東大生大島くん「集団走行をスクールで学んでみたら、目からウロコ落ちまくりでした」

生粋の独学派が本から学べないこと=集団走行

こんにちは、東京大学農学部4年の大島拓司です。
夏も終わり、いよいよツール・ド・おきなわ本番まであと1か月となりましたね。私のロードバイク歴も2か月を越え、ある程度脚力もついてきたかなというところ。

ところで、ロードレースに出るにあたっては、個人の脚力だけではなく空気抵抗を減らすための「集団走行スキル」も必要です。

そこで、今回はサイクルスクールに参加して、集団走行のイロハを教わってきました。

しかし、私は受験時代から「知識は人からでなく本から得るのが効率的に最強」と思っている生粋の独学派。でも、集団走行の本ってあんまないんですよね。スクールは嫌いだけどしゃーなしだなぁ、と若干舐めた気持ちで参加したのですが、意外な発見がありました。

「サイクルスクール」ってそもそもなんだ?

今回参加したサイクルスクールは株式会社スマートコーチングさんの主催で、ロードレースなどのサイクルイベントを安全に楽しむための基本的な走行技術や集団走行技術を学べる、というもの。

爽やかイケメンです・・・こちらスマートコーチング代表の安藤隼人さん。自転車界の「東大」、鹿屋体育大学自転車競技部元主将*。
爽やかイケメンです・・・こちらスマートコーチング代表の安藤隼人さん。自転車界の「東大」、鹿屋体育大学自転車競技部元主将*。

午前にスクール、午後に練習レースという構成であるため、学んだことをすぐに生かせるようになっています。受験もロードレースも、成長の基本はインプットとアウトプットですよね。ここは好評価。

また、会場は向ヶ丘自動車学校の教習コースなので、道をめいいっぱい使って走れます。

実力別でクラスが4つに分かれているのですが、今回私は生意気にも上から2つ目のクラスにエントリー。エントリー資格の「巡航速度が30km/hを超えている」は満たしているし、まぁ大丈夫でしょう。

こちらはレディースクラスの皆さん
こちらはレディースクラスの皆さん

実際、サイクルスクールってこんな感じでした

第一部

スクールは三部構成で、第一部はフォームや安全確保などの基本的なことが中心でした。

まずロードバイクの基礎の基礎である「ニュートラルポジション」の説明から始まります。

ニュートラルポジションとは、ロードバイクに乗る際の基本姿勢で、BB(ペダルの回転の中心)に体重がかかるように重心を持ってきて腕の力を抜き、前荷重にならないようにする、というもの。

その後、急ブレーキや人にぶつかられた時の対処の練習へ。

最初は「集団走行関係なくね?」と思ったんですが、集団走行中は人にぶつかられることなどは日常茶飯事らしく、これらをおろそかにしては落車のリスクが非常に高くなってしまうそうです。ごめんなさい、めっちゃ関係ありました。

横を小走りで走って肩をぶつけてもらう
横を小走りで走って肩をぶつけてもらう

第二部

第二部はコーナリングの練習でした。

コーナリング技術は、集団走行の最も大事な基礎となるもの。というのも、上手く曲がれないと周囲の人に迷惑をかけてしまうし、変なラインで曲がると空気抵抗を受けてしまうから。

簡単な公式を覚えないと難しい応用問題も解けないということです。(ちょっと違うかな…。)

集団でコーナーを曲がるの、緊張感ありますね
集団でコーナーを曲がるの、緊張感ありますね

上手いコーナリングのコツは頭を下げて重心を低くすること。ここで大事になってくるのが先ほどのニュートラルポジションです。前荷重だと頭を下げづらくなってしまうんですね。なんや、意外とためになるやんけ…。

第三部

第三部はいよいよ集団走行の練習です。

まずは2列6人で走る練習から。

今まで私は、人の後ろで走る機会は何回かあったのですが、人の横を走ったのはこの時が初めて。さっき体がぶつかったときの対処の練習をしたものの、すぐ隣を人が走っているとめちゃ怖いですね。

ですが、ツール・ド・おきなわの先頭集団内ではハンドルや体を普通にぶつけながら走っているそうです…。正気とは思えない…。

そして次に、その列をローテーションさせる練習。

集団走行練習の模様(それにしてもいい天気)
集団走行練習の模様(それにしてもいい天気)

途中で安藤さんが集団に並走してくださり、「もっと間隔詰めて!」などの指導が入る。それぞれの欠点に合わせて指導してくださるのでとてもわかりやすいです。

しかし、ローテーションの手順やタイミングは結構空気を読まないと分からないですね。私、根がマニュアル人間なのでもっと手順をきっちり決めてもらわないと動けないのですが。

なんとレースまであり(練習ですが・・・)

