「お店の試乗って買わされそうでコワイ」という人のためにスポーツバイク店に質問ぶつけてみた!
目次
ロードバイクを試乗する上で気になる8つのこと
ロードバイクは敷居が高い? 値段も高額だし、初めて乗るにはおっかなびっくり……そういう悩みごとを抱えている人はいないだろうか。そうした悩みの解消におすすめしたいのが、ショップにある試乗車に乗ってみること。一度またがって乗ってみたら、そんな悩みはガラリと解消できるかもしれない。しかし、あらゆる専門店がそうであるように、「スポーツバイク専門店」に初めて行くのはなんだかコワイという気持ちも分かる。とても専門的なアイテムがずらりと夢のように並んだ店内は「コワイ」と思って見ると、思わずビビるかも。
そこでそんなお悩み解決のために参上したのがYou Tuberのけんたさん。
You Tuberけんたさんがお店を訪問するシリーズの第一回。初めてロードバイクの試乗をする前に気になることを、みんなの代わりに聞いてくれた。お話をうかがったのは、ロードバイクを専門に取り扱っている「なるしまフレンド」神宮店の店長・藤野智一さん。シマノのコンポ・デュラエース9000系を搭載したリドレーのフェニックスSLに乗るライダーだ。そんなショップマスターに、店頭での試乗についてアレコレ訊ねてみた。
試乗に行く前に気になること全部聞いた
1.試乗に際して持っていくものはありますか?
街中で見かけるロードバイクに乗る人は、ヘルメットにサイクルジャージ、レーシングパンツを身にまとったフル装備。試乗に際しても、そんなライダーと同じような装備をしていったほうがいいのだろうか? また、必要なものは何だろう?
「基本は手ぶらで来ていただいて結構です。ヘルメットはこちらで用意したものをサイズに合わせて貸し出しています。服装は普段のカジュアルな着衣で問題ありません。でもサンダルは困るのでスニーカーを履いてきてください。あと、女性だとスカートは動きにくいのでパンツルックをおすすめします。また、自分のビンディングシューズを使いたいというときは事前に連絡をしていただいて、ペダルとともに持ってきてください。必要なものは顔写真付きの身分証明書だけです」
2.試乗は予約できますか? あるいは予約がないと試乗できないのでしょうか?
ショップを訪れると、たくさんのお客さんと忙しそうに働いている店員さんが目立つ。そんなとき、いきなり試乗にやって来るのは迷惑だから予約が必要なのだろうか?
「特にご予約は必要ありません。でも、他のお客さんが試乗されている場合、自転車が空くまでお待ちいただくことがあるので、ご予約されたほうがスムーズです。当店ではいま2台の試乗車を用意していますが、ご希望の車種をスタッフにお伝えいただければ、その場で準備して試乗することが可能です。料金も不要です」
3.試乗はどのくらいの距離/コースを走れるのでしょうか?
どのくらいの時間、試乗できるのだろうか? あまり短い時間や距離では、せっかく試乗しても意味がない。
「特に時間は定めていませんが、大体20分から30分ぐらいでしょうか。そのぐらい時間があれば試乗車のことがわかります。注意してもらいたいことは、試乗会のようにクローズドしたコースではなく一般道を走るので、交通ルールを守っていただきたい。特に信号ですね。都内ですから交通状況があまりよくないので、当店のおすすめコースはすぐ近くにある神宮外苑。1kmもしないので、そちらを周回して戻っていただく。そうすれば30分ぐらいで収まるでしょう」
4.試乗したら買わなきゃならない?
試乗を終えてショップに帰ってきたら、買わなきゃならないムードに……そんな気まずい心配ありませんか?
