【長距離もラクに】エンデュランスロードバイクの特徴とおすすめ10選【ずっと快適】

ロードバイクの軽快でスピード感ある走りには憧れるけど、レースに出るような本格的な走り方は敷居が高い。週末のサイクリングで遠くまで行ってみたいけど、できれば疲労や体へのダメージは最小限にしたい。そういう人にとって最適な自転車が「エンデュランスロードバイク(以下エンデュランスロード)」です。

エンデュランスロードの特徴とは? どんな人に適しているの? 最新モデル10台とあわせてしっかり解説します。

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エンデュランスロードとは?

Image: KhodaaBloom

「エンデュランス(endurance)」とは耐久性、持久力、忍耐、我慢などの意味があります。しかし自転車の世界でエンデュランスロードというと、けっして我慢や忍耐を強いる走り方を求められるのではありません。

レースで好成績を目指すために開発されたピュアロードバイク(以下ピュアロード)とは異なり、長距離、長時間のサイクリングも快適に走れるように設計されたロードバイクのことで、コンフォートロードバイクと呼ばれることもあります。

エンデュランスロードが生まれた理由

Image: Specialized

エンデュランスロードの先駆けといえるスペシャライズドの「ルーベ」は、もともと「パリ〜ルーベ」と呼ばれる石畳区間を走るレースで、石畳の衝撃から選手の疲労を軽減するために生まれました。実際、戦績も素晴らしく、その登場から15年の間に7度のパリ〜ルーベで優勝。現在にいたるまで、各社から同様のエンデュランスモデルが実践投入され活躍しています。

エンデュランスロードの特徴

ここからは何をもって「エンデュランスロード」と呼ばれるのかを見ていきます。コンフォート仕様とはどのあたりを指すのでしょうか?

フレーム設計

アップライトなポジションがとれるようにヘッドチューブが長く、さらに直進安定性のためにホイールベースも長めに設計されている
Image: MERIDA

エンデュランスロードのフレームの特徴としては、ヘッドチューブと呼ばれるフロントフォークの上のパイプ部分がピュアロードよりも長めハンドルが高めに位置するため、上半身を深く前傾しなくても乗りやすくなっています。ピュアロードでもヘッド部分にスペーサーを入れてハンドルを高くし、前傾姿勢を浅くすることができるものの、バランスが悪くなりハンドリングに多少の影響が出ることも。

ヘッドチューブから後方に延びるトップチューブは、ピュアロードより短めでハンドルに手が届きやすくなっています。またピュアロードに多いホリゾンタル(水平)ではなく、スローピングと呼ばれる後方に向かって傾斜しているものがほとんどで、長めに露出するシートポストのしなりを利用して振動を吸収するモデルもあります。その他にもシートステーを細くしたりと、振動吸収性を高める形状や素材が選択されています。

さらに、ヘッドチューブやフロントフォークをやや倒し気味の角度にして、ホイールベース(前後輪の車軸間の距離)を長くし、直進安定性も高めているモデルも多いです。

エンデュランスロード特有の機能

快適性を高めるため、各ブランドは独自の技術をエンデュランスロードに盛り込んでいます。代表的なものをいくつか紹介しましょう。

スペシャライズドの「フューチャーショック」

新型ルーベSL8のフューチャーショック。もっともソフトな調整だとここまでサスペンションが効く

ステムとヘッドチューブの間に設けられたサスペンションシステム。最大20mmの可動域があり、振動を吸収しつつ、重量やハンドリングへの影響を最小限にしています。

ジャイアントの「D-フューズテクノロジー」

Image: GIANT

シートポストやハンドルバーなどのパイプをD字型断面にすることで、一方向により大きなしなりを生み出すのが、ジャイアントのD-FUSE(D-フューズ)です。重量増もほとんどなく、エンデュランスロード以外でも多く採用されています。

太めのタイヤを採用

以前から25~28mm幅とピュアロードよりやや太めのタイヤを履くことが多かったエンデュランスロードですが、ディスクブレーキが普及してきた近年、従来のリムブレーキではキャリパーの大きさによって制限されていたタイヤ幅がさらに太くなりました。

最大38mmタイヤを装着できるタイヤクリアランスをもつトレックのドマーネSLR
Image: TREK

今や多くのエンデュランスロードが完成車で30~32mm幅のタイヤを履くようになり、乗り心地の向上にも貢献しています。タイヤクリアランスも35~38mmまで広がり、グラベルロード用のオフロードタイヤも履けるようになりました。エンデュランスロードでもタイヤ交換すればグラベル走行できるという使い道の幅も広がっています。

エンデュランスロードはこんな人にピッタリ!

