つむりの悠々自適ライフinFRAME #02 「自転車で行けるちょっとマイナーな絶景ベスト5」
こんにちは、前回は「自転車旅を始めたきっかけ」というテーマで自転車旅に対する思いを連ねました。
今回は私が自転車旅の最中に出会ったとっておきの絶景!!その中でもちょっとマイナーな(?)スポットに焦点を当てていこうと思います。有名観光どころだけじゃない、自転車旅ならではの偶然と発見、だからこそ得られる喜び・・・。
どうぞゆるりとお楽しみください。
目次
自転車でどこでも行ける!
前回の記事で紹介した通りこれまで私は自転車旅の魅力に気付いて以来、暇があれば全国各地を自転車で走り回ってきました。
まさか自転車を始めた時にはこんなにたくさん回る事ができるなんて思ってもいませんでした。
妄想はしていたけれど「本当にそんな遠くまで行けるのか・・・・?」と。
でも実際に自転車に乗ってペダルを回していると、そのポテンシャルに驚かされたのです。本当にどこでも行ける!と。
まずは隣町、そして知らない道、隣の県、知らない土地、知らない県、見たことがない景色・・・
体力と時間さえかければ、自分でも吃驚するくらい遠い場所まで到達することができる。行けない場所なんてどこにもない。今いる場所が地図の真ん中になった。
家から遠く離れた場所まで走っては地図を開き、現在地を確かめその距離の長さを実感していました。
有名観光地以外にも魅力がいっぱい
あちこち走り回っている中で気付いたことの一つに「マイナーな場所でも絶景な場所が結構ある!」というものがあります。
自転車旅を始めた最初の頃は目的地一つとってしても有名観光地を選んでいました。
もちろん有名なだけあってそれはそれで良いのですが、実際に旅をしているとマイナーな場所でも有名どころに負けない絶景が、場合によってはそれを上回る魅力たっぷりの場所があることに気付きました。
例えば有名観光地に行く途中の峠・・・補給で立ち寄った町・・・・地図上でふと気になって行ってみた岬・・・・
日本にはまだまだ私の知らない絶景がたくさんある。
皆が知らない絶景がある。
これらを発掘することの面白さを知ってしまったのです。
というわけで今回はそんなちょっとマイナーな絶景をランキング方式で紹介します。我ながらもう一度行こうと思うとなかなか骨が折れる場所ばかり。だけれどその場所自体もそこまでの道も素晴らしい!どうぞお楽しみください。
ちょっとマイナー絶景ベスト5
ベスト5 奈良~和歌山県境 大台ケ原
別名「関西の屋根」とも言われる大台ケ原です。
場所は奈良県と和歌山県の県境に位置しており、その標高は1,695mと関西でもトップクラスの高さを誇ります。山全体が特別天然記念物に指定されている日本百名山の一角を担います。
私がここを推す理由は、頂上までひたすら続く登りの過酷さと、そこで見られる景色の良さ。そして街からあまりにも遠いというところ。
最寄りの街とも言える吉野からは片道50km強。
さらに標高差1,400mをひたすら登り続ける初心者殺しのコースプロフィールです。
何より!景色の良さ!思わず景色に見惚れてしまう。
通常、日本のヒルクライムというのはその多くが山の中を走る訳で鬱蒼とした森の中、林の中、木々の間を抜けることが多いです。
もちろんここ大台ケ原もそうなのですが、途中から景色は一変。
山の尾根沿いをひたすら駆け上がるルートになっているため、右手は常に眼下に無数の山が広がるワインディングビュー。もののけ姫のオープニングのような神々しさを感じさせる山が連なる様子を延々と見ることができ、疲れも吹っ飛びます。
補給できる場所もエスケープできる場所も限られておりそれなりの準備と経験値が求められますが、得られる経験値は掛け値無し。
関西の秘境ヒルクライムスポットとしては間違いなく上位にランクインします。
ベスト4 鹿児島県 白谷雲水峡~屋久島南側
そもそも屋久島に行く時点で秘境ツーリングです。
が、特にオススメしたいのが屋久島の南側および白谷雲水峡エリアです。
屋久島と言えばトレッキングが有名ですが、実は自転車と組み合わせて楽しむことも可能なのです。
屋久島の玄関口である宮之浦から白谷雲水峡まで標高差630m、距離10km。
なかなかタフなヒルクライムですが登り切ればそこは太古の森への入り口。
数千年の時の流れを感じる森が迎え入れてくれるのです。実際に私が行った時には麓のアウトドアショップで登山靴とレインウエア、リュックをレンタルし、ヒルクライムした後にトレッキングを楽しみました。本州なら御神木レベルの木々がそこら中にわんさか生えていて、あたり一面苔や水滴に溢れていて、歩いているだけで何か自然の一部と化したようなスケールの大きい感覚に陥ることができます。
また屋久島は実は綺麗に一周することができるサイクリストにとっては魅力的な島。
一周100kmを現実的な距離感ながら、南側エリアに広がる自然のスケールの大きさは圧倒されます。
冬なのに向日葵が咲いていたりとなかなか本州の常識が通じないあたりも秘境感があって素敵。
ここは日本人としてぜひ一度は訪れていただきたい場所です。
ベスト3 青森県 尻屋崎界隈
