『ZERO BIKE FACTORY』代表インタビュー ~お世話になった自転車で社会に貢献したい~【ストライダー カスタム】

『ZERO BIKE FACTORY』代表インタビュー ~お世話になった自転車で社会に貢献したい~

ストライダー カスタムの豊富な経験を持つ筆者が、カスタムの効果やおすすめパーツを紹介する連載企画。第七弾となる今回は、ランバイク製品を手がけるメーカー『ZERO BIKE FACTORY』さんの紹介がテーマです。

インタビュー場所となったのは、10月下旬に横浜で開催されたレース「U6 RunBike JAPAN CUP」。参加しているユーザーのサポートのために大阪から駆けつけていた、「ZERO BIKE FACTORY(以下、ZBF)の小林代表」にお時間をいただけたので、筆者も会場に足を運び、ランバイク設計へのこだわりや今後の展開についてのお話をうかがいました。

U6 RunBike JAPAN CUPとは
「ランバイクをすべてのスポーツの始まりに」をモットーに掲げて開催されている大会。プレイヤーズファーストな視点で、日本のスポーツを強くすることを最終目標にして活動しています。この理念に共鳴し、筆者も応援するようになりました。

なんといっても素晴らしいのは、子供が輝ける工夫を随所に採り入れているところです。たとえば注目が集まるようにロケーションの良い場所で開催するのは、ランバイクレースを知らない人たちにレースを見てもらうため。決勝のスタートラインに親の付き添いをなくし、子供ひとりだけで入場させるのは、子供の意思を尊重する取り組みのひとつです。

そして来年からは、決勝をテレビ中継するなどして、キッズスポーツの甲子園といえるような国民的スポーツイベントにしていこうと試みています。今後の展開が、とっても楽しみな大会です。

U6 RunBike JAPAN CUP

U6 RunBike JAPAN CUP – ランバイクを全てのスポーツの始まりに

ZERO BIKE FACTORYとは?

キッズバイクを「より安全に、より速く」走らせるために生まれた、大阪発のブランド。フレームやホイ―ル、ハンドルバーなど車体回りの製品だけではなく、ランバイクパンツやグリップソックスなどの商品も展開するランバイク製品の総合メーカーです。

最大の特徴は、クオリティの高い製品を納得価格で提供していること。サポート力でも定評があります。

細部にまでこだわり抜いて作られた製品の数々は人々を魅了し続け、まだ数年の歴史にもかかわらず、すでに多くのユーザーが厚い信頼を寄せています。

名称ZERO BIKE FACTORY
代表者小林 慶太
所在地〒566-0023 大阪府摂津市正雀4-8-22 正雀ビル103
電話番号06-7163-6920
会社HPZERO Co., Ltd
E-mailzero-bike-factory@zero-osaka.jp
オンラインショップZERO BIKE FACTORY
Facebookhttps://www.facebook.com/zerobikefactory/

競技者から製造業へ

――小林代表は幼少期からずっとラグビーをやってきて、実業団への道も決まっていたそうですが、なぜ自転車への道を選んだのでしょうか?

小林代表:自転車は、元々はスポーツで怪我をした時のリハビリで乗っていました。体に大きな負荷を掛けずに、効果的なトレーニングをすることができる機材だったからです。屋外を走り、自然の風を感じながら心拍を鍛えることができることも、自転車の魅力のひとつでした。

本当は、社会人になってもラグビーをやるつもりでいましたが、スポーツは年齢に限りがあるので「長く仕事を続けられるものは、何か?」って、考えてみたんです。そうしているうちに「自分で何かをしたい!」と思うようになり、一番親しみがあって「競技人生を最後まで全うすることができるアイテム」だった自転車で世の中に恩返しをしようと思い、自転車の道へ進むことにしました。

大学を卒業後、国内で初めて自転車の完成車を作ったメーカーで修行させていただき、設計から製造までのすべての工程のノウハウを学びました。材料のことや加工、熱処理、コーティング等、さまざまな知識がついたので、とても勉強になりました。駆動系の方は、世界的に有名な「TANGE SEIKI」さんに多くのことを教えていただき、今でもカスタムパーツの製作などで大変お世話になっています。

※ZBFで設計したハブ(まさに芸術品)
※ZBFで設計したハブ(まさに芸術品)

