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本格派向け!BMCのロードバイクを8台紹介します!

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大人気の自転車漫画「弱虫ペダル」で主人公の小野田坂道くんが乗っていたこともあり、最近にわかに注目度が上がってきたスイスの自転車ブランドBMC。プロロードレースに興味がある方は、2011年にツール・ド・フランスを制したカデル・エヴァンスが駆っていたバイクという印象も強いでしょう。


弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

しかし価格帯の高さや国内ロットの少なさからか、GIANTやCANNONDALEなど比較的大手の自転車ブランドに比べると、あまり店頭で見かけることがない自転車ブランドであることも事実です。そこで今回はBMCのロードバイクラインナップから8台をピックアップしてご紹介します。これらのバイクを通して、BMCというバイクブランドの特徴と魅力をお伝えします。

※ロードバイクの選び方を知りたい方はまずこちらをご一読ください!

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初めに…BMCというブランドについて

創立時代は1994年と比較的新しいですが、往年の名門レーシングバイクブランド・RALEIGHの卸売販売として設立された出自からもわかるように、オンロードバイク、オフロードバイク問わずレース色が非常に強いブランドです。

新陳代謝の激しいプロロードレース界で、今や珍しいバイクブランドの名を冠するUCIプロチーム『BMCレーシング』を長年運営し、レースシーンからのフィードバックを蓄積している点からも、ロードレースへの情熱がうかがえます。

名門老舗バイクブランドが生産はおろか設計も人件費の安い諸外国へ移管していく中、人件費の高いスイス本国に設計拠点(impec advanced r&d lab)を構え、impecの本国生産やコンセプトモデルの発表など活発にアウトプットを出し続けている点も個人的にはかなりツボ。

とにかくいい自転車を作るために、技術にも機会にも投資を惜しまないメーカーといった印象で、今後も非常に期待しています。そんなBMCが作り出すロードバイクは、常に一貫した設計思想を持ちながら、他社には見られない独創的なテクノロジーに溢れています。

例えばBMCの代名詞とも言えるiSC(Integrated Skelton Concept)は、シートステーをトップチューブ接合部より下につなげることで、バイクの反応性に直結するBB周辺の横方向剛性を損なうことなく、シートポスト上部を前後方向へしならせてシッティング時の快適性を確保しています。

出典:BMC公式サイト

この縦横の剛性を構造的に調整する考え方は、2013年のパリ・ルーベの勝者、ファビアン・カンチェラーラが駆ったTREK Domaneの目玉テクノロジーIso Speedと共通しています。

正直、後出しのIso Speedのほうが優れた技術だと私は思いますが、Domane が発表される何年も前にiSCを製品に落とし込む独創力/技術力と、これを自社バイクのアイコニックデザインとしたBMCの戦略性には思わず唸ってしまいます。

その他にも最近では有限要素解析と探索手法を組み合わせたACE(Accelerated Composites Evolution)テクノロジーや、風洞実験でデザインしたD断面チューブ、カーボンナノチューブ混合など、正直なところおよそ費用対効果に適うと思えないオーバーで眉唾なテクノロジーが惜しげも無く注ぎ込まれたBMCのロードバイクたち。

アマチュアライダーである我々がこれら最新技術の恩恵を有用に享受できるかはさておいて、いかにも技術の結晶といったイメージは、大人の趣味道具としてはこれ以上ないほど魅力的ではないでしょうか。

そのせいか価格も少々お高めですが、中身の無いのれん代に余分なお金を支払うよりはよほど納得できる選択肢だと思います。

さて、前書きが長くなりましたがBMCのバイクラインナップの紹介です。バイクカテゴリは山岳向けの”Altitude”、ロングライド向けの”Endurance”、空力性能を重視した”Aero”の3つに分かれています。こういったカテゴリ分けは、TREKやSCOTTなど多くのブランドに見られるここ数年のトレンドですね。

