東北を走ることで“今”を感じ、歌にして伝えたい?歌手の水越ユカさんがツール・ド・東北2015に挑戦する理由【後編】

東日本大震災で被災した沿岸地域を自転車で駆ける「ツール・ド・東北」。2013年に始まり、今年で3回目を迎えます。このイベントでは、自転車で走りながら、被災した地域の今を感じられることはもちろん、地域ごとのエイドステーション(休憩ポイント)で振る舞われる東北グルメを味わえるのも楽しみのひとつです。

年を追うごとに参加者が増え、今年は昨年を大きく上回る約3,500人のライダーが東北に集まります。今回初めて参加することを決めた、シンガーソングライターの水越ユカさんもそのひとり。

水越さんは富山県射水市出身で、2009年に子どもの頃から目指してきた歌手としてデビューしました。富山弁でうたった楽曲「あいのかぜ」がSNSなどで話題となり、これからに注目が集まるシンガーソングライターです。

前編では、水越さんのふるさと富山への想いやロードバイクをはじめたきっかけなどを伺いました。後編では、大会へ参加する意気込みなどを聞いてみました。

前編はこちら:
体を動かすことが作曲に与える効果とは?歌手の水越ユカさんがツール・ド・東北2015に挑戦する理由【前編】

「ツール・ド・東北2015」を完走した先に見えるもの。

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?ロードバイクに初めて乗ってみて、いかがでしたか?

水越:楽しかったというのが一番ですね。もっと敷居が高くて難しいものだと思っていたので、「あ、乗れた!」と思いました。

それに、「できるぞ!」というスイッチがシャキッと入りました。長距離を走り終えた時の達成感がマラソンとはまた違うと思うので、どう感じるか楽しみですね。走り終えた先に何が見えるかとか。

?マラソンとは速度も違いますよね

水越:自分の足では、あのスピードは出せないですよね。息が上がらないっていうのがすごいと思いました。風を切って、風になっているような感じ。

マラソンも最初は、もう絶対にやりたくないと思いながら走ったのですが、ゴールした時には、また走りたくなっていました。ロードバイクもそうなるんでしょうね。

ロードバイクの練習の時に、お腹いっぱいになるぐらいドリンクを補給していいよと言われたのですが、走る時はそこまで飲めないし、ごはんも食べられない。今回はエイドに地元のおいしいものが待っているので、それも楽しみです!

?東北のおいしいものが食べられそうですね。

水越:いっぱい食べられるように、今から多めに食べて胃を膨らませています(笑)。

いつかはトライアスロンに挑戦したい。その想いに一歩近づいた。

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(ツール・ド・東北2015オフィシャルウエアを着た水越さん)

?今回、「ツール・ド・東北2015」に参加することになっていかがですか?

水越:お話をいただいた時は、「出たいです!!」って即答しました。というのも、ゆくゆくはトライアスロンに出場することを目標にかかげていたので、ロードバイクを始めるきっかけを探していました。今回、そのきっかけをいただけて、すごくうれしかったです。バイクをマスターして、ステップアップしたいですね。

?初めてバイクで長距離を走るのに、不安な面もあると思います。どういう準備をしていますか?

水越:もともと好奇心が強いので、楽しみな気持ちの方が大きいです。ただ、マラソンだと膝が痛くなったり、自分の体の信号でストップすることありますが、バイクだと、パンクしたらどうしようとか、倒れたときに壊れちゃったらどうしようとか、そういうトラブルが想定できないんです。

なので、前大会のお話を伺ったり、いろいろな記事を読んでいます。「倒れている人がいたら助けてくれるよ」とか「声をかけてくれるよ」とかそういう記事を読むと安心できますね。

最近、私の母もバイクを始めて、かなり走っているらしいんです。だから「お母さんでもできるんだ」って思うとパワーになりますね(笑)。

この間、母のバイクにトラブルが起きてしまったらしいのですが、たまたま通りかかったロードバイクユーザーの男性が「どうしたの?大丈夫?」って助けてくれたそうなんです(笑)。スポーツごとに気質があるけれど、ロードバイクユーザーは優しい方が多いんだなと思いました。イベント当日の出会いとか交流も楽しみですね。

東北の今を自転車で走ることで、いっぱい吸収したい。それを歌にできたら。

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?今回、東日本大震災で被災した沿岸地域を自転車で走りますね。

水越:震災があった時は、ただ祈ることしかできなくて。今回は、自分で行って、見て、走ることが復興につながるというポジティブなイベントなので、参加できるのがうれしいです。

自分の足で漕いで、東北の風を肌で感じながら、転ばない程度に景色もたくさん見たいです。きっと空も広くて、海もきれいだろうし、どんな匂いを感じられるのか楽しみです。匂いは記憶に残るので。

?それを伝えることも復興につながりますね。

水越:そうですね。今回の経験を歌にできたらいいですね。そのために、いっぱい吸収したいです。

?走っている時に急に思いついたらどうしますか?

水越:走っている間、ずっと歌っています(笑)。途中で、歌をうたっている人がいたら私かもしれません(笑)

?これからは、どういうトレーニングをされる予定ですか?

水越:体幹トレーンングは日頃からやっているものを続けつつ、これからは長距離を走る練習をします。本当に、まずはやりながら…という感じです。

?経験者の方からアドバイスはもらっていますか?

水越:「60kmだったらなんてことないよ」って口々に言うんです。むしろ、もっと長いフォンドに参加したほうがいいって言われています。

?きっとフルマラソンを走れるなら、大丈夫じゃない?という感じなんでしょうね。

水越:マラソンと自転車では、距離の感覚が違いますよね。42kmは走れるけれど、100kmって未知数ですから。

その感覚は練習していくうちに分かるのかなと思います。マラソンも最初は10kmなんて無理と思っても、練習すると走れるようになって、週末は30km走ってみよう、ってなってくるんです。

最初は考えられなかったことができるようになるんですね。だから私もそうなっていくのかなと思うようにしています。

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?では最後に、「ツール・ド・東北2015」に向けて、意気込みを教えてください。

水越:自分の足で東北の地を走って、いっぱい吸収して、感じて。それを自分なりの形にして今後も活かしていけるように、まずは完走を目指して頑張りたいと思います!


キラキラとした眼差しが印象的な水越さん。ポジティブな雰囲気でまわりを明るくしてくれる太陽のような方でした。その雰囲気や歌声は、オフィシャルサイトでご覧いただけます。「ツール・ド・東北2015」を完走したら、どんな曲が生まれるのか楽しみです。

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BY寺田愛

ライター集団400(フォーハンドレッド)の共同代表兼ライター。女性誌編集、Webディレクターを経て、現在はエシカルなライフスタイルを模索中。

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