ビンディングペダルおすすめ8選!ロードバイクでのメリットや種類もチェック

【2021年6月更新】脚とペダルが一体化するビンディングペダル、どんな効果があって、初めてのペダルはどう選べばよいのでしょうか。メリットとデメリットをよく理解して、自分の乗り方にピッタリなペダルを見つけましょう。今回は “自転車に乗っているけどまだビンディングデビューしていない” 方へ向けて、おすすめのビンディングペダルを紹介します。

ビンディングペダルの特徴は?メリットとデメリットを徹底解説

ビンディングペダル

自転車店で働いていた頃、ビンディングペダルの使用をためらう方からは

「足がペダルとくっつくのは怖い…」

「はじめは必ず落車すると聞く」

「自転車を降りてから歩けないのは嫌」

とさまざまな声が聞かれました。実際これは当然のことで、雑誌も自転車店員も「引き足が使える!」とか「プロはみんなビンディング!」とかいろいろな利点(?)を伝えてきますが、デメリットの話になるとトーンが下がって「まぁそれはしょうがないよね」とか適当にお茶を濁されることもしばしば。本当に使いこなせるのか不安になってしまう気持ちもわかります。

この記事ではビンディングペダルをゴリ押しするつもりはありません。メリットとデメリットをよく理解して、導入する場合はデメリットも理解した上で使ってみましょう。そうすれば、「こんなはずじゃなかった!」となることは避けられるはずです。

それではメリットから見ていきます。

1.ペダリング効率が上がる

何遍も繰り返されているフレーズかとは思いますが、これは事実です。長く走れば走るほど、通常のフラットペダルとビンディングペダルでは疲労度が違ってきます

ペダリング改善の記事「楽に速く長く!今日からできるロードバイクのペダリング改善」にも書かれているように、スポーツ自転車のペダリングにおいてはただ踏むだけではなく前にスライドさせたり、後ろ側に引いたりといったテクニックが必要になります。

もちろんこれをフラットペダルで行なうことも可能ですが、ビンディングペダルのほうが簡単に、しかも効率的に実現できるのは容易に想像できるかと思います。

またペダル軸の直上に拇指球を固定できるため、常に一定のフォームでペダリングをすることができます。ペダルと足の位置関係はライディングフォームの基礎中の基礎なので、ここがずれるとフォームもなかなか決まりません。


▶ビンディングペダルにするだけで本当に効果がある? 比較実験したこちらの記事をチェック!

2.ペダルと足がすべらない

悪路とビンディングペダル

あまり語られませんが、私はかなり大きなメリットだと思っています。そもそもペダルとシューズがくっついているので、不意に足がペダルから外れることがありません。

それゆえ雨の日に走ったり濡れたシューズで乗っても、ツルッといってふくらはぎをペダルで強打したり(かなり痛い)、バランスを崩して落車したりといった危険性がほぼ無くなります。

雨の日や雨上がりも自転車に乗らなければならない通勤ライダーはもちろん、一般ライダーが不意の雨に降られた場合でも安心です。

ペダルから足が外れての落車は高速巡航時にも十分起きうるので、実はみなさんが恐れる「立ちごけ(後述)」よりも深刻な事故に繋がる可能性があります。ビンディングペダルは危ないというイメージがあるかもしれませんが、実は上記のような事故を防いでくれる一面もあります。

3.別に歩けないわけじゃない

これをメリットと言っていいのかは微妙なところですが、実はビンディングシューズは巷で言われるほど歩けないわけではありません。ペダルとシューズの種類をきちんと選べば、特に違和感なく歩ける商品もあります。

中にはぱっと見ビンディングシューズと気づきにくいこんな商品も。

(出典:runon

いずれにせよ「ビンディング=歩けない」というのは必ずしも正しくありません。レース用のビンディングより重量や剛性など性能は落ちますが、適切なペダルとシューズを選べば特に不自由なく歩行することが可能です。

