初心者ライダーがひとりで100㎞ライドに出かけて問題なく帰ってくるためのサポート企画をお届けします。走り方ではなく、しっかり準備し、ライド先で想定しうるトラブルに落ち着いて対処できるようになるためのメンテナンス企画。連載を続けて読んでもらえれば、ライド中のトラブルに対応/回避するために必要なメンテナンスの知識が身につくと思います。無事に100㎞ライドを終えたころには脱・初心者です!

パンク修理をマスターすれば、行動の幅が広がる


スポーツバイクに乗っている以上、パンクは避けて通れぬトラブルです。何年もロードバイクに乗っているのに一向にパンクの対処を覚えない友人がいて、彼は家の周りをぐるぐると走ってばかりいます。

考えてみれば、周回を重ねていけばそれでも100kmライドはできなくはないですね。でも、徐々に疲れていく姿を近所の人たちに何度も見られるのも気まずいですし、やはり、まだ見ぬ景色を求めて長距離ライドに挑戦したいもの。そのためにもパンクからの復帰方法はバッチリ覚えちゃいましょう!

持ち物(クリンチャータイヤの場合)


持ち物(クリンチャータイヤの場合)
では、パンクに対処するための道具を紹介します。ここでは一般的なクリンチャータイヤに絞って話を進めていきますね。ただ、パンク修理といっても、穴の空いたチューブを新品に交換するのが対処の基本。ですから新品のチューブはマストアイテムです。

ツール缶やサドルバッグのサイズに合わせて細長くたたみ、ラップで包むと良いでしょう。圧縮してコンパクトに収納できますし、持ち運び中の傷を防ぎ、酸化による劣化を遅らせる効果も期待できます。

チューブに傷をつけないようにキャップをしたまま包みましょう

▲チューブに傷をつけないようにキャップをしたまま包みましょう


もうひとつの必需品は、空気を入れるための道具です。ハンドポンプCO2インフレーターが使われていますが、一瞬で充填できるインフレーターをメインで使い、小型のハンドポンプを補助的に使うのがいいでしょう。

小型のハンドポンプで空気を入れる作業はかなりの重労働ですし、 大型のものは充填こそ楽ですが、重量が増してしまいます。ただし、CO2ボンベは一回使いきりです。充填に失敗することもあるかもしれませんし、手持ちのボンベ数を超える複数回のパンクには対応できないので、1人でロングライドに出かけるときは両方持つ必要があるんです。

ハンドポンプはバリエーションが多く、どれにしたらいいか迷うと思います。まず、28C以下のタイヤには高圧に対応するロードバイク用のポンプから選びます。バルブに直に取り付けるタイプよりも、バルブを痛めずポンピングしやすいゴムホース付きがおすすめです。

あまり小さなものはポンピングが大変なので、18cmぐらいの長さのものが良いでしょう。18cmならば大きめのツール缶やジャージの背中ポケットに入ります。インフレーター機能を併せもつハイブリッドタイプのポンプも販売されており、それ1本で済ませるのも良いですね。

LEZYNE CONTROL DRIVE(上:CO2インフレーター) LEZYNE LITE DRIVE(下:ミニポンプ)

▲LEZYNE CONTROL DRIVE(上:CO2インフレーター) LEZYNE LITE DRIVE(下:ミニポンプ)


予備チューブは1本ないし2本持って走るのですが、予備チューブの数よりも多くパンクしてしまった場合は、チューブにパッチと呼ばれるゴム片を貼って穴を塞ぎます。パナレーサーやレザインが販売しているゴム糊不要のパッチが使いやすいです。

チューブだけでなく、タイヤにも大きな穴や裂け目ができるようなパンクのときは、チューブを交換して空気を充填すると、タイヤの穴からチューブが飛び出してしまうことがあります。それを防ぐためにタイヤ補修用のパッチもロングライドでは必需品です。パークツールのタイヤブートという商品が定番です。

「LEZYNE SMART KIT」ゴム糊不要のパッチとステンレス製のヤスリ入りが入ったパンク修理キット

▲「LEZYNE SMART KIT」ゴム糊不要のパッチとステンレス製のヤスリ入りが入ったパンク修理キット


あとは、タイヤを外す時に使うタイヤレバーも持っておきましょう。3本あると作業が楽なのですが、ロングライド時はできるだけ身軽でいたいですから、2本で大丈夫です。

パナレーサー「タイヤレバー」

▲パナレーサー「タイヤレバー」


以上がクリンチャータイヤでパンクに備えて持っておきたいツールです。チューブレスタイヤの場合も出先ではチューブを入れて復帰するので、基本的には一緒です。タイヤレバーは専用品を用意しておきましょう。

これらの道具は、ツール缶やサドルバッグに入れておきます。ツール缶がおすすめですが、夏場にダブルボトルで走りたいときはサドルバッグの出番です。バッグを選ぶとき、ビギナーのうちは「いろいろ入って便利だろう」と大きなものを選びがちです。でもスポーツバイクのシンプルなフォルムを損ねますし、せっかくの軽さをスポイルしてしまいます。

ロングライドに挑戦するときも、できるだけ小さなバッグを選び、厳選したアイテムだけを持つようにしましょう。今回紹介したパンク対応の道具一式の他には携帯工具が入れば良いですからね。鍵や着替え、補給食は取り出しやすいジャージの背中ポケットに入れておきましょう。

BAZOOKA  B-281 Tool Can(左)、 LEZYNE M-CADDY(右)

▲BAZOOKA B-281 Tool Can(左)、 LEZYNE M-CADDY(右)


これでパンクへの備えはばっちりです。適正な空気圧だとパンクしづらいので、連載の第1回で紹介した正しい空気の入れ方は、パンク防止に役立ちます。休憩や帰宅時にタイヤの接地面をチェックする習慣も身につけ、路面をよく見て異物を避けて走ることも心がけましょう。これだけで案外パンクしないものです。

とはいえ、どんなに用心深く走っていても思わぬ場面でパンクしてしまうんです。自転車乗りの間には「パンクという言葉を口にするとよくない」という眉唾物のジンクスがあるのですが「おれしばらくパンクしてないんだよね」なんて口に出したそばからパンクするライダーを何度見たことか(この記事を書いている時点で僕も心配です……)。

スポーツバイクに乗っている以上、パンクに対応するスキルの獲得は必須です。次回は紹介した道具を使ってパンク修理を実践していきます!

●バックナンバー
第1回/空気の入れ方
第2回/簡単なチェーン掃除法
第3回/水を使わずチェーンを洗う(準備編)
第4回/水を使わずチェーンを洗う(実践編)

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