBのポンプは、仏・米・英式に対応するポンプヘッドや、握りやすいハンドル部、見やすいゲージなどオーソドックスかつ必要十分な機能を備えます。補修部品も充実しており、末長く相棒として活躍してくれそうです。

BBB ポンプ エアーステルス フロア スチール ホワイト BFP-24
参考価格: ¥5,400(税抜)

Panaracer(パナレーサー)ゲージ付フロアポンプ

ゲージ付きで実売価格2千円台のお手頃な商品。初めてのスポーツバイクと合わせて買うにはおすすめです。

ただし充填圧の上限は700kPaなので、高圧での使用が多い方(ロードバイクがメインで23Cといった細いタイヤを好む方)には向きません。

Panaracer(パナレーサー)ゲージ付フロアポンプ
参考価格: ¥3,024(税抜)

SERFAS(サーファス)デジタルゲージフロアポンプ

デジタルゲージなので、アナログ式に比べてよりシビアな空気圧調整が可能です。

SERFAS(サーファス)デジタルゲージフロアポンプ
参考価格: ¥5,600(税抜)

Birzman(バーズマン)Maha Apogee IV フロアポンプ

台湾のサイクリングパーツメーカーであるバーズマンのポンプには、人間工学に基づいた体に優しい細やかな工夫が施されています。L字型Snap-it Apogeeバルブアダプターは、レバーが付いていないため、狭いスペースにあるバルブでも簡単に接続ができます。また本体は手前に5度傾斜をつけられており、ポンプの押し込みを容易にしています。

Birzman(バーズマン)Maha Apogee IV フロアポンプ
参考価格: ¥4,352(税抜)

SKS(エスケーエス)レンコンプレッサー マルチバルブヘッド

1932年創業のドイツの老舗メーカーSKSの中でも、50年以上のロングセールスを記録しているモデルです。古さを感じさせない質実剛健なスチールボディはパーツを交換することで長く愛用されることでしょう。

SKS(エスケーエス)レンコンプレッサー マルチバルブヘッド
参考価格: ¥12,000(税抜)

番外編:携帯用ポンプ

携帯用ポンプは主に走行中にパンクした時の使用が目的です。軽量化のためミニサイズで機能を最低限に絞っているものも多く、空気の充填に時間がかかったり、空気圧の管理が難しいといったデメリットがあります。だけど、お家用と携帯用、両方買うほど予算がないよ~!というアナタにはこんなモデルをお勧めします。

TOPEAK(トピーク) ターボ モーフ G

ターボモーフGは携帯用としてはやや大きな部類(全長35㎝)ですが、フロアポンプ同様に空気圧計が付属し、地面に立ててしっかりポンピングすることができるので、携帯用の中では非常に使いやすいモデルです。ただし小さなボディに機能を凝縮させた分、フロアポンプよりも割高です。

TOPEAK(トピーク) ターボ モーフ G
参考価格: ¥8,000(税抜)

LANDCAST 自転車 空気入れ

SNSで話題になった「例のポンプ」です(笑)。
軽い力で空気が入れることができると話題になりました。
空気が入れやすいとポンプ自体が大きくなってしまうのですが、こちらはツールケースに入れられるくらいコンパクトな作りになっています。

LANDCAST 自転車 空気入れ
参考価格: ¥2,590(税抜)

最後に

以上、スポーツ自転車のバルブの種類や仏式バルブの空気の入れ方を説明してきました。上手に仏式バルブに空気を入れるには、「バルブの先端を2,3回軽く押して空気を抜くこと」、「奥までしっかり差し込むこと」が上手く入れるコツです。この2つはしっかり押さえておきましょう。

手順通りにいかない場合は、文中のQ&Aも参考にしてみてください。タイヤの空気の管理は快適な走りに直結する大事なメンテナンスです。日々実践していきましょう!

Rewrite by Chee

VIKING the MAINTENANCE

WRITTEN BYVIKING the MAINTENANCE

都内のプロショップに10年間在籍後、2015年VIKING the MAINTENANCE を設立。東京・西新宿を拠点にスポーク自転車の組付け、カスタマイズ、メンテナンスを軸に展開中。年2回富士山麓でサイクルイベントも企画中。

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