次にデメリットをお伝えします。

1.立ちごけする

ビンディングペダルで立ちごけ

ごめんなさい、これはどうしようもないです。よっぽど運動神経がよくても、よっぽど注意深く自転車に乗っていても、たとえ熟練のライダーでも(!)ふとした拍子にコテンといきます。慣れれば慣れるだけ頻度は減ってきますけどね…。

こけ方にはいくつかパターンがあって、

  • 停止するときに足とペダルがくっついていることを忘れる → 停まる寸前に気付くものの焦って外れずコテン
  • Uターンしようとしてバランスを崩す → 咄嗟に足が出ずにコテン
  • 横着してビンディングを外さずに停車 → バランスを崩してコテン

といったものがよく見られます。

「やっぱり転ぶんじゃん!怖い!」と思われたかもしれません! ですが、実は上のシーンからもわかるように、立ちごけをするのはほとんど停車時か低速走行時に限られていて、体やバイクへのダメージが深刻になることは稀です。(「自転車 立ちごけ」でYouTubeを検索するとよくわかります)

また高速走行時にコケる場合はビンディングだろうがフラットペダルだろうが等しくコケるので、ビンディング導入で危険が増すわけではありません。

コケるときはコケるので心配ご無用とは言えませんが、導入直後は車の来ないところではめ外しの練習をしたり、停車する前は早めにペダルを外しておくなどすれば立ちごけの可能性はぐっと減らすことができます。


▶ビンディングシューズ&ペダルにどう慣れる? 練習はどうしたらいい?
初心者なみこさんが挑戦!シューズの着脱方法を専門家にしっかり聞いてきました!

2.ものによってはやっぱり歩きづらい

競技用の高性能なビンディングペダル(SPD-SLなど)は靴底に出っ張る形でクリート(ペダルとくっつく部分)が付いているので、コンクリートやタイルの上を歩くと滑りやすく、またカチャカチャと独特な音がします。

さらにつま先が持ち上がった状態で歩くので、歩く姿はペンギンのようにヨチヨチしたものに……。さらに歩行によってクリートも磨り減るので良いことは全くありません。

クリート

いずれにせよ、以下の紹介などを参考に、自分の用途に合わせてシューズとペダルを適切に選択することが重要です。

ビンディングペダルの種類

2種類のビンディングペダル:SPD-SLとSPD

  • SPD-SL 

ロードバイク専用に作られたビンディングペダル。ペダルとシューズの固定力が強く、剛性が高いため力を効率的に伝えられます。シューズとペダルを固定することで「踏む力」に加えて「引く力」も推進力にできます。

  • SPD

もともとはMTB用に作られたペダル。固定力が弱く、付け外しがしやすいので初心者にもおすすめ。またクリートが小さく歩きやすいため、観光や散策が多いライドにも◎。
SPDの中には片面がフラットペダルとして使える「片面ビンディング」というモデルもあります。

ビンディングシューズも必要!

ビンディングペダルと固定するには、専用のビンディングシューズが必要です。ビンディングシューズの裏にある止め具(クリート)をペダルにはめて使います。


▶ビンディングシューズには様々なタイプがあるので、各々の乗り方に合ったシューズを選びびましょう。
おすすめのビンディングシューズはこちら!

▶ビンディングシューズの効果は、こちらの記事でもチェックできます。

ビンディングデビューにおすすめのペダル

さて、前置きが長くなりましたがいよいよおすすめビンディングペダルのご紹介です。

ビンディングもいいけど歩きたい! MTB用ペダル(SPD)をチョイス

通勤通学に使われる方や、輪行をしたり行き先で歩きまわったりする方におすすめなのがMTB用ペダル。名称こそMTB用ですが、ロードにもクロスバイクにも何不自由なく付きます。

MTBペダルの中でも、国内でコストパフォーマンスや入手性に優れているのはやはりSHIMANOのSPDシリーズでしょう。交換部品も手に入りやすく、トラブルも少ない点でこれを選んでおけば間違いないと思います。

おすすめはこちら!