レースよりも、サイクリング、ツーリングを楽しみたい人向けのロードバイクです。通勤・通学にも使えますし、荷物を積んだり、タイヤを履き替えたりといった拡張性もあり、グラベルライドやキャンプツーリングを楽しむこともできます。順位を競わないロングライドやグランフォンドなどのイベントに参加するときも、頼れる相棒となるでしょう。

とはいえ、エンデュランスロードだからレースに出てはいけない、ということではありません。レベルの高いレースで上位を目指すならピュアロードが有利かもしれませんが、例えばヒルクライムなら空気抵抗もあまり関係なく、一定ペースをキープしやすいのでエンデュランスロードのマイナス要素が少なくなります。

つまりエンデュランスロードとは、快適なツーリングから脚試しのレース出場までカバーできる、オールマイティな選択肢といえるでしょう。

おすすめのエンデュランスロード10選

エンデュランスロードが気になってきたところで、実際におすすめのモデルを10台紹介します。予算にあわせてチョイスしてください。

10万円台で購入できるエンデュランスロード

キャノンデール シナプス3:快適性を高めるフレックスゾーンとフルカーボンフォークを採用

Image: cannondale

キャノンデールのエンデュランスロード「シナプス・カーボン」の特徴を引き継いだアルミフレームモデル。フレックスゾーンと呼ばれる快適性を向上させるテクノロジーが盛り込まれ、チェーンステーの一部を水平に潰すなどの工夫が図られています。コラムまでカーボン化したフルカーボンフロントフォークも、軽量化と振動吸収性の向上に貢献しています。

コンポーネントはシマノ・ソラ(2ⅹ9速)で、機械式ディスクブレーキを採用。タイヤクリアランスは35mm幅まで対応し、フェンダーも取り付け可能。拡張性を高めるダボ穴も各所にあり、グラベルロードのようにも使えます。前後ライトとリアレーダーを連動させるキャノンデール独自のシステム「SmartSense(スマートセンス)」も後付けできます。

フレーム素材アルミ
メインコンポーネントシマノ・ソラ
カラーSmoke Black、Laguna Yellow
サイズ48、51、54cm
重量
税込価格160,000円

LINK: Cannondale

トレック ドマーネAL2 Gen4:ケーブル内装で高級感ある外観。フレアハンドルで初心者でも扱いやすい

Image: TREK

トレックのエンデュランスロード「ドマーネ」の中でもアルミフレームを採用し、10万円台半ばの価格に抑えたリーズナブルな1台。この価格帯では珍しくケーブルは内装式で、すっきりした外観と空力の向上を実現しています。フロントフォークは衝撃吸収性の高いカーボン製で、前作のドマーネALディスクから約220g削減しています。

コンポーネントはシマノ・クラリス(2×8速)で、機械式ディスクブレーキを装備。またドロップ部分が4cm外側に膨らんでいるフレアハンドルを採用し、ロードバイクに不慣れな人でも握りやすくなっています。

各所にバッグ、キャリア、フェンダー用のダボ穴を備え、最大タイヤサイズも 38mm (フェンダーなし)、35mm (フェンダーあり)と大きいことから、オフロードタイヤを履いてグラベルロード的な走り方も可能です。

フレーム素材アルミ
メインコンポーネントシマノ・クラリス
カラーCrimson to Dark Carmine Fade、Plasma Grey Pearl、Matte Lithium Grey
サイズ44、49、52、54、56、58cm
重量10.55 kg
税込価格164,890円

LINK: TREK

20万円〜30万円台のエンデュランスロード

キャニオン エンデュレースCF6:20万円台で買えるカーボン完成車! ロングライド向けのジオメトリー

Image: canyon

カーボンフレームの完成車としては、国内市場で最安値といっても良いであろう1台。メーカー直販サイトのみの販売で、流通コストを抑えたキャニオンならではの価格設定です。

最上位モデルの「エンデュレースCFR」と同設計のジオメトリーにより、背中や肩の負担が軽いロングライドポジションをとることが可能。シートポストは、振動吸収性に優れたキャニオン独自の「SP0057 VCLS」。半内装ケーブルやハンドルバーとステムを一体化したカーボン製エアロコクピットも採用し、スピードや俊敏性も妥協していません。

