2022年最新グラベルロード厳選9台!今年は「こんなモデルが欲しかった」が見つかるぞ
いまフィットネスの分野で自転車がアツい。ジムに通わず手軽に運動ができて、通勤通学で始めようという人も多い昨今、もしかすると2022年はロードバイクの年になるかもしれません。
中でもここ数年のホットなトレンドと言えば、そう、グラベルロードです! “2022年に買うべき9モデル” をチェックしましょう!
目次
グラベルロードの多角化で魅力的な新モデルが続々登場
グラベル (= 砂利道)を走るために設計されたロードバイク、グラベルロードをご存じでしょうか?
もとはアメリカで生まれたカテゴリですが、日本でもここ数年で大きなムーブメントを巻き起こしつつあり、自転車ショップの店頭展示でもすっかり見慣れた姿になってきました。
しばらくは「タイヤが太いだけのロードバイク」のイメージもあってか、すでにロードバイクを1台持っている人の目にはあまり魅力的に映ってこなかったかもしれません。
しかしここ近年、「MTBのような耐ショック性能重視のグラベルロード」や、「悪路をより速く駆け抜けるためのグラベルロード」など、各メーカーの特色がより色濃くなってきており、グラベルロード市場はかつてない盛り上がりを見せています。
たとえばエアロロードで名高いサーヴェロが展開するÁspero。風を切り裂くエアロロードならぬ、“土を切り裂く“ ハイスピードグラベルロードです。
一見するとエアロロードバイクのようなチューブ形状が特徴的で、荒れた舗装路では無類の強さを誇ります。上記「Áspero-5」は、従来のÁsperoよりさらに軽く、より速くなったトップグレードのグラベルレーシングバイクです。
>> Áspero GRX RX815 Di2 完成車(2022~)
さまざまなモデルが出揃ってきた2022年は、あなたの「こんなグラベルロードが欲しかった」に応えるモデルがきっと見つかるはず!
>> 初心者にこそグラベルロードがハマる4つの理由とは?
2022年のおすすめモデルを厳選しました
予算とスキルに合わせて、3つのランク分けて合計9モデルをピックアップしました。
※紹介モデルのパーツ・仕様等は予告なく変更になる場合があります
初めての1台に。定番グラベルバイク3選
まずはエントリーグレードからミドルグレードまでの3台をピックアップ。
汎用性の高いグラベルロードは、最初の一台を探しているビギナーにもおすすめです。
37cの太いタイヤで走る気持ちよさを体験! お手頃価格のGT・グレード
- 価格: 129,800円 (税込)
- カラー:バーガンディ
- フレーム:アルミ
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:シマノ・Claris / 機械式ディスクブレーキ
- サイズ:44 / 48 / 51 / 55
- 重量:-
「トリプルトライアングル」フレームが特徴的な定番グラベルロードです。
GT・GRADEはラインナップが細かく5つに分かれており、GRADE ALLOY ELITEはエントリークラスにあたるアルミフレームモデルです。
一般的なロードバイクのタイヤの太さは23c〜28cですが、このGRADEは最初から37cの極太なタイヤがついてくるので、太いタイヤならではの踏破性を買ってすぐにでも味わえます。
そのままグラベルに突入するもよし、通勤通学の街乗りに使うもよしのお買い得な一台です。
まるでマウンテンバイクのような乗り心地!MERIDA・サイレックス
- 価格: 147,400円 (税込)
- カラー:オレンジ / シルクバーガンディレッド
- フレーム:アルミ
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:シマノ・Claris / 機械式ディスクブレーキ
- サイズ:44 / 47 / 50 / 53
- 重量:-
かなりアップライトなジオメトリで有名なグラベルロードがこのSILEX。
短いステムと長いトップチューブの組み合わせはマウンテンバイク譲りのジオメトリで、クイックなハンドリングが好みの人にとってはたまらない操縦感です。
相対的にハンドルが低く体に近いため、下ハンドルが握りやすいのもグラベルに◎
フレームバッグの装着を想定したワイドなフレーム形状をしているので、バイクパッキングで沢山の荷物を詰め込む用途にも夢が広がります。
▶MERIDAの最新バイクをもっと見る
まさにオールラウンダー。バイクパッキングならTREK・チェックポイントで決まり!