SHIMANO(シマノ)PD-M540 両面SPDペダル

SPDのエントリーモデル。ビンディングペダルの中でも良心的な値段が素晴らしい。両面どちらでもクリートをはめることができるので、発進時に踏み面を探してフラフラと蛇行することもありません。

またペダル本体が大きいので、ちょっとコンビニまで…というときにスニーカーでも乗りやすい気軽さがあります。重量は352g。参考価格:7,886円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★★★★★
パフォーマンス:★★☆☆☆
歩きやすさ:★★★★★
外しやすさ:★★★☆☆

レース・ロングライド向け←1 2 3  5 →街乗り・通勤通学向け

SHIMANO(シマノ) PD-ED500 SPDペダル

テンション調整が可能なSPDペダル。重量は442gとやや重いですが、クリートの脱着が簡単に出来ます。力を入れて踏みつけなくてもクリートがハマるので、初心者におすすめです。SHIMANO純正のクリートも付属します。参考価格:5,353円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★★★★☆
パフォーマンス:★★★☆☆
歩きやすさ:★★★★★
外しやすさ:★★☆☆☆

レース・ロングライド向け←1 2  4 5 →街乗り・通勤通学向け

ビンディング × フラペのハイブリット「片面ビンディング」

SHIMANO(シマノ) PD-T421 リフレクター付 片面SPDペダル/片面フラットペダル

SHIMANOが初心者向けに発売したCLICK’R(クリッカー)は、上に挙げたSPDの半分以下の力ではめ外しができるスグレモノ。かつてはSPDが初心者向けのペダルの代名詞でしたが、CLICK’Rの登場でよりビンディングへの敷居が低くなりました。反面固定力が弱いという弱点がありますが、初心者の恐怖心克服のためにこれ以上適したペダルはないと思います。参考価格:7,318円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★★★★★
パフォーマンス:★☆☆☆☆
歩きやすさ:★★★★★
外しやすさ:★★★★★

レース・ロングライド向け←1 2 3 4  →街乗り・通勤通学向け

すこしでも速く!軽量高剛性なロード専用ペダル

ロードバイク ペダル おすすめ

やっぱりロードバイクでは性能を追求したい! 多少歩きづらくてもいい! という方はロードバイク用ペダルをチョイス。一般的にMTB用ペダルと比較して踏み面(ペダルと靴裏の接触面積)が大きく、大きな踏力をかけても安定する利点があります。

またシューズとあわせて機能美に満ちたシルエットも大きな魅力の一つ。ロード乗りなら一度は履くべきです。

またMTB用ペダルは初心者向けとなるとSHIMANO以外の選択肢がほぼありませんが、ロードバイク用ペダルはブランドが多種多様なのも特徴。自転車のブランドと合わせたり、お気に入りの選手が使っているペダルを選ぶのも楽しみの一つです。

おすすめはこちら!

SHIMANO(シマノ)PD-RS50

SHIMANOのロードバイク用ビンディングシリーズSPD-SLの中では廉価なエントリーモデル。クリートを固定するバネの力を軽くできるため、とっさの時に足が外れやすく初心者の方には自信をもっておすすめできます。重量は320g。参考価格:5,979円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★★★★☆
パフォーマンス:★★★☆☆
歩きやすさ:★☆☆☆☆
外しやすさ:★★☆☆☆

レース・ロングライド向け← 2 3 4 5 →街乗り・通勤通学向け

SHIMANO(シマノ)PD-R7000

SHIMANOロードコンポーネントのミドルクラス、105グレードのカーボンペダル。ゆくゆくはレース出場なども考えている方にはおすすめ。長く付き合えるモデルです。遠目から見るとDuraAceなどのハイエンドモデルと区別がつかないのもポイント!重量265g。参考価格:12,400円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★★☆☆☆
パフォーマンス:★★★★☆
歩きやすさ:★☆☆☆☆
外しやすさ:★☆☆☆☆

