ミニベロ×サイクルトレーラーってアリ? いやいや、これポテンシャル高すぎでは…!
こんにちは。自転車ブログ「つむりの悠々自適ライフ」管理人の神楽坂つむりです。
自転車は走るだけでも楽しい乗り物ですが、他の趣味と組み合わせることでより楽しみ方が広がる乗り物でもあります。組み合わせる要素は釣りやカメラなどいろいろありますが、特に楽しいと感じるのが「キャンプ」。
今回はそんな自転車 × キャンプにもってこいの「サイクルトレーラー」を紹介します。
目次
小径車+トレーラーという選択肢
まずはこちらの写真をご覧ください。
サイクルトレーラーとは、自転車で荷物を運搬するために作られた牽引カートのこと。ツーリングスタイルやバイクパッキングといった積載方法とはまったく異なるスタイルです。クルマの世界ではたまに見かけるトレーラーですが、こうして自転車に装着した姿を見るのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
見てください、この絵面。
これだけでちょっとテンション上がってしまい!
ロードバイクやマウンテンバイク、クロスバイクに電動アシスト付き自転車など、いろいろな自転車に乗ってきましたが、サイクルトレーラーは初体験。
「走った感じはどうなんだろう?」
「どれだけ荷物を積むことができるんだろう?」
装着しただけで妄想が広がりなんだかワクワクしてしまいました。
ところでこのミニベロは何者?
今回のデイキャンプで使用した自転車は「iruka」という折り畳み自転車です。
弓形のデザインが目を惹くトップチューブは、中央部分にスリットが設けられており、そのスリットの隙間に後輪が綺麗に収まるように設計されています。この状態でハンドルやシートポストを折り畳むと、高さは50cm以下と非常にコンパクトに。
奥がブロンプトン、手前がirukaです。同じようにコンパクトですが、irukaの方が高さは抑えられています。
走行性能も妥協はなく、他の折りたたみ自転車と比べても明らかにペダルを漕ぐのが軽く、そして速いと感じました。多くの折りたたみ自転車はトップチューブを分割してヒンジで繋ぐことでコンパクトにしていますが、irukaにはそのヒンジがありません。一直線につながるトップチューブが高い剛性を確保し、推進力を無駄にすることなく走っていくんだと実感しました。
走行性能、コンパクトさ、機能性と実用性を高い次元で成立させつつ、まるでショーモデルのような美しいフレーム設計により、特別感のある一台に仕上がっています。
さぁ、小径車で何運ぶ?
irukaの紹介はこの辺りにしておいて、今回メインで紹介したいアイテムはサイクルトレーラーです。その名も「iruCart」。
名前から分かるとおり、irukaを手がける株式会社イルカが作ったトレーラーです。
サイクルトレーラーとしてものすごくポテンシャルを秘めたアイテムで、特別な荷物を運ぶシーンだけでなく、シティライド、通勤や通学、デイキャンプやツーリングにも活用できると感じました。
irukaのために用意されたオプションではありますが、取り付け方法は至ってシンプル。iruka以外の小径車に流用することも可能です。
自転車にiruCartを装着するためのアタッチメント。サドルレールの下に取り付けて使用します。
金属の突起部分にiruCartを固定します。
固定はワンタッチ。金属の突起部分にiruCartを差し込むだけ、5秒もかかりません 。
驚くほど簡単で「本当にこれで固定できているのかな?」と最初は不安でしたが、触ってみるとかなりしっかりと固定されていることがわかります。てっきりもっと複雑な機構を想像していたので、ある意味拍子抜けでしたが、これだけ簡単だと導入のハードルも限りなく低いと感じました。
ブロンプトンにだって使えちゃうiruCart
嬉しいことにこのiruCart、使えるのはirukaだけではないらしいのです。
試しに私の愛車の一つ、折りたたみ自転車ブロンプトンにiruCartを装着してみました。
いつもの愛車が一瞬でキャンピング車に!
サイクルトレーラーを装着しただけなのに、「どんな遊び方をしよう?」と妄想が広がってしまいます。ブロンプトン自体、オプションパーツが豊富で荷物を積むバッグ類もたくさん種類がありますが、“サイクルトレーラーひとつあればOK!” なシンプルさは魅力だと感じました。
小径車で小径車を牽引……?
