自転車からワクワクをひろげよう

  1. ホーム
  2. プロダクト
  3. 人生最後の一台にしたい折りたたみ自転車Brompton(ブロンプトン)の魅力と最新モデル

人生最後の一台にしたい折りたたみ自転車Brompton(ブロンプトン)の魅力と最新モデル

あわせて読みたい!
こちらの記事もチェック!

イギリスの折りたたみ自転車、ブロンプトン。自転車好き、自転車に興味を持っている人ならご存知の人も多いのではないだろうか。80年代以来ずっと同じスタイルでロンドンで生産されている、すでに名車の域にも達しているブロンプトンの魅力をご紹介します。

ワイズロードでブロンプトンを見る

Brompton(ブロンプトン)の間違いない機能性・デザイン性の高さ

わたしは現在12台の自転車を持っている自転車所有マニアだが、もし残りの人生、1台に絞って生きていかなければいけないとしたら、ブロンプトンにしようと思っている(もっともブロンプトンもロンドン用と東京用と2台持っているのだが)。その理由は、機動力の高さと完成度の高さにある。

▲2016年にツール・ド・フランスの出発地点になったオランダのユトレヒトに出張した時の著者。自転車王国には自転車で!とブロンプトンを列車に載せて行った。

ブロンプトンの折りたたみ性能は突出している

▲折りたたんだ状態のブロンプトンと、飛行機などで預ける際にも安心な純正輪行袋。しばらく乗らない時は畳んで袋に入れ、物置などに入れておけばスペースを取らないのも強み。都市生活者なら全員1台ずつ持っていてもいいのではないかとさえ思うほど便利だ。

まず折りたたみ性能がすごい。組み立て・折りたたみはツール不要で10秒ほどで完了。畳んだときの大きさは機内持ち込み荷物よりちょっと大きい程度。しかも、チェーンなど触れたくないパーツが露出しない構造なので、服を汚してしまうようなことがほとんどない。さらに折りたたんだままコロコロと転がして押して歩くこともできる。

ブロンプトンの走行性能はクロスバイクに匹敵

▲ブロンプトンは今も基本は1車種だけだが、ハンドルバー形状やギア枚数などでいくつか種類がある。

そして走りやすさもすごい。16インチと小径車の中でも小さめのホイールだが、ホイールベースが長く直進安定性の高いジオメトリーで、いわゆるクロスバイクに遜色ない走行感だ。

旅に、キャンプに、大活躍の積載能力

▲80年代の初期型モデルを含め、ブロンプトンを6台持っているという男性。ブロンプトン純正の専用バッグを前後につけ、小旅行ならこれで十分だという。右の青いブロンプトンは筆者のもの。

荷物をたっぷり載せられるのもすごい。とくにメインフレーム(ヘッドチューブ)に直接荷物を固定するフロントのラゲッジシステムが優秀で、スーパー帰りの大量の買い物も、数日間の出張荷物もふらつくことなく運べるのだ。

ブロンプトンは80年代からパーツが変わってない一生モノ

▲ピークのある弧を描いているメインフレームのシルエットが印象的なブロンプトン。フレームカラーはいろいろな組み合わせができ、毎年新しい色が登場するのも楽しい。やはり英国生まれで長く愛された小型自動車のミニ(現行のBMW製になる前のクラシック・ミニ)を彷彿させると言う人も多い、ぬくもりのあるデザイン。

そして、ブロンプトンはほぼ一生モノなのがすごい。1980年代の初期型以来多くのパーツ仕様が変わっておらず、ブロンプトン独自のスモールパーツもすぐに注文できる。すでに累計の生産台数も数十万台に達しているので、たとえ本家ブロンプトン社に何かあっても(順風満帆で当分は何もなさそうだが)、パーツを作って販売するところが出てくるのは確実。

イギリス本国で愛され続けるブロンプトン

▲ロンドンの隣の県から電車+自走でオフィスに向かうという女性。右奥にもブロンプトンの男性がふたり。ロンドンの通勤時間はブロンプトンだらけだ。

ブロンプトンの本国での人気は相当なもので、単一車種としてはイギリスでいちばん多いのではないだろうか。

ロンドンの場合、普通の自転車を載せられない通勤電車や地下鉄・バスなどにも、折りたためるブロンプトンは持ち込めるので、とくに朝晩の通勤時間帯のロンドンの路上は、通る自転車の10〜20台に1台はブロンプトンというまでの状態になっている。

