【ストライダーカップ2023 ワールドチャンピオンシップ】準備からレース攻略のポイントまで徹底解説

【ストライダーカップ2023 ワールドチャンピオンシップ】準備からレース攻略のポイントまで徹底解説

2023年5月27日(土)~28日(日)、大阪万博記念公園にて「ストライダーカップ2023 ワールドチャンピオンシップ」が開催されました。筆者も友人のお子さんの応援に参加してきましたが、多くの感動と楽しさあふれる大会でした。

今回のレポートでは、これまでのストライダーカップとの違いやレースの攻略ポイントをご紹介します。

日本初開催!「ストライダーカップ ワールドチャンピオンシップ」

ストライダーカップ ワールドチャンピオンシップ(イメージ)
ストライダー公式HPより

ストライダーカップは、日本国内のランバイクレースの中で一番人気があるレースです。そのストライダーカップを世界中から参加者を集めて行うのが、ストライダーカップ ワールドチャンピオンシップ(通称ストライダーワールドカップ)で、今回日本初開催となりました。

多様性が求められるこの世界で、さまざまな国の子どもたちと一緒にレースができることは、本当に素晴らしいことだと思います。目や肌の色、話す言葉が違っても、最後まで諦めずにゴールに向かう姿は、どの子も同じ。大会のコンセプトである「ONE」は、まさにその通りでした。みんなそれぞれ違うけれど、それはひとつなんです。

転倒してもゴールを目指す子どもたちの姿
転倒してもゴールを目指す子どもたちの姿

レース内容・スケジュール

ストライダーカップ ワールドチャンピオンシップのレース内容・スケジュールは、次のとおりです。

大会名ストライダーカップ2023 ワールドチャンピオンシップSTRIDER CUP 2023 WORLD CHANPIONSHIP
開催場所大阪府・万博記念公園「お祭り広場」( 〒565-0826 大阪府吹田市千里万博公園1-1 )最寄駅:大阪モノレール「万博記念公園駅」から徒歩12分、「公園東口駅」から徒歩10分
日程2023年5月27日(土)、28(日)
開場時間9:30(中央口/日本庭園前ゲート)
カテゴリー5月27日(土)2歳クラス(12インチ)4歳クラス(12インチ)
5月28日(日)3歳クラス(12インチ)14xオープンクラス(4~6歳/14x)
参加費4,500円(保険料+ゼッケンプレート+大人2名分の入園料含む)
定員合計 792名・2歳クラス 192名・3歳クラス 288名・4歳クラス 192名・14xオープンクラス 120名(うち海外選手枠 85名)

「ストライダーカップ2023」レースの概要をチェック!

準備が大事!「レース当日の流れ」を確認

ストライダーカップ 2023 会場

会場に着いてからの流れをざっとですが、書き出してみました。ストライダーカップに参加される方は、当日の手順として参考にしてください。

  1. レース受付
  2. 車検・装備確認
  3. 会場の下見
  4. ウォーミングアップ
  5. 走行練習(試走)
  6. ライダースミーティング
  7. レース
  8. 賞状とメダル授与

1.レース受付

とにかく暑かったストライダーカップ

会場に着いたら受付をします。休憩する場所取り(テントエリア)については、後編で詳しくご説明します。

2.車検・装備確認

プロテクターやヘルメット、グローブなどを準備をした上で、ストライダーの車検を受けます。レギュレーションに沿った状態で、車検を受けてください。2日目に行う「14x、3歳クラスの方」は、前日に車検を受けることができます。

3.会場の下見

コースの脇を歩いて、どんなコースなのかを実際に確認します。そして、アクティビティの当日エントリー枠があるかも、チェックしましょう。アクティビティの当日エントリーはとても狭き門ですので、事前にエントリーすることをオススメします。

4.ウォーミングアップ

準備運動などを行い、レースをするための準備をします。試走でアップをする方が多いと思いますが、ジョグから始まるウォーミングアップはとても大切です。体が温まることで筋肉が柔らかくなり、関節の可動域も広くなります。パフォーマンス向上のためだけではなく、ケガの予防にもつながります。

5.練習走行(試走)

ストライダーカップ 試走

レースが始まる前に、フリー走行やスタート練習(1人1回)をメインコースにて約30分間おこなえます。参加者が多いため、走れるのは数回だけです。開門後に、その日の先行クラス(2歳、14x)の試走が始まります。先行クラスの敗者復活戦が終わるとサブコースがオープンになるので、次のクラスの練習走行ができます。

