現役サイクリスト達おすすめ!ビンディングシューズ厳選12モデル
【2021/06更新】自転車と身体をつなぐ腕、お尻、そして脚。どれも大切な部位だが、特にペダルを漕ぎ回す「脚」は最も重要な部位である。脚を下支えするサイクルシューズ(ビンディングシューズ)は慎重に選ばなければならない。
目次
ビンディングシューズの区分は2つ
ビンディングシューズは大きく2つに分けられる。MTB用に開発されて街乗りなどにも転用されるシマノSPD仕様、ロードバイク用のシマノSPD-SL仕様の2つだ。SPD/SPD-SLそれぞれの特徴、違いを見ていこう。
SPDシューズ
シューズの裏に2つの固定穴が空いている。クリートは小さめで、固定力は弱め。
- メリット:クリートの着脱が容易なため、初心者でも扱いやすい。クリートが小さいので、歩きやすい。
- デメリット:ソールが柔らかいため、ペダルを踏んだ力が若干逃げる。
SPD-SLシューズ
シューズの裏に3つの固定穴が空いている(4つ以上付いているシューズもあり)。クリートはSPD仕様より大きく、固定力は強め。
- メリット:固定力が強いため、スプリントやダンシングをしても安心。ソールが固いので、ペダルを踏んだ力が逃げない。
- デメリット:クリートが出っ張っているため、歩きにくい。停車時にクリートを外せないと転倒する。
SPDとSPD-SLシューズの違いはこちらの動画も参照。
どれを使うかは、自転車に乗る目的によって変わるが、ハードな使い方をしてもヘコたれない頑丈でタフなものを選ぶのが先決だ。
ちなみにビンディング・システムはシマノの他、ルック、タイム、スピードプレイからリリースされているので好みのペダルを選ぶといい。
ビンディングシステムに関する詳しい説明はこちらの記事から。
シマノ、ルック、タイム、スピードプレイのペダル比較動画。
そもそも走行距離が短い、ポタリングがメインなどでビンディングペダルが必要か悩む人は一度この記事を読んで欲しい。
シチュエーションによってはフラットペダルが最適解の場合もある。
ビンディングシューズの選び方
SPDとSPD-SL、どっちが良い?
SPDとSPD-SLの違いがわかったところで、シチュエーション別に適したタイプはどちらなのかチェックしよう。
輪行するなら
→歩きやすいSPDがおススメ
改札からホームまで距離がある場合、階段がある場合はクリートが出っ張っているSPD-SLシューズだと歩きにくい。ガチャガチャと音を鳴らしながら、ペンギンのようによちよち歩くのは何とも言えない恥ずかしさがある。一方、SPDシューズはクリートの出っ張りが少ないため、普段通りに歩ける。輪行する機会が多い方には、SPDシューズを強くおススメする。
レースに出るなら
→固定力の強いSPD-SL!
レースでは激しくダンシングしたりスプリントをすることがある。その時に、クリートの固定力が弱いと、ペダルから外れてしまい危険だ。また、SPD-SLはソールが固いため、踏んだ力を効率的に推進力に変えられる。レースで良い走りをしたいなら、SPD-SLがおススメだ。
▶ペダリング効率を比較した記事はこちら
通勤・通学には
→カジュアルデザインのSPDがおすすめ
スーツや普段着にレーシーなSPD-SLはちょっと……という場合におすすめなのが、カジュアルなSPDシューズ。上のシューズだと、ぱっと見ではスニーカーにしか見えない。上で紹介したように、SPDシューズは歩きやすいのでそのまま会社や学校に行っても問題ない。
留め具はどれが良い?
ビンディングシューズには主に4つの留め具がある。それぞれの特徴を見ていこう。
- ベルクロタイプ
2~3本のマジックテープで調整するタイプ。エントリーモデルに多く見られる留め具で、簡単に着脱できる。 - ダイヤルタイプ
ダイヤルを回して締め付けを調整するタイプ。細かく調整できることが最大のメリット。 - シューレース(紐)タイプ
靴紐で締め付けを調整するタイプ。着脱には手間がかかるが、フィット感は高い。 - バックルタイプ
ラチェット式のバックルで調整するタイプ。しっかりと強い力で固定できる。
「留め具は摩耗しやすい」
サイクルシューズは意外に摩耗が早い。2〜3年単位で買い替えしている人も多いのではないだろうか?
