「EKAR(エカル)」カンパニョーロ初のグラベル専用グループセットをチェック!13速&世界最軽量がキタ!

昨年2020年、いよいよCampagnolo(カンパニョーロ)からもグラベル専用のグループセットが登場しました。グラベル用コンポといえば2019年にシマノ・GRXも話題になりましたが、GRX使いでもある自転車ブロガー・神楽坂つむりさんに、あえてカンパニョーロ・EKARの魅力を語ってもらいましょう!

グラベル専用グループセットを”カンパニョーロ”で選ぶ意味

グラベルロードの流行から数年が経過し、周辺パーツもどんどん充実してきました。近年の大きなトピックスとしては、世界最大のコンポーネントメーカー・シマノから発表されたグラベル専用コンポーネント「GRX」が挙げられます。

従来のロードバイクやマウンテンバイク用のコンポーネントとは異なり、グラベルライドに最適化されたGRXは瞬く間に流行しました。私も個人的に使っていますが、もう元のコンポーネントには戻れません。

そんな中、先日いよいよあのCampagnolo(カンパニョーロ)からもグラベル専用のグループセット(※)が登場しました。

※シフターやブレーキ、クランクセットなどの総称としてシマノはコンポーネント、カンパニョーロはグループセットという名称を使用しています。

グラベルロード用に開発されたこともあり、従来のカンパニョーロとは異なる点がたくさんあります。が、個人的に嬉しいのが “カンパニョーロらしさ” がちゃんと残っているところ。

「EKAR」のネーミングはカンパニョーロ本社から近いエカル山から
EKAR(エカル)のネーミングはカンパニョーロ本社から近いエカル山に由来する

カンパニョーロは、1933年設立のイタリアの老舗グループセットメーカーです。金物屋生まれでありロードレーサーでもあったトゥーリョ・カンパニョーロによって、ヴィチェンツァで設立されました。

カンパニョーロ製品は革新的なテクノロジーと生産方式で一躍有名になりましたが、特に評価が高いのがその製品の美しさと、官能的とまで言われる操作性です。エルゴノミクスデザインと呼ばれる人間工学的に優れたシフトレバーは今でも世界中にファンがいます。

今でこそ世界シェアはシマノとスラムが席巻しつつありますが、カンパニョーロにしかない魅力というのが間違いなく存在します。また、近年では油圧ディスクブレーキの研究開発や今回のような新しいグループセットの開発、ホイールセットの刷新など着実に進化を続けているメーカーです。

EKARは初めてづくし!13速&世界最軽量

EKARは初めてづくし!13速&世界最軽量

今回登場したEKARも、見た目の美しさや優れた操作性は健在です。さらにブランド初のリア13速、制動力が強化されたブレーキ、フロントシングル専用、総重量2,385gというグラベル用のグループセットとしては現時点で世界最軽量と、魅力溢れるパッケージとなっています。

ブランド初の13速化&ワイドなギア比

EKARの大きな特徴の一つがブランド初の「13速化」です。

カンパニョーロ社は今回グラベル専用のグループセットを開発するにあたり、4,500人のグラベルライダーやメカニック、グラベルアスリートに対して市場調査を行い、求められる性能の上位に「耐久性」「信頼性」があることを発見しました。

その表現の一つが「フロントシングル」であり、さらにギア比を確保するための「13速」です。

ブランド初の「13速化」はEKARの大きな特徴のひとつ

13枚になったリアのスプロケットは、トップ側に新しく「9T」を採用することで、ギア比を大幅にワイド化することに成功しました。これはスラムの「AXS」と同様の進化です。
スラムの「AXS」ではトップ側に「10T」を採用していますが、カンパニョーロはさらにワイドなギア比を実現する「9T」をチョイス。
私自身、スラム「AXS」を愛用していますが、ギア比が大きくなることでライド中のギアの選択肢が増えて走りやすくなったと実感しています。

スプロケットは使い方に合わせた3種類がラインナップ。9-36T、9-42T、10-44Tから選べるようになりました。

13枚のスプロケットがケイデンスに応じた自然な変速を叶え、ストレスのないライドにつながる。
13枚のスプロケットはケイデンスに応じた自然な変速を叶え、ストレスのないライドにつなげてくれる。

