危険過ぎ!世界で最も過激な自転車クリテリウムレース「RED HOOK CRIT」とは?

突然ですが、RED HOOK CRIT(レッド・フック・クリット)というレースをご存知でしょうか。海外で話題沸騰中の新しいタイプの自転車レースで、近年日本からも挑戦者が出るなど確実に日本にもその熱気が伝わってきています。

今回は最過激レースともいうべきRED HOOK CRITの面白さはどこにあるのか。365日ピストバイクの最新情報を調べないと気がすまないピストバイクマニアの私UDが紹介していきます。

RED HOOK CRITの歴史

ブルックリン生まれの新しい自転車レース、それがRED HOOK CRIT(C)Tornanti.cc
ブルックリン生まれの新しい自転車レース、それがRED HOOK CRIT(C)Tornanti.cc
レッド・フック・クリット(以下RHC)はアメリカ、ニューヨークのブルックリン生まれの自転車レースです。歴史はまだ新しく、2008年にオーガナイザーを務めるデイビットが彼の26歳の誕生日に勝手に路上でレースをはじめたことに由来します。

いうならアンダーグラウンドの違法レース。しかし、そのレースの評判は普段から自転車に乗りなれているバイク・メッセンジャーなどに口コミで広がり次第に参加希望者が増えていきました

2010年からはアメリカの他、イタリアのミラノで初開催をし、さらにとどまるところを知らない勢いのRHCは開催地を増やします。2013年にはスペインのバルセロナでの開催を行い、現在ではイギリスのロンドンを加え、ブルックリン・バルセロナ・ミラノの計4箇所で開催するまでになりました。

規模が大きくなったことで開催場所は私有地の敷地内へと変化し、イベント全体のスポンサーとしてゲームやエナジードリンクでお馴染みのRockstart Gamesが付く、アンダーグラウンド発の一大ビッグバイクイベントとなっていきました。

RED HOOK CRITはここがすごい!

夜間まで及ぶレース。一瞬の気の緩みが許されないコースは毎回選手の力量を試しているかのよう(C)Tornanti.cc
夜間まで及ぶレース。一瞬の気の緩みが許されないコースは毎回選手の力量を試しているかのよう(C)Tornanti.cc

 

同じコースを周回走り順位を競う、クリテリウムレースのRHC。種目は男女の個人戦とポイントで戦うチーム戦があります。

クリテリウムといえば一般的なのはロードバイクを用いたロードレースですが、RHCは固定ギアのピストバイクを用います。そうはいっても競輪などで用いることが多いクロモリフレームではなく、軽い素材のカーボンやアルミのエアロフレームやカーボンホイールを装着し、ハンドルにはロードバイク用のハンドルを装着しているなど競輪の見た目とは一線を画します

ここで簡単に解説すると、ピストバイクはシングルフリーギアと固定ギアという二種類の方法のどちらかで走行することができる自転車です。

フリーギアはママチャリのように坂道の下りで足を止めても進むことができることを指します、こちらは馴染みがあるでしょう。一方固定ギアは競輪に用いられているものと同じで、ペダルと後輪が一体の動きになっており、走り続けている間はずっと足を止めずに漕いでいなければならないという仕組みです。

その仕組みの自転車に乗ってクリテリウムを走り抜くということはもちろん、レース中足を止めることはできないということです。もちろん一度も。

しかもレースに用いる自転車にはブレーキがありません。シングルギアですから変速もありません。

なお、ピストバイクの場合スキッド(車でいうドリフトのような行為)で減速をすることもできますがこれもルールにより禁止されています。

実際にこの動画を見ていただくと早いのですが、コーナーに時速45kmほどでブレーキなしで突っ込むのは、普通に考えればいくら体があっても足りない位無謀な行為。

これだけ聞けば、RHCがどれほどの過激レースか理解してもらえるのではないでしょうか。

そして重要な点は、これだけのスピード感のあるレースを観客たちはお酒を飲みながらコース脇で体感できることにあります。目の前で大規模なクラッシュが起こるかもしれない、あっという間にコーナーで順位が入れ替わるかもしれない、そんな目が離せないレースがRHCなのです。

日本人選手も参戦

クラッシュ当たり前のRHC。時には自転車が使い物にならなくなってしまうような大クラッシュも目にする(C)Tornanti.cc
クラッシュ当たり前のRHC。時には自転車が使い物にならなくなってしまうような大クラッシュも目にする(C)Tornanti.cc

