2021-2022年|Tern(ターン)折りたたみ自転車・e-bikeおすすめ全10台

都会的な雰囲気が人気のTern(ターン)のバイク。今回は折りたたみ自転車とe-bikeにフォーカスを当て、シリーズの特徴・ラインナップを紹介しよう。3種類の折りたたみ自転車に、2022年も引き続き話題のe-bikeは2ライン展開だ。

走行性能が大事?ミニベロらしからぬ積載力がほしい?それとも折りたたみだからこそコンパクトさ優先? Ternのラインナップならばどの要望にも応えられるはずだ。

Ternとは

2011年に設立された新興自転車ブランドのTern。折りたたみ自転車にe-bike、ミニベロロードにクロスバイクまで、スポーティなアーバンコミューターがそろう。

ブランド名の由来は、一生の間に地球と月の距離を3往復もする小さな渡り鳥。しなやかでコンパクトなのに力強く、優れた移動能力を持つ、そんな「キョクアジサシ(Tern)」の特徴こそTernが描くビジョンだ。

誕生から10年目を迎える今年も、都会的でスタイリッシュなバイク作りは健在である。

2つのe-bike「VEKTRON」「HSD」

欧米をはじめ、日本でも注目を集めるe-bike。Ternはいち早く世界最大のユニットメーカーであるBOSCH社とタッグを組み、2018年に高性能電動アシストバイク「VEKTRON」を発表した。

2021年もラインナップされる「Vektron S10」。一見バッテリーの存在がわからないほど一体感のあるデザインはさすが。

さらに翌々年には「HSD」が加わり、2022年モデルでも引き続き2種類のe-bikeがラインナップに名を連ねている。

VEKTRON(左)とHSD(右)

「VEKTRON」はフォールディングタイプのe-bike。変速まわりにロードバイクのコンポーネントであるシマノ・ティアグラを搭載し、スポーティな走りとコンパクト性能を兼ね備えたモデルだ。(折りたたみ方法:動画

対する「HSD」は、最大170kgもの荷重に耐えられる強固なフレームと頑丈なキャリアで多くの荷物を積載できる、いわば電動アシストカーゴバイクとも呼べる実用性に富んだ1台。

いずれも電動ユニットシステムはBOCSHの「Active Line Plus」を搭載。2.5時間の充電で100kmを走破するパフォーマンスを有している。

2022年現在、Ternが展開する折りたたみ自転車は3シリーズ。

  • VERGE
verge
2022年、VERGEシリーズに「VERGE D9」が新しく加わった。

Ternといえばこの「VERGE」シリーズをイメージする人も多いのではないだろうか。
曲線的なシルエットが美しいデザインで、シリーズの5台中、4台がディスクブレーキ仕様。折りたたみスポーツバイクとして、小径車でも高い走行性を求めるライダー向けのラインナップだ。
折りたたみ方法(動画)

  • LINK
LINK
2022年、LINKシリーズに「LINK B8」が加わった。

「LINK」シリーズも、VERGEとともにTern発足時からずっとラインナップされ続ける定番アーバンコミューター。乗りやすく、コストパフォーマンスに優れ、街乗りからサイクリングまで幅広くライダーをカバーする。
折りたたみ方法(動画)

  • BYB

    「BYB」は2020年からラインナップに加わった新顔。従来の20インチ折りたたみ自転車よりも30%も小さくなり、ロッカーやクローゼットといったスペースへの収納も可能とする。折りたたみ時にはキャスターを転がして移動ができるので、持ち運びの重さも苦にならないシームレスな移動を実現してくれる。

    折りたたみ方法(動画)

全車、ハンドルとサドルの前後位置と高さの調節が容易にできるフレームデザインを採用し、1台で幅広い身長のライダーに適応する。悩ましいサイズ選びは不要。スポーティーな前傾姿勢からアップライトで楽な姿勢まで、状況に応じた理想のポジションでの乗車が可能だ。一家に1台あれば、家族全員で共用できるのもポイントである。

2022年の新顔は「Verge D9」と「LINK B8」
Vergeシリーズの中では、エントリークラスに位置づけられる 「Verge D9」。エントリーモデルでありながら、機能の豊富さと利便性に妥協はない。
また、LINKシリーズには待望のディスクブレーキモデル 「LINK B8」が登場。現行モデルの「LINK A7」と「LINK D8」にはVブレーキが採用されているが、「LINK B8」にはメカニカル(機械式)ディスクブレーキが採用された。

