今までチェーンやチューブ交換、パンク修理などのパーツ交換の方法をご紹介してきた「元自転車屋が教える!」シリーズ。今回はブレーキシュー(ブレーキパッド)の交換方法をお伝えします。

ブレーキシューとは?


ブレーキシューとは、ホイールを挟んでブレーキをかけるためのパーツのこと。

お手持ちの自転車のホイール上部を見てください、その左右に見える、黒いラバー質のものがブレーキシューです(白や黄色など、色が付いている場合もあります)。

ディスクブレーキを搭載した自転車を除き、ロードバイクやクロスバイクなど、ほとんどの自転車にはブレーキシューが付いています。

このパーツがホイールを挟み、摩擦によりブレーキがかかりますが、すり減ってしまうと上手くブレーキがかからず事故の原因になってしまうばかりか、ホイールをすり減らせる原因になってしまいます。

ブレーキシューの交換時期


それでは、ブレーキシューの交換時期はどのように見極めれば良いのでしょうか?

そのヒントになるのが、ブレーキシューに刻まれている溝。

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写真は半年ほど使用した後のブレーキシューです。2本の溝が刻まれていて溝の深さが2mmほどに減っています。この状態でもまだ使用することはできますが、残り1mmほどになったら交換のタイミングになったと考えて良いでしょう。

ほとんどのブレーキシューは、金属のパーツにラバー質の素材をかぶせることでできています。そのため、極度に使用を重ねると、金属部が表に出てしまうことがあります。

先ほど「摩耗したブレーキシューはホイールを削ってしまう恐れがある」と書きましたが、そのような状況は、ブレーキシューの金属部とホイールが干渉することで起こります。

交換の手順


今回、前輪のブレーキシューを交換しますが、手順は前後輪ともに変わりません。

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使用するものは4つ


・アーレンキー(六角レンチ)
・ブレーキシュー
・小さめのプラスドライバー
・軍手

PWT ロングサイズ ボールポイント 六角棒 レンチセット 7本組

シマノ ブレーキシューセット

ミタニ プロ用綿混軍手

軍手は必須ではありませんが、自転車のメンテナンスを行う時に、手の汚れや怪我を防ぐことができるので、あれば便利です。

今回ブレーキシューはサイクルベースあさひで適当に買ってきた物ですが、本来はSHIMANOやTEKTROなど、各パーツメーカーが販売する純正のものを使用するのがおすすめ。

種類も数多くあるので、使用しているブレーキの型番を自転車屋さんの店員さんに伝えて、対応する物を教えてもらいましょう。

ちなみに、ブレーキシューに油分が付いてしまうとブレーキの効きが悪くなります。作業は新品の軍手を付けた状態か、石けんで洗った後の素手で行いましょう。

もし油分が付いてしまった場合、薄めた中性洗剤を用意し、布にしみ込ませて拭き取ってあげると油分を取ることができます。

1.ブレーキワイヤーをアームから外す


道具を用意したら、まずはブレーキワイヤーをアームから外します。

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「Vブレーキ」や「カンチブレーキ」と呼ばれるブレーキにはメンテナンスをしやすくするため、ブレーキを外せる機能がついています。

写真のようにブレーキアーム上部にフックがあるので、ブレーキの両側を掴み、ホイール方向に寄せて、ワイヤーを緩め、フックを外します。

ロードバイクの場合は、キャリパーブレーキと呼ばれるブレーキが付いていますが、ブレーキを緩めるレバーが付いているので、それを起こしてブレーキを緩めます。

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2.古いブレーキシューを外す


次に古いブレーキシューをアーレンキーで外します。

対応するサイズのアーレンキーを、ホイールとは反対側にあるネジ穴に差し込み、時計回りに回せばネジが緩むはずです。そのまま一気に緩めて左右のブレーキシューを外してしまいましょう。

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3.新しいブレーキシューを取り付ける


次に新しいブレーキシューを用意します。

ブレーキシューには合計6つのパーツが付いており、ブレーキシューに近い物から順に説明すると「凹パーツ(長)/凸パーツ(内)/凸パーツ(外)/凹パーツ(短)/ワッシャー/ネジ」という順番になっています。

