【プロおすすめ!】防犯性能を高める自転車の鍵の種類とかけ方、おすすめ商品10選

ロードバイク 鍵 ロック

【2021年9月更新】こんにちは。自転車メカニックの石橋です。

年々、スポーツ自転車のユーザーが増え続けています。それに比例するように、自転車の盗難も増えています。高級自転車を盗み、オークションサイトに出品して儲ける手口などニュースで報じられることも多くなりました。

盗まれた自転車が戻ってくるのはめったにないと言われています。最近は盗まれた自転車の画像をSNSで発信することで、盗難に遭ったことを様々な人たちに知ってもらえるようになり、中には手元に返ってくる、というケースも見られますが、それでもなかなか取り戻すのは難しいようです。

そうなると盗まれてからでは遅いということがわかると思います。盗難を未然に防ぐことが必要になってくるわけです。そこで重要になってくるのが鍵です。

今回は盗難から自分の自転車を守るために絶対必要な鍵について取り上げます。私が盗難を予防するために工夫してきたことやおすすめの鍵をご紹介することで、防犯意識の向上や安心できる鍵の購入につながればと思います。

実は多い鍵の種類

自転車の鍵と言っても膨大な数があり、様々な種類に分けられます。例えば強度のある鍵は高い防犯性を誇り、安心して長時間駐輪することが可能です。その反面、重かったり、持ち運びがしづらかったりデメリットもあります。

具体的な種類としては、以下の5つが挙げられます。

チェーンロック

リング状の鉄製チェーンをつないだロックです。リングの太さや大きさで、強度と重さが決まります。

U字ロック

U字ロックは強度が一番高いと言われ、オートバイや原付バイクにも使用されているタイプの鍵です。その反面、携帯性があまり高くないので、常に持ち運ぶには不便な場合があります。

ブレードロック

鉄のプレートを埋め込み、折り畳みができるように可動する鍵です。プレートの太さや長さで強度と重さが決まります。

一方で携帯性が高い鍵も存在します。それはワイヤーケーブルを使用したものやコンパクトなものです。チェーンロックよりも軽量にできるため鍵の長さを長くできます。

ワイヤーロック

自転車の鍵で一番多く使われている鍵がワイヤーロックではないでしょうか。スチール製のワイヤーを束ねることで太くも細くもできるのでバリエーションが豊富です。

フォールディングロック

ブレードロックと同じ構造ですが、鉄のプレートを薄く、小さくすることで、持ち運びをしやすくした鍵です。

盗難されにくくするためのテクニック

自転車を停める場所

駐輪場

また、なるべく人目の付くような場所を選んで駐輪するようにしましょう。盗難時には鍵を壊す必要がありますが、当然ながら傍から見ると怪しい作業です。そんな作業はコソコソと行えるような場所でしかできないですよね。そのため、人通りの多い場所や監視員がいる駐輪場などに停めておくことをおすすめします。

駐輪のパターンを作らない

通勤・通学などで駐輪をする場合には、大体朝から夕方や夜まで停めておく場合が多いと思います。その際、「どの時間帯に持ち主が不在であるか」ということが分かってしまうと窃盗犯に目を付けられる可能性があります。なるべく長時間駐輪することは避けるとともに、駐輪する場所も時々変えることが必要だと考えられます。

信頼できる鍵を選ぶ

様々な鍵の種類を挙げましたが、その鍵を開けるキーも防犯上大きな役割を担っています。キーには主に、回して開けるタイプと暗証番号をそろえて開けるナンバー式タイプの2種類があります。信頼度はキーを回すタイプの方が高いと言われますが、ものによってはナンバー式の方が良い場合があります。

その理由はキーが回しにくい、変形しやすい、全く別の鍵でも開いてしまうなど中には品質が高くないものが存在するからです。最悪の場合、キーを回したら折れてしまったという例も聞きます。ナンバー式の場合、時間さえ気にしなければいつかは鍵が開いてしまう仕組みで心配な面はありますが、別の鍵で簡単に開いてしまうよりはマシですよね。

信頼できる鍵の条件の一つに、強度があってキーや鍵穴の安全性が高いものが挙げられます。例えば、家の鍵にも使用され、ピッキングに強いと言われるディンプルキーを採用したものやキーに番号が刻印され、その番号を伝えるとスペアキーが作れるものなどであれば安心でしょう。

鍵をしっかり掛ける

では、具体的にどのように鍵を掛けたら良いのでしょうか。私の経験からおすすめの鍵の掛け方をご紹介します。

鍵は2つ用意する

自転車に鍵をかける

前後輪とフレームを動かないものと一緒に鍵をかける(地球ロック)

スポーツ自転車の場合、メンテナンスのしやすさから工具なしで前後輪を外すことができます。つまり、知識さえあれば誰でも外せるという事です。そのため、前後輪やフレームを地面などに固定されていて動かないものと一緒に施錠することをおすすめします。これは地球ロックと呼ばれる方法で、ロードバイクなどに乗っている方には定着しているものです。こうすれば、万が一自転車の一部を外されても鍵を破壊されない限り持っていかれれるのを防ぐことができます。

自転車に鍵をかける

まず大きい鍵の方を前輪とフレームに、さらには動かないものに通し、合計3箇所にわたって鍵を掛けます。駐輪場の場合はタイヤをはめるレールなど地面に固定されているものに掛けましょう。なぜ大きい方が前輪かというと、比較的前輪の方が後輪よりも楽に取り外しができるため、それだけ盗難のリスクが高まるからです。

