ガーミンの新作サイコン「Edge 1040」と「Edge Explore 2」をレビュー!

GARMINの新作サイコン「Edge 1040」と「Edge Explore 2」

サイクリスト憧れのブランド、Garmin。高機能なサイクルコンピューターをはじめとして、パワーメーターやスマートトレーナーなど幅広いラインナップを誇る。

今回は、そんなGarminの主力サイクル製品を取材した。2022年6月にリリースされたサイコン「 Edge 1040」シリーズや、2022年9月にリリースされたばかりの「 Edge Explore 2」シリーズについても、たっぷりとお伝えする。

やはり気になるのは「Edge Explore 2」シリーズ

「Edge Explore 2」
「Edge Explore 2」の価格は52,800円(税込)。「Edge 530(本体のみ)」と全く同じ値段だ

2022年9月にリリースされたばかりのサイクルコンピューター、「Edge Explore 2」シリーズ。

GarminのEdgeシリーズといえば、「Edge + 数字」のパターンが多かったが、今回は全く違った。「Edge Explore 2」はどういったコンセプトのサイコンで、どのようなライダーがターゲットなのだろうか?

Garmin Edgeシリーズの軌跡

Garminサイクルコンピューターの軌跡
Image:Garmin

「Edge Explore 2」は、旅ライドのためのサイコン

Edge Explore 2

結論から言うと、 「Edge Explore 2」シリーズは旅する人やレジャー向けのサイコンだ。レースにガンガン出る人やパワートレーニングガチ勢はメインターゲットではない。「Edge Explore 2」シリーズは、ClimbProなどの標準的なトレーニング機能は備えるが、他Edgeシリーズにあるような高度なトレーニング機能は備えず、マップ・ナビ機能に重きを置く。

マップをよく見ると、セブン-イレブンやトイレまで表示されている
マップをよく見ると、セブン-イレブンやトイレまで表示されている

「今までスマートフォンを使ってライドしていた人に、Edge Explore 2シリーズを使って欲しい」と、ガーミンジャパンの川口明夫さんは話す。

スマホではバッテリーが持たない、直射日光で見えにくいというシティサイクリストの悩みに応えて発売されたのが、「Edge Explore 2」シリーズだ。

バッテリー稼働時間は約16時間

「Edge Explore 2」シリーズのバッテリー稼働時間

旅をするには、バッテリー性能も重要だ。「Edge Explore 2」シリーズのバッテリー稼働時間は 約16時間(バッテリーセーブモードだと約24時間)。上位モデルと比べるとやや劣るものの、旅をするには十分な性能だろう。

「Edge Explore 2」と「Edge Explore 2 Power」の違い

ラインナップを見ると、「Edge Explore 2」と「Edge Explore 2 Power」がある。2つの違いは何なのだろう?

「Edge Explore 2 Power」はe-bikeに対応するモデルで、自転車のバッテリーと接続し充電しながら使用できる。「Edge Explore 2」は通常モデルだ。

左が「Edge Explore 2 Power」。裏に充電用の金属端子(5つある金色の点)が付いている。右は「Edge Explore 2」
左が「Edge Explore 2 Power」。裏に充電用の金属端子(5つある金色の点)が付いている。右は「Edge Explore 2」

買い or 見送り

旅するサイクリスト向けのサイコン、「Edge Explore 2 」シリーズは買いか見送りか?

「Edge Explore 2 」シリーズは、買いか見送りか?

筆者の結論は「買い」だ。

機能・デザインには文句の付けようがない。あんなに綺麗なマップを見たら誰でも欲しくなる。「Edge Explore 2」の値段は52,800円(税込)とそれなりにするので、「即買い!」とまでは言えないが、買う価値はある。

筆者が初めてマップ・ナビ機能付きのサイコンを買った時、ケチって安いのを買った。曲がるところがある程度分かればそれでいいんだ!と思って買ったが、結構使いにくくストレスフルだ。

安いサイコンを買って見にくいマップにストレスを感じるくらいなら、少しお金を出してサクサク動いてフルカラーマップ搭載の「Edge Explore 2」を買った方が幸せになれるというのが筆者の結論だ。

最上位モデル「Edge 1040」シリーズ

「Edge 1040」シリーズ

次は、 Garmin Edgeシリーズの最高峰である「Edge 1040」シリーズを見ていこう。2022年6月に一世代前の「Edge 1030 Plus」がアップデートされ、新たに「Edge 1040」シリーズが誕生した。

前作の「Edge 1030」インプレ記事はこちら▼

ソーラーモデルに注目!

ソーラーモデル

ラインナップには、「Edge 1040 Solar」と「Edge 1040」がある。前者はソーラー充電モデルで、Power Glassソーラー充電レンズによりバッテリー稼働時間を伸ばす。

バッテリー稼働時間は、通常モデルでも約35時間と驚異の長さだが、ソーラー充電モデルは35時間+ソーラー充電10時間(※)で約45時間だ。

(※)屋外にて75,000ルクスの条件下で使用した場合

充実のトレーニング機能

ディスプレイに表示されているのは、ClimbPro機能
ディスプレイに表示されているのは、ClimbPro機能

最上位モデル「Edge 1040」シリーズのターゲットは、トレーニングを熱心に行うライダーだ。トレーニング機能は驚くほど豊富。ClimbPro機能、FTP算出機能、リアルタイムスタミナなどが利用できる。

頂点を目指すライダーには、「Edge 1040」シリーズがぴったりだ

「Edge Explore 2」と「Edge 1040 Solar」を比較

前述したように、「Edge Explore 2」シリーズと「Edge 1040」シリーズはターゲットが異なる。そのため比較してもあまり意味はないかもしれないが、一応比較しておく。

