2022年6月に発表されたシマノの新型105 R7100シリーズ。多くの人に馴染みのあるコンポーネントが大幅アップグレードされただけあって、自転車界は大いに盛り上がりました。
ここで今一度、新型105をしっかりおさらい!新型105になって何が変わったのか、他グレードの違いは何なのか、シマノさんに直接聞いてきました。初心者の方や、はじめてシマノ105の存在を知る人にもわかりやすく解説していただきます。
記事の後半では、新型105の試乗レポートも!
目次
新型105、何が変わったんですか?
1982年の発売から今年で40周年を迎え、究極のアップグレードを遂げた新型105。今さら聞けない新型105のアレコレをシマノさんに聞いてきました。インタビュアーはFRAME MCのおかだくん!
機械式変速→電動変速(Di2)に
これまでは上位グレードにしか搭載されていなかったDi2(電動変速コンポ)。高性能で高価なDi2は、ホビーライダーの憧れでした。
そこに今回、ミドルグレードの105(R7100シリーズ)がDi2化したことで、高性能な電動変速コンポをより手頃な価格で体験できるようになりました。
>> Di2の基本から知りたい方はこちら
リアのギア段数が11速→12速に
前作の105(R7000シリーズ)はリアの変速段数が11速でしたが、新型105(R7100シリーズ)では12速に増えました。これも上位グレードと同じになった点ですね。
新型105では11-34Tのカセットスプロケットが標準ですが、11-36Tのスプロケットも用意されています。ここでポイントになるのはギア比。新型105のギア比については、後ほど詳しく説明します。
上位グレード「デュラエース」「アルテグラ」とは何が違うんですか?
ー 価格の違い ー
デュラエースDi2コンポセット | 451,887円 |
アルテグラDi2コンポセット | 268,434円 |
105Di2コンポセット | 206,259円 |
ー 重量の違い ー
デュラエースDi2コンポセット | 2,237g |
アルテグラDi2コンポセット | 2,521g |
105Di2コンポセット | 2,888g |
逆にデュラエース、アルテグラと同じなのは?
セミワイヤレス方式とは
ライダーがSTIレバーを操作して入力した信号を、無線でリアディレーラーに送り変速するシステムです。
最大のポイントは、STIレバーとフロントディレーラーの間はワイヤレス=線が繋がっていないこと。無線で信号を飛ばし、リアディレーラーを動かします。
ここで一つ気になるのは、セミワイヤレスの「セミ」。”完全”ワイヤレスでないということは、どこかは線で繋がっているということですよね。どことどこが線で繋がっているのでしょうか?
線で繋がっているのは、リアディレーラーとフロントディレーラーとバッテリーです。上の画像を見ると分かりやすいですね。
セミワイヤレス方式のメリット
- STIレバーからリアディレーラーに線が必要ないからハンドル周りすっきり。空気抵抗も削減。
- バッテリーを1つにできるから充電が簡単
シンクロシフトとは
シンクロシフトとは、簡単に言えばフロントの変速を自動でしてくれる機能のこと。
上の写真を見てください。フロントはアウター(外側の大きいチェーンリング)に、リアはローギア(内側の大きいチェーンリング)に入っています。
リアはチェーンリングが大きいほど軽いギアになりますから、坂を登っていると、こんな感じのギアになりますね。より勾配がきつくなり、さらにギアを軽くしたい時はどうしましょう?左のSTIレバーを操作して、フロントをインナーに落とす必要があります。
シンクロシフトは、この場面で発揮される機能です。左のSTIを操作せずとも、フロントがインナーに落ちてくれるのです。右手だけでギアをロー側に送っていくと、フロントは自動的にインナーに落ちる=最も効率が良いギアを自動的に選択してくれるのがシンクロシフト機能です。
105を買う意味
例えばティアグラは10速なんですね。最初は予算が足りないからティアグラから始めて、後から105にアップグレードしようと思っても、段数が違うのでコンポを全て乗せ換える必要が出てくるわけです。
それを考えると、最初から105を買っておいた方がお得になるかもしれません。
固定ローラーやパーツ、ホイールなども基本的にレースグレードのものに合わせて設計されていると思うので、12段変速の105を買っておけば後々いろいろ楽しめそう!
>> 互換性を考えると105からがおすすめ
人気ブロガー神楽坂つむりさんによるコンポ載せ替えの解説記事。互換性大事。
新型105はギア比にも注目! 1:1で登りが苦手な人にも嬉しい
12速化した新型105。注目したい点がもうひとつ、「ギア比」です。
そもそもギア比とは?
ギア比とは、フロントギアとリアギアの歯数の比率です。ギア比はフロントギアの歯数÷リアギアの歯数で求められます。
たとえば、
- フロント50T、リア11Tのギア比は、50÷11=4.55
- フロント34T、リア34Tのギア比は、34÷34=1.00
計算は簡単ですね!上の計算では4.55と1.00というギア比が出てきましたが、これは何を意味するのでしょう?
これは、クランクを1回転させた時、リアホイールが何回転するかを意味しています。
ギア比1.00であれば、クランクを1回転させると、ホイールがちょうど1回転します。ラクにペダルをまわせる感覚です。
ギア比4.55であれば、クランクを1回転させただけで、ホイールが4.55回転します。ペダルはかなり重い。
イマイチ分からない方は、次のことだけ覚えておいてください。
ギア比が大きいほど、ペダルが重い。(ギア比4.55は激重)
ギア比が小さいほど、ペダルが軽い。(ギア比1.00は激坂で使うくらい軽い)
105のギア比は?
新型105のベーシックな組み合わせであるフロント50-34T、リア11-34Tを組み合わせた時のギア比を計算してみましょう。
- 一番重くなる組み合わせは、フロント50T×リア11Tの組み合わせで、ギア比は4.55
- 一番軽くなる組み合わせは、フロント34T×リア34Tの組み合わせで、ギア比は1.00
“IT’S A NEW DAY” ー 新型105で昨日とは違う世界を
新型105試乗レポート「変速は一瞬でふぃんっ!」
待ちに待った新型105試乗レポートです。ゆるポタライダーの岡田くんが試乗してきました!新型105は本当に使いやすいのか?
試乗の様子を動画で見る
今回の島田さんによる解説と、FRAMEメンバーおかだくん・ゆかりさんの試乗の様子は動画でもチェックできます!
まとめ
2022年6月に大幅なアップデートを遂げた新型105。新型105の大きなポイントは、Di2化&12速化したこと。上位モデルにしかなかったテクノロジーを、より手頃な価格で体験できるようになりました。
コンポセットの価格は約20万円ですが、デュラエースやアルテグラと基本的に構造が変わらないことを考えると、やはり105は狙い目です。エントリーグレードからそろそろアップグレードしたいと考えている人や、はじめてのロードバイクだけどスペックにこだわりたい人などにはピッタリといえるでしょう。
新型105の最新テクノロジーを使えば、これまでとは全く違ったライドになること間違いなしです。
提供:シマノセールス株式会社