ディスクブレーキのローターも消耗するって本当?交換の目安やアップグレードまで専門店に聞いてみた
目次
けんたさん!ディスクブレーキ、メンテナンスしてる……?
ロードバイクやクロスバイクでもディスクブレーキがスタンダードになりつつある昨今ですが、みなさんディスクブレーキのメンテナンスしてますか?
今回は、けんたさんが久々にFRAMEのYouTubeチャンネルに登場。
![今回けんたさんが久々にFRAMEのYouTubeチャンネルに登場](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17082534/kenta-san.jpg)
けんたさんの愛車 “TREK Domane SLR 7” はディスクブレーキモデル。けんたさん、ディスクブレーキのメンテナンスは……?
![けんたさんの愛車TREK Domane SLR 7。ディスクブレーキのメンテナンスはしていない。](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17082540/disc-no-maintenance.jpg)
「ディスクブレーキはメンテナンスが必要ない」と思っていたようです(笑)
実はディスクブレーキも定期的なメンテナンスが必要です! 見えにくいだけでパッドもローターも(!)消耗しているんです。
けんたさんのDomaneも1年前の納車から5,000km以上は走ってきたそうなので、ショップでしっかりチェックしてもらうことに。
メンテナンスが必要とわかったからには、頻度や目安が気になりますよね。ディスクブレーキユーザーのみなさんはもちろん、これからディスクブレーキモデルを買う人も一緒にチェックしていきましょう!
ディスクブレーキの構造
ディスクブレーキは、ホイールのハブ(回転軸)に取り付けられたディスクローターを、ブレーキパッドで挟みこむことでブレーキをかける構造です。
ディスクブレーキは大きく2つの種類に分けられます。
- ワイヤーでブレーキパッドを操作:機械式ディスクブレーキ(メカニカルディスクブレーキ)
- オイルに圧力をかけることでブレーキパッドを操作:油圧式ディスクブレーキ
![銀色の円盤が「ディスクローター」。けんたさんの自転車は油圧式ディスクブレーキ。](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083801/image16-1.png)
▶ディスクブレーキについてもっと詳しく。リムブレーキとの違いを解説したこちらの記事をどうぞ。
パッドだけじゃない! ローターも消耗するって本当?
当たり前ですがブレーキパッドは磨耗します。下の画像を見れば一目瞭然。
![交換の目安は「ブレーキパッドが0.5mmまで摩耗したら」](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083747/image2-1.jpg)
パッドが摩耗した状態で使っていると、ディスクローターを傷めたり、ブレーキの効きが悪くなる可能性があります。
ところがディスクブレーキってパッドの摩耗具合が確認しにくいんですよね(泣)
それにはいくつか理由があって、
- ブレーキパッドが元から薄い(新品状態で厚さ2mm)
- ブレーキキャリパーの中にパッドが入っているため覗きこまないと見えない
- パッドがある程度摩耗してきてもブレーキレバーの引きしろが変わらない(油圧式の場合)
素人目ではなかなか確認が難しいので、消耗具合のチェックは専門ショップに頼むと安心でしょう。
![ブレーキキャリパーの中にパッドが入っているため、外から消耗具合を確認しにくい。](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083734/image1-1.jpg)
実はローターも消耗品。定期的な点検を
パッドが消耗することはイメージがつきやすいと思います。乗っていると削りカスも出ますし……
ではローターの方はどうでしょう? 半永久的に使えると思っていませんか?
実はローターも消耗しますよ!! 使い込むにつれ少しずつ薄くなっていきますので、定期的な交換が必要です。
ローター交換の目安は?
シマノによると「パッドの当たり面の厚さが1.5mm以下」になったら交換の目安とのこと。
1.5mm以下……、素人が正確に測るにはなかなかシビアな数値ですね。定規で測るわけにもいきませんし。
![画像は15,000kmほど走ったE-BIKEのディスクブレーキローター。厚みをどうやって測る?](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17082519/IMG_9786.jpg)
わからないことは専門店で聞くのがイチバン! 今回は、全国で100店あるディスクブレーキローター簡易チェック店のひとつ “CYCLE MASCO” さんで実際にローターの厚さを計測してもらいました。
![1914年に創業し、その歴史は実に100年以上! 軽快車から本格ロードバイクまで扱う間口の広いショップ。](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17082528/cycle-masco.jpg)
簡易チェックは専用のマイクロメーターで
さっそく計測してもらいましょう。けんたさんのローターは表面に筋が入っていることはわかるものの、さすがに肉眼で厚みは判断できません。
![けんたさんのローターは表面に筋が入っていることはわかるものの、肉眼で厚みは判断できない](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17082601/disc-scrutch.jpg)
ローターの厚みを測るには専用の計測器具を使用します。
![ローターの厚みを測るには専用の計測器具を使用](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083701/image11-1.jpg)
果たしてけんたさんのブレーキローターは……?