自転車通勤で駐輪スペースがなくて苦労するのはロンドンも日本の都市と同じだが、ブロンプトンなら畳んでオフィスに持ち込み、デスクの下に置いておけるのもポイント。アフター5に立ち寄るレストランやバーでもブロンプトンなら店内に持ち込める。

飛行機やユーロスターなどで旅行をする際にもサイズや追加料金を気にせず預けられるので、ロンドンの駅まで自走し、パリでさっと走り出すということができる。

▲パリのビストロ店内に荷物と一緒に持ち込ませてもらったときの様子。以前はイギリス以外では「わー何これ自転車?」と感心されることが多かったが、最近はヨーロッパ各国でもブロンプトンは人気であまり聞かれなくなった。

ブロンプトン定番モデルとカスタム、最新電動モデル

▲ロンドン郊外にあるブロンプトン本社兼工場。ここですべてのブロンプトンは組み立てられている。社長のアダムス氏曰く、誘致金が出る田舎の工業団地に移転することも検討したが、都市生活者のための自転車は都市で設計され製造されるべきだというポリシーでロンドンにこだわったのだそうだ。

……と、ブロンプトンのすごい機能を駆け足で述べてきました。

現行モデルでありながらすでに歴史的名車と言ってもまったく過言ではないイギリスの折りたたみ自転車、ブロンプトン。ここから、さまざまなバリエーションのあるブロンプトンの魅力と選び方をご紹介しよう。噂の電動ブロンプトンを含む最新モデルもご覧あれ!

定番は1車種のみ、自分仕様のカスタムオーダー自由自在

▲ブロンプトンサイトにある「バイクビルダー」でバーチャルで作ってみた、2速+Sタイプハンドルの軽量ながらクラシックな雰囲気のブロンプトン。ブルックスサドルがよく似合う。

ブロンプトンは基本的には1車種のみだが、ハンドル形状、フレーム素材、ギア数、リアキャリアや泥除けの有無などなど、多数のオプションが用意されている。日本のショップには人気のある組み合わせの完成車が在庫されているが、時間がかかってもよければ、細かく指定をして本国に注文、自分仕様のブロンプトンを作ってもらうことも可能だ。

▲工場の生産ラインの最後、顧客のオーダー通りに組み上がっているかをチェックしているところ。ローカラーのPタイプハンドル、ハブダイナモライト付き。新オーナーは、ツーリング旅行を計画しているのではないか。

細かなオプションまではとてもここでは説明しきれないが、のちのち変更しにくい大きな決断ポイントは以下のようなものだろう。

(1)ハンドル形状
現在のブロンプトンには4種類のハンドルがある。フラットハンドルバーのSタイプは、乗車姿勢の前傾が深めのスポーティなタイプ。オリジナルのMタイプはバー中央が下がっていて、サドルからグリップの遠さをある程度調整できる。独特な形のPタイプはさまざまな乗車姿勢がとれるのでツーリング向き。世界一周をしたりする人は大抵このハンドルを選んでいる。比較的最近登場したHタイプは、前傾姿勢が苦手な人のために、ハンドル位置を高くしたタイプだ。

(2)フレーム素材
メインフレームはスチールのみだが、フロントフォークとリア三角形には軽量なチタンも選べる。チタンはお値段がちょっと高い。

(3)フレーム色
メインフレームと、フロントフォークとリア三角2色を組み合わせて選べる。ブリティッシュレーシンググリーンなど英国らしい色もポップな色も魅力的だが、溶接箇所がそのまま見られるクリアラッカー仕上げの「ロー(raw)」という色も渋くてカッコいい。

(4)ギア数
シングルスピードから2速、3速、6速までがあり、さらにチェーンリングの歯数違いでギア比も数種類ずつ用意されている。

これらのチョイスはブロンプトンの公式サイトにある「バイクビルダー」という、バーチャルに好みのバイクを作り、それをそのまま注文書のように使えるコーナーを使ってみるとよくわかる。重量やお値段(ただし英ポンド)も見られるので、興味のある人はいじってみて。

▲同じバイクビルダーで作ってみた、著者所有のうちの1台。ペパーミントグリーンのMタイプで3速。泥除け、リアキャリアでちょっと重たい(12.6kg)が実用性が高くてとても気に入っている。