FRAME’s Choice is…

今回のFRAME’s Choiceにはあえてe-bikeをチョイス。e-bikeでもあり、小径車でもあり、カーゴバイクでもある、そしてセミフォールディング機構を持つ「HSD P9」だ。

2022年モデルではタラゴンとデューンの2カラー展開。Redはなし。

バッテリーをフレームインしてスッキリさせたe-bikeも目立つ中、HSDはフレーム外にセット。とはいえバッテリー配置を含めた全体デザインは統一感があり、バッテリーの存在感も気にならない。むしろカーゴバイクとしての無骨さに馴染み、スタイリッシュなフレームデザイン・カラーでうまく昇華されている。

170kgの荷重に耐えられる強固なフレーム・フォークはさすがのカーゴバイク。移動に運搬に、日常使いの足として大活躍してくれるモデルだが、非日常を味わうならキャンプライドもオススメ。脚力に自信がない人も、自転車にキャンプの荷物なんて到底ムリと思っていた人も、積載力×電動アシストパワーですぐにでもチャレンジできる。

標準搭載のリアキャリアに加え、フロント&リアラック・パニア・小物ケースのオプションを搭載すればここまで拡張できる。 LINK: 「『HSD』の魅力!積載量を最大限に活かすアクセサリーのご紹介

価格は税込385,000円と、e-bikeらしい金額だ。決して安い買い物ではないが、日常から非日常までシームレスにつないでくれる1台は決して損はしないはずだ。

e-bike&折りたたみ自転車おすすめ全10台

今回はTernのe-bikeと折りたたみ自転車に絞ってラインナップを紹介しよう。

【e-bike】

HSD P9

HSD P9
カラー:Tarragon

ワイズロードで見る

コンパクトでありながら強靭なボディを持つ、電動アシスト式カーゴバイク。最大荷重は170kg。セミフォールディング機構を持ち、ハンドルを折りたためばクルマへの積載がぐっとラクに。また縦に置けば、40cm強の隙間に収納することもできる。カーゴバイクの中でもフレームはショートサイズで、ハンドルの取り回しが楽で街中などでも場所をとらない。専用のトレーラーマウントもあるので、リヤカーやチャイルドカーを簡単に追加可能。ボディは小さいが長めのホイールベースと低床の重心、サスペンションフォークにより滑らかで安定した乗車が楽しめる。

  • 価格:385,000円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • 電動ユニット:Bosch Active Line Plus
  • メインコンポーネント:シマノ・アリヴィオ
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W163×H40.5×D86cm
  • カラー:Tarragon、Dune

VEKTRON S10

VEKTRON S10
カラー:Satin Metallic Forest/ Gunmetal

ワイズロードで見る

多くのテストを重ねて誕生した本機は、マーケットの中でもトップクラスの折りたたみe-bike。計算して配置されたバッテリー&モーターや、太めのタイヤと低重心フレームは、安定性とスポーティーな走行性能の両立を実現している。独自の素早く簡単に折りたためる機構がコンパクトな収納を可能とし、移動する際は、持ち上げて運ぶのではなく、転がすことができる設計となっている。街中での効率良い移動手段として、そしてスポーツ性も併せ持ったバランスの良い一台。

2022年モデルではリアラック・フェンダー・チェーンガードがセット販売に。

  • 価格:399,300円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • 電動ユニット:Bosch Active Line Plus
  • メインコンポーネント:シマノ・ティアグラ
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W86×H68×D41cm
  • カラー:Dark Silver/Silver、Matte Black/Black(Bright Blue)、Satin Metallic Forest/Gunmetal

【折りたたみ自転車】

BYB S11

BYB S11
カラー:Matt Silver

Tern史上、最も小さく折りたためるモデル。名前は「Bring Your Bike」の略称で、通勤&通学や街乗りなど日常使いに応じた快適さを売りにする機種である。どんなに軽くて、小さく素早く折りたためても、乗り味が悪ければ意味がない。変速系統はミニベロには珍しくシマノのハイグレード、アルテグラを採用。高い走行性能を持ち、なおかつ剛性を高めるために設計されたフレームで上位モデルらしい1台に。オプションで用意される専用カバーはポップアップ式となっており、瞬時に開いて簡単に収納することが可能。また飛行機を使う輪行では「AirPoter Slim」スーツケースを利用することができる。