サドルに鍵をかける

続いて小さい鍵を使い後輪とサドルに鍵を掛けます。後輪とフレームだけでも良いとは思いますが、サドルの安全性も確保したいので私はサドルと後輪に鍵を掛けています。

目的別にみる鍵の選び方とおすすめ商品

私のおすすめする鍵の掛け方を紹介しましたが、乗る場所や乗り方によって選ぶ鍵も異なってくると思います。その中から自分に合った鍵を見つけるためには、改めて自転車の使用目的を考えていくと良いでしょう。

自宅で外に停めておく場合

いくら自宅だとはいえ、油断は禁物です。「まさかうちの駐輪場で」と思っていても、前述のように自転車の利用パターンがわかってしまうと窃盗犯に狙われるかもしれません。盗難のリスクを避けるために屋内で保管する、という人もいますが、置いておく場所が無いなどの理由で屋外に停めざるを得ないことがあるでしょう。

そんな場合には、なるべく性能が高くて壊されにくい鍵を使用することをおすすめします。例えば、太めのチェーンロックやブレードロックなどです。

チェーンロックタイプ

地球ロックをしやすいチェーンロックタイプの鍵です。セキュリティレベル15と、防犯面でも文句なし。(参考価格:税込9,328円)

ブレードロックタイプ

頑丈でなかなか壊されないブレードロックタイプの鍵。長時間の駐輪に最適です。(参考価格:税込6,578円)

重くて持ち運びにくいU字ロックも、自宅で停める場合には最適です。(参考価格:税込25,080円)

街乗りや通勤で利用する場合

街乗りや通勤の場合、強度がありキーや鍵穴も含め高い防犯性を誇るドイツのメーカー、ABUSがおすすめです。ABUSは自転車の鍵の中で一番信頼を置けるメーカーと言っても過言ではありません。日本より盗難が多いと言われる欧米で研究された技術は非常に高く、それゆえ自動車の鍵やホテルのルームキーなども製造している鍵のスペシャリスト企業なのです。

人通りが多く盗難の可能性が高まる街中では、高い強度と防犯性能があり、地球ロックをしやすい鍵が安心です。一方で、携帯性の高い鍵も併用し、ダブルロックを心掛ける必要があります。

ブレードロックと呼ばれつつも、非常にコンパクトな製品です。(参考価格:税込6,578円)

小さめながらセキュリティレベルは8と高めのチェーンロックです。(参考価格:税込7,392円)

世界で初めてU字ロックを開発したメーカー、Kriptonite。U字ロックとワイヤーロックがセットになっているので、二重ロック・地球ロックをするのにピッタリです。(参考価格:税込8,400円)

コンパクトなU字ロックで、持ち運びにピッタリです。(参考価格:税込6,834円)

ABUSのロックの耐久性は?本場ドイツでの人気製品は?徹底解説した記事はコチラ!

ツーリングなどで郊外へ出かける場合

ロードバイクで仲間とツーリングに行ったり、田舎道を走ったりするなど長距離を走る場合は、防犯性の高い鍵だと大きくて重く、邪魔になる可能性があります。街中の駐輪と違って長時間自転車から離れることが少なく、休憩や食事の時に目が届く範囲内で停めるのであれば防犯性よりも携帯性を重視すると良いでしょう。

長めのチェーンロックで、地球ロックをしやすいタイプのものです。(参考価格:税込2,629円)

軽くてコンパクトなので、ポケットに入れておくと便利なワイヤーロックです。(参考価格:税込1,980円)

キーを紛失してしまったら

気になるのは、駐輪している時にキーをなくしたり、ナンバーを忘れてしまった時はどうすればよいかです。信頼性の高い製品にはキーに番号が記されていて、その番号をもとに購入した店舗もしくは取扱店を通じてキーの作成を依頼できるものもあります。そのため購入時に鍵ナンバーを控えておくことが重要です。

再発行ができないキーや鍵本体が壊れてしまった場合は、鍵のトラブルを解決してくれる業者に依頼するのが間違いありません。

盗難被害にあった被害者が語る、徹底しておけば盗難を防げたかもしれない点!

反省ポイントその1:一日を越える長時間駐輪をしてしまった

反省ポイントその2:自転車を駐輪する際に地球ロックしなかった

反省ポイントその3:1つの鍵のみで施錠をして安心してしまった

盗難被害後、こちらの方は新しい自転車を購入することになったのですが、そのタイミングで組み合わせを考えて他の種類の鍵を購入した他、場所に応じて極力人目のつく場所に複数の鍵を組み合わせて地球ロックで駐輪するように心掛けるようになったとのことです。

高い防犯性能が盗難の抑止につながる

良い鍵を選んでおけば、絶対に盗まれないとは限りませんが、停める場所・停め方・使用する鍵を工夫することで格段に盗まれにくくすることは可能です。ある調査結果では、自転車を盗むのに5分以上かかる状況なら、盗むのをあきらめるというデータも出ています。

今の鍵に不安を持ってる人は一度ショップをのぞいてみてはいかがでしょうか。あなたにぴったりの鍵が見つかるかもしれません。

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WRITTEN BYVIKING the MAINTENANCE

都内のプロショップに10年間在籍後、2015年VIKING the MAINTENANCE を設立。東京・西新宿を拠点にスポーク自転車の組付け、カスタマイズ、メンテナンスを軸に展開中。年2回富士山麓でサイクルイベントも企画中。 http://www.viking-the-maintenance.com/

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