「サイクルゼロ」がすべての始まり

――自転車屋さん「サイクルゼロ」とZBFの関係について教えてください

小林代表:自転車の本質を製造メーカーで学んだ後、自信を持って出した最初のお店が「サイクルゼロ」です。ロードレーサーからBMX、ママチャリなどといった多くの車種を取り扱っています。どんな製品の整備や修理もできるので、車いすの修理などもよくやっています。

そして、レース用部品の設計を行っている部門が、ZBFとなります。大人用のロードバイクの駆動系から、キッズバイク全般の商品を取り扱っています。

さらに私達は、Mc Squared(エム シー スクエアード)というアパレルブランドを立ち上げました。国産にこだわり、最高のものを生み出すことを目標にして、第一弾のハイパフォーマンスグリップソックスを発売しました。今までにない履き心地の、どんなスポーツでもパフォーマンスを向上させるソックスです。今後は、ストリート系の商品も展開しようと考えています。

――サイクルゼロの名前の由来は、どこから来たんですか?

小林代表:自転車屋を始めるということで、すべてをゼロからスタートするという意味で、「サイクルゼロ」という名前を使いました。「ゼロからスタートする」という言葉を気に入っていて、「初心を忘れずに」という意味も含んでいるんです。

――以前サイクルゼロのお店に伺った時、「高齢の方から子供まで」人の出入りが多く賑やかなお店だなって思いました。サイクルゼロは、どんなお店なんですか?

小林代表:一言でいうと、誰でも遊びに来られるお店ですね。商品を買いに来るわけでもなく、見に来るわけでもない。だけど自転車のことで困った時に、頼りになるお店です。困っている人がいたら、自分の技術で守ってあげたい。これが僕の信念です。

そして全然自転車と関係ない、人生相談にも来られるお店でもあります。就職の相談に乗ったり、面接の指導をしたりして、大手メーカーに入れた実績もあるんですよ(笑) いまお店では、ポップコーンの販売もしていますが、地域に密着した誰からも愛される自転車屋さんにしていきたいと思っています。

※サイクルゼロのお店
※サイクルゼロのお店

社会貢献への取り組み

――株式会社ZEROとしてさまざまな事業(NPO法人を含む)を展開されていますが、福祉事業もされているようですね!

小林代表:体にハンデを持つ方や「発達障がい」がある方の「持っている才能を引き出すため」に、福祉事業を4年前に始めました。「障がい者」に働く場所を提供し、製品の箱詰めや自転車の清掃などの作業をしてもらっています。

学生時代に福祉活動に参加していた経験から、「障がい者」の支援活動は、会社が軌道に乗った時にやりたかった事業のひとつでした。地域の方から愛されたいと思うからには、自分たちが変わらないといけない。自分たちが変われば、周りの見方も変わる。福祉活動をしていた時に、そう思うようになりました。

※ベアリングオイルの箱詰め作業の様子
※ベアリングオイルの箱詰め作業の様子

注記:「障がい」の「害」をあえて、ひらがな表記にしています。「害」の字には「さまたげとなるもの」や「わざわい」という意味合いがあり、イメージの悪い言葉を連想させてしまう場合もあるようです。さまざまな考え方があると思いますが、ひらがな表記にあるのは「障がい」のある方たちに対する「社会の差別や偏見をなくしたい」という思いなのです。

ひらがなで「障がい」と表記しても、なぜそうしているのかを理解していなければ、意味がないものになってしまいます。単なる表記の問題ではなく、我々の意識が問われています。(筆者)

「ZERO BIKE FACTORY」の生い立ち

――ランバイク製品を手掛けるようになった、きっかけを教えていただけますか?

小林代表:常連のお客様のお子さん(まひろちゃん)がストライダーのレースをやっていて、私たちのことを知るうちに「カスタムパーツを作ってくれませんか?」という話の展開になっていったんです。最初は、「ストライダーって、なに?」みたいな感じで受け流していましたが(笑)、それから2年間も言い続けられたので、根負けしてやることにしました。

そこで立ち上げたのが、「ZERO BIKE FACTORY」というブランドです。中途半端が嫌なので、「やるからには、ちゃんとやる」という決意を込めて、ブランド化することにしたんです。

※まひろちゃんの走りが、ZBFを誕生させた
※まひろちゃんの走りが、ZBFを誕生させた

――それで作った第一弾が、オフセットメーカー(オフセッター)だったんですね!

