ストライダー カスタムの豊富な経験を持つ筆者が、カスタムの効果やおすすめパーツを紹介する連載企画。第六弾となる今回は、息子が乗っている愛車の紹介がテーマです。
フルノーマルだった初号機から「一切の妥協のない、ファクトリー仕様のレース用ランバイクまでの進化」を振り返ります。ただ勝つことだけを目的にするのではなく「安全で気持ちよく乗れるランバイクにすること」もテーマのひとつでした。気づけば息子の愛車が4台にもなってしまった理由や、なぜそのフレームやパーツを選んだのかをご紹介したいと思います。ぜひ参考にしてください。
目次
0号機(アイデス D-Bike+LBS ミニーマウス )
0号機(初代ランバイクのD-Bike)
購入のきっかけとタイミング
娘が2歳後半のときに、幼い頃からランバイクに乗っていると「将来、自転車にすぐに乗れるようになる」という理由で購入しました。実際にその通りでしたので、ランバイクの有効性にはとっても驚きました。
なぜこのモデルにしたのかと言うと「きれいなピンク色が可愛かったので、娘にはピッタリ」だと思ったからです。
2014年12月購入
構成
- 本体:アイデス D-Bike+LBS ミニーマウス(スチールフレーム)
- タイヤ・ホイール:純正品(12インチ EVAタイヤ)
- ステム・ハンドル・グリップ:純正品
- サドル・シートポスト:純正品
- その他:LBSブレーキ付(後輪)
※LBSとは、Light Brake System(ライトブレーキシステム)の略で、以前のモデルの約半分の力でブレーキを握ることができるアイデスオリジナルのブレーキシステムです。
カスタムのポイント
2年近く乗っていましたが、カスタムはしませんでした。カスタムパーツがないのも、理由のひとつなのかも知れませんね。
「楽しく乗る」から「走る」へ
とにかく、娘は楽しく乗っていました。このバイクには幼児向けのブレーキがついていましたが、2歳の子供にブレーキを使いこなす術(すべ)は、なかったように思います。しかし、我が家にとって「このランバイク購入が、この後の人生を変える出来事」になります。購入して2年を過ぎた頃からお下がりで乗り始めた息子が、とてつもないスピードで走れるようになり「息子への1号機購入」へと繋がっていくのでした。
娘に買ったモデルはすでに生産終了となっていますが、現行モデルはすごく性能が向上しています。何と「オフセットされたフロントフォークが標準仕様」になっているんです。さらにアルミフレームを採用して軽量化を行い、操作性もアップしています。アイデスさんのランバイクは、すごい進化をしているようです。
D-Bike Kix プラス Honda(V・トリコロール)
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1号機(ストライダー スポーツ)HONDA コラボモデル
購入のきっかけとタイミング
0号機の購入から3年が経ち、息子が3歳後半の時に、サンタさんからのクリスマスプレゼントで贈られてきました。この時、息子はすでにお下がりのランバイク(0号機)に乗り慣れており「そろそろ、カッコいいバイクに乗せてあげたい!」という想いで購入しました。
なぜこのモデルにしたのかと言うと「ストライダーカップというレース」があることを、なんとなく知っていたから。ランバイクと言えばストライダーが代名詞という想いが、この時あったように思います。
そしてもうひとつの理由は「筆者が熱血なホンダのファン」であり、ホンダを象徴するカラーリングに惹かれ「まさにコレしかない!」と思ったからです。息子もかわいいピンク色のお下がりから、カッコいい赤のストライダーを手に入れることができて、とっても喜んでいました。
2017年12月購入
構成
- 本体:ストライダー スポーツ(通称:鉄スト) / ホンダ コラボモデル
- タイヤ・ホイール:DADDYLAB / X-WHEEL Light+タイヤセット
- ステム:DADDYLAB / クイルステム S
- ハンドル:DADDYLAB / ライザー バー ハンドル
- グリップ:DADDYLAB / スムース ロック グリップ