コンポーネントはフロントディレーラーのみ105、それ以外はティアグラでまとめた2×10速で、ブレーキは油圧ディスク。タイヤは35mm幅まで装着可能で、トップチューブにはバッグなどを固定できるダボ穴を備えています。

フレーム素材カーボン
メインコンポーネントシマノ・ティアグラ
カラーStealth、Slate
サイズ3XS、2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
重量9.18 kg
税込価格249,000円

LINK: CANYON

コーダーブルーム ファーナ・ディスク105:小柄な人でも乗りやすい 105フル装備

Image: KhodaaBloom

日本ブランドのコーナーブルームならではの、細かい配慮が行き届いた1台。軽量高剛性なトリプルバテッドパイプを採用したアルミフレームは、小柄で手足が短めな日本人に合わせた設計です。

さらに、日本人の手でも握りやすいコンパクトハンドルとショートリーチブレーキレバーも採用。身長140cm台のサイクリストでも最適なポジションがとれるようになっています。

その他、フルカーボンフロントフォークで軽量化と快適性も実現。コンポーネントはシマノのミドルグレード105(R7000シリーズ・2×11速)をフル装備。ブレーキは油圧ディスクで、握力の弱い人でも高い制動力を発揮します。

フレーム素材アルミ
メインコンポーネントシマノ・105
カラーマットブルー 
サイズ395mm、430mm、465mm、500mm
重量9.0kg(500mm)
税込価格249,700円

LINK: Khodaabloom

フェルト VR40:オン・オフこなすオールラウンダー 独自のフレーム設計

Image: FELT

フェルトのエンデュランスロード「VR」シリーズのアルミフレームモデル。タイヤクリアランスは最大35㎜幅で、グラベルタイヤを履くこともでき、オンロード、オフロード問わずこれ1台であらゆるライディングに対応できます。

フレームの特徴としては左右のシートステーを繋ぐブリッジを廃し、シートチューブとの接触点を最小限にして、トップチューブと一体化したデザインに。これにより振動吸収性と路面追従性が向上。フォークはカーボン製で、わずかに寝かせたヘッドアングルとロングホイールベースにより直進安定性を高めています。コンポーネントはシマノ・ティアグラ(2×10速)をフル装備し、ブレーキは油圧ディスクです。

フレーム素材カーボン
メインコンポーネントシマノ・ティアグラ
カラーグロスクローバー/ブラック
サイズ43、47、51、54、56cm
重量
税込価格275,000円

LINK: FELT

30万円〜50万円台のエンデュランスロード

メリダ スクルトゥーラ・エンデュランス4000:ピュアロードから進化 ディスククーラーで安定した制動力

Image: MERIDA

ピュアロードの「スクルトゥーラ」をベースに、快適性を高めるジオメトリーに変更した「スクルトゥ―ラ・エンデュランス」シリーズ。長いヘッドチューブを採用したCF3 カーボンフレームにより、リラックスしたポジションを実現しています。

コンポーネントは、リーズナブルな価格ながら安定した性能を発揮する機械式の新型シマノ・105(2×12速)。ブレーキは油圧ディスクで、フロントフォークにはディスククーラーと呼ばれるメリダ独自のシステムを装備。ブレーキをかけ続ける長い下りなどでもローターを冷却し、安定した制動力を発揮します。

フレーム素材カーボン
メインコンポーネントシマノ・105
カラーGUNMETAL GREY
サイズ44、47、49、51、53cm
重量
税込価格374,000円

LINK: MERIDA

アンカー RL8D 105Di2モデル:プロフォーマットでしなやかさと強度を両立

Image: ANCHOR

アンカーのエンデュランスロード「RLシリーズ」の中でも、最上位に位置する「RL8D」。コンポーネントは電動変速のシマノ・105Di2(2ⅹ12速)で、油圧ディスクブレーキを装備しています。

フレームは大手タイヤメーカーであるブリヂストンの基盤技術部門とブリヂストンサイクルが共同開発した「プロフォーマット=PROFORMAT(推進力最大化解析技術)」により設計。剛性過多になりがちなディスクブレーキバイクにしなやかさと強度を両立させ、バックエンド周りの造形が生み出すしなりと合わせて、快適なライドフィーリングを実現しています。

フェードラインと呼ばれる2色をグラデーションで塗り分けるグラフィックも魅力のひとつです。

フレーム素材カーボン
メインコンポーネントシマノ・105 Di2
カラーキャニオンオレンジ、オーシャンネイビー
サイズ390、420、450、480、510、540mm
重量8.6kg (480mm)
税込価格462,000円