小林代表:ストライダーには、ステムを取り付けるとオフセットが無くなってしまうという欠点があり、適切なオフセットが作れる「オフセットメーカー」を発売することにしました。

少し詳しく説明しますと、スピードを出すためのポジションを考えると、ステムを前に伸ばす必要があります。しかし、そうすることによってフロントフォークのオフセットが足りなくなり、ハンドルを切るとフロントフォークが戻って来なくなって、転倒のリスクが高くなってしまいます。ですから、ストライダーで速く安全に走るにはオフセッターが必要なんです。

――ランバイクレース会場によく足を運ばれていますが、その理由を教えてください

小林代表:サイクルゼロでも同じことが言えますが、私たちはお客様との距離を一番大事にしています。距離が近くないと、本音を話してもらえないじゃないですか。「求めてもらっている人の声より、大切なものはない」ですからね。

自転車の師匠に、言われた3つの言葉があるんです。

  • エゴイストになるな!
  • 自分が作ったものが、完璧だと思ってるヤツは素人だ!
  • 使ってくれた人が素晴らしいと言ってくれて、初めて商品を出した意味があるものだと理解しなさい!

この、師匠からの「使う側の人の身になれ」という教えを大事にして、いつもお客様と接するようにしています。お客様には自分の能力を買ってもらって、ZEROの商品を買ってもらっている感じですね。

――全国にZEROさんのファンがいて、レース会場でのお店にたくさん人が来ているように思います!

小林代表:僕としては、ユーザーさんと一緒に頑張っていると思っています。会場のお店に来ていただけると、その時のコンディションでセッティングが出せるので、ベストな状態で走れるように準備を整えることができます。もちろん、「カスタムのことを教えて下さい!」という方もいらっしゃいます。

※筆者の息子もレースでお世話になりました
※筆者の息子もレースでお世話になりました

製品へのこだわりや特徴

――ZBFさんの設計のこだわりについて、教えていただけますか?

小林代表:まず安全安心を第一に考えて、設計をしています。やろうと思えばもっと軽くできるんですが、やはり安全係数を考えないと、想定外の時に問題が起きてしまいます。子供の安全安心を第一に商品を作るということが根底にあるので、レッジェーラを設計していた時も、何回も図面を引き直して、安全を損なわずに軽くできるように考えました。

――ZERO製品の一番の特徴は、何でしょうか?

小林代表:「日本人の子供の体型に合わせた設計」をしているところだと思います。日本人の骨盤は椅子文化の欧米人とは違うので、身長も低いですし、足も短いですからね(笑) 日本の子供たちが、一番使いやすいように作っています。

それと、セッティングの幅を広くとれるようにしています。ステムの高さは、コラムを長くすることで調整幅を大きく取っていますし、1本のフレームで「2~7歳まで乗れる」ような設計をしています。懐が広いと、セッティングも出しやすいんですよ。ZEROのフレームは、乗り手を選ばないといった良さがあります。

――最近発売したレッジェーラやレジットのコンセプトは?

小林代表:ランバイクレースは、最初の5mが勝負です。スタートからの蹴り出しが良くないと、レースでの好成績が望めません。タイムトライアルだと、バニッシュの方が最高速が出るので、タイムが良くなるかもしれませんが、相手が周りにいる場合ですと、最高速を犠牲にしてでも最初の5mで相手より前に出る必要があります。練習で1人で走ってタイムを比べても、この違いはわかりませんが、周りに相手がいてこそ分かる、蹴り出しの良さを重視した設計になっています。

レッジェーラは他のホイールと比べると分かりますが、ホイールを手で回すと抵抗が少ないことが実感できると思います。抵抗が少なければ、加速が良くなりますからね。慣性を持たせて、加速のキッカケを作るようにもしています。

マットブラック(つや消し黒)が持つメッセージ

――ZBFさんの製品は、マットブラックが特徴です。何かこだわりのようなものが、あるんでしょうか?

