SCOTT(スコット)はスイス発の実力派ブランドだ。スコットのロードバイクを語るうえで欠かせないのがカーボン素材。常に時代の先端を走り続けるクールなイメージは、スコット独自のカーボンテクノロジーの賜物ともいえる。今回はブランドの歴史をたどりながら、2018年最新のおすすめモデルに迫っていくこととしよう。
>> 2019年モデルはこちらから
目次
- スコットの歴史
- スコットの2018年モデル25台
- FOIL RC PREMIUM DISC
- FOIL 10 DISC
- FOIL 20 DISC
- FOIL RC
- FOIL 10
- FOIL 20
- FOIL 30
- ADDICT RC ULTIMATE DISC
- ADDICT RC PREMIUM DISC
- ADDICT RC 15 DISC
- ADDICT RC 20 DISC
- ADDICT 10 DISC
- ADDICT 20 DISC
- ADDICT 30 DISC
- ADDICT RC PRO
- ADDICT RC 10
- ADDICT RC 20
- ADDICT 10
- ADDICT 20
- ADDICT 30
- SPEEDSTER SE
- SPEEDSTER 10
- SPEEDSTER 20
- SPEEDSTER 30
- SPEEDSTER 40
- 2017年モデルはこちらから
- カーボン素材とともに進化してきたスコット
スコットの歴史
ロードバイクに馴染みの深い人は意外かもしれないが、実はスコットの歴史の始まりはスキー業界に発する。どのような経緯で自転車業界へと参入してきたかを見ていこう。
始まりは「スキー用品開発」だった
スコットはスイスに本拠を置くスポーツ用品メーカー。1958年、創業者のエド・スコットにより世界初のアルミ製スキーポールが開発されたのが歴史の始まりだ。スキー市場において革新的な製品を生み出し続け、世界有数のブランドとなっている。
エアロ・ロード・ハンドルバーがツール・ド・フランス勝利に導く
自転車生産に進出したのは1986年、最初はMTBを手がけている。1989年には、ツール・ド・フランスおいてグレッグ・レモンが同社製エアロバーを使用して勝利。スコットの名を自転車業界にも広く知らしめた。その数年後からカーボンを主素材としたフレーム作りを開始する。
2001年には当時の世界最軽量ロードバイク・フレーム「チームイシュー」を発表。また、2003年には世界初の1kgを下回るフレーム開発に成功。以降、軽量で高性能なバイクを提供するブランドとして成長して現在に至っている。
スコットの2018年モデル25台
プロレース・シーンにおいても積極的に参入しているスコット。その2018年ラインナップを見ていこう。
FOIL RC PREMIUM DISC
新しく登場した「フォイル・ディスク」のハイエンドモデル。スピードとパフォーマンスを向上させるだけではなく、エアロダイナミクスとパワー放出の両方を高め、ディスクブレーキにより優れた制動性能も備えている。
- 価格:1,490,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
FOIL 10 DISC
ライダーの狙ったラインを正確にトレースする高い安定性、スピードコントロール性を兼ね備えた「フォイル・ディスク」のミドルグレードモデル。勝利を納めるためのより多くのポテンシャルを秘めていて、バイクへの信頼性は抜群なものがあるだろう。
- 価格:629,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
FOIL 20 DISC
ライダーの加速スピードを最大限サポートする「フォイル・ディスク」のローエンドモデル。薄くなったシートステーにより、ラフな路面でも滑らかな走りを実感できる。快適性も重視し、スムーズなライドフィールに必要な垂直方向への弾性がアップ。
- 価格:469,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
FOIL RC
初代モデルは「空力、剛性、軽量」の性能をパーフェクトなバランスで実現し、レース用ロードバイクのベンチマークとなった。2世代目となる本機は快適性も手に入れ、一般的なエアロバイクより軽量で高剛性を保ちながら、空気抵抗を減らしたオールラウンドマシンだ。
- 価格:799,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・デュラエース
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
FOIL 10
市場で最も軽量なエアロバイクのひとつ。エアロダイナミクス性能に長けたフレームはヘッドチューブからリアドロップアウトまで改良され、剛性と快適性は新たなレベルまで引き上げられた。一体化したコックピットを作り出すための工夫も施されている。
- 価格:549,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
FOIL 20
新しい「フォイル」は初代と比べ、フォークコラムの上径が1-1/4インチと太く改良。下側は1-1/2インチのテーパードヘッドとなり、ヘッドチューブの外径を太くすることなくフォークコラムの大口径化を果たして剛性アップしている。
- 価格:399,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
FOIL 30
新型「フォイル」シリーズのエントリーモデル。ボトムブラケットはPF86を採用し、BBボックスとダウンチューブ、テーパーヘッドチューブの結合部が広くなった。最適化されたレイアップと独自のカーボン構造工程により、BB剛性を高めている。
- 価格:339,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ105
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT RC ULTIMATE DISC
プロレースと軽量性への憧れを両立させたディスクブレーキ式モデル。戦闘的な攻めのジオメタリーはパワーロスを防ぎ、全体的に重量バランスがとれた一台だ。軽さを追求するライダーにとっても魅力的で、ヒルクライムでは圧倒的なパフォーマンスを発揮。
- 価格:1,290,000円(税抜)
- コンポーネント:スラム・Red e Tap
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT RC PREMIUM DISC
近年の「フォイル」や本機シリーズのデザインは、飛行機における空気力学と空気抵抗の比率をベースに作られている。スコットの技術者は、バイク特有の低速度域におけるエアロ効果を加味して「F01」テクノロジーを編み出した。
- 価格:1,190,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT RC 15 DISC
再設計されたリアトライアングルは、フラットマウント式ディスクブレーキ対応の新兵器。シートステーの直径は、非対称的にかかる制動力を吸収するために、ドロップアウト側を太く設定している。タイヤクリアランスは最大28Cまで対応。
- 価格:589,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT RC 20 DISC
新型「アディクトRCディスク」シリーズのローエンドモデル。上位機種譲りのハイパフォーマンスを発揮し、平坦な路面からヒルクライムまで十分に対応するオールラウンドマシンだ。ディスクブレーキに対応したフロントフォークやスルーアクスルも完備。