LINK:Brompton Bike Builder

ワイズロードでブロンプトンを見る

特別な限定モデルも見逃せない

▲フレーム全体にニッケルメッキをほどこしたニッケルエディション。間近に見ると、その銀ピカ具合は相当なもの。耐久性も高まっているという。

以上はブロンプトンの定番モデルで、この他に生産台数の少ないスペシャルエディションとしては現在は「ブラックエディション」、総ニッケルメッキの銀ピカ「ニッケルエディション」が発売されている。

限定生産のデビット・ミラーモデル

▲デイビッド・ミラー氏による限定生産のCHPT3(当ページ上部の写真も)。ファイヤーレッドとグレーのカラリング、2速、Sタイプハンドル、特別限定生産の赤いカンビウムC17サドル、タン色のサイドウォールのシュワルベ・コジャック。日本にも少数入荷しているとか。

また限定台数のモデルもその時々に短期間登場している。ごく最近発表になったのは、英国人元プロロード選手デイビッド・ミラー氏が立ち上げたオリジナルブランドCHPT3(チャプター・スリー)仕様の軽量・高速仕様のブロンプトンだ。ミラー氏が速いストリートバイクをイメージしてディレクションしたもので、軽量化と特製カラーのブルックスカンビウムC17サドルやシュワルベ・コジャックを奢られている。初回ロットの700台が速攻で完売、今回の生産が最後になるとか。

LINK:David Miller Model

イギリスから予約開始の電動モデル

▲長らく業界の話題をさらっていた、電動アシストブロンプトンが2018年にいよいよ発売になる。写真のように、たたむ性能は変わらず、バッテリーパックはショルダーバッグのように外してオフィスや家の中に持ち込む設計。ショルダーバッグと一体型になっているバッテリーもある。(2018年3月現在は英国内のみで予約受け付け中)

そして長らく噂になっていた電動アシストのブロンプトン・エレクトリック。今年2018年にまずは英国内に絞っての販売からスタート、現在予約が始まっている(日本を含むその他の国や地域での販売はまだ未定)。250Wのモーターをフロントハブに配し、航続距離は40〜80kmとのこと。重量のあるバッテリーパックは従来のフロントバッグ用のマウントにとりつける設計で、折りたたんで持ち歩く時にはバッテリーは外してショルダーバッグのように肩にかけられるデザイン。英国での価格は38〜40万円ほど。

LINK:Brompton-Electric

アクセサリーの種類も豊富、自分だけの一台に

▲ブロンプトン純正のフロントバッグ。トートバッグタイプから旅行に便利な大容量のもの、イギリスらしいガンバッグなどだいぶ種類が増えてきている。

ブロンプトンユーザーが増えるほどに、アクセサリーも充実してきている。とくにフロントのラゲッジマウントに固定できるショルダーバッグやトートバッグはブロンプトンではないサードパーティからも続々登場中で、アウトドアっぽくない、通勤着に合わせやすいものも増えてきた。

▲ブロンプトン純正のバッグのトートバッグ。この裏側に、自転車側のマウントに固定するためのキャッチが仕込まれている。£75(日本未発売)

オーダックス系やランドナー系サイクリストに人気のあるキャラダイスのブロンプトン用バッグ「ストックポート」にはオイルドキャンバスにハリスツイードのものも登場。ヒルス&エリスの革の学生鞄風ショルダー「パーシー」も端正なルックスだし、トラックの幌リユースのUPSO「フェリーブリッジ・フォールダー」、本家ブロンプトンのトートバッグやゲームバッグも使いやすいスタイル。さらにはバブアーとブロンプトンのコラボバッグも出ている。

▲ロンドン発の高級サイクルバッグブランド、ヒル&エリスのブロンプトン用ショルダーバッグ「パーシー」。£215

LINK:Hill & Ellis

以前はその作り込み度・完成度の高さ、高めのお値段から、正直イギリスでも自転車大好き薀蓄おじさんが乗っているバイクという印象が強かったブロンプトン。けれどもポップな色合いやスポーティなSタイプの登場などで近年みるみる若者ファンを増やし、女性ユーザーも激増している。とくに日本からすると値段の高さが印象的になってしまうが、ほぼ一生そばに置いて使っていけると思えば、決して高い買い物ではないと思う。試乗のできる取扱店もあるので、興味のある人にはぜひ試してみていただきたい。

Photos by Yoko Aoki and Brompton
Brompton輸入販売元:ミズタニ自転車

【店舗受取限定/ポイント10%還元】BROMPTON(ブロンプトン)
B!

あわせて読みたい!

関連記事を読む

広告を表示できません。

最新記事を読む 同じカテゴリーの記事を読む
モバイルバージョンを終了