小林代表:全ての色を混ぜ合わせると、黒になります。つまり、黒はすべての要素を兼ね備えていると私たちは考えています。そんな意味合いを持つ「黒」を我々からのメッセージとして、コーポレートカラー(企業を象徴する色)として使うようにしています。

――そんな意味合いがあったんですね。

小林代表:製品に使う素材をこだわるだけではなく、使う色などにもZEROの目指す方向性やコンセプトを細かく決めて、作るようにしています。そして、ステッカー類をあえて張っていないのは、購入された方がステッカーカスタムをしやすいためでもあります。ステッカーを剥がすのって、結構大変ですよね。

※マットブラックのレジット(ステッカーはオプション)
※マットブラックのレジット(ステッカーはオプション)

――僕以外の人も感じていると思いますが、結構価格を抑えて販売していませんか?儲けがちゃんとあるのか、心配してしまいます(笑)

小林代表:うちの商品は値段を決めてから作るのではなく、クオリティを重視して設計をしています。なので、製造コストが高くなりがちですが、いいモノをお客様のお求めやすい価格で提供することが大事だと思っているので、かなり値段を下げています。コストを下げるといいモノが作れないので、利益は「我々の努力でがんばる」部分なんでしょうね。品質面で一切妥協していないので、商品には絶対の自信を持っています。

子供のトレーニング場「家トレ部」

――子供の成長のために行っている、トレーニングについても教えてください

小林代表:ランバイクレースをやっているお子さんを持つ親御さんに、正しい知識を持ってもらえたらと思い「ZEROトレ」を始めました。ここからは、トレーナーの東(あずま)に話をしてもらいます。

――「ZEROトレ」を始めた理由は、何だったんですか?

東さん:以前からジュニア~大学生、社会人までのスポーツチームに幅広く帯同し、様々な選手に関わってきました。体の使い方が上手くできなくて、怪我をしてしまう子を見てきて、運動能力がもっとも身につく幼少期の時期に、何らかの形で関わっていきたいと思っていました。

そんな時、幼少期から始める「ランバイク」という競技があり、その関連商品を作るので「トレーナーとして、運動面に関わってみないか?」という話を小林からもらったのが、きっかけでした。

――今では見なくなりましたが、数年前のランバイクの練習は、幼児の体に合わない走り込みや無理に押し付ける指導が多かった気がします。東さんは、それを見てどう思いましたか?

東さん:ランバイクに関わり始めた4年ほど前は、ランバイク業界にトレーナーやきちんとした知識を持った運動指導者がほとんどおらず、親の経験や子供が結果を出している親の意見が正しいというのが一般的でした。しかし実際には、子供の体に合わない無理な運動を強要したり、体に合わないセッティングで、負担をかけて走らせている親が多くいました。

ランバイクをする時期(2〜6歳過ぎまでの期間)は、体のベースができる時期です。この時期に変な癖や悪い姿勢(反り腰やO脚、X脚、肩の力み)が身についてしまうと、その子の今後のスポーツ人生が、台無しになってしまいます。それでは、必死に親を信じて頑張っている子供が可哀想ですし、運動をさせるのであれば、親もきちんとした知識を持って関わり、「親が我が子のトレーナーとしてしっかりサポート」できるようになって欲しいと思ったのです。

――それで「家トレ部」を始めたんですね。

東さん:ZEROには、「楽しく、正しい体の基礎作りができる運動の場を提供したい」という想いがありました。最初の頃は「#ZEROトレ」というインスタのハッシュタグを使って、体のチェックやアドバイスをしていましたが、子供の運動能力を伸ばし、ケガの予防につなげる活動の一環として「家トレ部」というオンラインでの指導を始めることにしました。親御さんにも、幼少期に必要な運動についての知識やランバイクに必要な体作りのことを学べる場所になりますからね。

「ZEROランバイクトレーニング教室」も、不定期ですが開催しています。機会がありましたら、ぜひこちらにもご参加いただければと思います。

――東さんもランバイクのレース会場に、よく足を運んでいますよね?

東さん:はい、基本的には家トレをやってくれてる子供たちの応援ですね。あとは、ブースに体のことを相談しに来てくれた方にアドバイスをしたり、セッティングを変更した方のフォームチェックなどもしています。レース会場によっては、パーソナルでのトレーニング指導をして、子供たちの体のチェック(姿勢や体の使い方など)をさせてもらっています。

※スポーツキッズ育成トレーナーの東さん
※スポーツキッズ育成トレーナーの東さん

スポーツキッズ育成トレーナー/東 達也 (@zbf_tatsuya)のインスタグラム

※気軽にこちらに相談してください

プロのトレーナーが教える【子どもの運動能力アップサロン】

※家トレ部のサイト

子供のための場所だけじゃない!「ママトレ部」も

――最近始めた、取り組みを教えていただけますか?

