元東大生 VS 元五輪代表 「ツール・ド・おきなわ好成績でも『ロードバイク下手くそ』ってどういうこと!?」

田代恭崇元アテネ五輪代表に僕の走りを正当に評価してもらいたい

こんにちは、大島拓司です。東京大学農学部を卒業しました。もう東大ブランドが使えない…。

▲東大赤門前で。卒業して「元東大生」となりました…

ところで、先日FRAME編集部と走っていたのですが、「大島君、ロードバイク乗るの下手だよね(笑)。元五輪代表の田代恭崇さんに走りを見てもらってダメ出しされてきなよ」という話になったんです。

オリンピックプレイヤーの田代さんに走りを見てもらうなんて貴重な体験、もちろんノリノリでOKしてしまったのですが、大丈夫でしょうか。「特に直すところないね!(*^∀゚)ъ」って言われて企画倒れになりそうですよね。

だって、ツール・ド・おきなわ(100km)で68位/350人だった僕がロードバイクに乗るのが下手なわけがないじゃないですか。FRAME編集部はロードレースに出ないから僕の走りが理解できなかっただけだと思うんですよね。

あー大丈夫かなぁー。不安だなー(。´・д・)

で、登場人物紹介します

登場人物が分からないと意味わからない記事になってしまうので、軽く紹介しておきますね。
大島拓司(私)

▲ツール・ド・おきなわ(100km)で68位/350の私

東京大学農学部4年。その理数系の頭脳で最短を行くトレーニングを実践し、初心者3ヶ月で見事ツール・ド・おきなわ100kmで初挑戦68位と好成績を収める。(引用:FRAME編集部による紹介文)

こちら、僕が書いたわけではないですよ。FRAME編集部が書いたものです。「その理数系の頭脳で~」とか、こっ恥ずかしすぎる。

田代恭崇さん

▲ツール・ド・コリア山岳賞を獲ったときの田代さん(若い)

ガイドツアーやスクール、コーチを行うリンケージサイクリング株式会社代表。元プロロードレーサーでアテネオリンピック日本代表、全日本選手権優勝、ヨーロッパプロロードレース優勝など数々の戦績を残し引退。ブリヂストンサイクル株式会社で6年間マーケティングを担当し退社。2014年同会社を設立し、JCA公認サイクリングガイド普及員として全国で活動する。(引用:FRAME編集部による紹介文)

田代さん、本当にすごい方です。昔はプロとして第一線で活躍し、最近はスポーツバイクの普及に務めておられます。これほどすごい方なら僕の走りも分かってくれそうですね。

ちなみに田代さん、2005年のツール・ド・おきなわ210kmも優勝されています。ほんまにすごい。

僕の走りを見てもらった

大島「はじめまして、FRAMEライターの大島拓司です。本日はよろしくお願いいたします」

田代「田代です。雨が降りそうなので、早速ですがちょっと走りに行っちゃいましょう!道案内はするので前を走ってください!」

大島(展開速いな…。)

▲冬用装備を全く持っていないので死ぬほど寒かった

~~30分後走り終えて~~

田代「さて、30分一緒に走ったわけですけど、いやーすげぇなー体力あるなぁーと思いましたね」

大島「ありがとうございます。やっぱりプロの方は僕の走りを理解してくださいますか」

田代「でも、それ以外のことは何も出来てないなと…」

大島「!?!?!?!?!?!?」

元五輪代表による怒涛のダメだしがキタ

ここから田代さんの怒涛のダメだしが始まります。

▲キヲツケして聞く私…

ダメ出し①「交通事故に気を付けましょう」


▲にこやかにダメ出し

田代「まず、交通ルール。例えばスタートするときに後方確認しないとかね。後ろから車来ていたよ。あと、自転車の車幅が分かってないから2段階右折するとき前輪が車道にはみ出していたね」

大島「実際、止まっているときに自転車をどう扱うかとかは全く分かってないですね…」

田代「あと見ているものの数が少なすぎるよね。信号とか、先の道の状況とか。スピードが速い分しっかり気を配らなきゃ。事故を起こしてからでは遅いよ」

大島「そうですね…。気を付けます…。」

田代「まぁでもしょうがないよね。車の免許持ってないんでしょ?」

大島「いえ、あの、車の免許、持ってます…。ペーパーですけど、ね……」

田代「(マジか)……」

▲オリンピックプレイヤーにこんな顔をさせてしまった

ダメ出し②「重心をコントロールできないならロードレースに出るな」

田代「あと、あえて先が見えなくて危ない下り坂を通って、どう下るのか見てたんだけども…」

大島(この人、か…?)

田代重心移動が一切されてなかったね」

大島「ジュウシン、イドウ…?(初めて聞いた)」

田代「急に車とか障害物とかが表れた時、急ブレーキをかけるよね。その時、重心が前だと自転車は止まっても慣性で体は前に吹っ飛んじゃう。これ、初心者によくある事故なんだよ。ケガで済めばいいけど、もし先が崖だったりしたら、死ぬことだってあり得る」

大島「た、確かに、そういわれると下りで急ブレーキをかけたら体が吹っ飛ぶ未来が見えます…。どう下るのが正解なんですか?」

田代下りの時は、右足と左足を結んだ線が水平になるようにして下るんだよ。そうすると、とっさの時に体重を後ろにかけて止まりやすくなる。頻繁に軽く立ち上がるといいよ。特に、信号が赤になって止まるときとか、下りの時とか。重心の感覚はサドルに座っていたのでは分からないからね」