- サドル・シートポスト:自転車屋ビっちゃん / OCF ナローサドル & カーボンシートポスト
カスタムのポイント(こだわり)
この時は、カスタムについての知識がほとんどなく「とにかく、カッコよくしよう!」といった感じでカスタムをしていきました。「カスタムパーツの種類や情報が、今に比べるとほとんどない時代」でしたので、お台場のストライダー専門店でお話を聴いたりして、勉強していました。
そこで巡り合ったのが「DADDYLAB」さんです。デザイン性が良く、お値段もお手頃だったので、ハンドル周りやホイールを購入しました。
タイヤは、ダディさんのホイールについてくる標準タイヤをそのまま使いました。当時は、ホイールを交換しただけで満足しており、軽量化などはまったく意識していませんでした。今考えると、恐ろしいです(笑)。
サドルは、ストライダーカップのSNS等の投稿を見ていると、OCFさん(自転車屋ビっちゃん)の使用率が非常に高いことに注目し「選ばれているからには、必ず理由があるのだろうと思い」購入しました。
レース仕様のカスタムとしては、サドルの選択は間違っていなかったと思います。その効果は抜群で、蹴りやすいだけでなく、クッション性が高いことにも息子は喜んでいました。「レースに出場するしないに関わらず、ナローサドルは必需品」だと思います。快適に乗れないと、楽しくないですからね。
シートポストは「カーボン製にしたい」という筆者の憧れもあり、高価ですが迷わず即決しました。初のカーボン製品に、心が舞い上がった記憶があります。
「鉄スト」の限界を知る
ストライダーを購入してすぐに、コース練習ができる場所(としまえん)に行ってみると「バリバリのレーサー仕様のストライダープロ(シルバー)」に出会いました。
目から鱗が落ちるとはまさににこのことで、そのストライダーは「アルミ製のフレーム」でした。しかも、カーボン製品がたくさん装着されていて、これを見た時は驚きしかありませんでした。加速も全然違いますし「うちの鉄スト(鉄製フレームのストライダーのこと)では、レースで戦えない」ことを悟りました。
そんなわけで1号機で出場した大会は、としまえんカップの1回(予選敗退)でした。
鉄ストは、レースでのパフォーマンスは今一歩ですが、アルミと違って鉄は耐久性があるので長持ちします。そういう意味で「元祖ストライダーは、この鉄スト」なのかも知れません。玩具としては、最高の乗り物だと思います。
2号機(ストライダー プロ)10周年記念モデル
購入のきっかけとタイミング
1号機に乗り始めてから、2か月も経たないうちに購入しました。理由は「上位を走るには、加速の良いアルミフレームが絶対条件」だと感じたからです。もっと早く知っていれば重い鉄スト(1号機)を買わずに済んだと思いましたが、これも経験の一つとして割り切りました。実際、アルミフレームのストライダーの存在を知らずに鉄ストを購入する人は、かなり多いように見受けられます。いわゆる「鉄スト問題」です。
購入に向けて、ストライダープロを調べていると「ストライダー 10周年記念の特別色(シャンパンゴールド)」が発売されていることを知りました。しかし限定品ということで、どこへ行っても売り切れでした。半ば諦めていると、お台場のストライダー専門店で最後の10数台が入荷するという情報が入り、すぐに買いに行きました。今でも忘れることのない、とても「お気に入りのストライダープロ」です。
2018年2月購入
構成
- 本体:ストライダー プロ / 10周年記念モデル
- タイヤ:シュワルベ / ビックアップル ⇒ シュワルベ / HS140 ⇒ CST / Team limited
- ホイール:DADDYLAB / X-WHEEL Light ⇒ ZBF / アトラス ⇒ ZBF / スラスト
- ステム:サイクルパークトミー / カーボンウイングハンドル ⇒ KCNC / FLYRIDE
- ハンドル:サイクルパークトミー / カーボンウイングハンドル ⇒ KCNC / SC BONE FLAT(スカンジウム)
- グリップ:バーテープ ⇒ SOYO / ハイグリップ スリム