Checkpoint ALR 5(TREK)
- 価格: 269,500円(税込)
- カラー:ホワイト
- フレーム:アルミ
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:シマノ・GRX810 / 油圧式ディスクブレーキ
- サイズ:49 / 52 / 54 / 56 / 58
- 重量:9.75 kg
Checkpointは今年SLR・SL・ALRのすべてでフルモデルチェンジ(リリース記事)。
このALRは、上位のカーボンモデルと同じフレーム形状に生まれ変わりました。※SLRとSLに追加されたダウンチューブ内ストレージはなし
TREKのバイクは拡張性の高さで有名ですが、このチェックポイントはその恩恵を最も受けられるシリーズと言えます。
純正パーツ・BONTRAGERのライト、フェンダー、ステムシステムを組み込めるほか、同時開発されたフレームバッグ類を完璧に装備した最強のマイバイクを作れちゃいます。
バイクパッキングの快適なライドのためには、バッグとフレームのサイズ合わせや固定具の調整などがとても重要となりますが、専用設計の拡張パーツはそれらを考える必要がなく、まさに鬼に金棒です。
とりあえずこのモデルを選んでおけばグラベルロードでやりたいことはだいたいできる。そんな高いレベルの一台に仕上がっています。
>> トレックの2022年モデルをすべて見る
▼2022年はCheckpointのフルモデルチェンジイヤー!
大注目の新型モデル3選! これが大手の本気か……!
続いて紹介するのは、2022のグラベルロード界を盛り上げる立役者になるであろう気鋭の3モデルです。
プロレーサー向けの機材ブランドとして有名な3社ですが、グラベルロードに関してはそれぞれ「尖った」性能を全面に打ち出した仕様になっているのも面白いポイントです。
フロントサスペンションで未知のロードバイク体験。CANYON・グリズル
Grizl 7 Suspension (CANYON)
- 価格: 229,000円 (税別、別途要送料)
- カラー:Matcha、Grape
- フレーム:アルミ
- フォーク:サスペンションフォーク
- メインコンポーネント:シマノ・GRX810 / 油圧式ディスクブレーキ
- サイズ:S / M
- 重量:11.24 kg
販売方法が公式ホームページのネット注文のみ、という風変わりなブランドとして有名なCANYONの新モデルがこのグリズルです。
すでに「二階建てハンドル」のグラベルロード・Grailがラインナップされていましたが、こちらはさらに太いタイヤ・よりオフロード向きのフレーム形状を採用しています。
そして一番の特徴はなんと言っても、フロントフォークにサスペンション搭載Ver.(アルミ・カーボン両モデル)が選べるところです。
サスペンションのトラベルは最大30mmと必要十分で、手の痺れや腕の疲労に悩まされていたグラベルライダーにとって垂涎の一品です。
LINK: Grizl 7 Suspension
“地面に吸い付く” 最強格の乗り心地をこの価格で。Cannondale・トップストーン
Topstone Carbon 6 (Cannondale)
- 価格: 286,000円 (税込)
- カラー:アビスブルー / ビートルグリーン
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:シマノ・GRX400 / 油圧式ディスクブレーキ
- サイズ:XS / SM / MD / LG
- 重量:- kg
Topstoneはリア三角に小型サスペンション・キングピンを搭載したフルカーボンのグラベルロードです。
この機構はライダーからの非常に評価が高く、「サスペンションなのに力が逃げている感じがしない」「それでいて突き上げの衝撃は吸収してくれる」など程よいバランスで設計されています。
また剛性の高さも優秀で、オンロードでダンシングするようなハイスピードライドであっても、高い反応性と力強い伸びを返してくれるほどです。
加えてハンドルは強めのフレア形状をしており、グラベルを下る際にはハンドリング・ブレーキングの安定に一役買ってくれることでしょう。
>> キャノンデールの2022年コレクションをすべて見る
“世界最軽量” のグラベルバイクの実力はいかに。Specialized・クラックス
Crux Comp (SPECIALIZED)
- 価格: 495,000円 (税込)
- カラー:グロスアークティックブルー
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:スラム・Rival 1 / 油圧式ディスクブレーキ
- サイズ:49 / 52 / 54 / 56
- 重量:8.5 kg
ロードバイク界の雄・スペシャライズドの最新グラベルバイクとして生まれ変わった新型 Cruxは軽さで勝負。
最上位モデルの完成車重量は驚きの7.25 kgと他の追随を許しません。下位グレードでも8kg台であり、ピュアレーシングモデルのロードバイクと大差ない軽量さを備えています。
今年から同社のグラベルロード・Divergeに加わるもう一つのグラベルロードになったCruxですが、元々のCXバイクとしての長所を色濃く受け継いでいるため、高い反応性が生かせるハイスピードなグラベルライドに向いています。
それでいてタイヤクリアランスはDivergeと同じ47cまでOKと、レースからアクティビティまで幅広い活躍が期待できる一台に仕上がっています。(リリースはこちら)
LINK: CRUX COMP
ベテランにこそ乗ってほしい、今までと一味違うグラベルロードの世界・3選
最後はあこがれのハイエンドなバイクたちをご紹介します。
このランクになるとどれもロードバイク譲りの軽量なカーボンフレームで組まれているので、グラベルレースのほか、ある程度の上り坂や舗装路もガンガン走っていけるモデルに仕上がっています。
グラベルをメインにしていない人であっても、2台目や3台目のロードバイクとして購入したくなるかもしれません!
