初心者のためのヒルクライム基本知識(1)服装・持ち物編
ロードバイクを買って走り慣れてくるとヒルクライムに興味を持ち始めるでしょう。山や大自然の中を走るヒルクライムでは、日常では体験できないような感動や達成感を得られます。と同時に、過酷な環境にさらされる危険も伴います。
今回はヒルクライム初心者に向けて、ヒルクライムをする上で必要な装備(服装)や持ち物について解説します。
目次
初めて行く峠はどこがいい?峠の選び方
まずは山や峠を選ぶところから始まります。
初めてのヒルクライムの山・峠選びのポイント
初めてのヒルクライムの場合、今の自分の実力でどの峠がちょうどよいか判断することは難しいでしょう。大まかなポイントは以下の2つです。
・山頂と登り口の標高差(または「獲得標高」)が300m以下、距離が3km以下、平均勾配が4%以下
・自転車乗りの間でメジャーで、補給や休憩がしやすく、舗装がきれいな道
峠は距離が長いもので20kmほど:徐々に難易度を上げていく
慣れてきたら徐々に距離や獲得標高を上げていきましょう。
自転車で行けるひとつの峠の距離はだいたい長くても20kmほどです。初心者向けで完走率98%と言われている「Mt.富士ヒルクライム」の「富士スバルライン」が24km、平均斜度5%のコースで、一般的な国内の峠では長距離のヒルクライムコースとなります。
個人の体力差にもよりますが、一般的に数ヶ月練習を積めば、Mt.富士ヒルクライムのコースや、山岳を含む中〜長距離のコースにも挑戦できるようになるでしょう。
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ヒルクライムの口コミ情報サイト「RoadQuest」
登りが苦手でなかなか上達しないという人は、プロの指導を受けたり講習会に参加するのもおすすめです。
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リンケージサイクリング
ヒルクライムの経験豊富なサイクリストと行く
安全の確保のためにも、初心者はヒルクライムに慣れた経験豊富な人に相談しつつ一緒に行くようにしましょう。複数人で行く場合、コースは体力や経験値が一番低いメンバーに合わせるのが基本です。
ヒルクライムに慣れてきたきた場合も、山の中での機材トラブルやハンガーノック、事故に遭遇してしまう危険は常にあります。平地と違ってお店がなかったり、レスキューの時間がかかってしまったりするため、いざというときに助け合える仲間と行くことをおすすめします。
ヒルクライムの装備・服装
標高が低く短い距離の峠では、寒い季節をのぞき服装は基本的には平地でのサイクリングと同じでほぼ問題ありません。
標高が高い山でのヒルクライムや、中〜長距離で山岳を含むコースになると防寒対策が必要です。山は標高が100m上がると気温が0.6℃下がるといわれているため、平地よりも気温が低くなります。また、天候が変わりやすいため、場所によっては夏でも予想以上に寒くなる場合が多いためです。
標高が高めの山や中〜長距離のヒルクライムに挑む場合の装備や工夫について、ブルベのベテランライダーTさんからアドバイスをいただきつつ解説します。
ウィンドブレーカーを携帯する
夏でも、ウィンドブレーカーを1枚携帯しておきましょう。春や秋など急に寒くなった場合にも備えておきたいところです。そういう場合は「コンパクトで軽量なウィンドブレーカーを2枚持っておくと便利。例えペラペラの薄い生地でも2枚重ねにするととても暖かくなる」とTさん。普段使うのとは別に、超軽量のものを予備に持っておくと、もしもの時に安心です。
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秋冬のインナーは必需品
秋冬の寒い時期の大敵は「汗冷え」。ヒルクライムは真冬でも登りで汗を大量にかいてしまうため、汗冷えしないための「インナー」は必需品です。家屋の少ない山は寒さをしのげる場所がないため、一度体を冷やしてしまうと低体温症の危険もあります。
Tさんのおすすめインナーはマウンテンアクティビティのために開発されたという「 Millet(ミレー)」。さらに「finetrack(ファイントラック)」との重ね着で汗冷えをほとんどしなくなったとのこと。
インナーの上にサイクルジャージを着て、寒ければウィンドブレーカーを着ます。登りの時はファスナーの開け閉めで体温調節をするのが基本です。
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冬の手足の防寒対策
冬場はダウンヒルの時に手足が凍えて動かなくなるのを防ぐために、シューズカバーや冬用のグローブを着用します。