- サドル・シートポスト:自転車屋ビっちゃん / OCFナローサドル&カーボンシートポスト
- その他:ZBF / オフセットメーカーP32(オフセッタ―)、ZBF / ゼロフリクション+ZEROアブソリュート(EVA用カスタムシャフト+カスタムベアリング)、サイクルパークトミー / カスタムブッシュ
カスタムのポイント(こだわり)
2台目ということで、カスタムにもだいぶ慣れてきており、ようやくレース仕様のストライダーを手に入れたという印象でした。このバイクは「レースで上位を目指すことをテーマ」にして、カスタムを行いました。
鉄スト(1号機)の時に購入したハンドル周りは、残念なことにストライダープロとはコラム径が違うので使えません。そこで投入したのが「カーボンウイングハンドル」です。ステムとハンドルが一体式になっていて、とても斬新なモノでした。しかし、このコンセプトは良かったのですが、拡張性に問題があることに後から気がつきました。子供の成長と共に、ステムの突き出しを都度変えなければならないのです。そのたびに一式購入するのでは、ハンドルが無駄になってしまいます。でも「レーシングパーツとはそういうもの」なんですけどね。
タイヤに関しては、タイヤパターンがすごくいいので「シュワルベのビックアップル」を選びました。しかしながら、レース巧者の方から「そんな重いタイヤは、やめた方がいい」とアドバイスを受け、軽量タイプの「シュワルベのHS140」を購入しようとしましたが、当時、大人気のタイヤだったので、どこを探しても売り切れでした。
タイヤの軽量化は「パフォーマンスの向上のためには必須」だということを教えていただき、この頃は毎日が勉強の日々でした。まさに「カスタムにどっぷりハマっている状態」だったと言っていいでしょう。
その後は、カスタムシャフトとレース用のオイルベアリングを導入しました。「エンジョイカップ用カスタムの定番」と言える仕様です。転がり抵抗が低減され、加速が良くなる効果があります。さらに、レース専用のベアリングオイルを使うことで、よりスムーズにベアリングが回るようになり、息子のバイクは見る見るうちに速くなっていきました。
そして一番気に入っているのが、EVA用の黒いホイールです。当時のストライダープロの純正品は、白いホイールでしたが、鉄スト(1号機)についていた黒のホイールを付けたら「ものすごくカッコよくなった」ので、ホイールのロゴにペイントするなどして「カスタム感をさらに演出」していきました。どうです、カッコよくないですか?(自己満足ですね。)
憧れの「ストライダーカップ」に出場
2号機の最初の大会は「としまえんカップ」でのリベンジレースでした。それなりのレース仕様になっており、親子共々テンション最高潮で挑みました。結果は「なんと予選を1位通過!」そのあと惜しくも準決勝での敗退となりましたが、大幅なパフォーマンスの向上が実感できました。
その翌月開催された、初参加したストライダーエンジョイカップでも予選を突破して準決勝に進出できたので「カスタムってスゴイな」って思いました。でも、もちろん息子も頑張っていたので「親子で頑張って掴んだリザルトなんだ」と思います。そして、その大会には「じじ・ばば」も応援に来てくれていて、孫の雄姿にすごく喜んでもらえました。これも、とっても嬉しかった思い出です。
その後も多くのレースに出場し「憧れのストライダーカップ」にも名物「ドキドキの早押し」で出場権を獲得できて、お祭りレースを楽しむことができました。
ストライダープロの思い出は「各地で行われるエンジョイカップが特に印象的」です。筆者は関東を中心に参加しました。子供のレースを通じて、普段行けない場所に遠征できたりと、非日常的な世界がそこに存在し「ストライフ(ストライダーのある生活)がより魅力的なものに」なりました。
3号機【ZERO BIKE FACTORY】VANISH バニッシュ
購入のきっかけとタイミング
職業柄、ストライダーが「剛性面や加工精度において、レース用として作られていない」ことを肌で感じており、レース用のフレームが国内メーカーから発売されることを耳にした時は、すごく興奮しました。
