今年もFRAME参戦!「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2021」、受賞したバイクはコレだ!

今年で4回目を迎える「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2021」に、FRAMEから田村ディレクターが参戦。10名の選考委員が事前にノミネートされたバイクを採点し、2021年のベストモデルを決定した。自転車ファン、業界関係者が注目するアワードはどのバイクの頭上に!?

4回目を迎えた日本最大のスポーツバイクアワード

「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー」は、その年を代表するロードバイクを選出するアワードである。4回目を迎え、このアワードも自転車業界の注目と信頼を得てきた。

今年は試乗選考会に先立って、各ブランドからプレゼンテーションを実施。全ブランドのマーケティング、あるいはテクニカルサポート担当者が集結し、選出バイクの技術説明が行われた。


翌日の試乗会にも全ブランドがブースを構え、バイク整備に加えて選考委員からの細かな質問にも回答できる体制が整っていた。今年は新たにウェブメディア「ラ・ルート」編集長の安井行生氏も選考に加わり、4回目にして試乗選考会もここまでの規模感へと成長した。

ノミネートされたロードバイクはこれだ!

2020年1月号から12月号までのバイシクルクラブに掲載されたロードバイク(2020年モデル)のなかで、おもにフルモデルチェンジしたモデル・ブランニューモデルがリストアップされた。

BMC TEAMMACHINE SLR01(BMC・チームマシーンSLR01)

BMC TEAMMACHINE SLR01(BMC・チームマシーンSLR01)

  • 価格:94万円(完成車/税抜)
  • フレーム:チームマシーンSLR01プレミアムカーボン
  • フォーク:チームマシーンSLR01プレミアムカーボン
  • コンポーネント:スラム・フォース eタップAXS
  • ホイール:DTスイス・PRC1650DBスプライン
  • タイヤ:ヴィットリア・コルサ
  • サイズ:47、51、54
  • 実測重量(ペダルなし/ボトルケージ付き):7.67kg(54サイズ)

CANYON AEROAD CFR(キャニオン・エアロードCFR ディスクDi2)

  • 価格:80万9000円(完成車/税抜)※配送料&梱包料別
  • フレーム:R065エアロカーボンフレーム
  • フォーク:FK0060 CFディスク
  • コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
  • ホイール:DTスイス・ARC1100ダイカット
  • タイヤ:コンチネンタル・グランプリ5000
  • サイズ:2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
  • 実測重量(ペダルなし/ボトルケージ付き):7.27kg(XS)

CERVELO CALEDONIA-5(サーヴェロ・カレドニア5)

CERVERO CALEDONIA-5(サーヴェロ・カレドニア5)

  • 価格:78万円(アルテグラDi2完成車/税抜)
  • フレーム:カーボン
  • フォーク:サーヴェロ・オールカーボン
  • コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2
  • ホイール:リザーブ35
  • タイヤ:ヴィットリア・ルビーノプロ
  • サイズ:48、51、54、56
  • 実測重量(ペダルなし):8.08kg(54サイズ)

FELT AR FRD(フェルト・AR FRD)

FELT AR FRD(フェルト・AR FRD)

  • 価格:158万円(完成車/税抜)
  • フレーム:UHCアルティメイト+テキストリームカーボン
  • フォーク:UHCアルティメイト+テキストリームカーボン
  • コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
  • ホイール:HEDヴァンキッシュ RC6 プロシリーズ
  • タイヤ:コンチネンタル・グランプリ5000TL
  • サイズ:48、51、54、56、58
  • 実測重量(ペダルなし):7.66kg(54サイズ)

GIANT TCR ADVANCED SL0 DISC(ジャイアント・TCRアドバンスドSL0ディスク)

GIANT TCR ADVANCED SL0 DISC(ジャイアント・TCRアドバンスドSL0ディスク)

  • 価格:120万円(完成車/税抜)
  • フレーム:アドバンスドSLグレードコンポジット
  • フォーク:アドバンスドSLグレードコンポジット
  • コンポーネント:スラム・レッドeタップAXS
  • ホイール:カデックス・42チューブレスディスク
  • タイヤ:カデックス・レース チューブレス
  • サイズ:XS、S、M、ML
  • 実測重量(ペダルなし):6.85kg(Sサイズ)

MERIDA REACTO TEAM E(メリダ・リアクト チームE)

MERIDA REACTO TEAM E(メリダ・リアクト チームE)

  • 価格:125万円(完成車/税抜)
  • フレーム:リアクトCF5 IV
  • フォーク:リアクトCF5 IVディスク フルカーボン
  • コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
  • ホイール:ヴィジョン・メトロン55
  • タイヤ:コンチネンタル・グランプリ5000
  • サイズ:47、50、52、54、56(フレームセットのみ)
  • 実測重量(ペダルなし):7.45kg(50サイズ)