「試乗は乗り心地やコンポーネントを確かめたいという人が多いので、こちらから『いますぐ購入しますか?』と言うことはありません。どんな印象だったのかというのは、逆に聞いてみたいですね。人それぞれ感じ方が違うので。ディスクブレーキが『思ったより効きがよくなかった』とか『想像以上に良かった』とか、情報として確かめたい。気軽に乗っていただいて、購入のことをこちらから触れることはありません。初めての方でも安心して試乗してみてください」
5.試乗の流れを教えてください。
手ぶらでも大丈夫な「なるしまフレンド」の試乗車。自転車を借りる流れはどういうものなのだろうか?
「まず来店されてから、車種を指定していただきます。その後、個人情報の記された顔写真付きの身分証明書や免許証の番号を控えさせてもらいます。そして誓約書にサインしてもらい、サイズを合わせたら、手続きは終了です。ただ、未成年の方の場合は誓約書に保護者の同意するサインが必要です」
6.プロの目から見て、試乗では何をチェックすればいいか、教えてください。
ただ走るだけでなく、購入のきっかけとなるポイントを体験するのが試乗のメリット。どこを確かめるのが最適ですか?
「いま、当店にある試乗車の1台はスペシャライズドのルーベ。長距離を快適に乗りたい人向けですが、その乗り心地とディスクブレーキの効きをチェックしてみるのが目的でしょう。もう一台は最新のコンポーネント、シマノのデュラエースR9170シリーズを搭載したモデルです。こちらは電動コンポの操作性を知ってもらい、同時に油圧式ディスクブレーキもチェックしていただきたい。なかなか見ることも乗ることもないので、そうしたものを試乗できるというのは言葉なくして伝わるものがあります」
7.シマノの新型デュラエースの試乗車はどんな感じが教えて下さい
シマノ史上最強のデュラエースR9170系は電動式で油圧ブレーキを採用。それを試乗できるのは希有な体験だ。藤野さんのインプレッションは?
「まずデュラエース初の油圧式ディスクブレーキは、ブレーキをかけたときの引きの軽さが特徴です。指一本で操作が可能。力がない女性でも軽くタッチできて、ブレーキはしっかりかかる。下りのときでも、ずっとブレーキに手をかけていると疲れてしまいますが、そういうストレスがまったくありません。電動の操作も非常に楽ちん。ブラケットが細く、これまでのSTIレバーとほぼ変わらない握り心地で、見た目もスタイリッシュ。一度電動に乗ってしまうと、機械式に戻れないという人が多いですが、その理由を試乗でも確かめられるでしょう」
8.試乗後に購入を決めた場合、納車までのプロセスを教えてください。
試乗してお気に入りの一台と出会ったら、購入の手続きをしたい。納車までの流れはどのようなものなのだろうか?
「最初にこちらにあるフィッティング用バイクに乗っていただきます。どのバイクのサイズにも合わせられるバイクで、店頭にないバイクのサイズもこれで計ることができます。店頭にあるバイクをご購入される場合も、まずこちらに乗っていただいてサイズを確認し、身長と股下を計るんです。サドルの高さを決めたり、バイクの大きさを確認してポジション出しをします。店頭にサイズの合うバイクがあって、お客さんが『今日欲しい』という場合だったら、1時間ほど待っていただければポジションをセットして調整ができます。初めてロードバイクに乗る人ならば、さらに納車の説明に30分ほど時間をいただく。それが完了したらお渡しできます」
まとめると……試乗は全然コワくない!
このQ&AはけんたさんがYou Tubeに動画としてまとめてくれているのでぜひどうぞ。
試乗にやってきたお客さんが当日即納でバイクを購入することも少なからずあるようだ。いわばイージーオーダーのスーツを買い求めるのと似ている。同じ身長でも手足の長さが違ったり、これまでスポーツをしていたかどうかでもフィッティングは変わるという。もちろん性別でサイズが変わる。店頭にあなたにぴったりサイズのバイクがあれば、それは天のささやき。一期一会に期待して、さあ、試乗に行ってみよう!
Photos by Seiya Matsumura
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WRITTEN BYFRAME編集部
FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。 https://jitensha-hoken.jp/blog/