最近よく耳にするシクロクロスやグラベルロード。「シクロクロス?自転車を担ぐレースのこと?」
競技のためのバイクではありますが、実は通勤・通学の足やツーリング、オフシーズンのトレーニング用まで幅広く使える自転車です。ロードバイクやグラベルロードとの違い、シクロクロスバイクの特徴やレースの魅力までしっかり伝授。2019年最新おすすめモデルも厳選して紹介します。

シクロクロスとは


2月に開催されるシクロクロス東京

▲オフロード走行が前提のシクロクロスバイク。


シクロクロスとは、障害物が設置されたオフロードの短いコースを、決められた時間内に何周できるかを競う自転車競技のことです。舗装されたコースを走るロードレースとは違い、「オフロード=未舗装の悪路」であるコースには、シケインと呼ばれる障害物や、急坂、砂浜などの区間で構成されます。

ロードバイク シクロクロス コース 違い

▲舗装されたコースを走るロードレースやトラック競技(上)、対してシケイン(障害物)、砂浜、キャンバー(急坂)を乗り越えていくシクロクロスコース(下)


シクロクロスレースといえば、バイクをかついで階段や急坂をかけあがる姿も印象的ですよね。
シクロクロス レース 自転車 かつぐ 急坂 キャンバー

▲こんな急斜面は自転車をかついで登る…!


シクロクロスの成り立ちから、レースや練習方法まで。本格的に始めたい人はこちらから
→「2018年はシクロクロスに挑戦しよう!初心者向け完全ガイド

ロードバイク・グラベルロードとの違い


ロードバイク シクロクロス グラベルロード マウンテンバイク 違い

▲大まかなライドスタイルイメージ


見た目はロードバイクと同じようなシクロクロスバイクですが、違いがあります。さらに、近年人気のグラベルロード/アドベンチャーロードとの違いも解説していきましょう。

ロードバイクを悪路コースに適した形へ=シクロクロスバイク


シクロクロスバイクは競技で担ぎやすいように設計されている

▲担ぐことを前提に設計されるシクロクロスバイク


ロードバイクと変わらないように見えるシクロクロスバイクですが、細かい部分を見ていくとまさに「シクロクロスレースのための設計」であることがわかります。
トップチューブは担ぎやすいようにホリゾンタル形状に、泥詰まりを防止するためにフレームとタイヤの間隔も大きく。太いタイヤに、カンチブレーキ・ディスクブレーキを装備しています。
(各特徴の詳しい解説は次章で)

ロードバイクとシクロクロス、どちらを選ぶか悩んでいるなら。


グラベルロード:長距離・ツーリング向け
シクロクロスバイク:レース寄り


Specialized スペシャライズド Diverge グラベルロード

▲ダートも舗装路も。Specializedのグラベルロードシリーズ”Diverge”


ドロップハンドルでオフロードも走行可能なバイクといえば、最近流行りのグラベルロードやアドベンチャーロードと呼ばれるジャンル。シクロクロスバイクとはどう違うのでしょうか?

メーカーによってはオンロード・オフロード両方を走れるバイクとして定義が曖昧なケースもありますが、主な特徴は以下のとおり。

  • シクロクロスバイク=シクロクロスレース向け
    レースで担ぎやすいようにフロントトライアングルが大きくとられている。レース規定ではタイヤ幅は33mmまで。チェーン外れを防止するフロントシングルのモデルも。
  • グラベルロード=長距離走行向け
    幅35mm以上のタイヤを装備。道を選ばないツーリング用途にも使用可能。

同じメーカーのバイクで比較してみると差がわかります。

フロントシングル、幅33mmのブロックタイヤを搭載したシクロクロスバイク「CRUX ELITE(Specialized)」

▲フロントシングル、幅33mmのブロックタイヤを搭載したシクロクロスバイク「CruX Elite(Specialized)」


フロントに48/32Tのチェーンリング、38mmタイヤ装着のグラベルロード「DIVERGE MEN SPORT(Specialized)」

▲フロントに48/32Tのチェーンリング、38mmタイヤ装着のグラベルロード「DIVERGE MEN SPORT(Specialized)」


出典:Specialized Online Store

シクロクロスバイク・5つの特徴


ここからは、さらにシクロクロスバイクの特徴を踏み込んで解説していきます。
オフロードも走れるシクロクロスバイクは、実はロードバイクよりも使いやすいモデルが多いです。競技をやらない人にとっても、街乗りや、オフロードを含むツーリングにも使えるため、柔軟性のある自転車といえます。