レース・ロングライド向け← 2 3 4 5 →街乗り・通勤通学向け

LOOK KEO 2 MAX CARBON

ビンディングペダルの元祖LOOKがリリースする、シンプルなスタンダードモデル。前モデルより耐久性とねじれ剛性を向上させながらも、重量は240gと軽量に抑えられています。
SHIMANOで他の人とかぶるのはなぁ……という人にもオススメです。参考価格:14,980円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★★☆☆☆
パフォーマンス:★★★★☆
歩きやすさ:★☆☆☆☆
外しやすさ:★★★☆☆

レース・ロングライド向け← 2 3 4 5 →街乗り・通勤通学向け

SpeedPlay  ULTRA LIGHT ACTION クロモリ

2010年頃からプロレーサーの使用率が急速に高まり、ツール・ド・フランスのマイヨ・ジョーヌやマイヨ・ヴェールを毎年獲得している最近ノリにノっているペダル。あめ玉のようなシンプルな見た目からもわかるように軽量で、かつクリート側に組み込まれた調整機構で、ペダルの固定角を左右独立に調整できるすごいやつ。

踏み面も広くてトルクをかけやすく、両面どちらでもはめられるのでストレスフリーといいコトだらけ。実は私も愛用者です。ただしクリートがとんでもなく高い(5,000円くらい)ので、歩くのは全くオススメできません。重量220g。参考価格:17,980円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★☆☆☆☆
パフォーマンス:★★★★★
歩きやすさ:☆☆☆☆☆
外しやすさ:★★☆☆☆

レース・ロングライド向け← 2 3 4 5 →街乗り・通勤通学向け

TIME (タイム ) XPRESSO 2

理想のペダルを開発するため、1987年に設立されたTIME。TIMEのペダルは膝に優しいことから多くの愛用者がいます。TIME独自のフローティング機構により、クリートが自在に動き関節への負担を軽減。ビンディングペダル初心者や膝の故障が多い人におすすめです。
重量は115g(片側)。参考価格:7,634円(税込:Amazon価格2021/05時点)

価格:★★★★☆
パフォーマンス:★★★★★
歩きやすさ:★☆☆☆☆
外しやすさ:★★★☆☆

レース・ロングライド向け←1  3 4 5 →街乗り・通勤通学向け

ビンディングペダルに関するQ&A

取り付けは自分でできる?交換方法は?

自転車にビンディングペダルを取り付けるためには、

  1. 今ついているペダルを外して
  2. 新しいペダルを取り付ける

という交換作業が必要です。

交換するのに必要なのが「ペダルレンチ」、またはアーレンキー(六角レンチ)です。
※どちらか一方の工具しか使えないペダルもあります。

ペダル交換に必要なペダルレンチ
交換するのに必要な「ペダルレンチ」

ペダルはクランクと呼ばれるペダルの付け根まで伸びている棒状のパーツにネジ込んで固定されているのですが、走行中に不意に外れないようにとても強い力で固定されています。

右ペダル、左ペダル共に反時計回り(進行方向とは逆方向)に回すことで外せます。

が、先述したようにとても強い力で固定されているので、作業をする際には決して無理をしないようにお願いします。
長年使っていたり錆び付いていたりすると固着して外れない場合もあり、無理と思ったら自転車店へ持ち込みましょう。無理に外そうとするとペダルを痛めてしまったり、怪我につながるおそれがあるのでご注意ください。

新しいペダルを取り付けるときは、固着しないようにグリスを塗っておきましょう。

最後に

ビンディングデビューにおすすめのペダルを紹介してきました。ここに紹介した以外にも、ハイパフォーマンスなものからマニアックなものまで奥が深いのがペダルの世界です。

案ずるより産むが易し! 思い切ってこのタイミングでビンディングを導入して初心者を脱しましょう!

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WRITTEN BYしんたろ

ホリデーレースと自転車旅が好きな貧脚ライダー。日本縦断と四国一周、バイアスロン富士登山が主な自慢話。自転車店でメカニック経験あり。最近は乗るよりメカを眺めている時間が長い。

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