RIDLEY FENIX(リドレー・フェニックス)

  • 価格:28万円(フレームセット/税抜)
  • フレーム:30T/24T HMカーボン
  • フォーク:フルカーボン
  • コンポーネント:シマノ・アルテグラ
  • ホイール:ウルサス・ミウラTC37ディスク
  • タイヤ:コンチネンタル・グランプリ5000
  • サイズ:XS、S、M
  • 実測重量(ペダルなし):7.93kg(XSサイズ)
    ※フレームセット販売。スペックは試乗車のもの

SPECIALIZED S-WORKS AETHOS(スペシャライズド・Sワークス エートス)

SPECIALIZED S-WORKS AETHOS(スペシャライズド・Sワークス エートス)

  • 価格:145万2000円(完成車/税込)
  • フレーム:Sワークス エートスファクト12rカーボン
  • フォーク:Sワークス ファクトカーボン
  • コンポーネント:スラム・レッドeタップAXS
  • ホイール:ロヴァール・アルピニストCLX
  • タイヤ:スペシャライズド・ターボコットン
  • サイズ:49、52、54、56
  • 実測重量(ペダルなし/ボトルケージ付き):6.36kg(54サイズ)

SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL7(スペシャライズド・Sワークス ターマックSL7)

SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL7(スペシャライズド・Sワークス ターマックSL7)

  • 価格:145万2000円(完成車/税込)
  • フレーム:Sワークス ターマックSL7ファクト12rカーボン
  • フォーク:Sワークス ファクトカーボン
  • コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2
  • ホイール:ロヴァール・ラピーデCLX
  • タイヤ:スペシャライズド・ターボコットン
  • サイズ:44、49、52、54、56、58
  • 実測重量(ペダルなし/ボトルケージ付き):6.87kg(54サイズ)

TREK EMONDA SLR9(トレック・エモンダ SLR9)

  • 価格:119万7000円(完成車/税抜)
  • フレーム:800シリーズOCLVカーボン
  • フォーク:エモンダSLRカーボン
  • コンポーネント:スラム・レッドeタップAXS
  • ホイール:ボントレガー・アイオロスRSL37
  • タイヤ:ボントレガー・R4 320クリンチャー
  • サイズ:47、50、52、54、56、58、60、62
  • 実測重量(ペダルなし):6.75kg(56サイズ)
    プロジェクトワン仕様

採点発表!例年に増して難航した選考の結果や、いかに!?

10台の候補に名を連ねるだけで、その評価はトップレベル。増しては、それをさらに採点するのは非常に難しいことである。
しかし配点をしていくと、どうしても点を入れられないモデルが出てきてしまう。それが悪いバイクだと思われるのがつらい!という声が続出した。

各選考委員は10点*の持ち点をどのように分配したのか。そのすべての結果をここに公開する。

*)1モデルへの配点は最高3点としている。

総合結果はこちら

総合結果

総合結果

各選考委員による採点の結果、各ブランドのプライドをかけた激戦を制したのはスペシャライズド・Sワークス エートスだった。

ここからは5位以上のバイクを、選考委員によるインプレッションとともに見ていこう。

第5位 キャニオン・エアロードCFR ディスクDi2(9点)

浅野真則(自転車ジャーナリスト)

独自性も走りも光る、2021年モデルでは最高のエアロロード

エアロードのハンドルまわりの独自機構は、ハンドルの高さに加え、幅まで調整できる優れモノ。ケーブル内装型専用ハンドルのネガを一気に解消しただけてでも評価に値する。しかも走りも軽快で、平坦や下りが速いのは当然ながら、短い上りなら平坦の勢いで上り切っておつりが来るレベル。個人的にこれまでエアロロード全般にあまり食指を動かされなかったが、エアロードにはひさしぶりにハートをわしづかみにされた。2021年モデルのヘベストエアロロードに推したい。

第4位 サーヴェロ・カレドニア5(12点)

田村明寛(フレイム)

安定した乗り心地と加速を楽しめる真のオールラウンダー

トータルバランスかがすばらしい。もし評価の5角形かがあるとすれば、その囲まれた面積は10台のなかで最大となるだろう。最速の一台てではないかもしれないが、そんなこと知ったことか。僕の評価軸は「万能度」だ。総合得点は間違いなく高い。あらゆる条件下で安定した乗り心地と加速を楽しめる、まさにオールラウンダー。レース機材としてもよし、ロングライトドのお供にもよし、未開の地の冒険者としてもよしの完成された一台と言えるだろう。

第3位 ジャイアント・TCRアドバンスドSL0ディスク(17点)

岩田淳雄(バイシクルクラブ)