①ブレーキが効く


制動力の高いディスクブレーキ

▲制動力の高いディスクブレーキ
出典:RIDLEY X-NIGHT



最近のシクロクロスには、ディスクブレーキタイプが増えてきています。その制動力はリムブレーキとは効き目が異なり、雨の日でも安心です。

②オフロードも走行可能


ワイドなタイヤクリアランス。ブロックタイヤなら未舗装路も走行可能

▲ワイドなタイヤクリアランス。ブロックタイヤなら未舗装路も走行可能
出典:RIDLEY X-NIGHT



走る道路を選ばないシクロクロスバイクは、未舗装路を含むコースのツーリングにも使用でき、自転車での行動半径を広げてくれます。

③ タイヤを変えればロードバイクになる


シクロクロスバイクには、ロードバイクのパーツをそのまま乗せることも可能です。例えば700x25Cの細いタイヤに交換すれば、ロードバイクが持つ舗装道での軽快さを得ることもできるわけです。

④ 2台目を買っても1台目が生きる


初めての1台として、街乗り用や通勤用の安価なロードバイクを手に入れても、だいたい2台目が欲しくなります。1台目がシクロクロス車で、2台目に高スペックなフルカーボンのロードバイクを選んだときでも、1台目はスペアバイクとして使用できます。

⑤イベント参加も楽しい


せっかくシクロクロスを始めたのなら、イベントに参加してみましょう。秋から冬はシクロクロスイベントのシーズンです。ロードバイクがオフシーズンともいえるこの季節、初心者でも参加できるイベントから気軽に参加してみてはいかがでしょうか?

初めての人から仲間とのチーム参加もできる運動会のようなイベント「バイクロア」

▲初めての人から仲間とのチーム参加もできる運動会のようなイベント「バイクロア」
出典:バイクロア



シクロクロスのイベントってどんな感じ?臨場感たっぷりのシリーズをどうぞ
→「シクロクロス女子奮闘記~レース前準備編~
→「シクロクロス女子奮闘記~シクロクロス千葉に参加してきました~
→「シクロクロス女子奮闘記~東京CX参戦編!~

シクロクロスバイクの選び方


ここまで読んで、シクロクロスバイクいいかも!と思ったあなたへ。選ぶ際のポイントを伝授しましょう。

シクロクロスバイクの値段


フレームやコンポーネントなど、高いスペックを望めば値段もキリがないのはロードバイクと同じ。
予算度外視でハイグレードマシンが買える人はそういないはず。ここでは入門用のマシン=価格と性能のバランスが良いエントリーモデルをおすすめします。

ロードバイクやMTBと同様、10万円台半ばから各メーカーでシクロクロスバイクを見つけることができます。入門用としてひとつ目安をあげるなら、アルミフレーム&ディスクブレーキを押さえておくとちょうど良いバランスに。
さらに、あわせて知っておきたいポイントをお伝えします。

フレーム


クロモリのオーダーメイドフレーム「Panasonic FCXC06」

▲クロモリのオーダーメイドフレーム「Panasonic FCXC06」
出典:Panasonic FCXC06


競技用のシクロクロスバイクはカーボンが主流ですが、価格が手頃なものはアルミが主体です。アルミは強度、耐久性、コスト面のバランスが良い素材です。軽量クロモリフレームもあり、独特のスマートな外観は根強い人気があります。
同じロード乗りでも、シクロクロッサーのほうがクロモリ率は高いのだとか。

ケーブルの取り回し


最近ではケーブル内蔵式も

▲最近ではケーブル内蔵式も
出典:TREK


一般的に、シクロクロスバイクのディレイラーケーブルの取り回しはトップチューブ上部です。泥などの異物によるケーブルの汚れを防ぎ、バイクを肩に担いで走るときに痛みがないようにしています。

チェーンセットの種類


多くのシクロクロスバイクでは、フロントにダブルのチェーンセットを採用していますが、オフロードに対応するために46-36などの低めのギア設定を使用しています。
さらに近年では、フロントディレイラーと2枚目のチェーンリングをなくしたフロントシングルのモデルがトレンド。軽量化に加え、変速によるチェーントラブルの解消が期待できます。

ブレーキ


機械式ディスクブレーキ

▲機械式ディスクブレーキ
出典:TREK


泥詰まりを防止するために、タイヤとのクリアランスが大きくとられたカンチブレーキ、リムでブレーキをかけないディスクブレーキがあります。雨天でのブレーキ性能のことを考えると、ディスクブレーキがおすすめです。

使用タイヤ



シクロクロス競技では700x33Cまでの太さのタイヤが使えるので、フレームもこの規格に対応して設計されています。その結果、700x23Cのロード用スリックタイヤから、700x35Cのブロックパターンのタイヤまで幅広い選択が可能に。