Tさんのおすすめは、SHIMANOのウィンターシューズ。「これがあるとシューズカバーがいらないくらい快適。厚手のシューズカバーと同じくらい暖かいよ。ただし5℃以下で使わないと暑いかも」とのこと。
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秋冬は体が冷え切る前にダウンヒルを
がんばって山頂まで登ったら、休憩をはさみつつ身体が冷え切る前に山を下りましょう。防寒対策をしていても、体温の低下を防ぎきることはできません。下りは登りよりもバイクコントロールが必要なので、下りのための体温と体力は温存しておく必要があります。
補給食と水分
補給食は基本的に普段のサイクリングのものと同じものでかまいません。おにぎり、スポーツバー、あんぱんなど炭水化物や糖分を多く含み、エネルギーになる携帯食を持っていきます。ヒルクライムは運動強度が高いので、胃に負担がかかる脂分のあるものは避けたほうが無難です。
ボトルは水やスポーツドリンクを入れて2本は持っておきましょう。山の中は補給できる場所が少なく、峠によっては全く補給ができない場合があるので、補給の準備は必須です。
登る前には補給をしておこう
平地のサイクリングでも言えることですが「喉が渇いた」「お腹がすいた」と思った時はもうすでに体内の水分やエネルギーは枯渇しています。山の中はお店が少なく、良いタイミングで補給できるかどうか分からないため、登る前には一度補給を済ませておきましょう。
最強の補給食「粉飴」
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ブルベ(超長距離を走る競技)ライダーの間で最強の補給食と話題なのが「粉飴」。100gで384kcal弱。水かスポーツドリンクに混ぜて使う飲む補給食です。スポーツドリンク1本で100kcal前後あるので、粉飴100gと合わせると500kcal近くになります。
「一度のヒルクライムは長くて20km前後。1時間に1本のボトルを消費すれば、かなり心強い補給になる」とTさん。
粉飴の甘さは普通の砂糖の7分の1。単価は100gあたり73円。もともと医療現場で使われていたエネルギー補給食で、タンパク質が含まれておらず胃腸の負担も少ないと言われているため、食の細い人でもカロリーを摂取できるのが強みです。
ヒルクライムの基本的な持ち物
服装と同じく基本的には平地のサイクリングと持っていくものは同じです。ヒルクライムは軽量なほうが負担が少ないので、あまり荷物を増やしすぎないようにする工夫も必要です。
基本装備
・ヘルメット
・アイウェア
・グローブ
・防寒具(ウィンドブレーカー・レインウェアなど)
・明るめのライト(前灯・尾灯)
・ベル
基本的な持ち物
・鍵
・パンク修理キット・携帯ポンプ
・お金・電子マネー
・携帯・スマートフォン(十分に充電しておく)
・ボトル(2本)
・補給食
・エマージェンシーカード(緊急連絡先等がわかるもの)
エマージェンシーカードは、万が一の事故で意識不明になった場合に備えて、緊急連絡先や血液型、病歴などを明記しておくカードです。
PDF無料配布はこちら
http://chariboo.club/tool/emergency_card
いざという時のために持っておくとよいもの
ブレーキシューの予備
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山は急に雨が降ったり、沢の水や雪解け水が流れ出して路面が濡れている場合があります。路面が濡れている状態でダウンヒルでブレーキをかけっぱなしにすると、ブレーキシューはまるで消しゴムのように減っていき、下れなくなってしまうといったことも…。
ブレーキシューに刻まれた溝がなくなっている、ブレーキの握り幅がいつもより広く感じる、といった時はブレーキシューを交換しましょう。
タイラップ(結束バンド)
破損したパーツの補修やアイテムの固定・補強に意外と使えるのがタイラップ(結束バンド)です。使い切りのタイプもありますが、何度でも使える緩められるタイプのものがおすすめです。
ガムテープ
タイヤのサイドカットパンクの応急処置に使える他、タイラップと同じくアイテムの補強に使えます。峠のグレーチングや落石でタイヤが傷ついてしまうことがあるため、路面の悪い峠に行く場合は持っておくとよいでしょう。
ヒルクライムの口コミ情報サイト
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WRITTEN BYRoadQuest
ヒルクライムの口コミ情報サイト「RoadQuest(ロードクエスト)」。 https://www.road-quest.bike/users/152