痛みに耐えても速くはならない!真剣フィッティング4時間で何が変わるか

お久しぶりです。東京大学農学部4年の大島拓司です。学生最後の秋はツール・ド・おきなわで燃え尽きまして、そろそろ社会人になります。働きたくないので養ってくれる方を募集しています(←冗談です)。

わたしの過去の栄光の姿
▲わたしの過去の栄光の姿

適当なポジションでレースに出たら膝痛が

さて、社会人になってもロードバイクに乗っていくなら、膝とか腰とか痛めないように乗りたいですよね。私は最初のポジション出しを適当にやってしまったんですよね。「サドルの高さを腰の骨辺りに合わせれば大丈夫だよ!」とだけ言われて自転車を頂いたので…。

そのせいか、沖縄でのトレーニング中に膝が痛くなったりしていました。膝の裏のすじっぽいとこがピキーンってなる感じのやつです。伝わりますか?(笑)

そんな話をFRAME編集部としていたら、
「大島君、確かに速いけど乗り方雑だしそのうち怪我しそうだよね。フィッティングとかやってみれば?」という話になったんです。

いやいやいや、余計なお世話ですわ。僕だってねぇ、膝の痛みを解決するために関節とか筋肉の構造とか色々調べて調整したんですよ。全く失礼しちゃいますよね。

ま、まぁでも、プロがロードバイクの動作に関節や筋肉をどう紐づけてポジションを出すのかとかどんなデータを取るのかはちょっと気になるのでね!しゃあなしで受けますけどね!(←ツンデレかよ)

というわけで、今回はSpecialized(スペシャライズド)さんのフィッティングサービス「Body Geometry Fit(ボディ ジオメトリーフィット)」を受けて、フィッティングって本当に効果があるのかを探ってきました。

そもそもフィッティングとは?

そもそもフィッティングとは?
そもそもフィッティングって何か、ということだけあらかじめ解説しておきます。

まず、自転車を買いますよね。その時、まずは自分の身体にあったサイズの自転車を選ぶ必要があります。これは「サイジング」と呼ばれます。

今回はやりませんでしたが、サイジングもかなり重要らしいです。サイズで迷った時に「あとでサドルの高さとかで調節できるから小さめにしとこう」と考える人が多いですが、これは間違い。というのも、サイズごとに適切なパーツ位置の範囲があり、そこから外れるとその自転車本来の乗り味が損なわれてしまうのだそうです。

話を戻しますが、サイジングをしたらその自転車の各パーツの位置を自分の身体に合うように調整する必要がありますよね。いくらサイズがあっていてもサドルが高すぎたら乗れないですからね。この、各パーツ位置の調整が「フィッティング」です。

恥ずかしながら、フィッティングのことを最初に聞いた時は、体の寸法とか測って30分くらいで終わりかなぁと思っていたのですが、SpecializedさんのBody Geometry Fitは所要時間は2~4時間にも及ぶそうです。そんなやることあります…?(あるそうです。)

ちなみに、フィッティング中は結構しっかり目に漕がされるため、タオルが支給されます。

オシャレな更衣室に気後れする私
▲オシャレな更衣室に気後れする私

額縁の中が鏡文字になっていて鏡越しに読めるようになっているオシャレ更衣室に動揺しつつも着替えを済ませ、いよいよフィッティングスタートです。

この人にやっていただきます

今回フィッティングを行ってくれる方は渡辺孝二さん。渡辺さんは高校生の時に自転車に乗り始めて現在自転車歴30年の大ベテランで、今はショップ向けにSpecializedの製品を紹介する機関「SBCU」のインストラクターを務めているお方。ちょっとコワモテな方(失礼)なので最初にお会いした時はびびっていたのですが、お話してみると自転車大好きの優しい方だったので一安心。

優しく人体の説明をして下さる渡辺さんとビビッて緊張している私
▲優しく人体の説明をして下さる渡辺さんとビビッて緊張している私

印象的だったのは、「自転車乗りは痛みに耐えるのは良いことだと思っている人が多いが、それは間違っている。楽に乗れるポジションを探して楽に乗ることが怪我なく速くなることにつながるし、何より楽しく自転車に乗れる。」とおっしゃっていたこと。自転車を趣味として愛しているからこそのご発言です。無理をして深めの前傾姿勢を取っていた自分としては耳が痛い…。

フィッティングサービス「Body Geometry Fit」の具体的な流れ

▲説明のために用意されていた胴体部分と膝の模型。なんだかものものしい・・・
▲説明のために用意されていた胴体部分と膝の模型。なんだかものものしい・・・
SpecializedさんのBody Geometry Fitはインタビュー、アセスメント、フィッティング、フォローアップの4ステップに分かれます。カタカナが多いですね。

インタビュー

サイクリング歴、ライディングスタイル、週当たりのライド時間、目標などを聞かれます。

私は目標がツール・ド・おきなわ210km完走でライディングスタイルはシリアス(ちょい競技志向)と回答。

インタビューの様子(ちょっとキメ顔をしています)
▲インタビューの様子(ちょっとキメ顔をしています)