東さん:「家トレ部」に参加してくれている子供のママさんから、私たちが運動できる場も作って欲しいと言われ(笑)、「ママトレ部」を始めました。産後や子育て中のママさんたちの「体を戻したい」「運動したい」「ストレスを発散したい」といった希望を、ジムに行かずに自宅で解消するために立ち上げた場所になります。

ママトレ部はこんなママさんたちに「最適」

  • なかなかジムには行けない
  • 1人だと運動できない
  • 運動初心者で長時間の運動がしんどい 

東さん:トレーナーが「女性ばかり(男性は僕だけ)なので安心」と言う方もいらっしゃいます。また、リアルタイムで参加できない方のために、トレーニング内容が動画で保存されるような仕組みにもました。後から見返すことができますし、自分の空いた時間でトレーニングすることができるのも魅力の一つだと思います。

※ママトレ部のサイト
ママトレ部 CAMPFIREコミュニティ ※ママトレ部のサイト

ZBFの人気商品

――ZBFの人気商品について、教えていただけますか?

小林代表:最近は、ストライダーエンジョイカップに関連する部品が、よく売れています。その売れ方の動向で、「近いうちにエンジョイカップがあるんだな」って教えてもらってる感じですね(笑) やっぱり、イベントの数に比例するんですよ。エンジョイカップ関連のカスタムの中には、特注の「EVAタイヤのゴム塗り」を注文してくれるお客さんも結構います。レース前は、親御さんも真剣そのものです。

スキュアー/リブセット(左)ZERO ABSOLUTE チタンコートベアリング (2個入り)(右)
スキュアー/リブセット(左)ZERO ABSOLUTE チタンコートベアリング (2個入り)(右)

スキュアー/リブセット(EVAホイール用前後セット) – ZERO BIKE FACTORY

ZERO ABSOLUTE チタンコートベアリング (2個入り) – ZERO BIKE FACTORY

――レースがあるなしに関わらず、売れているものはありますか?

小林代表:定期的に売れるものでは、ランバイクパンツやグリップソックスがあります。商品の良さだけではなく、お求めやすい価格にもしていますので、パフォーマンスの向上にぜひ使っていただきたいと思います。ランバイクパンツはZEROで開発をしたので、お尻のパットをかなり厚くしています。グリップソックスは、サイズによってブランドを分けていますので、注意するようにしてください。

ランバイクパンツ(左)TKS//ZBFboost グリップソックス(中央)ハイパフォーマンスグリップソックス(右)
ランバイクパンツ(左)TKS//ZBFboost グリップソックス(中央)ハイパフォーマンスグリップソックス(右)

ランバイクパンツ  – ZERO BIKE FACTORY

ZBFでTKS//ZBFboost グリップソックスを見る

ZBFでハイパフォーマンスグリップソックスを見る

――フレームやホイールの購入について、何か注意することはありますか?

小林代表:フレームやホイールは、ロット分けをして製作しています。製品を作る数に限りがあるため、売り切れの際はご了承ください。オンラインショップで在庫がない場合は、予約をしていただくか問い合わせをしていただけると幸いです。

ZERO LEGIT 【ゼロ レジット】カーボンフレーム(左)VANISH【バニッシュ】アルミフレーム(右)
ZERO LEGIT 【ゼロ レジット】カーボンフレーム(左)VANISH【バニッシュ】アルミフレーム(右)

ZERO LEGIT 【ゼロ レジット】カーボンフレーム – ZERO BIKE FACTORY

VANISH【バニッシュ】アルミフレーム – ZERO BIKE FACTORY

LEGGERA カーボンホイール【レジェラ】 - ZERO BIKE FACTORY

LEGGERA カーボンホイール【レジェラ】 – ZERO BIKE FACTORY

――カーボン製のハンドルバーとシートポストも、人気があるようですね?

