関西ヒルクライムSS級であり、バラエティー番組でも取り上げられている「暗峠(くらがりとうげ)」。最上級グレード激坂であるSS級とは、「足つきなしの完走」が目標。確かにバラエティー番組で観たときも、視聴者の青年の「足をつかずに登りたい」という願いを探偵が叶えるものでした。
また、麓にある某ショップのスタッフさんに聞いたのですが、お客さんで1000回は登っている猛者がいるそう。
そんなとんでもない激坂に今回はチャレンジしてきました。
目次
1 暗峠へのアクセス
暗峠とは、大阪府東大阪市〜奈良県生駒市を繋ぐ国道308号線にある峠です。
輪行の場合は、最寄駅は近鉄奈良線枚岡駅になり、暗峠の入り口まで約300mです。
車の場合は、阪神高速13号東大阪線「水走(みずはい)出口」からのアクセスになります。駅周辺に駐車場はないので、枚岡公園の駐車場や国道170号線(外環)周辺の100円パーキングに停めます。
枚岡駅から暗峠入り口まで
枚岡駅の東口を出ます。輪行作業は電話ボックス脇のスペースがおすすめです。
暗峠コース詳細
標高差:400m
距離:2.4km
平均斜度:16.8%
最大斜度:41.0%
こちらがスタート地点。始めの約150mは一方通行。住宅地の裏路地っぽいですが、国道です。
のっけから「コンクリートにマル」の激坂印なので初めからインナーに入れ、若干ビビりながらスタート。
直後に難所っぽい場所に出くわしますが、これはまだ序の口。
ギアを残しゴリゴリ登っていきます。
斜度がきつく、前輪に荷重をかけないとひっくり返りそうになるので、基本ダンシングで登る。
写真ではわからないですが、下から登って来る車はエンジンを回す音がすごい。車も必死です。その音のおかげで、後ろの確認はやりやすい。
このとんでもない坂道、何度も言いますけれど「国道」です。「酷道」とも呼ばれています。
途中の暗渓(あんけい)の滝。写真の木々は桜みたいなので、花見シーズンに来ると満開の桜に滝という絶景に。
早く走ってるように見えますが、実際は6km/hほど。止まるとリスタートに困るくらいの斜度(20%オーバー)なので必死です。
成願寺入り口にある石碑。「禊行場」の文字に「これは自転車乗りの禊なんだ」と自分に言い聞かせます。
途中、対向車などで足をつくと、比較的平坦なところまで押して歩く羽目に。
ある程度ましな斜度(15%くらい)のところでリスタート。15%でゆるいと感じるくらい、平衡感覚が壊れます。
知ってました? 夜間ライトを当てると光るアレ。サイコンやライトで有名なCATEYEが作っているみたいです。余談ですが、押しているときに見つけました。
なんとか最大斜度地点に到着。イン側で41%!
これはもう坂ではなく壁に分類されるんじゃないでしょうか。車のブレーキの跡が凄まじい。
暗峠唯一の平坦(?)区間で7%ほど。ここぞとばかりにペダルを踏みます。
「弘法の水」付近は斜度がゆるく休憩におすすめです。
上の写真の右手にありますが、僕はダッシュで通過しちゃいましたけどね。
ようやくゴール! 途中、少し押したし休憩もしたけれど、達成感が半端ないです。
バイクを担ぎ上げるHPが残っていませんので、ヘロヘロの後ろ姿で記念撮影。
暗峠へ挑む時の注意点
道が狭く車も通るので、よっぽどの実力者でも急斜面で足をつく場合があります。あまり自信がない方は登りも下りもそうですが、押して歩くことを想定してスニーカー+フラペの方がいいかもしれないです。
重心のかけ方にコツがいる「登り」
ハンドルに重心をかけないと前輪が浮きます。急斜面でのビンディングに付け外しもあるので、ビンディングを使い始めの方は十分に練習してから挑んでください。
「下り」はスキルに見合った方法で
下りも難易度が高いのが暗峠。
小さい頃、父親とスキーに行ったとき、いきなり山頂に連れて行かれて泣きそうになったのを思い出しました。
押して歩いて下るという方法もありますが、ビンディングではかなりきついので、僕はサドルを下げることでコントロールしやすくし下りきりました。
それでも後輪はロックするので、15%以上の坂をあまり下ったことがない方は、安全なところで急斜面を下る練習をしておいた方がいいです。
ゴールの茶屋で「サイクリングノートに」感想を一筆
尋常じゃない斜度の暗峠を登りきったところにある「峠の茶屋すえひろ」。ここには暗峠にチャレンジした歴代の猛者たちのコメントが記されているノートがあります。
峠の茶屋すえひろ
お店もスタッフの方もアットホームな雰囲気です。
自転車が見える位置の屋外席もあります。
バテバテだったけど、カレードリアを注文。スープとサラダも付いています。
▲野菜カレー 600円。16種類の野菜が入っている野菜カレー。サラダ付き。
▲軽食メニュー。ぜんざいやケーキ、コーヒーもあるのでちょっとした休憩にも。
記念にコメントを残しました。
正直に言いますと、登っているときは「2度と来ない」と思ってました。けれども、このノートに感想を書いていると「足をつかないで登りたい」と少し思いました。
皆さんのコメントは「一度来たかった暗峠。想像以上にきつかった。またいつか来たい」など再挑戦を誓うものが多く見られました。あと外国人の方で「東京から大阪への自転車旅行で奈良側から登ってカレーうどんを食べる」というものが数人。上の写真の僕がコメントを書いている上がサンフランシスコから来ている人で「Delicious Curry Udon!」と大絶賛。お店のノートだから味の感想を書いたのか、それとも激坂が多いサンフランシスコ(映画でもカーアクションで車が転げ落ちてますよね)から来てみれば坂が大したことなかったのか、どちらかが気になります・・・。
5 レトロな銭湯でさっぱり汗を流す
近鉄河内花園駅近くにある昔ながらの銭湯「花園新温泉」。レトロな雰囲気がいい感じです。
入浴料は大人440円です。