▲「足を水平にする」とはこういう状態

大島「下りでフルームの真似して遊んでる場合ではなかったですね…」

田代「あと、重心を意識出来ていないからまっすぐ走れてないよね。車道外側線を左に入ったり右に入ったり…」

大島「ま、まぁ風のせいもあると思いますけどね」

田代「いや、にしてもふらふらしすぎだよね。コーナー曲がるときも、ラインに沿って曲がれなかったし。まっすぐ走れないと、集団は中に入れてくれないよ。レース中に一人になっちゃう。よくそれでツール・ド・おきなわ出たよね」

大島「確かに、ツール・ド・おきなわでも大きい集団内で走りを注意されましたね…。周りに迷惑ですよね、反省します…。でも、重心を意識することがなぜまっすぐ走ることにつながるんでしょう?」

田代「大島君の場合、前に荷重が入っているから、腕と肩が突っ張っているとハンドルがぐらついてバランスがとりづらいんだよ。重心をしっかり意識して前荷重が解消されれば、だいぶマシになると思うよ。あとは目線の問題とかもあるけど、詳しくはこの前FRAMEの記事で解説したんだよ」

大島「突っ張らないように意識はしていたつもりだったんですけど…」

田代「全然できてないね」

大島「あ、はい…」

▲もはや走りながらダメ出し

ダメ出し③「体幹を使ってペダリングが出来ていない」

田代「あと、ペダリングの時に体幹が全然使えてないよね。トレーニングはしているのかもしれないけど」

大島「そうですね。プランク等の体幹トレーニングはしているんですけど、そこでつけた筋肉をどうペダリングに活かせばいいのかは分かってないです」

田代「じゃあ片足を前に出して、後ろ足はちょっと浮かせて、前傾姿勢になって」

大島「こうですか? 結構きつい姿勢ですね…」

田代「そうそう。じゃあそれで5分我慢してみようか」

大島「!?!?!?!?!?!?!?」

▲とてもいい笑顔の鬼教官

田代「でも、これ背中にすごく効くでしょ? 自転車で使う体幹って、腹筋より背筋がメインだからね。そっちを鍛えなきゃ。プランクは背筋というより腹筋に入りやすいよね。自転車の動作でどういう筋肉を使うのかちゃんと考えてトレーニングしないと意味ないよ」

大島「ぐぬぬ……」

以上の課題を解決するには?

まさか、こんなにダメ出しされると思っていませんでした。ショック…_| ̄|○ガックシ
というより、こんな雑魚な状態でツール・ド・おきなわに出てたことが申し訳ない。知らず知らずのうちに、周りにめちゃめちゃ迷惑をかけていたんだろうなぁ。

さて、これからは、上記の3つの課題を解決していく必要があります。

受験においてもスポーツにおいても、成長するには知識をつける(インプット)→実践する(アウトプット)の流れが必要になります。それぞれの課題について何が必要か確認してみましょう。

もっと交通に気をつけて走る


車両や歩行者などの急な動きにもっと気づくようになるためのステップは以下の2つ。

①自転車に乗る上で気を付けるべき交通ルールの把握

②実際に人通り、車通りの多いところを走る

まず、こちらの田代さんの記事やその他の文献を読み、自転車を安全に乗るためのルールを把握します。

その後、人通りや車通りの多い都心部をロードバイクで巡り、それらのルールを体に染み込ませていきます。

まっすぐ走れるようになる


▲走り出しでヨロっている私

重心をコントロールしてまっすぐ走るためのステップは以下の3つ。

①重心のコントロールの仕方、まっすぐ走る方法を知る

②実際に外を走って、まっすぐ走れるようになる。

③集団走行をする。

まず、田代さんにダメ出しされる中で習ったことやこちらの記事を参考に、まっすぐ走る方法を知ります。次に、実際に外の車道外側線を使って、まっすぐ走る練習をします。

ここまででも良いのですが、まっすぐ走れるようになる目的は集団走行が出来るようになること。なので、最後に集団で走る練習もします。

ですが、困ったことに、私には自転車友達がいません。(普通の友達はいますよ。少ないですけど)田代さん曰く、そんな人にはエンデューロ大会がおすすめなんだそうです。エンデューロ大会なら、6時間や8時間、信号に捕まらず集団で走ることが出来ます。そして、疲れたら途中で休んで再び集団に合流することもできます。

実際に田代さんもツール・ド・おきなわに勝った時には調整のために7時間のエンデューロ大会に出ていたそうです。この話を聞いた時は目から鱗でした。まさかエンデューロ大会はロードレースの練習に使うものだったとは…。

体幹を使ってペダリング出来るようになる


▲実演する田代さん

体幹を使ってペダリングに関しては、田代さんからトレーニング方法や体の動かし方をうかがってインプットは完了しているので、そのトレーニングを実践して効果測定をしていきましょう。

いつかギャフンと言わせたい

僕の走りを理解してもらうどころか、ボコボコにダメ出しされて本当にへこみました。しかし!課題は見えたので、あとはそれらを解決して圧倒的に成長するだけです。数か月後にはめちゃめちゃ成長した姿を田代さんにお見せしてギャフンと言って頂きましょう。

という主旨の連載が始まります。皆様どうぞよろしくお願いいたします。

▲待ってろよ……!

機材提供:スペシャライズド・ジャパン
LINK:リンケージサイクリング

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BY大島拓司

リレー式トライアスロンにスイム担当として出場した時に、「ロードバイクカッケェ!!」と思ってしまったのをきっかけにロードバイクに乗り始め、ツール・ド・おきなわを目指す。他にはドラムと麻雀が好き。一応東大生。

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