Altitudeカテゴリ

BMC入門機-teammachine ALR01

BMCのロードバイクの中で唯一のアルミバイクであるteammachine ALR01。ジオメトリはAltitudeカテゴリの上位機、SLR03と同一で、フレーム素材をアルミとすることでお求めやすい価格の入門機に仕上がっています。

フレームの上半分で乗り心地の良さを、下半分で剛性感を設計するTCC(Tuned Compliance Concept)も採用されており、入門機ながらもBMCらしい走りを感じられることでしょう。

ただしiSCは採用されていないので、トップチューブとシートチューブの交点にある出っ張りはiSCによるものでなく、ただの飾りです。

しかしこの出っ張りがあることで、シルエットがぐっとBMCらしくなっています。BMCに憧れるけどいきなりカーボンは…という方におすすめ。カーボンフレームと比べてアルミフレームは輪行や転倒にも比較的強いので、長く使いたい学生の方にもお薦めです。
参考価格:170,000円(Sora完成車)

BMCのテクノロジーをお手軽に-teammachine SLR03

ALR01と同じジオメトリを持つカーボンバイク、teammachine SLR03。BMCのアイコンであるiSCもこのモデルから導入され、赤黒のカラーリングはBMCレーシングをフィーチャーするなど、いかにもBMCといった雰囲気を醸しています。

カーボンフレームですがALR01と比較して価格差が少なく、比較的リーズナブルなモデル。コスパ的なおすすめは105コンポーネントの完成車。
参考価格:257,000円(105完成車)

ヒルクライムに本気で挑むなら-teammachine SLR02

teammachine SLR02はSLR03と比較してフレーム重量が250gほど軽く、セットアップ次第で超軽量バイクに仕上がる本格的な山岳モデル。アスリートやトップアマチュア向けのSLR01と比べ、フロント/リアのエンドをアルミ製にして耐久性を高めたり、シートポストをエアロ形状でなく汎用丸型のφ27.2を採用したりと、長期使用を想定した作りに「わかってるな」とニヤニヤできるバイクです。

どのハイエンド機にも言えることですが、専用設計は性能が高い分、交換部品の選択肢が狭くなったり取り扱いに注意が要ったりといいことばかりではありません。それを鑑みるに、主にホリデーレーサーやミドルアマチュア向けに作られ、5年、6年と長く付き合えるように設計されたSLR02は良い意味で「一般レーサー向け」なバイクだと思います。

もちろん走行性能は申し分なく、各所のインプレでコストパフォーマンスの高さが絶賛されている名機です。
参考価格:428,000円(Ultegra完成車)

トップアスリートが愛するバイクをこの手に-teammachine SLR01

お待たせしました。Altitudeカテゴリの最上位にしてBMCのフラッグシップ、teammachine SLR01です。先述したACEテクノロジーをはじめとしたBMCの技術の粋を集め、バイク全体で前モデルから25%の高剛性化に成功。

達成したフレーム重量はわずか780gと、特に意識せずに組んでもUCI制限である6.8kgを下回る程の軽さは山岳において大きな武器になります。平地での巡航性能も申し分ないのは輝かしい戦歴が証明する通り。

ランス・アームストロング、アルベルト・コンタドールの後塵を拝し続けたエヴァンスが初めてツールを獲った時に乗っていたのも、フィリップ・ジルベールが世界選手権を獲ったときにのっていたのもこのバイク。世界有数の高性能であることに異論のある人はいないでしょう。
参考価格:1,260,000円(D/A Di2完成車)

Enduranceカテゴリ

iSCの進化系?よりロングライド向けに設計されたジオメトリ-granfondo GF02 carbon

Enduranceシリーズのコストパフォーマンスモデルgranfondo GF02 carbon。iSCを採用したフレームシルエットや小さな後三角はSLRシリーズとも共通していますが、様々なところにロングライド向けの設計が施されています。

例えばトップチューブのスローピングと屈折したチェーンステーはBB高を下げ、低重心化に貢献していますし、偏平化されたシートステーはiSCによる振動吸収性をより高めています。