BYB S11BYB S11
  • 価格:313,500円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:シマノ・アルテグラ
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W33 × H81 × D51cm
  • カラー:Matt Silver

BYB P8

BYB P8
カラー:Dark Bronze

上記「S11」同様、コンパクトに折りたためて横にも縦にも自立する「TriFold」テクノロジーを採用。新設計フレームに合わせ、ジョイント部の強度などを最適化している。ハンドルポストは新しい3D鋳造。堅牢で敏感な乗り心地に貢献する、最も重要な要素となっている。ステムは工具不要、かつワンタッチで理想のハンドル位置調整が可能。コンポーネントはシマノ・アセラを搭載し、コストパフォーマンスに優れた一台だ。

BYB P8BYB P8
  • 価格:178,200円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:シマノ・アセラ
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W35 × H81 × D52cm
  • カラー:Dark Bronze、Champagne、Silver Blue

VERGE X11

VERGE X11
カラー:Chrome/Gunmetal

ブランドを代表する「ヴァージュ」シリーズの中でも、最高峰「X」を冠につけたフラッグシップモデル。シャープなフレームデザインが目を惹き、451ホイールに10-42Tの超ワイドギヤ、油圧式ディスクブレーキで走行性能は抜群なものがある。コンポーネントにはスラム・X1を搭載。リヤディレーラーの動きを水平方向に制限する「X-HORIZON」テクノロジーとオフセットプーリーとの組み合わせが、どのギヤにおいてもチェーンギャップを一定に保ち、素早く正確なシフトチェンジを可能としている。

VERGE X11
  • 価格:347,600円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:スラム・X1
  • ホイールサイズ:20インチ(451)
  • 折りたたみサイズ:W80×H74×D38cm
  • カラー:Chrome/Gunmetal

VERGE P10

VERGE P10
カラー:Gunmetal/Steel(Dark Bronze)

シリーズのセカンドモデル。「X11」同様、こちらも20インチホイールでもひとまわり大きい451規格と、高剛性フロントフォークを搭載している。フロントシングルながら11-40Tのワイドギヤを採用することで、フロントダブル並の走行性能を併せ持ち、油圧式ディスクブレーキが雨天時にも高い制動力を発揮。コンポーネントはMTBの中核グレードであるシマノ・デオーレを積み、確実性のあるシフティングを可能としている。また、新開発のサドルは先端下部にクッションを取り付けることで、肩に担いで持ち運びができる。

VERGE P10
  • 価格:185,900円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:シマノ・デオーレ
  • ホイールサイズ:20インチ(451)
  • 折りたたみサイズ:W80 × H74 × D38cm
  • カラー:Gunmetal/Steel(Dark Bronze)、Dark Bronze/Steel(Silver Blue)、Satin Black/Gray(Lime)、Sapphire Blue / Blue

VERGE S8I

カラー:Space Gray/Silver 

ベルトドライブ×内装ギヤモデル。世界で最もメンテナンスが不要な折りたたみバイクで、その静かな走りは高級セダンを連想させる。ベルトドライブはGATES社のカーボン製。軽量かつチェーンと違い駆動音や裾汚れの心配もない。内装ハブギヤコンポーネントはシマノ・アルフィネの8段。プレミアムな品質とスタイル、スムーズな操作性に定評がある。そのすっきりとした外観、ワイドなギヤレシオは幅広いシーンでライディングをサポートし、シルキーでスムーズな変速が滑らかな走行感を提供してくれる。泥除け・リアキャリアが標準装備。

  • 価格:299,200円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:シマノ・アルフィネ
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W81 × H73 × D42cm
  • カラー:Space Gray/Silver

VERGE D9

VERGE D9

エントリークラスでありながら、機能性豊富で人気を博したモデルが、2022年にパワーアップして再来。

リアディレーラーには、MTBの中核グレードであるShimano Deore RDを採用。確実性の あるシフティングとコストパフォーマンスが魅力だ。ブレーキにはSHIMANO製油圧ディスクブレーキを採用しているため、悪天候時の制動力にも不安がない。