そのメーカーは、大阪の吹田市にある「ZERO BIKE FACTORY」さん(以下「ZBF」)です。国内外でロードバイク(自転車レース)での実績があり、高性能なランバイクであることは、すぐに分かりました。そして「これは大きなアドバンテージになる」と思い、購入を決めました。
「ZBFさんを選んだもう一つの理由」は、以前ストライダープロ用のオフセッタ―を購入した時に「スタッフさんの雰囲気の良さ」を知っていたからです。なぜオフセッタ―が必要なのかを親切丁寧に説明して下さり、この時から「すでに信頼関係を築けていた」のだと思います。
じつはその頃、高性能なホイールをずっと探していて、様々なメーカーを調べていました。そんな中、ZBFさんが新しいホイールを開発していることを知り、それが「このレーシングフレームに出会えたキッカケ」になりました。運命的な出会いだったんでしょうね。
今では当たり前のことですが、当時はストライダー以外の車両でレースに出るということをほとんどの人が夢にも思っていなかった時代です。これを実現した「ZBFさんの挑戦が、ランバイク界に革命を引き起こした」のだと思っています。その波に、タイミングよく筆者も乗せていただいたといった感じです。
手に入れたフレームは「納車された2番目のもの」でした。ちなみに1番目は、大阪の坂本さんという方で「バニッシュの生みの親」とも言える存在です。またの機会に、この辺りのストーリーを紹介させてください。
2018年6月購入
構成
- 本体:ZBF / バニッシュ(高剛性アルミフレーム)
- タイヤ:シュワルベ / HS140 ⇒ INNOVA / R-180 ⇒ CST / Team limited
- ホイール:ZBF / アトラス(アルミリム)⇒ ZBF / スラスト(カーボンリム)
- ステム:KCNC / FLYRIDE
- ハンドル:KCNC / SC BONE FLAT(スカンジウム製)
- グリップ:SOYO / ハイグリップ スリム
- サドル・シートポスト:自転車屋ビっちゃん / OCFナローサドル&カーボンシートポスト
- その他:TANGE SEIKI / J-62(超軽量ヘッドパーツ)、ZBF / オフセットメーカーP32(オフセッタ―)
カスタムのポイント(こだわり)
誰も乗っていなかったランバイクだったので、手本にするものはありませんでした。しかし、さすがに3台目だと知識もそれなりに付いていて、バニッシュをしっかり組み上げることができました。そして、これまでの反省点や知識を生かし、高性能なカスタムを積極的に採り入れていったのも3号機からです。このレーシングフレームと共に、ZBFさんが発売した高性能アルミリムホイール(アトラス)も導入しました。
このバイクに初めて触れた時は「剛性や精度面、メンテナンス性の全てにおいて」かなり驚きました。あの感覚は、今も忘れていません。「とてもスムーズに回転しているホイールや、骨太なフレームをニヤつきながら眺めていた記憶」があります。
ヘッドパーツが付いているランバイクは、当時の常識では一般的ではなく「必要あるのか?」と不思議な目で見られることもありました。しかし、ヘッドパーツの優位性は間違いなくありました。息子は、ヘッドパーツのおかげで、コーナーリングが楽しくなったようで「失速しない旋回性能は、レースでもアドバンテージ」になりました。
購入して1年が過ぎた頃に、ZBFさんにヘッドパーツの種類があることを教えていただき、高精度かつ極限まで軽量化されたヘッドパーツ(TANGE SEIKI J-62)を組み込んでもらいました。この軽量化は、肉抜き加工により実現されていますが、歪(変形)が出やすいので、加工がとても難しいんです。「TANGE SEIKIさんの品質の高さ」にも驚かされます。しかも形が、美しいんですよね。いいモノはデザイン性も良いので、芸術品にも思えてしまう、マニアには溜まらない逸品です。
終盤には、満を持してカーボンリムホイール(ZBF スラスト)を投入します。蹴り出しの速さは、想像以上のものでした。スタート時のアドバンテージだけでなく、コーナからの立ち上がり加速も良くなり、レースでの順位が向上しました。やはり「いいモノはいい!」と改めて実感してしまいました。