小林代表:ランバイクのために開発した製品になりますので、多くの方に興味を持っていただいております。以前のハンドルバーは、ロードレース用から流用しているものばかりでしたが、こちらはランバイクの特徴に合った設計をしていますので、おススメしております。

シートポストに関しては、大人が乗っても壊れない剛性がありますので、安全性を求めて購入している方が多いように感じています。もちろん、軽さにも自信をもっています。

カーボンハンドル 380mm(左)カーボンシートポスト(右)
カーボンハンドル 380mm(左)カーボンシートポスト(右)

カーボンハンドル 380mm – ZERO BIKE FACTORY

カーボンシートポスト – ZERO BIKE FACTORY

ZEROユーザーの声

実際にZERO製品をお使いの方に、感想をお聞きしたのでご紹介します。

丹羽 佳乃(3歳 女子)
朔太郎(5歳 男子)リノケイキ所属

丹羽 佳乃(3歳 女子)朔太郎(5歳 男子)リノケイキ所属

バニッシュは、剛性の良さからくる抜群の安定感とタンゲセイキのヘッドセットの精巧さによるハンドリングのスムーズさが、素晴らしいと思います。レジットは、「太い、強い、カッコいい」それなのに軽量なんです。スマートな作りで、計算し尽くされているので、可変サドルなども必要ないですし、個体差もほとんどないのでガタツキは一切ありません。蹴り足が真っ直ぐの子にとっては、最高のフレームでしょう。レッジェーラは、軽さと計算された慣性が生み出す加速力で、出だしが抜群に良くなります。レジット&レッジェーラの組み合わせが、一番でしょうね。

唯一の誤算は、レジットに乗って好成績が出るユーザーがどんどん増えてしまったことです(笑) お店が大阪なので関東からは遠い分、メールや電話、動画や写真等でどんなことでも丁寧に納得がいくまで教えてくれるところが、本当にありがたいです。ユーザーのレースなどを何気なく見てくれていて、アドバイスをくれたり、セッティングを見てくれたりもします。東さんとも、最高のタッグですね。

ZEROさんとの出会いは、妻がインスタで山口さん(筆者)と知り合ってしまったからです(笑) 小林社長の確固たる自信がすごいですし、それを常に信頼しています。結果もちゃんとついてくるので、ゼロからは離れられません。

内山 翠ちゃん(3歳 女子)
凛ちゃん(5歳 女子)生駒ランバイクキッズ所属

内山 翠ちゃん(3歳 女子)凛ちゃん(5歳 女子)生駒ランバイクキッズ所属

凛のランバイクをレジット×レジェラ、その他もフルカーボンで軽量化したので、負担なく走れるようになり、蹴る力がしっかりと地面に伝わって、どんどん速くなっていきました。すると本人も自信が持てるようになり、練習やレースを存分に楽しめるようになりました。

翠は3歳ラストが近付き、練習にも熱心に取り組むようになったことで走力がつき、結果に繋がるようになってきたタイミングで、ZEROさんからレジットを提案してもらいました。後輪のフレーム部分がスッキリとした設計のため、足の回転が格段に良くなりました。親としても、最高のマシンを与えられたと自負することができ、マシンに関する悩みが皆無なので、走りの追求に専念できて、安心してレースに送り出すことができるようになりました。

レジェラは、スタート直後の加速や伸びが素晴らしいです。スタートの失敗をカバーできるほど直線での伸びがよく、「蹴れば蹴るだけ速くなる→足の回転が上がる→さらに速くなる」という好循環なサイクルが生まれます。コーナリング後の立ち上がりも優れているため、コーナーの多いテクニカルなコースでも、減速が少ないコーナリングができるようになりました。

ZEROさんは、一つの商品を徹底的に研究し、安全性を高めるために時間をかけて設計しているので安心な上に、頻繁なモデルチェンジがないので、良いものを長く使い続けられるところも財布にありがたいです(笑) 家庭の方針、親の想いや子供一人ひとりの心身の状態をよく見てくださり、親身になってアドバイスをしてくださいます。また、的確な商品の提案をしていただけるので、その子に合った無理のないカスタムは、本当にありがたいです。

子供の体のことや自転車・ランバイクの構造、性能などについて精通されていて、安全で高品質な設計をされているにもかかわらず、良心的なお値段なことについて理由を尋ねた際、返ってきたのは「これからどんどんお金がかかるのに、ランバイクで必要以上にお金をかけさせたくない」という言葉でした。(成人するまでの)子育てでたくさんお金がかかる中、幼児期だけのランバイクにかかる費用負担を軽くしたいとの想いも込められていることを知って、感銘を受けたことを覚えています。