クランクセットはカーボン製クランクアームに、アルミ製のナローワイドチェーンリングを組み合わせることで、フロントリング専用設計となりました。こちらも使い方に合わせて選べる4種類がラインナップ。
38T(アドベンチャー)、40T(ピュア・グラベル)、42T(ファスト・グラベル)、44T(グラベル・レース)から選ぶことができます。

クランクセットはフロントリング専用設計

上記のスプロケットとチェーンリングのギア比設定から、フロントシングルでありながらも、組み合わせ次第ではギア比が1以下、つまりマウンテンバイクに匹敵するギア比を獲得できるようになったと読み取れます。
もちろんオンロード走行でも問題ないギア比をカバーしていますので、汎用性が高いとも言えるでしょうか。

一台で何役もこなすグラベルロードとの相性が良いとも言える
一台で何役もこなすグラベルロードとの相性が良いとも言える

13速に対応したチェーン

ギア数の増加に伴ってチェーンも刷新されました。「C13」は、従来のチェーンとは異なる専用設計で13速ギアに最適化されています。

ギア数の増加に伴ってチェーンも刷新された

従来よりも幅が0.25mm狭く、今までで最もナローなチェーンになっています。にも関わらず、ニッケル・テフロン加工により高い耐久性を保持。「狭くなった分耐久性が落ちる」なんてことにならないように開発に力を入れた部分だそうです。
またトラディショナルなコネクトピンと、取り外しとクリーニングが簡単なC-リンクの2種類が用意されています。

進化したシフター

進化したシフター

今回はフロントシングル専用ということで、左側のレバーはブレーキのみ、右側のレバーには変速機構が組み込まれています。

カンパニョーロといえば、このエルゴパワーと呼ばれる独特のレバー形状が大きな特徴の一つ。基本設計は従来どおりの握りやすさを踏襲しつつ、レバー先端の形状を大きく湾曲させることで、下ハンドルを握った状態でも変速しやすいように設計されています。

また、シフトアップとシフトダウンの操作もカンパニョーロならでは。シフトアップは内側のレバーを「クリック」するような感覚で押せばすぐに変速する、レスポンスの良い機構が採用されています。
シフトダウンはカンパニョーロ伝統の「ウルトラシフト」と呼ばれる、レバーを押し込むと一気に3段変速ができる機構が盛り込まれています。

グラベルライドに適した握り心地と、人間工学に基づいた操作性の良さはかなり魅力的。

レバーの先端とボディー本体にはレザー・カットが施され、汗や水分が付着しても操作性を保持する。
レバーの先端とボディー本体にはレザー・カットが施され、汗や水分が付着しても操作性を保持する。

「EKAR」はグラベル界で広がるか

今回のカンパニョーロ「EKAR」の登場によって、スラム、シマノと合わせて3大メーカー全てがグラベルライドに適した製品群をランナップすることになりました。各社それぞれが独自の設計思想で開発しているだけに、どのメーカーを選択するか迷うところです。

カンパニョーロは価格面や互換性の点で他社に一歩遅れを取っている現状はありますが、一方でそのデザイン性や操作性、独自性は非常に魅力的でもあります。今後はEKARを採用したグラベルロード完成車のラインナップも増えていくそうなので、ショップや展示会などで見かける場面があれば是非実際に触れてみてください。
先述した「カンパニョーロならではの良さ」を体験する人がどれだけいるかどうかに、今後EKARがグラベル界で広がるか否かがかかっていると思います。

価格一覧(一部)

  • エカル 1×13 リア・ディレイラー ¥33,500(税抜)
  • エカル 1×13 右側 EP + 140 キャリパー ¥51,500(税抜)
  • エカル 1×13 左側 EP + 140 キャリパー ¥41,000(税抜)

  • AFS 140/160mm スチール・スパイダー ローター ¥5,000(税抜)
  • エカル 13s 9-36/9-42/10-44 スプロケット・セット ¥36,000(税抜)
  • エカル 1×13 チェーン – 118 リンク ¥5,900(税抜)
  • エカル 13s C – リンク チェーン 117 リンク + ミッシング・リンク ¥6,200(税抜)
  • エカル 13s クランクセット  ¥47,000(税抜)

All photos © Campagnolo japan
LINK: EKAR|Campagnolo

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WRITTEN BY神楽坂つむり

ブログ「つむりの悠々自適ライフ」の管理人 大学時代に自転車と出会い、暇があれば各地をツーリングする日々。 最近では海外旅にも挑戦中。機材ネタや旅のノウハウ、旅レポートを執筆中。 http://tsumuri5.com/

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