VERGE D9
  • 価格:156,200円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:ー
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W80 × H74 × D44cm
  • カラー:BLACK/DARK BRONZE、RED/RED

VERGE N8

VERGE N8
カラー:Green/White(Gold)

日本人の体格に合わせて生まれた本機。560mmのハンドルバーと350mmのハンドルポストにそれが現れている。コンポーネントはシマノ・アルタスとクラリスのミックス。スポーツバイクのビギナーにも使いやすく、中短距離のライディングを楽しむのに最適だ。8段変速で、軽快かつ確実なシフティングができる。標準ではフロントシングルだが、台座があるためフロントダブルに変更可能。フォークはストレートでスチール製ながら、エアロ効果を発揮するデザインだ。リムは三角形状のダブルウォールを採用し、見た目と強度が向上。

  • 価格:109,780円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:シマノ・アルタス&クラリス
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W79 × H72 × D38cm
  • カラー:Matte Black/Red(Black)、Matte Red/Matte Silver(White)、Blue/Silver(White)、Green/White(Gold)、Gunmetal/Dark Silver(White)、Pale Gold/Silver(White)
カラー: Dark Red/Dark Gray

ワイズロードで完成車を見る

オールブラックパーツと品のあるフレームカラーが高級感を演出する一台。エントリーモデルながら強度に優れたダブルウォールリムを採用し、よりスポーティな走行感を得られる。シフターはシマノ製グリップシフト、リヤディレーラーには同じくターニーを採用。グリップを握ったまま変速が可能だ。ハンドルポストは最大120mm可動するため、乗る人の体格に合わせ最適なポジションを取ることができる。さらにハンドルバーの高さ調整後のセンター出しに戸惑うことなく、ビギナーでも容易に扱える。

  • 価格:62,700円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:シマノ・ターニー
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W80 × H73 × D39.5cm
  • カラー:Dark Red/Dark Gray、 Matte Black/Black、Gunmetal/Dark Gray、Blue/Dark Gray、 Matte Silver/Dark Gray、Shale / Mango
LINK D8
カラー:Midnight / Beetle Blue

オートロック機構のOCLフレームジョイント、Nフォールド、3Dフレームなど、Ternのテクノロジーを総じてまとめられた中核モデル。リフレクトデカールで夜間走行の安全性も確保している。日本限定で誕生したが、その性能バランスの良さから世界展開された定番のアーバンコミューターだ。太めのタイヤにより安定感ある走り心地が得られ、ロードバイクコンポーネントのエントリーグレード、シマノ・クラリスの8段変速を搭載。シーンを選ばず、サイクリングまで幅広くライドをカバーするレベルの高さはピカイチ。泥除けも標準装備する。

LINK D8LINK D8
  • 価格:71,2800円(税込)
  • フレーム素材:アルミ
  • メインコンポーネント:シマノ・クラリス
  • ホイールサイズ:20インチ
  • 折りたたみサイズ:W79 × H72 × D38cm
  • カラー: Satin black / Silver、Midnight / Beetle Blue、Sky Blue / Blue Gray

Ternのミニベロロードやクロスバイクも要チェック!

アーバンな魅力たっぷりのTernの「ROJI」シリーズ。ノンフォールディングミニベロ・クロスバイクがそろう。

旧モデルはこちらから

まとめ

ソリッドなフレームデザインが魅力のTernのe-bike&折りたたみ自転車。私たちが思い描いていた未来の乗り物を具現したようなバイク揃いだ。そして走行性を捨てることなく、頑丈で軽さも持ち合わせている。まさに「アーバンコミューター」としての高い地位をブランドは獲得しているだろう。自転車に「個性」を求めている人にはうってつけだ。ちなみにTernは、クロス&小径ロードバイクのシリーズ「ROJI」も展開中。そちらは、また別の機会に紹介しよう。お楽しみに。

All photos (C)Tern Bicycles Japan
LINK: Tern

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BY増渕俊之

出版社勤務を経て、フリーランスの編集/ライター。編著に『これがデザイナーの道』『自転車ファンのためのiPhoneアプリガイド』『岡崎京子の仕事集』がある。現在、編集を手がけた岡崎京子の単行本『レアリティーズ』が発売中。

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