モノは試しということで、「iruCart」に「iruka」を載せて「ブロンプトン」で牽引してみました。
目的もなく単純にやってみたかったから載せてみただけですが、面白い!
新しい折り畳み自転車の納車スタイル……? 駅前まで家族友人を迎えにいくスタイル……? なんだかワクワクしてしまいます。
ここでは仮スタイルということでゴム紐を使いましたが、しっかりと固定するならばマジックテープ式のストラップや荷紐を使うのが良さそうです。
このようにたくさん荷物をつめこんだリュックもゴム紐で留めるだけでOK。こまごましたアイテムもひとまとめに運ぶことができます。
長さにかなり余裕があるので、釣竿を固定したり少し大きめの折り畳みテーブルやチェア、焚き火台なんかも載せられると思います。
※最大積載量:15kg
気になる走行感覚は “ほとんど違和感なし”! カーブや段差は?
サイクルトレーラーを牽引しながら実際に50kmほど走行してみましたが、違和感はほとんどありませんでした。もう少し取り回しや段差が気になるかな?と予想していたので、良い意味で裏切られました。
シチュエーションごとにもう少し詳しく説明します。
アップダウン
サイクルトレーラーがあるから登りや下りが辛い、怖い、といったことはありませんでした。荷物を積んだ重量がある分、空荷と比べると多少影響は出るものの、これはバイクパッキングスタイルなどでも同様です。ただし、もっと重いものを牽引すると登りが辛くなることは予想できます(今回運んだ荷物の総重量は10kgほど)。
“軽快に駆け上がる” といった登り方は期待しないほうが吉ですが、総じて影響は少なく、快適に峠越えができました。
段差
こちらも「特に影響なし」でした。同じ道をサイクルトレーラーあり・なしで走り比べてみましたが、大きな段差でも小さな段差でも体感では変化が感じられませんでした。iruCartについている車輪は駆動機構はなくただ転がっているだけですが、嫌な抵抗や衝撃はなく、自転車本来の走行性能を邪魔することがないのが驚きでした。
小回り
いわゆる「内輪差」を意識する必要はあります。最初のうちは、交差点や路地を曲がるときにサイクルトレーラーの位置が気になって何度も後ろを振り返っていました。ですが次第に、過度な意識は必要ないと分かってきました。
よっぽど角度が急なカーブを曲がるときは注意しなければなりませんが、そもそもそんなシチュエーションはほぼありません。公園の入り口などに設置されている車止めの金属ポールを曲がるときや、陸橋に上がるための180度カーブなどは流石に一度降りてゆっくり旋回する必要がありますが、通常の走行ルートでは普段と同じような感覚で曲がれました。
※トレーラーやリアカーなどを牽引する自転車は道路交通法第63条3に定める「普通自転車」には該当せず、普通自転車が歩道通行可の歩道でも通行できないなど、非牽引時と法令上の規制が一部異なります。
iruCart-iruka
ちなみに全長はそれなりに長くなるので、そのままエレベーターに入ったり、駐輪場に止めることは難しいです。iruCartは簡単に脱着できるので、長さが気になるシチュエーションでは素直に取り外してしまうことをおすすめします。
次回はiruCartを使って、ミニベロ × デイキャンプに出発!
至ってシンプルなつくりで、荷物の載せ方も自由自在・アイデア次第なサイクルトレーラー。実際に使ってみると思っていた以上に便利で、いろいろな場面で活躍してくれそうなアイテムだと感じました。
次回は「サイクルトレーラーつき小径車で行くデイキャンプ」のようすをお届けします。実際に持っていった荷物や、バイクパッキングスタイルとの違いにも触れていますので、後編も是非お楽しみに。
▷後編はこちらから「サイクルトレーラーなら重~い “アレ” も持ち出せる!ミニベロキャンプ拡張術」
LINK: iruCart|iruka
All photos by 神楽坂つむり
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WRITTEN BY神楽坂つむり
ブログ「つむりの悠々自適ライフ」の管理人 大学時代に自転車と出会い、暇があれば各地をツーリングする日々。 最近では海外旅にも挑戦中。機材ネタや旅のノウハウ、旅レポートを執筆中。 http://tsumuri5.com/