特に摩耗が進みやすいのは留め具。
筆者の場合はベルクロタイプ(マジックテープ)のシューズを履いていたが、ベルクロの接着が弱くなり、脚を十分にホールドしなくなった時点で買い替えた。
靴ひもタイプのものは、ひもが切れたりすることがあるだろう。ラチェットタイプやダイヤルタイプのような機械式のものは、調整部品が不調を来す場合もある。どれも一長一短、はっきり言えば消耗品と考えたほうがいい。
ソールの硬さ、素材
硬いソール:高価なモデル(3~4万円台)で多く見られる。素材はカーボン。
- メリット:強い力でペダルを踏んでも、ソールが歪まないので効率よく力を伝えられる。上級者向け。
- デメリット:カーボン製のため値段が高い。
柔らかいソール:エントリーモデル(1万円台)で多く見られる。素材は樹脂。
- メリット:適度に力を吸収してくれるため疲れにくい。初心者向け。
- デメリット:樹脂製のためカーボン製より重くなる。
価格
目安としてエントリーモデルが1万円台、ミドルモデルが2万円台、ハイエンドモデルで3〜4万円台だ。
上で述べたソールの素材の違いに加え、ハイエンドになるにつれフィット感やデザイン性が優れる。ただし、足の形は人それぞれであるし、デザインの好みも人それぞれであるため、実際に見て試着して決めるのが良いだろう。
編集部おすすめビンディングシューズ
それでは以下、編集部が厳選したおすすめシューズを紹介していこう。
ただ、通販全盛の時代だが、せめてシューズは実店舗で試着して買うのがベストだ。同じサイズなのに、メーカーによって差異がある場合があり、実際に履いてみないとわからないこともある。
多少の大きさならシューズ内に入れるインソールでカバーできるが、サイズが小さかったり、足の甲や横幅が合わないときはお手上げだ。失敗しないためのシューズ選び。念を入れて臨もう!
SHIMANO(シマノ)
誰もが知る世界最大の自転車用パーツのメーカー、シマノ。コンポーネントやホイールは有名だが、サイクルウェアやシューズも豊富に揃えていることはご存知だろうか。シマノのシューズは、シマノ製のコンポーネントと一緒に使うことでその性能を最大限に発揮できる。
RC9
高剛性と軽量化を両立したシマノのハイエンドモデル。トッププロ選手からのフィートバックを基に改良が重ねられ、第3世代となった2021モデルは大幅に進化。ソールはシマノシューズラインナップの中で最も硬く、剛性指数は12。ソールとアッパーを一体構造にすることで、ダイレクト感と安定性を実現している。
編集部メンバー K
「初めてSHIMANO RC9を履いた時、まず剛性の高さに驚いた。パワーをかけてもソールが歪まないので、ダンシングがしやすい。ヒルクライムでは有利に働くだろう。」
- サイズ:36〜48(ハーフサイズ、ワイドタイプあり)
- カラー:ブラック、ブルー、ホワイト、レッド
- 重量:236g(42サイズ)
- 剛性指数:12
- 価格:46,200円(税込)
RC7
快適性とペダリング性能を追求したコンペティションシューズ。ソールの硬さはRC9よりやや抑えられているので、ロングライドも快適に走れる。ワイドタイプというものもあり、足の幅が広くてシューズ選びに頭を悩ませる方にもおススメできる一足。
編集部メンバー W
「別メーカーのシューズで痛みが出てしまい悩んでいた時にショップで勧められ購入。その後は痛みも出ていません。シューズの痛みに悩む人にはぜひ一度試してみてもらいたいです。」
- サイズ:38~48(ハーフサイズ、ワイドサイズあり)
- カラー:レッド、ホワイト、ブラック
- 重量:245g(42サイズ)
- 剛性指数:10
- 価格:27,500円(税込)
RP4
初めてのビンディングシューズとしておすすめするシマノのエントリーモデル。サイズも36から50までと豊富に展開。また、幅広モデルの追加で、ほとんどの人の足型に合わせることが可能。アッパーの締め付け調整はボアダイヤルとベルクロストラップで、簡単に操作ができる。ソールは比較的柔らかいため、ビンディングシューズが初めてでも違和感の少ない履き心地となるだろう。
- サイズ:36~50( ハーフサイズなし/ワイドモデルあり)
- カラー:ホワイト、ブラック、ブラック/オレンジレッド、ネオンイエロー
- 重量:258g(42サイズ)
- 剛性指数:6
- 価格:16,500円(税込)
fi’zi:k(フィジーク)
