風を切る最高のタイムトライアルバイク(TTバイク)を7つ厳選

タイムトライアルバイクとはTTバイクと呼ばれる、自転車ロードレースのタイムトライアル(個人/チーム)に特化した競技用自転車である。トライアスロンやトラックレースでも使用され、高い巡航スピードを維持するものだ。

通常のロードバイクとは異なり、多くのライダーが密集した集団での走行やゴールスプリントなど、ハンドルさばきの難しい局面での使用を想定しておらず、操舵性や駆け引きでの優位性よりも空気抵抗の小ささを重視した特異な設計となっている。

ロードバイクとタイムトライアルバイクの違い

ロードバイクとの大きな違いはハンドルにある。通常のロードバイクで使用されているドロップハンドルではなく、ブルホーンハンドルとダウンヒルバー(DHバー)が前方に突き出るように配置される。巡航中はアームレストに腕を乗せ、DHバーを握って自転車を走らせる。空気抵抗の小さい体勢を維持しやすくするためである。

ブレーキバー

ブレーキレバーはブルホーンバー、変速レバーはDHバーに装着される。そのため制動と変速を同時に行なうことができず、立ち漕ぎへの移行が遅くなるなど、操作性はロードバイクと比べて手数を踏むことになる。

ホイール

ホイールは前輪にディープリム、後輪にディスクホイールを装着するのが多い。風にハンドルが取られない程度に最低限の操舵性(そうだせい)を維持しつつ、空気抵抗を減らすための軽量な機材が使用されている。

フレーム

フレームはエアロダイナミクスが追求され、各社総力をあげて開発されている。風洞実験などで不要な部分はすべてシェイプ。ブレーキ形状やシートポストなど細かい部所に至るまで研究され、コンマ単位の高スピードを弾き出す努力が続けられている。

それでは、編集部が厳選したTTバイクを紹介しよう。

■ANCHOR RT9|アンカー アールティーナイン

ANCHOR RT9|アンカー アールティーナイン

全日本選手権を制したTTモデル。高速での安定した走りのために、フォーク、ダウンチューブ、チェーンステーの剛性を高め、限りなく低重心であることを目指した。シフトは電動変速のみ対応し、バッテリーはBB下からフレームに内蔵する構造で低重心化にさらに貢献する。

  • サイズ:SS、S、M、L
  • カラー:レーススタイルは1色、エッジスタイルは33色
  • 価格:410,000円(フレームセット/税別)

■CERVELO P5-Six|サーベロ ピーファイブシックス

CERVELO P5-Six|サーベロ ピーファイブシックス

目標に「Simply Faster」を掲げるTT&トライアスロンバイク。フォーミュラー1レベルのCFDソフトウェアを用いた設計を行なっており、その高いエアロ効果は風洞実験で証明されている。他車よりも6〜11ワットもパワーセーブすることができ、40kmのレースで約30秒のタイム短縮が可能。

  • サイズ:450、510、530、550
  • カラー:ブラック、レッド、ネロ
  • 価格:600,000円(フレームセット/税別)

■NEILPRYDE BAYAMO Limited|ニールプライド バイヤモ リミテッド

NEILPRYDE BAYAMO Limited|ニールプライド バイヤモ リミテッド

BMW Group Design Works USAと共同開発されたTTマシン。速さと美しさ、エアロダイナミクス、剛性、さらに快適さも兼ね備えている。ロードバイクに近いハンドリングの素直さや、汎用性の高い部品仕様がベストセラーの証。遠征のしやすさも視野に入れている設計だ。比較的、廉価なのも財布に優しい。

  • サイズ:48、51、54、56
  • カラー:ブラック×イエロー
  • 価格:1,350,000円(スラム・eTAP完成車/税別)

■SPECIALIZED SHIV TT|スペシャライズド エスエイチアイブイ ティ-ティ-

PECIALIZED SHIV TT|スペシャライズド エスエイチアイブイ ティ-ティ-

横風をうまく受け流せるように、自社の風洞施設「Win Tunnel」を使って断面形状を過改良。フレームに合わせた専用設計のコックピットは幅広いフィットオプションを提供するから、ライダーは快適にパワーを発揮してスピードを出せるポジションを得られる。タイトなコーナーやテクニカルな下りでも時間をロスする心配入らず。

  • サイズ:450、465、480、495
  • カラー:カーボン×ホワイト
  • 価格:480,000円(フレームセット/税別)

■BMC timemachine 01|ビーエムシー タイムマシーン ゼロイチ

BMC timemachine 01|ビーエムシー タイムマシーン ゼロイチ

数々のビッグレースで勝利に貢献してきたTT/トライアスロンバイクがフルモデルチェンジ。先代の特徴であった優れた空力性能とフィッティング性をさらに強化しつつ、細部をブラッシュアップして、より扱いやすい1台に進化を遂げた。

  • サイズ:S、M-S、M-L
  • カラー:レッド、イエロー、ブラック
  • 価格:1,490,000円(シマノ・デュラエースDi2完成車/税別)1,260,000円(スラム・eTAP完成車/税別)980,000円(シマノ・アルテグラDi2完成車/税別)790,000円(フレームセット/税別)

■RIDLEY DEAN|リドレー ディーン

RIDLEY DEAN|リドレー ディーン

出典:RIDLEY DEAN

エアロダイナミクスに優れるフレーム形状、ストレスなくペダリングに集中できるポジションへのフィッティング性、メンテナンス性に長けて持ち運びがしやすいこと。本機の開発はスピードに関するこれら3つの要素をベースに行なわれている。また、マルチポジションシートポストを採用。実用性の高い1台だ。

  • サイズ:XS、S
  • カラー:DEA01As
  • 価格:323,000円(フレームセット/税別)

■COLNAGO K-ZERO|コルナゴ ケイ-ゼロ

COLNAGO K-ZERO|コルナゴ ケイ-ゼロ

  • サイズ:XS、S、M
  • カラー:ブルー×ブラック×ホワイト-グロス、ブラック×グリーン×グレイ-マット
  • 価格:249,000円(フレームセット/税別)

コルナゴが満を持してレースの世界へと放った、新開発のエアロフォルムTTバイク。チームヨーロッパカー(現ディレクト・エネルジー)のプロライダーによる全面協力を得て数々の実走テストをこなし、最先端の空力解析と風洞実験から導かれた高度なエアロダイナミクス性能を発揮する。電動式と機械式の両変速システムに対応。

まとめ

エアロダイナミクスを追求するとフレームデザインが特異なものになっていくことがわかるだろう。もはやアートの世界で、好みが高じた人たちの間では「TTバイク萌え」なる言葉もあるぐらいだ。フレームセット販売が多く、コンポーネントやホイールなど、自分好みの1台に仕上げる楽しさもある。価格はいささか高額になるが、一生のうち一度は手にしてみたいバイクである。

タイムトライアルバイク関する合わせて読みたい記事はこちら

増渕俊之

WRITTEN BY増渕俊之

出版社勤務を経て、フリーランスの編集/ライター。編著に『これがデザイナーの道』『自転車ファンのためのiPhoneアプリガイド』『岡崎京子の仕事集』がある。現在、編集を手がけた岡崎京子の単行本『レアリティーズ』が発売中。

他の記事も読む

関連記事