大きさ

「Edge Explore 2」と「Edge 1040 Solar」を比較

左が「Edge Explore 2」、右が「Edge 1040 Solar」だ。ご覧の通り「Edge 1040 Solar」の方が大きい。

スペック表を見ると、縦の長さは1.36cm違う。

「Edge Explore 2」シリーズ「Edge 1040」シリーズ
W58.0×H104.0×D21.0(mm)W59.3×H117.6×D20.0(mm)

厚み

「Edge Explore 2」と「Edge 1040 Solar」を比較

左が「Edge Explore 2」、右が「Edge 1040 Solar」だ。左の「Edge Explore 2」の方が、僅かに厚みがある。スペック表を見ると、厚みの違いは1mmだ。

マップ、画面

「Edge Explore 2」と「Edge 1040 Solar」を比較

左が「Edge Explore 2」、右が「Edge 1040 Solar」で、 どちらもタッチスクリーンだ。

サイコンの内蔵地図も同じものを採用している。無料のOSM(OpenStreetMap)ではなく、昭文社のマップを使用するのが、Garminのこだわりだ。上の画像を見ると分かるが、セブン-イレブンやトイレまで表示されている。

価格

Edge Explore 2Edge Explore 2 PowerEdge 1040 SolarEdge 1040
52,800円60,800円109,800円99,800円
※価格はすべて税込

Garminのパワーメーターってどうなの?

Garminのパワーメーター

今回はサイコンだけでなく、Garminのパワーメーターも取材した。

パワーメーターは様々なメーカーから販売されている。筆者は他社製のパワーメーターを使っているが、今回Garminを取材して少し後悔した。

なんとGarminのペダル型パワーメーター「Rally」は、 ペダリングの解析ができるという。

  • どこから踏み始めているか、どこで踏み終わったか
  • ペダル面に対し、かかっている踏圧
  • トルク効率

などがリアルタイムで表示されるのだ。

Garminのサイクルコンピューターにペダリング情報を表示させる
Garminのサイクルコンピューターにペダリング情報を表示させる

一般的なパワーメーターだと、ワット数しか分からない。ペダリング効率が表示されるものもあるが、〇〇%と表示されるだけだ。筆者が持っているパワーメーターも、現在どういうペダリングをしているかまでは分からない。

その意味では、Garminのパワーメーター「Rally」は、かなり魅力的だ。

電池交換式は人によって評価が分かれそう

充電が切れたら、電池と六角レンチ一本で交換できる。
充電が切れたら、電池と六角レンチ一本で交換できる

Garminのペダル型パワーメーターは、充電式ではなく電池交換式だ。この点については、人によって評価が分かれそうだ。「電池交換式は交換する度に電池代がかかるし交換が面倒」という意見もあれば、「電池交換式の方が充電式よりバッテリーが長持ちするし劣化しない」という意見もある。充電式と電池交換式のどちらが優れているのか論争は、ネット上でも度々見られ、はっきりした結論は未だ出ていない。

これが本当の”スマート”トレーナー

Tacx NEO 2T Smart
Tacx NEO 2T Smart

Garminのサイコン、パワーメーターと紹介してきたが、最後はスマートトレーナーだ。TACXがGarminの傘下になり、2020年に日本での販売を開始した。

そもそもスマートトレーナーってなに?▼

最上位モデル、Tacx NEO 2T Smartに試乗した感想

Tacx NEO 2T Smart

静粛性と実走感に定評のあるTacx NEO 2T Smart。インドアトレーナーTacxのフラッグシップモデルで、価格は220,000円(税込)だ。

乗ってみて一番最初に思ったのは、「あれ、スマトレってこんなリアルだっけ?

車体後部が固定されているので、もう少し窮屈な乗り心地を想像していた。どうやら秘密は、スマトレの下にあるらしい。

Tacx NEO モーションプレート

Tacx NEO 2T Smartには、Tacx NEO モーションプレートという前後に動く台座が取り付けられる。このモーションプレートが実走感を高めているようだ。

取り付けは簡単で、マグネットでスマートかつ安全に取り付けられる。

Tacx NEO 2T Smart
Tacx NEO 2T Smartを後ろから

モーションプレートを付けても、このスマートさ。

ガチヒルクライマーには、やや物足りないか

静粛性、実走感ともに不満はまったくない。ただ、もしかしたらガチヒルクライマーにとっては物足りないと思うかもしれない。

というのも、勾配によってググっとバイクの角度が変化するアイテムを出すメーカーが他にあるからだ。よりリアルなヒルクライムを味わいたいなら、Garminのスマートトレーナーは一番手の選択肢にはならないかもしれない。

坂での臨場感は、若干足りないか
坂での臨場感は、若干足りないか

坂での臨場感は少し分が悪いが、Tacx NEO 2T Smartは路面状況を忠実に再現する。石畳区間に入ると、ガタガタと本格的に揺れる。石畳での臨場感は、どこのスマトレにも負けない!

まとめ

サイクリストなら誰もが憧れるGarminのサイクル製品。とにかく高機能で、とびきりおしゃれで、ちょっとお高い。

今まではガチ勢が使うものというイメージがあったが、「Edge Explore 2」シリーズのようにライトな使い方にも合う製品が販売されるようになった。Garmin愛用者は、これからもまだまだ増えそうだ。

Garminウォッチの記事はこちら▼

LINK:Garmin

>> ミドルグレードの『エッジ・840/540』の2023年新作と、同じく春の新作ブライトン『ライダー750SE』との比較記事もチェック!

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WRITTEN BYカオコバヤシ

東京在住大学生。大学の自転車サークルに所属し、ロングライドやヒルクライムを楽しむ。特に荒川CRが好き。現在の愛車はGIANT TCR。好きな選手はユンボヴィスマのプリモシュ・ログリッチ。

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