レースで好成績!仲間との出会いも
このフレームを投入する前は、年齢が4歳になったことで「クラスアップの洗礼」を受けていました。レースでは後方を走る状況が続いており、息子も「楽しくないと言った」こともあります。でも「彼なりに全力で頑張ってくれていた」ので、バニッシュの導入は筆者も全力で応援するためのプロジェクトでした。誰も乗っていないバイクに乗るわけですから、勇気と覚悟が必要です。
バニッシュでの初レースは、東京タワーでのレースでした。急こう配を上り、スピードに乗ってS字カーブを曲がりながら、ヘアピンカーブへと続くコースです。「高速コーナーは、フレーム剛性の差が顕著に出る」ので、まさにうってつけのコースでした。後ろの子を引き離し「デビュー戦で、3位表彰台を獲得」したときは、親子ですごく喜びました。自分たちが信じてやってきたことが、結果として残ったのです。
以後息子は、レースには「バニッシュで出たい!」と言うようになりました。「乗っていて全然違う」と言っていたので、違いがわかったようですね。外から見ていても、その違いは一目瞭然でした。走っている音が違うんですよ!
この辺りから「少しずつバニッシュに乗るライダーが増えて」来て、ZBFさんが一躍有名になります。「いいモノはいい!」「分かる人にはわかる!」そんな絆がバニッシュに乗っているライダーにはあって、ライバルであると同時に「仲間であるという一体感」がありました。「バニッシャーズ」なんて呼び名も、出来ちゃうくらいでしたからね。
そんな仲間と共に、関東から京都にまで遠征レースに行ったりして、とても楽しい時間を過ごすことができました。レーシングフレームの導入は、筆者にとって「人生を変えたとも言ってもいい」出来事です。カスタムすることによって、レースでの好成績につながっただけでなく、人生がより豊かになったと思っています。
4号機【ZERO BIKE FACTORY】 LEGIT レジット
購入のきっかけとタイミング
息子のランバイク引退に向けての花道を飾るべく、高剛性・最軽量の「カーボンフレーム レジット」を導入しました。
カーボンフレームは、蹴り出しの加速が良くなるメリットの一方で「慣性力が少ないために最高速が落ちてしまう」特徴があります。直線での加速が、頭打ちになる恐れがありましたが、「そもそもスタートで出遅れると、前に出ることもできない」ので、カーボンフレームの投入を決断しました。
有終の美を飾るはずでしたが、コロナウィルスの感染が拡大し、レースが軒並み中止になり、引退レースが延期となってしまったのは、残念で仕方ありません。
2020年8月購入
構成
- 本体:ZBF / レジット(T800 カーボンフレーム)
- タイヤ:CST / Team limited
- ホイール:ZBF / スラスト ⇒ ZBF / レッジェーラ LEGGERA (T800)
- ステム:KCNC / FLYRIDE
- ハンドル:ZBF / カーボンハンドル(T800)
- グリップ:CHAMP / GLIP
- サドル:自転車屋ビっちゃん / OCFナローサドル
- シートポスト:ZBF / カーボンシートポスト(T800)
- その他:ZBF / コラムスペーサー(カーボン)、KCNC / 軽量シートポストクランプ
カスタムのポイント(こだわり)
「このフレームは、蹴り出しの速さを重視している」のが特徴で、じつに軽やかな乗り味になっています。一切の妥協のない軽量化を実現しているため、短いコースやスタート勝負のコースにおいては、かなりのアドバンテージを持っています。さらにZBF製のフレームは、コーナーで減速しない特徴もあるので、コーナーリングスピードを向上させることができ、他を圧倒する走りに貢献しています。
レジットは、フロントの接地感を高めているので、コーナーでの転倒が少なく「蹴り方にピッチ走法が求められますが、パワーが少ない低年齢の子供でも乗れるフレーム」です。