豆知識

2歳クラスの試走のみ、親も伴走することができます。早めの会場入りで、誰もいないコースでの激カワ写真や動画が撮れるチャンスがあります。ぜひ記念にどうぞ。

6.ライダースミーティング

レースに関する注意事項やルールの説明があります。内容は、スタート時は子どもから離れる、コースには選手以外は入らない、主催者側で保護者が入る必要があると判断したら声を掛けますなど、です。レースへの取り組みについて「結果がすべてではない」などのお話もあるようです。どれも大切なことばかりですね。

7.レース

予選→準決勝→決勝(予選で準決勝に進めなかった場合には、敗者復活レースに参加できます)

ストライダーカップは、参加者がとても多いレースです。走る組順が後ろの方だと、試走が終わってからレースまでの待ち時間が、最大で2時間くらいになります。そして、準決勝から決勝までの待ち時間にも工夫が必要です。ここは、保護者の腕の見せ所ですね。

8.賞状とメダル授与

キミのちからはすごいで賞

レース終了後には、特設ブースで子どもたちのがんばりを表彰してくれるイベントがあります。「キミのちからはすごいで賞」として、名前入りの賞状とメダルをもらえるのです。がんばった思い出として、最高の宝物になるでしょう。

コース設定とレース攻略のポイント

コースレイアウト
コースレイアウト(ストライダー公式HPより)

ストライダーカップのコースは、他のランバイクレースとは一味違う「攻略すべきポイント」があります。これは、ストライダーカップ特有のものと言っていいでしょう。

今回のストライダーワールドカップはいつものストライダーカップと比べて、大きく変わらなかったように思います。以前アメリカで行われたストライダーワールドカップでは、途中から路面が変わったり、障害物が独特なものだったりと、コースレイアウトは開催国によって特徴が分かれるようです。

ストライダーカップワールドチャンピオンシップ 公式ガイドブックをチェック!

ストライダーカップの攻略ポイント

ストライダーカップには、攻略のポイントが2つあります。

  • ①傾斜しているスタート台
  • ②パンプジャム(障害物)

ポイント①:スタート台

桁上げされたスタートエリア(メインコース)
桁上げされたスタートエリア(メインコース)

スタート台は高さにして1m以上高くなっており、スタート直後にこのスロープ(下り坂)を駆け下りていくことになります。下り坂に慣れていない子だと、おそらく怖いと感じることでしょう。

このスロープを利用して加速させることができれば、かなりのアドバンテージを得ることができます。「スロープを制する者が、レースを制する」と言っても、過言ではありません。

ポイント②:パンプジャム

コースには障害物(パンプジャム)が設置されています
コースには障害物(パンプジャム)が設置されています

パンプジャムも、慣れが必要なエリアです。普段こういった障害物は、なかなか練習する機会がないと思います。今回のストライダーワールドカップでも「パンプジャムの体験コーナー」が設けられていましたが、積極的に練習しておいた方が良いでしょう。 

パンプジャムはエンジョイカップのコースにも設置されているので、練習のためにレースに参加するのも良いと思います。他にも、パンプジャムを体験できるイベントがありますので、ぜひ参加してみてください。

STRIDER PUMP JAM| ストライダー パンプジャムをチェック!

パンプジャムの体験コーナー
パンプジャムの体験コーナー
豆知識

パンプジャムとは、起伏のあるコブが連続した波状コースのことです。パンプトラックとも呼ばれていますが、モトクロスやBMXの競技で見かけることができます。パンプとは「パンピングのこと」で、重心を移動して推進力をつけるための行為です。蹴ることなく重心を利用して走れるようになれば、楽しさも倍増しますね。

スタートの掛け声は「レディ、セット、ゴー」

メインコースでのスタート
メインコースでのスタート

ストライダーカップやエンジョイカップなどストライダー公式レースのスタートは、シグナル音でのスタートではなく、掛け声方式「レディ、セット、ゴー」で行います。MCの方の掛け声には個人差があるので、タイミングが取りにくい傾向にあります。

余談になりますが、有明で行われていた「アクティブキッズフェスタのMC 菊池 雄さん」の掛け声は「レディセェー、ゴー」でした。ぜひとも、またお聞きしたいです。

アクティブキッズフェスタをチェック!