ジャイアントというメーカーの底力を改めて感じさせるモデル

春に行われたメディア向け試乗会以来、ひさしぶりに乗った。やっぱりすげえなあ、というのが正直な感想だ。持っても走ってもその軽さは際立っている。その軽さと剛性バランスのよさがもたらす走行感は異次元の感覚。軽量バイクらしいパリパリした走り味は少し感じるが、慣れてし まえばかえってトップレーシングバイクに乗っている満足感に変わるもの。ドライブトレインとブレーキをのぞくすべてが自社ブランドで統一され、トータルインテグレーションも高いレベル。

第2位 トレック・エモンダ SLR9(18点)

管 洋介(自転車ジャーナリスト)

新採用のOCLV800で実現した軽さと高剛性の最適バランス

マドンのエアロダイナミクス技術 KVF を採用し、随所にカムテールのフレームカットを採用 することで、見ためもシャープに整った新型エモンダ。OCLV 800 でより軽量かつ高剛性を実現した乗り味は、軽やかさが際立つテイストに仕上がっている。飛びつきのいい後輪追従性と縦横に風を抜けていくエアロ性能の一体感はみごと。立ちまわりはシャープなのに接地感に角がなく、足を挿していくだけでスルスルとスピードに乗ってくれる優れたクルージング性能だ。

ハシケン(自転車ジャーナリスト)

クライミングエアロという新境地を開拓した新型エモンダ

けっして硬すぎないBB剛性感から得られる推進力は非常に伸びやか。これっぞエモンダの真髄だ。また、他社の軽量モデルがディスクブレーキ化によって失ってきた登坂時の軽快さが新型エモンダには感じられ、クライミングエアロという新境地を体感できる。そして、ライバルとの価格競争でもリードし、プロジェクトワンによるカラーオーダーは魅力。軽量エアロロードというイヤートレンドを高次元な走行性能で示しながら、ユーザー満足度も高く、文句のつけどころがない。

第1位 スペシャライズド・Sワークス エートス(20点)

安井行生(ラ・ルート)

リムブレーキ信奉者を黙らせるコンセプトと軽快さが高評価

なんだかんだ言ってツールで活躍するバイクが売れる時代だ。そんななか「ハイエンドなのに脱レース」という売り方をしてきたことに驚いた。さらに、ディスクロードなのにフレーム500g台という圧倒的な軽さ、完成された軽量リムブレーキロードに近い軽快感……価格は高いが、これはもうどう考えても高評価せざるを得なかった。「ディスクロードは重いうえにバランスが悪い」と譲らなかった世のうるさ型(私もその一人だ)を黙らせた功績は大きい。

松尾修作(サイクリスト)

軽さを追求しながらすべてを満たし抜群のライドフィールを実現

今季のバイクで最も感銘を受けたバイクだ。乗った瞬間「ウソでしょ!?」と思わず声が出た。特徴を一言で表すと“ライダーズバイク”だろう。これまでは軽さを追求すると何かを犠牲にせざるを得なかった。しかしエートスはすべてを満たすどころか、抜群のライドフィーリングを実現。純粋に加速して、曲がって、止まる、のすべてが楽しいと思える。レースの速さだけならターマック SL7が上まわるだろう。だが、それが自転車のすべてではないことをエートスが証明した。

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見事「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2021」の栄誉に輝いた “スペシャライズド・Sワークス エートス”

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総括

栄冠に輝いたスペシャライズド・Sワークス エートスは、当初「ダークホース」的存在だった。エアロ、軽量、トータルバランスの3つの要素がトレンドである昨今のレーシングバイクに対し、軽量さこそ突出しているがレースに特化していない本機の受賞は「ロードバイクの未来」を見据えてのことだろう。

今年度、スペシャライズドは2機種がノミネート。順当であれば、もう一台のSワークス ターマックSL7に点が集まると思われるが、ハイエンドバイクの世界に「走ることが楽しい」という新しい価値観をもたらしたエートスが革新的モデルとして評価された。

栄冠に輝いたスペシャライズド・Sワークス エートス

肉薄したのはトレック・エモンダSLR9。選考委員の最高配点である3点を一番多く稼いだが、一歩及ばず次点となった。また、ジャイアント・TCRアドバンスドSL0ディスクもバランスよく点数を集めたが、惜しくも3位の座についた。

接戦となった「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2021」。頭ひとつ飛び出してアワードを制したエートスの開発に関わったスペシャライズド、そのスタッフや関係者に祝辞を贈りたい。

LINK: BICYCLE CLUB

WRITTEN BY増渕俊之

出版社勤務を経て、フリーランスの編集/ライター。編著に『これがデザイナーの道』『自転車ファンのためのiPhoneアプリガイド』『岡崎京子の仕事集』がある。現在、編集を手がけた岡崎京子の単行本『レアリティーズ』が発売中。

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