軽くて速くて美しいグラベルロードならこれ。LOOK・765グラベル
- 価格: 462,000円 (税込)
- カラー:グリーンマット
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:シマノ・GRX600 / 油圧式ディスクブレーキ
- サイズ:XS / S / M / L / XL
- 重量:9.1 kg
ようやく前年度から日本でも取扱いが始まったLOOKのグラベルバイクです。765 Gravelは上位モデル(RS)からカーボンのグレードを落とすことで、比較的価格の抑えられた1台。お手頃にLOOKの完成車が手に入ります。
LOOKのエンデュランス系バイク特有の左右非対称なチェーンステーも健在で、レーシーな見た目を残しつつ40mmのタイヤクリアランスとトップチューブ上・ダウンチューブ下のボトルケージ穴を備えており、カスタムしがいのあるバイクに仕上がっています。
ホイールを変えればそのままオンロードでロードバイクとしても使えそうなジオメトリです。
>> 765 Gravel(フレームセット)をワイズロードで見る
ピュア・グラベルレーシングマシンでライバルに勝つ!Cannondale・スーパーシックス エボ SE
SUPERSIX EVO SE (Cannondale)
- 価格: 528,000円 (税込)
- カラー:クールミント
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:スラム・Rival etap AXS / 油圧式ディスクブレーキ
- サイズ:46 / 51 / 54
- 重量:- kg
前段で紹介したTopstoneとはまた異なった方向性で作られたもう一台のグラベルロードがSUPERSIX EVO SE。
あちらは「グラベルロードをロードバイクに近づけたバイク」で、こちらは「ロードバイクをグラベルロードに近づけたバイク」と解釈するのが分かりやすいかと思います。
フレームの形状もほぼSUPERSIX EVOを踏襲しつつ、タイヤクリアランスは45mmまで広がっており、泥抜けを意識したレースバイクの位置付けです。
なおコンポーネントはまだまだ品薄のSRAMの新型電動無線変速・Rival。
12速クロスレシオの力を遺憾無く発揮できる最良の一台でしょう。(リリース記事はこちら)
新作グラベルロードはほとんどCXバイク? 俊敏なアタック性能を持つBianchi・インプルソプロ
IMPLUSO PRO (Bianch)
- 価格: 605,000円 (税込)
- カラー:CK16アクアマリン / セージ エスケープ
- フレーム:カーボン
- フォーク:カーボン
- メインコンポーネント:シマノ・GRX600 / 油圧式ディスクブレーキ
- サイズ:48 / 50 / 52 / 54 / 56 / 58
- 重量:- kg
Bianchiのグラベルロードといえば、個性的なフレームデザインで話題を呼んだARCADEXが2021年に登場したばかりですが、さらに今年も新たに1台追加されました。
比較すると、2モデルはBBの高さやホイールベース長が全く異なっており、IMPLUSO PROに関しては、ほぼシクロクロスバイクのような設計が浮かび上がってきます。
タイヤ幅も最大37mmと控えめで、グラベルレースやCXレースを見越して高速域の反応性を最優先に作られています。
今後こうしたグラベルレーサーが各社から発売されていくのかもしれません。
>> ビアンキの2022年モデルをすべて見る
新作ラッシュが止まらない!グラベルロードの流行りに乗ってみよう
2020年から2021年にかけてたくさんのブランド・メーカーからさまざまなグラベルロードが登場しました!
加えて今年は、これまでと比べると各社の特色やモデルごとに目指す姿がかなりはっきりしてきたように感じます。
別に欲しくはないなと今まで思っていたかもしれないアナタも、これだけ多種多様で「面白いヤツだらけ」のグラベルロードの世界を知ってしまったら、もうすでに欲しくなってきてしまっていませんか? グラベルロードは初めての1台にもおすすめのカテゴリでありながら、2台目、3台目以降のベテランにも尽きない魅力を提供し続けてくれるホットな存在でもあると言えそうです。
あなたにハマる1台、探してみてください。
>> グラベルロードの楽しみ方をもっと知る!
>> 2021年モデル特集はこちら。シマノのGRX・カンパのEKARについても解説しています。
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WRITTEN BY山本 一輝
ロードバイク、クロスバイク、ミニベロロード、MTB、ランドナー、グラベルロードなど幅広いジャンルの自転車に触れてきた経験から、「読むロードバイク。”WithGrail” ウィズグレイル」ブログを運営。主に機材レビューや整備方法などをまとめています。 北海道から沖縄まで大体のところは周ってしまったので、次は海外ツーリングの記事化を考えていたりいなかったり。