当然ですが、その人の自転車の楽しみ方によって理想となるポジションは違います。競技志向の人は深めの前傾姿勢、ロングライド志向の人は疲れにくい姿勢などですね。

インタビューをすることによって、フィッティングを行う上での「ゴール」が設定される、という感じですね。

アセスメント

アセスメントでは、筋肉の柔軟性、関節の可動域、座骨結節幅など、身体的な特徴を隅々まで測定されます。

足の角度を診てもらっている様子(めちゃくすぐったい)
▲足の角度を診てもらっている様子(めちゃくすぐったい)

私は体が歪んでいるとは思ってなかったのですが、左足の前足部がかなり内反していたり、左脚の方が右足より5mm長かったりと診断されました。自分の体は自分が一番分かっているとか言ってごめんなさい。

股関節の可動域を診てもらっている様子(起きてます)
▲股関節の可動域を診てもらっている様子(起きてます)

身体の制約はそのままポジションの制約につながるそうです。例えば、ハムストリングスの柔軟性が低い人は脚が伸び切るとハムストリングスを痛めてしまうのでサドルの高さが制限される、といった具合です。

そう考えるとアセスメントをしっかりやらないとこの後のフィッティングは何の意味も無くなってしまいますね。

フィッティング

さて、いよいよフィッティングです。LEDハーネスと呼ばれるものを装着して自転車を漕ぎます。

こちらのLEDハーネス、1秒間に16回発行してそれをセンサーで受光することで、下死点での踵や膝の角度、股関節の上下幅、膝の左右のブレなど、様々なデータを取ることが出来ます。

思わずニヤける私
思わずニヤける私

どうですか!!このサイエンス感!!テンション爆上がりですよ!!(感じ方には個人差があります。)

いやぁ、こういうよくわからない測定器具を体につけて色々測定するの、夢だったんですよねぇ。

LEDハーネスによる測定データ。こういうのずっと見てられる…。
▲LEDハーネスによる測定データ。こういうのずっと見てられる…。

さて、話を戻してフィッティングの具体的な流れをご説明します。まずいつものポジションにバイクを合わせます。そして、LEDハーネスで測定される身体の動きが、アセスメントで分かった身体の制約に収まるようにバイクを合わせていきます。

確かにポジションを変更するにつれ、徐々に上半身の無駄な力が抜けたり、膝の重さのようなものがなくなったりする感覚がありました。
そこからさらに、個人の感覚を基に微調整していきます。これが意外と難しいんですよね。もうちょっとサドル高い方がいいかなぁと思ってあげてもらうと違和感が増して膝もブレブレになったり、ということが頻発します。

私は、最終的に最初のポジションからサドルを少し上げて前に出し、ステムをちょっと上げました。これにより、前まで「踏む」という感覚で自転車を漕いでいたんですが、「歩く」に近い感覚で自転車を漕げるようになりました。

▲渡辺さんの指示にしたがってペダリング
▲渡辺さんの指示にしたがってペダリング

フォローアップ

フィッティングから2週間後を目安にフォローアップが行われます。再び「Body Geometry Fit」を行った場所に行き、変えたポジションの微調整をするのです。やっぱり外を走ると感覚が違いますからね。

私はまだ行っていないので、フォローアップについては後日…。

フィッティングに関するまとめ

▲あのペーター・サガン選手も受けてるらしいがデータはもちろん非公開・・・
▲あのペーター・サガン選手も受けてるらしいがデータはもちろん非公開・・・

いかがでしたでしょうか、Specializedのフィッティングサービス「Body Geometry Fit」。アセスメントでは自分の知らなかった体の歪みを知ることが出来たし、そういった制約を基にして最適なポジションを探すことが出来たので、なかなか満足度は高いです。自転車に乗っていて少しでも身体に違和感を感じる人は「Body Geometry Fit」を検討しても良いのではないでしょうか。

また、中には「結局乗り手の感覚でポジション決めてるじゃん!」って思われた方もいるかもしれません。実際、データって大まかなあたり付けしかできないことが大半なんですよね。スポーツ科学などは研究対象が複雑な動きをするので、特にその傾向が強い気がします。

とはいえ、データが役に立たないわけでは全くありません。最初から何もないところからよりもデータを見ながらの方が感覚的な分析がしやすくなるのです。

住所でいえば、データは郵便番号として大まかなあたり付けをしてくれて、あとは感覚で家を探す、というイメージでしょうか。分かりづらいですね。

正直、今回決めたポジションが本当に最適かはもっともっと乗りこまないと分かりません。しかし、最適なポジションを探す手段としては、「Body Geometry Fit」は極めて論理的で科学的で素敵だなぁと思いました。

LINK:Specialized

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

あわせて読みたい!

アバター画像

WRITTEN BY大島拓司

リレー式トライアスロンにスイム担当として出場した時に、「ロードバイクカッケェ!!」と思ってしまったのをきっかけにロードバイクに乗り始め、ツール・ド・おきなわを目指す。他にはドラムと麻雀が好き。一応東大生。

他の記事も読む

pagetop