こんな危険極まりないレースRHCに今年から遂に日本人選手が参戦することになりました。

プロロードレーサーで弱冠22歳の山村明徳(あきのり)選手です。山本選手はRHCで近年優勝を繰り返しているスペシャライズドチームに加入しました。

So proud to be an ambassador of @hydrogen_jp @hydrogen_official @locmanjapan @locman_italy_official Yeah we took this photo in @specialized_tokyo #Hydrogen #HydrogenJP #luxurysportswear #Locman #LocmanItaly #iamspecialized #AkinotiYamamura

Akinori Yamamuraさん(@akinoriyamamura)がシェアした投稿 –

このようにRHCはロードレースでお馴染みのメーカーやツール・ド・フランス参加選手などプロロードレーサーも近年数多くチャレンジしているレースになっています。それゆえ年を追うごとに格段にレベルが上ってきていると言われています。

現在その中でもスペシャライズドチームは段違いの強さを見せ、特に男子の部で優勝を重ねています。

参加チームの色とりどりな自転車やグッズ

写真の先頭を走るアロンソ・タルはLA育ちの有名ピストバイクライダー。ストリートで磨いた技術をレースでもいかせるだろうか(C)Tornanti.cc
写真の先頭を走るアロンソ・タルはLA育ちの有名ピストバイクライダー。ストリートで磨いた技術をレースでもいかせるだろうか(C)Tornanti.cc

RHCを楽しんでもらうためにぜひ知ってもらいたいのが、参加チームの色とりどりな自転車やグッズです。

Heat 3 is on. #redhookcrit #rhcbk10 #critweek

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ド派手過ぎるサイクルジャージ。

Detail shot of the new Barcelona cap. Available at redhookcrit.com/shop and at the race on August 27. #redhookcrit #rhcbcn4

Red Hook Criteriumさん(@redhookcrit)がシェアした投稿 –


ヘルメットの下に被るサイクルキャップですら、デザインに拘ったオリジナルの商品をグッズとして販売しています。

The Brooklyn No.10 x Tacx Shiva water bottle is now online for only $5 #redhookcrit #rhcbk10 #tacx #tacxperience

Red Hook Criteriumさん(@redhookcrit)がシェアした投稿 –


サイクリングボトルに関しては、部屋に飾っておきたいほど綺麗なデザインに仕上がっています。こうしたグッズの一つ一つまで非常にセンスが良いのも特徴です。

日本開催の可能性は?

この表彰式を日本で見ることができる日は来るのだろうか(C)Tornanti.cc
この表彰式を日本で見ることができる日は来るのだろうか(C)Tornanti.cc

RED HOOK CRIT日本開催の可能性、これは十分にあります!

実はこのRHCのオーガナイザーを務めるデイビット、既に何度か日本を訪れていて日本の自転車店と情報交換を行っているそう。彼自身が日本開催を熱望しているのだとか

Super excited to get the new London cap. Great work once again by @jonahbirns. #redhookcrit #rhcl2

David Trimbleさん(@david_august_trimble)がシェアした投稿 –


(オーガナイザーのデイビット)

まとめると

やかなロードレースとは一風異なる、ケガと隣合わせの迫力満点のピストバイククリテリウムレース

アートやカルチャーと結びついた、スポーツでありながらエンターテイメントのショーとしての魅力も持ち合わせたRED HOOK CRIT。いつか日本で開催される日を楽しみに、ぜひ日本人選手に声援を送りましょう。

ただの自転車レースだけでなくエンターテイメントショー/カルチャーとしての意味合いもあるRHC(C)Tornanti.cc
ただの自転車レースだけでなくエンターテイメントショー/カルチャーとしての意味合いもあるRHC(C)Tornanti.cc
大人も子供も、エンターテインメントとして見にくる(C)Tornanti.cc
大人も子供も、エンターテインメントとして見にくる(C)Tornanti.cc

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BYU-die

ヘヴィメタルとピストバイクをこよなく愛するカワリモノ。 クロスバイクを購入したことで自転車の楽しさに触れ、その後シングルスピード、ピストバイクと乗り換えている。現在の愛車は自らフレームから組んだアメリカのブランド、State BicycleのContender。 ちなみに好きなメタルバンドはParkway Drive。

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