ZEROさんの特徴は、人気がありすぎて売り切れ続出で、社長が人気で親切で丁寧なため多忙で、シンプルでオシャレでカッコいいデザインなところだと思います。

なかた とらくん(4歳 男子)
あかりちゃん(6歳 女子)ブラスト所属

なかた とらくん(4歳 男子)あかりちゃん(6歳 女子)

レジットは、コーナーで加速していきます。今までのバイクでは、第一コーナーを曲がった後に減速してしまい、力のない我が子はそのあと置いていかれることが多かったんです。しかしレジットに乗ってからは、それがなくなりました。むしろ加速して追いつけるようになり、最高速を出すこともできました。

ステッカー作りをお願いしたときも、丁寧に話を聞いてくれて、「中をくり抜いて違う色にして欲しい」というワガママな注文に応えてくれました。

小林 芽依ちゃん(5歳 女子)インフィニティキッズ北海道所属

小林 芽依ちゃん

4歳の夏、直線の伸びに悩んでいた時に、アトラスに出会いました。直線の伸びだけでなく、コーナリングの立ち上がりなども変わりました。レジットやレッジェーラのきれいなマットブラックが、とても気に入っています。そして、右も左もわからない私たちに、チューブやタイヤについてわかりやすく説明してくれたり、セッティング方法なども教えていただいたりと感謝でいっぱいです。

坪根 大旺くん(5歳 男子)THRAPPY所属

坪根 大旺くん(5歳 男子)THRAPPY所属

初めて小林社長とお話させていただいた時、ランバイクに乗る子供たちの安心安全を第一に考えて設計されていることに、感銘を受けました。子供の特徴を見極め、的確なアドバイスをしてくださり、親子で成長させてもらっていることに感謝しています。そして、スポーツキッズ育成トレーナーの東さんとタッグを組み、体の使い方やランバイクに必要なトレーニングや基礎など、子供の成長を色んな角度でサポートして下さるチームワークも素晴らしいと思います。

どの商品においても妥協がないので、すべての商品がお気に入りです。どの世界でもそうですが、本物は最後まで生き残るので、購入を考えてる方は、直接社長の熱い想いを聞いてほしいと思います。あと大量生産をしていないので、速攻売り切れてしまうところに注意が必要です(笑)

しもさと さりいちゃん(5歳 女子)
りりいちゃん(8歳 女子)CHAMP CREW所属

しもさと さりいちゃん(5歳 女子)りりいちゃん(8歳 女子)CHAMP CREW所属

ストライダープロからのステップアップを考えてる時に、SNSでレジェンド「まひろちゃんママ」が投稿してるVANISHに一目惚れしたのがきっかけで、小林社長と出会いました。ZEROが手掛ける「made in JAPAN」の唯一無二のモノ作りに感銘を受け、どっぷりハマってしまいました。レジェンドライダーのまあさちゃんとの出会いも、個人的には影響が大きいです。

VANISH×J62ヘッドパーツ×THRUSTは、重量はありますが、長い直線での伸びと剛性が高く、歪みを最小限に抑えたコーナリングの安定性があります。LEGIT×THRUSTは、ビジュアルの美しさも兼ね備えています(笑)

基本的にZERO製品はすべて気に入っていますが、強いて言うならランバイクパンツでしょうか。年少~年長まで体にフィット&超速乾性&革製品のような光沢を放つ不思議なパンツです。足の動きを考えた、立体縫製も魅力です。

あとヘッドパーツが凄すぎて、慣れるまでは車体を倒しきれず攻めれません。数量限定(即完売)→量産品じゃないことは、個人的には嬉しい点ですね。小林社長の人が良すぎる点も最高です(笑)

くぼた えいとくん(6歳 男子)もりぽっくる所属

くぼた えいとくん

レジットにしてから、コーナーの安定性が増しました。そしてシートポスト下のフレーム幅が狭く作られているので、より真っ直ぐ蹴りやすく、ガニ股になりにくいです。さらにシートポストの角度が良くて、路面に対してサドルが平行になります。レジット専用のスキュアーを付けることによって、フレームに対してホイールが真っ直ぐ付くこともいいですね。数あるカーボンフレームの中で価格が安く、低年齢から高年齢までこの一台でカバーできる、唯一無二なところも気に入っています。

レッジェーラは、軽量ホイールなのに慣性力が強いことを体感できました。リムがハイトなため、個体差があるタイヤでもしっかりはまります。使っている本人も「出だしが軽く、スピードに乗ったあとも伸びる」と言っていました。こちらも数あるカーボンホイールの中で安価であり、ハイクオリティです。より良いものを手に入れやすい価格で提供したいという、小林社長の思いがあるのだと思います。