「最果ての地」としてここ以上に相応しい場所はありません。
と、言うくらい果ての果て。
そんな印象を抱かずにはいられない場所がここ青森県尻屋崎です。
日本地図で言うと本州の右上に位置する青森県の中のさらに右上の右上です。
大阪からおおよそ1,350km、東京からでもおおよそ800km遠い場所に位置します。
そもそも青森県下北半島と言うのが最果て感溢れる半島で、私はここの雰囲気が大好きです。
ちゃんと街はあるしチェーン店もあるし人々が生活しているけれど、ふと目に付く色あせた看板、人の気配がしない路地、シャッターの閉まった商店、ひたすら静かな陸奥湾、遠く空をかける鳥の群れ・・・・そんな情景達の全てがきっとそう思わせているのでしょう。
その下北半島の中でも一番端っこに位置するこの尻屋崎は岬の中でもアクセスのしにくさで言えば佐多岬に匹敵します。
青森市内からはおおよそ140km、片道で一日が終わってしまいます。
それでも行く価値があると思えるのは、その景色の抜けの良さ。海の広さ。灯台の凛々しさ。そしてそこに放牧されている寒立馬たちの力強い生命力を感じられるから。
忘れられない強烈な景色達がそこには広がっています。恐山や大間とセットでぜひ立ち寄って見てください。
ベスト2 長崎県 生月島サンセットウエイ
地図上で気になったので行って見たらめっちゃ良かった!と言う場所です。
私のブログでも紹介しており何人かのサイクリスト仲間から行ったよーと報告をいただくのですが、誰しもが100%の景色が見られたと大満足するそんな場所です。
場所がこれまた端っこの端っこで長崎版の尻屋崎とでも言いましょうか。長崎県は一言で言い合わらせないくらい実は広く変わった形をしており場所によって表情がコロコロ変わるワンダーランドなのですが、左上の左上です。
平戸とさらに先の平戸島から生月大橋を渡ってようやく辿り着く島、それが生月島で、その生月島の西側を走る道が生月島サンセットウエイです。
実は特定の界隈では有名なのですが、とある有名自動車メーカーの車のCMなんかでよく使われるらしいです。車のCMでめっちゃカッコいい道を颯爽と走っている映像を見て「こんなところ走って見たいな~~~」と言う場合、もしかするとここかもしれません。
実際、景色の良さはピカイチです。
片道10kmとそこまで長くないですが、走っているとアップダウンの多さとその景色のスケール感からもうお腹いっぱいになること間違いなし。
信号なんてあるわけない一切の人工物を排除した道。
そう、道以外、何もないのです。
左手にはひたすら青い海。右手には断崖絶壁と時折見せる農作物が実った畑。
まるで鳥になったように今から自分が走る場所をすっきりと見通すことができるコースレイアウトは気分が高揚せずにはいられませんでした。
この為だけに長崎県を訪れる価値があると断言します。
ベスト1 高知~愛媛県境 中津明神山
私自身、完全にノーマークでした。
今思えばなんでここに行ったのかよく覚えていません。
中津明神山。
標高差1,500m近い山で、反対側に抜けることができない、行って帰るだけの山。確か四国カルストに行くついでに立ち寄ったはずです。
冷静に考えたらついでに行くような山じゃないけれど、なにせ行ったことがないし情報がほとんどなかったので・・・・。
実際に登ってみるとこれがまあキツイのなんの!
斜度は容赦無く10%を超え、道はどんどん荒れていき、見通しが悪くどこまで登るのかもよく分からない。人はいないし、民家もないし、車も来ないし、看板もないしで、自分が今どこにいるのかもよく分からない状況で登り続けること1時間30分。
目の前に広がる景色を見た瞬間に全て許せました。
様々な峠、山を経験してきましたが、こんな風にオフロードが延々続いている景色をサドルの上から眺めると言うのは経験がありません。「こんな場所があるなんて・・・・」と興奮醒め止まなかったことをよく覚えています。
予定調和じゃない、突如現れる偶然の産物としての絶景の良さをこの時に強く感じました。結局この後、四国カルストに向かってそこでもとんでもない絶景を楽しんだのですが、ここの印象が深すぎたのが良い意味で予定外でした。
四国カルストのついで、と言うには険しいのでぜひ中津明神山単体でアタックされることをオススメします。
未開拓の地がまだたくさんある
いかがでしたでしょうか?
日本国内にはこのように有名じゃないけれど心に残るような絶景が驚くほどたくさん存在します。
その全てをコンプリートするのが目的じゃないですが、旅をしていてふとそういった景色に出会えた時の喜びというのは筆舌に難いものがあります。
偶然の産物だからこその喜び、未知なる世界に触れることができる喜び。
自転車旅の大きな魅力の一つをほんの少しでも共有できれば幸いです。
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WRITTEN BY神楽坂つむり
ブログ「つむりの悠々自適ライフ」の管理人 大学時代に自転車と出会い、暇があれば各地をツーリングする日々。 最近では海外旅にも挑戦中。機材ネタや旅のノウハウ、旅レポートを執筆中。 http://tsumuri5.com/