掛け声のタイミングは、前の組のスタート合図を聞くなどして覚えることができますが、いつも同じタイミングで掛け声をしているとは限りません。対策として、反応よくスタートできる練習をすると良いでしょう。スタート練習を繰り返し行うことで、実力と自信もついてきます。

豆知識

通常のランバイクレースは、シグナル音でのスタート方式が一般的で「ピッ、ピッ、ピッ、ポーン」です。等間隔(1秒間隔)でカウントダウンしていくので、リズムを覚えることで、比較的タイミングよくスタートできます。

サブコースで行われる敗者復活レース

サブコースでのスタート
サブコースでのスタート

ストライダーカップの敗者復活レースは、サブコースで行われます。組み合わせは主催者側から指定され、予選のヒートによってはすぐに呼び出しがあるので、DNS、DNF* でもサブコース近くにいる必要があります。

*) DNS:Do Not Start(スタートせず)、DNF:Do Not Finish(ゴールせず=途中棄権)

エンジョイカップも含むランバイクレースのほとんどは、メインコースで敗者復活レースをおこないますが「サブコースで敗者復活レースを行うことも、ストライダーカップの特徴のひとつ」でしょう。

どんな選手が参加しているの?

海外からの参加選手
海外からの参加選手

公式ホームページのエントリーリストによると、今回のSCWCには世界13カ国から「合計792名の子どもたちが参加していて、海外からは66名が参加」しました。出場枠についてですが、昨年のストライダーカップと変わらないため、参加すること自体が例年以上の激戦になったと思います。SCWCに参加できることは、非常に幸運なことです。

参加者の国籍を多い順に並べると「日本726名、タイ15名、アメリカ9名、シンガポール9名、マレーシア9名、台湾7名、韓国6名、中国6名、イギリス1名、オーストラリア1名、フランス1名、香港1名、メキシコ1名」となっています。全体の91.6%が国内の選手ですが、各クラスとも決勝に海外勢が残っていますので、文字通りの世界大会になりました。

クラス参加者
2歳クラス国内選手182人 海外選手10人 計192名(アメリカ2名、イギリス1名、韓国1名、タイ1名、台湾1名、中国1名、マレーシア3名)
決勝に残った海外選手(2位-Thailand、8位-USA)
3歳クラス国内選手269人 海外選手19人 計288名(アメリカ4名、オーストラリア1名、韓国2名、シンガポール3名、タイ7名、香港1名、マレーシア1名)
決勝に残った海外選手(3位-Thailand)
4歳クラス国内選手171人 海外選手21人 計192名(アメリカ2名、韓国3名、シンガポール2名、タイ4名、台湾5名、中国1名、フランス1名、マレーシア2名、メキシコ1名)
決勝に残った海外選手(5位-Thailand、10位-Taiwan)
14xオープンクラス国内選手104人 海外選手16人 計120名(アメリカ1名、シンガポール4名、タイ3名、台湾1名、中国4名、マレーシア3名)
決勝に残った海外選手(2位-China、7位-Thailand)

ビギナーと熟練ライダーの割合は?

ストライダーカップ 2023

筆者が見た限りでは、ビギナーの割合は7割といったところでしょうか。ファイナリストに関しては、ほぼ9割が熟練ライダーだったように思います。当たり前のことかも知れませんが、練習量や経験値に差があるようです。しかしながら、ストライダーカップはお祭りです。みんなが楽しめる大会なので、それぞれにドラマがあり、ステキな思い出になっていることと思います。

豆知識

身につけているプロテクターとヘルメットを見れば、熟練ライダーかどうかを見分けることができます。とくにわかりやすいのがプロテクター。熟練ライダーは衝撃吸収効果の高いモノを身につけている傾向が強いようです。スピードが出せるライダーほど、安全に注意を払っている証拠なのでしょう。

プロテクターの重要性をチェック!

「ストライダーカップ」に出場しよう!

ストライダーカップ 2023

ストライダーワールドカップの応援に参加して、この大きなイベントを裏で支えている方たちにも感動しました。今回は自分の子がレースに参加していなかったことで、イベント全体を客観的に見ることができる精神的余裕があったので、気付くことができたのかもしれません(笑)。子どもたちのためにがんばるスタッフさんも最高でした。みなさんもストライダーカップにぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

後編では、会場の様子と参加家族の体験談をクラス別にご紹介します。

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WRITTEN BY"ランバイクカスタム講座"管理人

東京都在住。個人ブログ「Tsuguo Yamaguchiのランバイクカスタム講座」を書いています。自身が所有していたレーサーレプリカNSR250SEをカスタムした経験から、子供用のランバイクも妥協のないカスタマイズをしています。大学で自動車工学を学び、専門分野はエンジンです。二輪・四輪以外にも、ヨットの運転も大好きです。

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