▶シクロクロスのタイヤについて知りたいなら必読!シクロクロッサーに選び方、パフォーマンスの高いタイヤの種類やレースに与える影響まで教えてもらいました。
→「意外と知らないシクロクロスのタイヤの話|最適なタイヤの選び方とおすすめブランド4

おすすめシクロクロスバイク12選


価格や性能、用途をふまえて、エントリーユーザーから中級者向けのシクロクロスバイクのおすすめを紹介します。

CANNONDALE|CAADX TIAGRA SE



アルミフレームに定評のあるCANNONDALE。カーボンバイクであるSUPERXゆずりのジオメトリーとポジションを持ち、軽量で担ぎやすく、未舗装路でも安定して走れます。「日曜日にはレースを走って月曜日には通勤に」というコンセプトに、ライドシーンの幅広さを見てとれます。

フレーム アルミ
ディレーラー シマノTiagra
クランク FSA Omega Alloy, BB30, 48/32
ブレーキ Promax Decoder-R cable actuated disc, 160/160mm
サイズ 46, 51, 54, 56
カラー GRAPHITE
参考価格 税別140,000円

BIANCHI|ZURIGO DISC




フロントをシングル化し、機械式ディスクブレーキを搭載したモデル。肩に担ぎやすいよう、トップチューブの後ろが平らに加工されています。35cのタイヤを装着しているので、オフロードでも雨や雪の中でも安心して走れます。

フレーム アルミ
ディレーラー Sram Apex
クランク Sram S350-1 40T 170mm
ブレーキ Sram DB-BLBG-7R-A1
サイズ 49/52/55
カラー Matt Black
参考価格 税別170,000円

ARAYA|CXG Muddy Fox CX Gravel



クロモリフレームが美しいARAYA。グラベルロードですが、ディスクブレーキ仕様で、シクロクロスにも十分対応できるモデルです。コンポはシマノCLARISフル搭載でありながら、ディスクブレーキには補修性もよいメカニカルのTRP SPYREが採用されています。

フレーム クロモリ
ディレーラー シマノCLARIS
クランク SHIMANO CS-HG31-8 11-32T 8speed
ブレーキ TEKTRO SPYRE メカニカル ディスクブレーキ
サイズ 460, 500, 540mm
カラー Sunlight Yellow、Burn Black
参考価格 税別100,000円

SPECIALIZED|CRUX ELITE




シクロクロス・ジオメトリーのフレームは軽量で剛性の高いFACT 11rカーボンを採用。フロントディレーラーは、ワンバイ・シフト設定によりチェーン外れの煩わしさから解放されます。本格的にシクロクロスレースに取り組みたい方に。

フレーム カーボン
ディレーラー SRAM Rival 1
クランク Praxis Zayante, BB30
ブレーキ SRAM Rival 1, hydraulic disc
サイズ 46, 49, 52, 54, 56
カラー グロス アシッドピンク/アシッドパープル/チームイエロー/クリーン、ロケットレッド/ターマックブラック
参考価格 税込410,400円

GIANT|TCX SLR 2


GIANT TCX SLR 2|ジャイアント ティーシーエックス エスエルアールツー 出典:GIANT TCX SLR 2

フレームにはSLRアルミを採用し、シクロクロスに適した軽量性、高剛性を実現しています。前後に新規格のフラットマウントのディスクブレーキを採用し、すぐに実戦対応可能な33mm幅の全天候型シクロクロスタイヤを装備しています。

フレーム アルミ
ディレーラー SRAM APEX 1
クランク FSA OMEGA
ブレーキ SRAM APEX 1 + GIANT CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE SYSTEM
サイズ 475, 500, 525
カラー ブラック
参考価格 税別180,000円

BOMA|D.OLAII



今年の夏モデルチェンジし登場するドーラII。前後12mmスルーアクスルとなり、デザインも一新し生まれ変わります。T700HMカーボンフレームでディスクブレーキ対応、ワイヤーの内蔵化ですっきりした外観はそのままに、より戦闘力のアップしたシクロクロスフレームです。

フレーム カーボン
サイズ S-510, M-540, L-570
カラー レッド×ホワイト
参考価格 税別195,000円(フレームセットのみ)

MERIDA|MISSION CX 400


MERIDA MISSION CX 400|メリダ ミッション シーエックス400 出典:MERIDA MISSION CX 400

担ぎやすいような扁平トップチューブ、フルカーボンフォークを採用したUCIレース対応のアルミフレームに、新型105を組み合わせたシクロクロスバイクです。レースだけでなくグラベル用途にも使用できます。