サドルブランドとしてのイメージが強いフィジークだが、シューズも豊富なラインナップを揃えている。
R1B INFINITO ニット BOA
機能性もオシャレも楽しみたいそんな要望に答えられる一足。BOA採用で走行中にも締め付けの調整が可能。アーチが強めの人でも楽に履けるので一度試してみていただきたい。
このモデルは、2018年ツール・ド・フランスでゲラント・トーマスも着用していたシューズでもある。
- サイズ:37 ~ 44.5 ,45
- カラー:ブラック/レッド、グレー/ブラック、ペトロリアムブルー/イエローフルオ、パープル/ブルー
- 重量:255g(42.5サイズ)
- 価格:36,080円(税込)
R3B ARIA BOA
優れたフィット感、実証済みの快適性、美しいデザイン、そして効率的な動力伝達を備え、優れた性能を発揮する。ダブルBOAダイアルのボリュームコントロールフィット、UDフルカーボンアウトソールは軽量で横方向に剛性があり、究極のパワートランスファーを可能に。
- サイズ:36~45
- カラー:ホワイトブラック、ブラックブラック、ブラックピンクイエロー、ブラックイエロー、ブラックレッド
- 重量:243g(42.5サイズ)
- 価格:38,280円(税込)
X2 TERRA ERGOLACE
TERRA ERGOLACE X2はあらゆるオフロードに対応するMTBシューズ。オフロード走行にも耐える頑丈な素材が使われている。アッパーには頑丈さとしなやかさを両立させたウーブンリップストップアッパーを備え、快適性も十分。
- サイズ:36~45
- カラー:アンスラサイト/グレープ、ブラック/ブラック、ティールブルー/ブラック、オリーブ/キャメル、デザート/ブラック
- 重量:329g(42サイズ)
- 価格:17,380円(税込)
GIRO
多くのメーカーのシューズの調整方法がメカニカルバックルシステム(ダイヤル式)に変わる中、靴紐を採用し続けているGIRO。ダイヤル式に比べ、個々の足の形に合わせ微調整がしやすいため、高いフィット感を実現できる。
EMPIRE
GIROを代表するシューレース(靴紐)モデル、EMPIRE。アッパーの設計を見直し従来のGIROシューズと比較してつま先部分が若干ワイドになり、日本人にも合わせやすい形になった。靴紐を使用しているため、ダイヤル式にはないフィット感を得ることができるだろう。重量は225g(42.5サイズ)と、ビンディングシューズの中でも最軽量の部類に入る。
- サイズ:39~45
- カラー:レッドオレンジ、ホワイト、ブラック
- 重量:225g(42.5サイズ)
- 価格:38,280円(税込)
NORTH WAVE
メーカーにてシューズの修理ができることが推しポイント。有償での修理になるが、買い換えるより安く長く使うことができる。
EXTREME GT 2
ペダルエリアはフルカーボン、それ以外の部分はカーボンコンポジットソールを使用した、NORTHWAVEのセカンドグレードモデル。昨年、モデルチェンジをし、ダイヤルが一つから二つに増えたことにより、より細かくフィット感が調整できるように。また、トップモデルと比較し、足幅が広めに設計されており、普段ワイドタイプを選択しているライダーに最適。
- サイズ:36, 37, 38, 39, 39.5, 40, 40.5, 41, 41.5, 42, 42.5, 43, 43.5, 44, 44.5, 45
- カラー:アンスラ/シルバー リフレクティブ, ブラック, ホワイト/シルバー リフレクティブ
- 重量:267g(インソールなし)
- 剛性指数:12
- 価格:35,750円(税込)
STORM
オリジナル開発ダイヤル搭載+コンポジットソール(カーボンと樹脂の複合タイプ)のミドルグレードモデル。アッパーがメッシュ素材なので通気性は抜群で、足入れ感が柔らかく、足なじみが非常に良いのが特徴。
- サイズ:39, 39.5, 40, 40.5, 41, 41.5, 42, 42.5, 43, 44
- カラー:ブラック、ホワイト、アンスラ/ロブ・オレンジ、アンスラ/イエロー・フルオロ
- 重量:290g(インソールなし)
- 剛性指数:10
- 価格:23,100円(税込)
CORE PLUS 2
オリジナル開発ダイヤル搭載の高コストパフォーマンスなロードシューズ。アッパーがソフト素材で足入れ感が柔らかい。5つのベンチレーションを備え通気性を確保している。