このバイクの唯一の欠点を挙げるとすれば「最高速が落ちるので、直線番長にはなりにくい」といったところでしょうか。その点、バニッシュなどのアルミフレームのパワーは、とても魅力的にも思えます。そこは「好みで使い分けるといい」かと思います。
そして購入して1年が過ぎた頃に、アップデートを行いました。まず、ホイールにより軽量で高性能な「ZBF製のレッジェーラ」を投入しました。以前のスラストでも、十分に納得できるものでしたが、レッジェーラは「大幅に蹴り出しを良くするために開発された」カーボンリムホイールなのです。
レッジェーラはT800のカーボン繊維を使い、剛性を下げずに構造の見直しによって大幅な軽量化を達成しています。ベアリングやハブも新たに設計して回転性能を向上させ、さらにレースに必要な「加速のキッカケ作り(慣性力)のエッセンス」を加えています。さらにリムのビードのタイヤの抱き方を変えることにより、変形しにくいタイヤ剛性を確保することにも成功した「完全に新しいコンセプトのホイール」です。まさに、至れり尽くせりのホイールと言っても過言ではないでしょう。
この時同時に、ハンドルバーとシートポストもZBF製に変更しました。ハンドルバーは「バックスイープ(後退角)を0度にすることにより、肩甲骨の可動範囲を計算して作られた」ものです。シートポストは「より剛性の高いφ25.4を採用」し、大人が乗っても折れる心配がないくらい頑丈にできています。
この2つは共に「T800のカーボン繊維」で作られており、まさに鬼に金棒です。バニッシュもレジットも、シートポスト径がφ25.4に対応して作られていることから「妥協のない設計がされている」ことがわかります。作り込みが半端ない、優れものだと感心してしまいます。
このアップデートにより「完全なワークスカスタム仕様」になりました。0号機の購入から7年の歳月が過ぎましたが、こだわり抜いたカスタムがついに完成したのです。すべてのパーツが「高剛性のT800を使った、究極のカーボン製品となっていて、これ以上にない軽さと剛性の両面を確保」できています。
▶ZERO BIKE FACTORYでカーボンハンドル 380mmを見る
▶ZERO BIKE FACTORYでカーボンシートポストを見る
息子のお気に入りになったレジット
練習会(ガトプコ練*)での印象ですが、スタートが抜群に良くなりました。そして、コーナーで以前よりスムーズに旋回していることが分かりました。これは「カーボンフレームになったことでフレーム剛性が上がり、鋭いコーナリングが可能になった」からだと思います。息子にバニッシュとレジットのどちらに乗りたいかを聞くと、カーボンフレームを選びます。「蹴り出しがスムーズで、気持ちがいい」そうです。バニッシュもフレームにパワーがあって、いいバイクなんですけどね。
*Gatpk-riders練習会 (ガトプコ練)
筆者を含む3家族で始めたストライダーの練習会です。それぞれの名字の頭文字をとった『たがやまにわ』の文字を変換すると、『gatpk-』になることから名付けました。
楽しく真剣にやるのが『ガトプコ練』のテーマ。ストライダーの練習だけでなく、子供の成長に合わせた基礎練習を重視しています。誰でも参加できることも特徴で、ストライダーを楽しみたい子供たちが集まり、場所は北海道や関東の数カ所で開催しました。全国で開催する夢を持っています。
まとめ
鉄のストライダーから始まり、最後はカーボンフレームを導入したストーリーを紹介させていただきました。筆者は、ちょうど「ランバイク界の変革期にいた」ことで、様々な経験をすることができたと思っています。
そして、いつしか「ランバイク仲間に、同じ間違いをして欲しくない」という感情が生まれ「ランバイクカスタム講座」を始めました。カスタムパーツの中には、安全性が不足しているものがあり、そこにも注意して欲しいことも伝えたい内容のひとつでした。子供たちには「安全安心で、ランバイクを楽しんで欲しい」ですからね。これからランバイクのカスタムをしようと考えている方に、筆者の経験談が少しでもお役に立てれば幸いです。
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