とにかく本当に気にかけていただき、心から感謝しております。ためになるお話も、たくさんしていただきました。そして小林社長のビジネスパートナーの多さにはびっくりすると共に、そこが信頼出来るポイントでもあります。ゼロさんのアイテムは、すべてにおいてオーバースペックでハイクオリティです。小林社長のお話を聞けば、納得して商品が買えると思いますよ。

さの まあさちゃん(7歳 女子)THRAPPY所属

さの まあさちゃん

ZEROさんとの出会いは、ストライダーに乗っていた長男のフロントフォークが、スタート時に真っ二つに折れてケガをしたのがきっかけでした。何よりも大切な安全面でのアフターフォローが、丁寧かつ迅速だったのがZEROさんです。社長の外見以上に(笑)、商品に対する熱愛に引き込まれていきました。いつも、親身になってくれるのも魅力です。ただ、商品が本気の価値のある優れものを出されるので、他に使う子が速くなってしまうのがいつも不安でした(笑)

まあさは、1歳半からストライダーに乗っていましたが、4歳半からVANISHにしました。スタート後5mから伸びていくフレームで、ストライダーだとコーナーでブレていましたが、VANISHだとそれがなくなりコーナーを回ってからもスピードが落ちなくなりました。そして5歳後半でLEGITにしましたが、娘の話だと「スタートの時にフレームに体が置いていかれる」感覚があるらしく、そのため脚の回転数をさらに上げる必要(疲れるらしいです)があるみたいです。スタートの出だしは、さすがに速いですが、30mのタイムはVANISHとそれほど変わらない感じです。

ZERO製品のお気に入りは、サイクルパンツですね。女子のお股問題!まあさのお股が切れてしまったり、痛みがひどくなった時に出会いました。使用後はトラブルがなくなり、痛みもなくなりました。夏場は汗をかきすぎるとパットに汗が染み込んで、肌が荒れることもありますが、午前と午後で履き替えればまったく問題ないですね。

あと、ランバイクバッグも重宝しています。遠征の時に失くしやすいプロテクターや手袋、ヘルメットや靴まで、すべてが入ります。肩から掛けられるため、両手が空いて、移動の時は便利でした。工具や着替えも入れられるので、それがあるだけですべてが揃い、忘れ物が減るのでとても便利なバッグですよ。

今後の展開について

※株式会社ZERO
※株式会社ZERO

――言える範囲で、今後の製品開発について教えていただけますか?

小林代表:新しいホイールの開発をすでに始めていますが、アパレルブランドの「エム シー スクエアード」にも、チカラを入れたいと考えています。いいモノを作るしか生き残れない世界なので、靴下も日本製にこだわっています。製造コストが上がりますが、確実にクオリティも上がります。今度、大人用のグリップソックスを出しますので、ぜひ履いてみてくださいね。

ランバイク用のシューズも考えてたんですが、価格が合いませんでした。なので、シューズのパフォーマンスを最大限に引き出すためのインソールをトレーナーの東にも一緒に入ってもらい、開発をしています。他にもここでは言えないモノを考えていますし、この状況に満足しないで、常に進化していきたいと思っています。

まとめ

小林代表の趣味は、バス釣りだそうです。仕事とプライベートを分けることも大切だと仰っていました。「何もかも忘れて、夢中になって趣味を楽しむ」そういう息抜きの時間が、優れた製品を生み出す活力になるのだと思います。

ZEROさんは、カスタムパーツ(モノ)を製作するだけでなく、子供たちの成長に必要な最適な場(コト)も提供しようと考えています。ランバイクのカスタムや子供の体の成長について相談したいことがあれば、一度ZEROさんに声を掛けてみてください。きっと何か、大きな手掛かりをもらえると思います。

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WRITTEN BY"ランバイクカスタム講座"管理人

東京都在住。個人ブログ「Tsuguo Yamaguchiのランバイクカスタム講座」を書いています。自身が所有していたレーサーレプリカNSR250SEをカスタムした経験から、子供用のランバイクも妥協のないカスタマイズをしています。大学で自動車工学を学び、専門分野はエンジンです。二輪・四輪以外にも、ヨットの運転も大好きです。

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