- サイズ:36, 37, 38, 39, 39.5, 40, 40.5, 41, 41.5, 42, 42.5, 43, 43.5, 44, 44.5, 45, 46, 47
- カラー:ブラック/レッド, ブラック/シルバー, ブラック/イエロー,ホワイト/ブラック
- 重量:270g
- 剛性指数:8
- 価格:17,380円(税込)
LAKE
山は性癖です。でお馴染みの篠さん(twitter・ブログ)が着用していることから一躍人気となったブランド。合皮を使用せず、天然の皮革を使用しているのが特徴。
LAKE CX332
カンガルー革、熱成形式カーボン製ヒールカウンター、カスタムカラー対応のセカンドグレードモデル。今のシューズからレベルアップを考えている人におすすめだ。
- サイズ:メンズ標準幅(Speedplay含む)39~50、メンズワイド幅 39~50、ウィメンズ幅 36~4336~43、(ハーフサイズあり:37.5~46.5)
- カラー:ホワイト、ブラック、カメレオンブルー、カメレオングリーン、ホワイト/ブラック
- 重量:230g(42サイズ)
- 価格:55,000円(税込)
SIDI
ビンディングシューズの古参メーカー。長年のノウハウと最先端の技術を融合して生み出されるシューズは、多くのライダーにフィットするでしょう。目新しさはないが忘れてはいけないメーカーだ。
GENIUS 7
シディの定番シューズがリニューアル。伝統的な2本のベルクロとラチェット式のバックルにより、最適なフィットを実現している。また、マイクロファイバー素材を使用し、快適性と耐久性を兼ね備えたモデル。
- サイズ:36〜46
- カラー:ホワイト、ブラック×イエロー、ホワイト×ブラック×レッド、ブラック、ブラック×レッド
- 重量:-
- 価格:25,850円(税込)
おすすめショップ
『Probikeshop』は、欧州の人気ブランドや日本未発売のブランドをはじめとしたスポーツバイクの専門サイト。SIDIのシューズも取り扱っています!
- 購入前にオンライン相談できます。
- 購入後の出張サポートは年3回まで無料です。
MAVIC
自転車総合パーツブランドのマヴィック。ウェアからシューズまで多くの製品を取り扱っている。シンプルかつ大胆なデザインとシューズの軽さが特徴。
COSMIC エリート SL
山岳ステージ向けに開発された軽量シューズで、重量はたったの230g。アッパーは軽量かつ通気性の良いメッシュパネルのシームレス構造を採用。常に足が快適でいられるよう考え抜かれたデザインになっている。暑い日の登坂でも不快感を感じることはないだろう。
- サイズ:22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31
- カラー:ホワイト、ブラック
- 重量:230g
- 価格:25,000円(税込)
dhb
高品質の商品を低価格で提供するWiggleのオリジナルブランド。アパレルからハードまで幅広く展開している。
Dorica カーボンロードシューズ
Wiggleのオリジナルブランドによる一足。フルカーボンソールで一万円を切る(セール価格)というコスパの良さが特徴。シューズの上部に穴が開いているため、長時間履き続けても蒸れにくい。白と黒だけのシンプルなデザインもお洒落で良い。
- サイズ:39〜48
- カラー:ホワイト
- 重量:237g(42サイズ)
- 価格:8,300円(税込:2021/06時点)
最後に
以上、ハイエンドモデルからお手頃な価格のシューズを挙げてみた。
前述した通り、高額なシューズも安価なものも、消耗品として考えれば2万円台ほどの価格が手頃な選択になるだろう。また、デザイン性も重要な要素。ウェアやバイク機材に合った一足を選ぶとしよう。
また、ビンディングシューズを導入すると立ちゴケ(ペダルに足がついたまま自転車ごと倒れる状態)も不安になると思う。
そんなときはこちらの記事も参考に自転車の乗り方の練習もぜひしてほしい。
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WRITTEN BYFRAME編集部
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