講義が全て終わると、練習レースが始まります。練習レースは45分のエンデューロが1回と650mのコースを10周するクリテリウムが2回あり、クリテリウムの成績が1位だった人は賞品がもらえます。

ちなみにエンデューロは定められた時間でどれだけの距離走れるか、クリテリウムは定められた距離をどれだけの時間で走れるか、を競うレースですよ。

エンデューロ

レース前、主催者であるスマートコーチング代表の安藤さんが「エンデューロは別に賞品とかないですからね。そこまでガチにならず、スクールの内容の復習に使って下さいね。」とおっしゃっていたので、まぁ集団からちぎれない程度に頑張ろう、という意気込みでレースに臨みました。

ですが、その集団がまぁ速い。

スクールの時は分からなかったけど、みなさんそんなに速かったんですね…。

何分かは持ちこたえたものの、途中でちぎれてしまいます。

エンデューロ辛いからあんまりやりたくない…
エンデューロ辛いからあんまりやりたくない…

しかし!!午前中のスクールを受けた私は一味違った!同じようにちぎれた方々と4人で小集団を形成し先頭集団を追うことに!

コーナリングではラインをそろえ、速度一定を保つよう意識しつつ、短い時間でどんどんローテーションを回していく!

とはいえ、やはり疲れてくると小集団もうまく機能せず、しばらくして自然解散。疲れてるときにそんな色々考えられないですわ。悔しい…。

クリテリウム

そして迎えた、クリテリウム。レースが終わるたびにコーチがフィードバックをくれるというありがたいシステム。

1回目のレース後にコーチから全体に向けて、「ラインがまだまだずれていて無駄の多い走りをしている。途中まではきれいに走ることを心がけて脚を貯めないと勝てないぞ。」と熱いフィードバックを頂きました。

それを踏まえ、2回目は途中まできれいに走ることを意識。レース後、コーチからとても良くなったとお褒めの言葉を頂きました。生徒の皆さんもだいぶ楽に走れた、とその効果を実感した様子。すぐにフィードバックをもらい、すぐに試す機会があると、成長も早いですね。

クリテリウムの様子(私はちぎれている)
クリテリウムの様子(私はちぎれている)

ちなみにエンデューロと比べて描写があっさりしているのは、私が早々に集団からちぎれたため、レース展開等がわからなかったからだったりします。

しかし、アシスタントコーチが前について引っ張ってくれたので、ライン取りの練習はでき、とても改善しました。お心遣い、ありがたい…。

クリテリウム表彰式の模様
クリテリウム表彰式の模様

結論、勉強とスポーツは学びの過程がちょっと違う

いやぁ、なんやかんやとても勉強になるスクールでした。もちろんお世辞とかではなくて。

冒頭でも少し書きましたが、私は勉強は人から教わるより一人で参考書を読んでやる派だったので、正直今回のスクールには「集団走行の本ないし、しゃーなしだな」くらいの気持ちで行ったんですが、スポーツに関しては人に教わった方が効率が良いな、と感じました。

勉強は一人でやる方が効率が良いんです。というのも、必要なものは「知識」であり、それは本を読めば習得できるから。わざわざ人に聞くのは時間効率が悪いんですよね。

しかし、スポーツは「知識」より「感覚」が必要ですね。「感覚」とは、重心をどの辺に置くかとか、集団内で交代するときはどれくらいパワーを緩めるかとか。

そうした「感覚」は、実際に人がやっているところを見たり、自分がやっているところを見てもらってフィードバックをもらったりした方が身につくのが速いですね。

今後は、集団走行スキルをはじめとした様々なスキルを高めるために、今回のサイクルスクールのような人から学ぶ機会を積極的に利用していきたいなと思いました。

まぁ、来月のツール・ド・おきなわに間に合う気はしないですが…。

というか集団からちぎれすぎですね…。並行してトレーニングももっと頑張ろう…。

*安藤隼人さんプロフィール
株)スマートコーチング代表 自転車プロコーチ
鹿屋体育大学自転車競技部元主将。ロード・トラック競技のオリンピック選手から一般サイクリストまで幅広いクライアントをコーチングする。 一般サイクリストへの自転車安全走行の啓発や自動車学校を使ったサイクルスクールも主催し、誰もが楽しめるサイクルライフ拡大に尽力している。

LINK:スマートコーチング

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

あわせて読みたい!

アバター画像

WRITTEN BY大島拓司

リレー式トライアスロンにスイム担当として出場した時に、「ロードバイクカッケェ!!」と思ってしまったのをきっかけにロードバイクに乗り始め、ツール・ド・おきなわを目指す。他にはドラムと麻雀が好き。一応東大生。

他の記事も読む

pagetop