- 価格:449,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT 10 DISC
新しい「アディクト・ディスク」シリーズはコンフォート性にも長けたモデル。開発の段階での徹底した効率化によるリーズナブルプライスの実現と、他社の同グレードモデルよりも優れた軽さと乗り心地を両立させている。
- 価格:349,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT 20 DISC
トップチューブ・エリアとシートチューブ・エリアには、強度を持たせつつも快適性をもたらす設計になっている。路面からの衝撃に対し、シートポスト、シートチューブ、シートステーが柔軟にたわんで、動作を邪魔しない構造だ。
- 価格:299,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ105
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT 30 DISC
タイヤクリアランスは最大32Cまで。ディスクブレーキの安定した強力な制動パワーを受け止めるグリップ力と大容量のエアボリュームによる快適性が発揮。日々の通勤&通学から週末のロングライドまで、十二分に活躍してくれる頼もしい1台だ。
- 価格:249,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・ティアグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT RC PRO
素材となるカーボンの「HMF」製法はすでにスコットのハイエンドモデルに使用されているが、そのスタンダードを超える新たな素材を開発。それが「NET」で、スコットのためだけに使用されている繊維だ。仕上げの際、余分なレイヤーを削ぎ落している。
- 価格:1,090,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT RC 10
シリーズのミドルクラス。コンペティションロード用に開発されたライディングポジションを持つ。スコットの技術者は「IMP」と呼ばれる最新技術をカーボン製造工程に加え、バイクの軽量化に成功。さらに引張強度の高いカーボンを所々に配している。
- 価格:569,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・デュラエース
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT RC 20
BBにシマノと共同開発された規格「PF 86」ボトムブラケットを採用。プレスフィット方式で軽量化を達成しながら、限界までワイドな設計を果たした。それにより、ダウンチューブやシートチューブにライダーの動力を最大限に伝える作りとなっている。
- 価格:369,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT 10
新たに独自のエンデュランス系ジオメタリー仕様となった「アディクト」シリーズ。ライダーの上半身がやや起きるように設計されていて、首や背中にかかる負担を軽減しているのでロングライドに最適。
- 価格:299,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT 20
高剛性かつスムースさを持つ「MF」カーボンを採用したフレームは、バランスのとれた走行性と快適なポジションを提供する。辿り着く場所に留まらず、もっと先へ——と乗り手を鼓舞するパフォーマンスが高いミドルクラスモデルである。
- 価格:249,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ105
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
ADDICT 30
シリーズ末弟のエントリーモデルとなる本機。コンポーネントにはシマノ・ティアグラを搭載し、100kmほどのツーリングなどに重宝するだろう。振動吸収性や推進力に強みがあり、快適に目的地まで乗っていける一台だ。
- 価格:199,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・ティアグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
SPEEDSTER SE
長い間、世界中で愛されてきたアルミ車「スピードスター」がフルモデルチェンジ。快適性を高めるジオメタリーやカーボンフォーク、ワイドタイヤの採用やケーブルの内蔵化が主な変更点となっており、値段もお求めやすい。
- 価格:199,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・アルテグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
SPEEDSTER 10
ジオメタリーはライダーの上半身がやや起きるように設計。ロングライドの身体的負担を軽減しているエンデュランス系だ。タイヤのクリアランスは28Cまで。通勤&通学の足代わりから、仲間とのツーリングにぴったりなモデル。
- 価格:149,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ105
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
SPEEDSTER 20
コンフォート性を高めるジオメタリーの他、上位機種の「フォイル」や「アディクト」同様のテーパードフォークを採用。高剛性でハンドリングもキレの良さが感じられるようになっている。また、美しさを感じるフレーム仕上げが特徴だ。
- 価格:129,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・ティアグラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
SPEEDSTER 30
コンポーネントにシマノ・ソラを搭載し、コストパフォーマンスが高いモデル。その他の性能はシリーズ上位クラスと同等のものがあり、初心者にとっては有り余るほどの走りをみせてくれることだろう。
- 価格:109,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・ソラ
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
SPEEDSTER 40
シマノ・クラリスをコンポーネントに搭載したエントリーモデル。この価格帯でケーブル内蔵式なのは破格だ。スタイリッシュなフレームデザインは上位機種と変わらず、街中を颯爽と駆け抜けたら気分も上々だろう。
- 価格:89,000円(税抜)
- コンポーネント:シマノ・クラリス
- サイズ:XXS(47)、XS(49)、S(52)、M(54)、L(56)
2017年モデルはこちらから
カーボン素材とともに進化してきたスコット
スキー業界に革命を起こした1958年の設立からちょうど60年。自転車業界に参画以降のスコットの歴史はカーボン素材の進化とともに歩んできたものだ。
数々の独自技術のクオリティーは高く、中〜上級者のためだけではなく、エントリーユーザーもその恩恵を受けられる。また、アルミシリーズの「スピードスター」の人気も厚いなど、スコットのラインナップは幅広い。
バイク選びに悩んだら、候補にして間違いはないだろう。
All photos © SCOTT JAPAN
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