![マイクロメーターで厚みを測って消耗具合を確認](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083533/image13-1.jpg)
けんたさんのローターは危険区域に達してはいなかったものの、筋が入っていたこともあり交換することに。危険区域まで摩耗が進んだローターをそのまま使い続けると、ブレーキング時によれたりすることもあるのだとか。
アップグレードもアリ!けんたさんはデュラエースグレードに♪
ローターを交換することにしたけんたさん。せっかくなのでアルテグラからデュラエースグレードにアップグレード!
![ローターをアルテグラからデュラエースグレードにアップグレード](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083520/image10-1.jpg)
アップグレードの効果
- 軽量化
たとえばF:160mm R:140mmの場合、重量は236g→216gに。1gでも軽量化したい人、ヒルクライマーにおすすめ。
- 冷却効果UP
上の画像右がデュラエースのローター。内側が黒くなっていることがわかります。これが冷却効果を高める秘密。フィンの放熱性を高める塗料「高放熱ペイント」で、冷却効果が向上します。
ブレーキを酷使する長い下り坂も、より安心に。
![ローターのグレードと重量・冷却効果](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17082547/1617263125934_result.png)
交換の予算はどのくらい?
今回のケースを例にとると、ローター(デュラエース)、パッド、工賃を含め26,000円。
ちなみにアルテグラとデュラエースのローターの価格差は約2,000円*。そう考えるとデュラエースのローターをチョイスするのはお得かも!?
*)デュラエース:SM-RT900 8,467円(税込)/ アルテグラ:SM-RT800 5,675円(税込)※2021/05時点
![今回のケースを例にとると、ローター(デュラエース)、パッド、工賃を含め26,000円](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083453/image12-1.jpg)
気になるQ&Aと注意点
- ローターの交換は何でもOK? 規格はある?
ディスクローターにはさまざまな径があります。ディスクロードの主流でいうと、140mmと160mm。
けんたさんのバイクには前後とも160mmのローターが付けられていますが、前は160mm、後ろは140mmといったバイクもあります。自分のローター径がよく分からない方はお店で聞いてみてください。
![左が160mm、右が140mm](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083331/image8-1.jpg)
- ブレーキパッドやローターと一緒にチェックするべきパーツがある?
油圧式ディスクブレーキであればオイル、機械式ディスクブレーキであればケーブルの点検をおすすめします。どちらもホース/アウターケーシングのなかに入っているため、消耗具合が全く分かりません。一緒にチェックしてもらうと安心です。
特に油圧式ディスクブレーキの場合、下手にいじるとエアが混入したりオイルが漏れたりするほか、「オイル交換はブレーキパッド交換とセットがベター」といった注意点もあります。自信が無い方はプロに任せましょう。
![油圧式ディスクブレーキであればオイル、機械式ディスクブレーキであればワイヤーを一緒にチェックしてもらうと安心](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083323/image14-1.jpg)
- 交換、メンテナンスは自分でできる?
ローターの脱着には専用工具が必要です。またディスクブレーキはクリアランスが狭いため、「センター出し」も難しいです。自己流でやると、かなりの時間がかかってしまいます。ディスクブレーキの調整・チェックは、やはりショップに頼むのが間違いないですね。
![ローターを外すには専用工具が必要](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17083435/image4-1.jpg)
まとめ
ディスクブレーキにもメンテナンスが必要で、ローターも消耗するということがわかりましたね。パッド同様、定期的に交換が必要なパーツだということを覚えておいてください。
メンテナンスはショップに任せるのが確実ですが、日頃から異常がないかのチェックは自分で意識できると良いですね。特に油圧式ディスクブレーキは専門性も高く無理なセルフメンテナンスはNGですが、日常的に点検する意識はとても大切です。例えば、レバー・キャリパー・ホースにオイルが染みている(漏れている)箇所はないか、レバーを握った感触に違和感(グニャッとした感じなど)はないか、異音がしないか、など。
ディスクロードを購入して以来そのままになっている方は、いちど愛車をじっくり見てあげて、是非お店でチェックしてもらいましょう!
![全国100店のディスクブレーキローター簡易チェック協力店でチェックが受けられる](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/17082510/disc-check-shop.jpg)
動画はこちらから
→「ディスクブレーキの【ローターも消耗するの!?】交換してアップグレード」
動画でお話を聞いたお店:
CYCLE MASCO
所在地:〒358-0003 埼玉県入間市豊岡3-1-15
TEL / FAX:04-2962-2278 / 04-2966-2624
営業時間:9:00~19:00
定休日:木曜日
提供:シマノセールス株式会社
記事監修:サイクルアシストオオバ 大場忠徳
![Y’s Road オンライン アウトレットコーナー](https://asset.jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2021/05/26174750/Ys_banna.png)