取り付けの時に順番を間違えやすいので、注意してください。

※凹パーツは長い物と短いものの2種類があるので、間違えないよう気をつけてください。凸パーツは同じ物が2つありますが、ブレーキアームの内側と外側に分かれるので(内)(外)と表記します。

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ブレーキシューを取り外したブレーキアームには楕円形の穴が空いていると思います。ブレーキシューに「凹パーツ(長)/凸パーツ(内)」を取り付けた状態で、穴にブレーキシューを通します。

※凹パーツ(長)/凸パーツ(内)はへこみとでっぱりが合わさった状態にしてください。

穴にブレーキシューを通した後、残ったパーツを「凸パーツ(外)/凹パーツ(短)/ワッシャー/ネジ」の順に取り付けます。

この時も凹凸パーツは、へこみとでっぱりが合わさった状態にしてください。この時にネジを少し締め、アームから外れないようにします。

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4.ブレーキを固定する


取り付けたブレーキシューは上下に移動可能な状態になり、角度も調節可能になっているはずです。この状態のブレーキシューのネジを締め、動かないよう固定していきます。

ブレーキシューの調整は厳密にやりだすと、とても難しいのですが、ここでは一番簡単な方法を説明します。

まずブレーキアームを持ち、アームを内側に動かし、ブレーキシューをホイールに押しあてて、ブレーキシューの上下が、ホイールの金属部分の上下からはみ出さないようブレーキシューの位置を動かします。

この時、ブレーキシューは地面と水平になるようにしましょう。

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ブレーキシューがタイヤに当たっている場合はタイヤの摩耗の原因になりますし、ブレーキシューがホイールの金属部分からはみ出していたりすると、うまくブレーキが効かない原因になります。

たいていはぴったりと収まるはずなので、その状態でネジを締めて固定します。ブレーキシューは使用中に動いてしまうと危険なので、かなりキツめに締めましょう。

増し締めをしようとすると、ブレーキシューが動いてしまう場合も多いので、片手でブレーキシューを固定して、もう片方の手でアーレンキーを使うと上手くネジを締められるはずです。

5.アームを元に戻して微調整


左右のブレーキシューを固定したら、手順「1.」とは逆の方法でブレーキアームを元に戻します。

フックはしっかりかかっているか確認しましょう。ロードバイクのキャリパーブレーキの場合は、ブレーキに付いているレバーを倒し、ブレーキが締まった状態に戻します。

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ブレーキを元の状態に戻したら、動作確認。前輪を少し浮かし、ホイールを回してスムーズに動くかどうか確認します。

もしスムーズに動かない場合は、ブレーキシューがホイールに当たっているので、調整を行います。

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ブレーキシューとホイールの金属部分のすき間を見てみましょう。すき間が2mm以下の場合、ブレーキが効きすぎの状態です。その時は、ブレーキの効きを調節するために、ブレーキレバーとブレーキワイヤーの接合部に付いているネジを締めます。

ネジを締めるとブレーキがゆるみ、逆にネジを緩めるとブレーキの効きが良くなります。ブレーキシューがすり減ってきたら、このネジを緩めて効きを調節してみましょう。

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次にブレーキシューの左右の間隔が片寄っているいる場合、ブレーキアーチの根元に付いている小さなネジを調整します。

小さなネジはプラスドライバーで回せます。締めるとアーチが外側に、緩めるとアーチが内側に動きますので、左右均等になるように調整しましょう。

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調整が終わったら、再びホイールを回してスムーズに動くかどうかチェックします。

スムーズに動かない場合はブレーキアーチが片寄っているはずなので、再度調整を行います。

ブレーキシューを交換した後、初めて自転車に乗る前には、ブレーキが効くかどうかを必ずチェックしてください。万が一ブレーキが効かない状態で乗ってしまうと、事故に繋がり危険です。

これでブレーキシューの交換方法は終了です。

ブレーキは自転車を止める重要なパーツ、シューの交換を行う時には事故が起こらないよう、ネジにゆるみは無いか、ホイールはきちんと回るかどうかなど、しっかりと確認を行ってください。

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