LINK: BRIDGESTONE

ジャイアント ディファイ・アドバンスド1:第5世代に進化したディファイ。電動105を装備

Image: GIANT

2024年モデルで第5世代となったジャイアントのエンデュランスロード「DEFY(ディファイ)」シリーズ。「アドバンスド1」は、コンポーネントに電動変速のシマノ・105 Di2(2×12速)を採用したモデルです。ブレーキは、この価格帯では標準となる油圧ディスクを装備しています。

フレームは前世代よりも軽量化し、D字型断面のD-フューズカーボンシートポスト最大7㎜の“しなり”で振動吸収性を高めます。ハンドルバーもD-FUSEテクノロジーにより下方向への柔軟性と上方向への剛性を両立し、ダンシングでも安定感を発揮。ケーブルは内装式ながらメンテナンス性にも考慮、空力も改善し、外観もすっきりさせます。タイヤ幅は最大38mmまで履くことが可能です。

フレーム素材カーボン
メインコンポーネントシマノ・105 Di2
カラーチャコール
サイズ410(XS)、445(S)、480(M)、515(ML)mm
重量8.6kg(Sサイズ)
税込価格473,000円

LINK: GIANT

50万円以上のエンデュランスロード

スペシャライズド ルーベSL8エキスパート:石畳で磨かれた快適性 フューチャーショックで振動吸収

Image: SPECIALIZED

その名の通り、石畳のレース「パリ~ルーベ」を走るために開発された「ルーベ」。20年前にエンデュランスロードというカテゴリーを作り出した1台です。

最新モデルの「ルーベSL8」はヘッド部分に最大20mm可動するサスペンションシステム「フューチャーショック3.0」を搭載。以前よりチューニングと調整の幅が広がり、耐久性が高まっています。またパヴェシートポストは後方に後方にたわむ「アフターショック・テクノロジー」を搭載するなど、バイク全体で快適性を向上させています。

コンポーネントは電動変速のスラム・ライバルeTAP(2×12速)で、クランクにはパワーメーターも内蔵。タイヤクリアランスは最大40mm幅までで、さらに3カ所のボトルケージマウントとトップチューブマウントが設けられ、前後フェンダーも取り付けられるなど、さまざまな走り方に対応します。

フレーム素材カーボン
メインコンポーネント
カラーカーボン/リキッドシルバー、ダヴグレー/カメレオンラピス
サイズ44、49、52、54、56、58cm
重量8.62kg
税込価格770,000円

LINK: SPECIALIZED

ピナレロ ドグマX:ドグマを冠したエンデュランス X型ブリッジが振動吸収

Image: PINARELLO

ピナレロのエンデュランスロード最高峰モデルが「ドグマX」です。下位グレードのX1、X3とはまったく異なるフレーム設計で、最大の特徴は細めに設計された左右のシートステーを繋ぐ「X-ステイズ」。その名の通りX字型のブリッジで、振動を減少させながら、横方向の剛性を高めています。さらに、シートステーとシートチューブの接合部を上下2カ所とすることで、サイクリストの背中に伝わる振動をさらに低減しています。

電動コンポ専用でケーブルは完全内装。最大35mm幅の余裕あるタイヤクリアランスを備えています。フレームセットのみの販売です。

フレーム素材カーボン
メインコンポーネントなし(フレームセット)
カラーゾラ サン、ゾラ ブルー、ゾラ ブラック、ゾラ グリーン
サイズ430、465、500、515、530、540、550、560、575、595、620mm
重量フレーム/950g、フォーク/400g ※サイズ530 塗装前
税込価格1,100,000円

LINK: PINARELLO

マルチに使えるエンデュランスロードに注目!

エンデュランスロードは振動吸収性に優れ、直進安定性も高いので、ロードバイクに不慣れな人でも乗りやすいカテゴリーです。バイク全体の重量もピュアロードとほぼ変わらないか、やや重いぐらいなので、上り坂でも軽快な走りが可能。上半身の前傾姿勢が浅めなので肩や腰への負担も少なく視線も高くなるので集団走行や交通量の多い道路を走るときも安心感があります。

初めてロードバイクを買う人、用途別にロードバイクを買いそろえるのは大変という人にとって、いろいろな使い方ができるエンデュランスロードは要注目です!

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BY光石 達哉(みついし たつや)

プロ野球やモータースポーツのライターやウェブサイトの仕事をしていたが、15年ほど前に自転車にはまる。週1程度でロングライドに出かけるが、最近はリバウンドした体重がなかなか減らないのが困りもの。

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