フレーム アルミ
ディレーラー シマノ105
クランク Shimano RS510 46-36
ブレーキ Tektro Spyre disc
サイズ 47cm/50cm/53cm/56cm
カラー MATT SILVER(BLUE)
参考価格 税別179,900円

LIV|BRAVA SLR


LIV BRAVA SLR|リブ ブラーバ エスエルアール
出典:LIV BRAVA SLR

⼥性専⽤設計のシクロクロスバイク。アルミの軽量・⾼剛性なフレームにスローピングデザインを採⽤し、⼩柄な⼥性でも足つきができるよう工夫されています。ケーブルは内装式で、振動吸収性を⾼めるD-FUSEカーボンピラーを採⽤。フロントはチェーンのトラブルを防ぐため、シングルになっています。2018年モデルからはヘッド剛性も⼤幅にアップ。2019年モデルでは待望のチューブレスレディタイヤが採用され、レース性能も年々進化しています。

フレーム アルミ
ディレーラー SRAM APEX 1
クランク SRAM S350-1 40T
ブレーキ SRAM APEX 1 HRD
サイズ 445, 475
カラー ブラック
参考価格 税別230,000円

BRIDGESTONE ANCHOR|CX6D EQUIPE


ANCHOR CX6D EQUIPE|アンカー シーエックスロクディー エキップ 出典:BRIDGESTONE ANCHOR CX6D EQUIPE

軽量で耐久性に優れたアルミ素材を使い、フルカーボンフロントフォークによって、高い振動吸収性も備えています。メインコンポにはシマノ・105。700×33Cのタイヤを装着しています。パーツやカラーの選択の多さにも定評があります。

フレーム アルミ
ディレーラー シマノ105
クランク SHIMANO FC-RS510 46-36T
ブレーキ SHIMANO BR-R317 機械式
サイズ 510
カラー ANCHOR COLOR ORDER SYSTEMに対応し、35色のフレームカラーから選択可能
参考価格 税別220,000円

TREK|Crockett 5 Disc


TREK Crockett 5 Disc|トレック クロケット5 ディスク 出典:TREK Crockett 5 Disc

軽量アルミフレームにシングルトレインを採用したエントリー用シクロクロスバイクです。機械式ディスクブレーキに32Cのタイヤを備え、シクロクロスレースからグラベルライド、通勤通学まで幅広いライドが可能です。

フレーム アルミ
ディレーラー SRAM Rival 1
クランク Praxis Alba, direct mount chainring, 40T
ブレーキ TRP Spyre mechanical disc
サイズ 47/50/52/54/56
カラー Matte Dnister Black
参考価格 税別200,000円

FELT|F30x


FELT F30x|フェルト エフ30エックス 出典:FELT F30x

軽く丈夫なアルミ素材を使用したフレームは担ぎやすいフロントトライアングルとトップチューブ形状を備えています。タイトなコーナーリングにも対応できるハンドリング性能をもち、制動力のあるシマノ105油圧ブレーキを搭載。

フレーム アルミ
ディレーラー Shimano 105 R7000
クランク FSA Gossamer Pro ABS BB386, 46/36T
ブレーキ Shimano 105 BR-R7070 油圧式ディスク
サイズ 50, 53, 55
カラー ミストブルー
参考価格 税別218,000円

RIDLEY X-NIGHT



シクロクロスが盛んなベルギーのメーカー「リドレー」は、シクロクロスU23チャンピオンが在籍する「マーラックス・ビンゴール」はじめ国内外のシクロクロス選手に機材供給しています。2019年モデルの「エックスナイト」は、リアトライアングルとBBエリアの形状を見直すことにより、更に効率的なパワー伝達を実現。マッドコンディション下でも泥詰まりを低減させています。フラットマウントディスクブレーキに対応し、ハードな条件下でも確実なブレーキング性能を維持し、バイクコントロール性を向上させています。

フレーム カーボン
サイズ 41, 48, 50, 52
カラー JP19-07As(Team)
参考価格 税別183,000円(フレームセットのみ)

シクロクロスバイク、あなたはどう乗る?


レースだけでなく、通勤・通学やツーリングにも対応できる万能なシクロクロスバイク。初めての1台やロードバイク以外のセカンドバイクとしていかがでしょうか?
今回ご紹介したのは新しいモデルですが、フレームがシクロクロス用であれば、コンポーネントなど他のパーツは他からの流用ということもできます。あなたはどのような使い方をしますか?

監修:サイクルアシスト オオバ 大場忠徳

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