またSLRシリーズと比べ20mmほど長いヘットチューブは上体を起こしたポジションを取りやすく、より余裕のある姿勢で乗ることができます。その分高速なレースには向きませんが、レースよりもブルペやロングライドに興味があるホビーライダーにはベストバイなバイクでしょう。
参考価格:300,000円(105完成車)

代えがたい安心感を得たいなら-granfondo GF02 Disc

granfondo GF02 Discは、基本的はGF02 carbonと同様なものの、最大の特徴としてブレーキがキャリパー式ではなくディスク式になっています。UCIがプロロードレースでのディスクブレーキ仕様許可を本格検討して以来、どのメーカーもラインナップにディスクブレーキを揃えてくるようになりました。

ディスクブレーキの最大のメリットは天候に左右されない強烈な制動力ですが、反面、専用ホイールしか使えない、重量が増えるなどのデメリットがあるのも事実。正直なところディスクロードはまだまだ導入過渡期と言え、今の段階で確立した評価をするのは難しいでしょう。

しかしそれはシリアスレースでの話で、ホビーライドの場面においては、握力の弱い女性でも楽に制動力を確保できたり、体重の重い方の安心材料であったり、晴雨問わず通勤で乗る方など、ディスクブレーキの恩恵を得られる場面は大いにあると思います。

レースシーンの評価に左右されず、日々のライドの安心感を得たいという方にはとても良い選択肢の一つだと思います。
参考価格:278,000円(105完成車)

Aeroカテゴリ

ド迫力!トライアスリートや目立ちたがり屋必見!-timemachine TMR02

近年加熱している自転車メーカーのエアロフレーム開発ですが、BMCのtimemachineシリーズはその中でも古株で比較的長い歴史を持っています。入門機であるtimemachine TMR02の最大の特徴は逆スロープにすら見えるトップチューブ。

2000年台後半以降、重量と剛性のバランスを取るために、トップチューブはスロープさせるのが常識になりました。しかしこのモデルの唯一無二の設計コンセプト、空気抵抗軽減のためにそれらの利点を捨ててまでホリゾンタルトップチューブを採用しています。

更にリアブレーキは流行りのBB下設置。このあたり、設計思想が明確に見えるデザインにはデメリットを吹き飛ばすだけのオーラがあります。ジオメトリはAeroカテゴリフラッグシップのTMR01と同一で、カーボンレイヤーのコストを下げることで価格を抑えています。

主に平地を走るライダーや、トライアスロンも視野に入れている方には強力な武器になることでしょう。
参考価格:450,000円(Ultegra完成車)

最終兵器-teammachineTMR01

SLR01をドッグファイトが得意な零戦とするならば、このteammachineTMR01はステルス戦闘機といったところでしょうか。フレームそのものはTMR02と同一のジオメトリですが、上級のカーボンを使うことで10%ほどの軽量化、5%の高剛性化を果たしています。

さらにフロントブレーキをフォーク一体型とすることでさらなる空気抵抗軽減を実現。現代エアロロードのお手本のようなデザインです。これら前後の特殊ブレーキは整備性が悪く、チェーンリングによってはクランクをはずさなければシュー調整もできないという完全玄人向け仕様。

余程の手練れか、こまめに専門店に整備にいける自信がある方でない限りは、よく考えてからの購入をおすすめします。しかしそれだけのデメリットを払ってでも乗る価値のあるこのバイク。ライバルにあと一歩差を付けたい時の最終兵器です。
参考価格:1,260,000円(D/A Di2完成車)

最後に

冒頭で申し上げたとおりBMCは国内ロットが少なく、シーズンの最後では人気モデルはほとんど売り切れてしまいます。紹介しておいてなんですが正直、2015年モデルもそろそろ厳しいかも…?Y’sロードやなるしまフレンドのような大手自転車店では比較的在庫していることが多いので、ほしい方は一刻も早くお店へ!

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画像出典:BMC

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