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ストライダーの練習をカスタム!【 実践編①】~効果的な練習をして、スキルを向上しよう~

ストライダーの練習をカスタム!【 実践編①】

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ストライダー カスタムの豊富な経験を持つ筆者が、カスタムの効果やおススメのものを紹介する連載企画。第十弾となる今回は、ストライダーレースで好成績を残すための練習方法がテーマです。

前回までの導入編では、子供たちの成長についてやスポーツマンシップ(グッドルーザーなど)について取り上げました。

今回の実践編パート①では、ストライダーの基本的な練習メニューやRCS(全日本ランバイク選手権)において好成績を残してきた、ランバイクチーム「Soulmate」の稲葉カナタくんと橋本セイアくんの取り組みについて取り上げます。ぜひ参考にしてください。

ストライダーの基本練習

練習方法に「正解」はないですが、「これをしたから上手くなった!」「これは、絶対にやったほうがいい!」というメニューは、あると思います。

そこで、ざっと基本的な練習メニューを書き出してみました。

  1. 準備体操と柔軟運動
  2. コーディネーショントレーニング(リズム体操、鬼ごっこ、ドッジボール等も含む)
    ※これらは、運動能力を鍛える効果があります。とても大切なメニューです。

  3. 片足だけで蹴って走る「ケンケン走行トレーニング」
  4. 直線を真っ直ぐ走る練習
  5. スラローム(ジグザグ走行)
    ※ストライダーを走らせるための基礎的なものです。脚力やバランス感覚、修正能力を磨く効果が期待できます。

  6. 8の字(はちのじ)
    ※コーナリングが上達し、コーナーを速く曲がるための基礎が身につきます。

  7. スタート練習(~からの直線を速く走る練習も含む)
  8. コース練習
  9. レース形式でのコース練習
    ※レースに出るときには、必須のメニューです。個人で取り組むこともできますが、一緒に走る仲間がいると、より効果的な練習になります。

複数人で練習する魅力について、「ランバイクチームの中で、とても有名な teamBLAST さん」にお話を聞くことができたので、次回の実践編パート②でご紹介します。こちらも楽しみにしてください。

ティーチングとコーチングの違い

子供たちをどのように指導していますか?それは、ティーチング(教育)でしょうか。それとも、コーチング(共育)でしょうか。大切なのは、この「2つの違い」を理解し、使い分けることです。

  • ティーチング:相手に対して、知識や情報(技術)を与えること
  • コーチング:相手に考えさせたり、考え方を引き出してあげること

ティーチングは「教える」

「分からないこと」や「やってはダメなこと」は、子供たちに教える必要があります。ティーチングは、知識やルールを伝授するのに適した方法です。

しかし、一方的に教えるだけでは、その本質が理解できなかったり、理解できても行動に結びつかなかったりすることも。ティーチングだけでは、一方通行の指導になってしまう危険性があるのです。

コーチングは「引き出す」

それに対して、コーチングでは子供たちにどう思うのかを問いかけながら自ら答えを導き出せるようサポートします。コーチングは双方向のコミュニケーションにより「主体性を育てる」指導方法です。

自分で考えるようになった選手は、スポーツに限らずどんな状況においても、工夫して成長することができます。

子供が失敗しないように、良かれと思って親が全部やってしまうのは逆効果です。自分で物事を選ぶことが重要であり、それが間違っていたとしても、それはそれで良い経験になります。

親が子供のためにやっていることは、むしろ子供のためになっていないことの方が多いようです。失敗しながら自分で考えていくほうが、かえって成長するものなのです。

練習とトレーニングは別物

スポーツにおける「練習とトレーニングの違い」も、理解しておく必要があります。これらは全くもって別物であり、持続性において「大きな違い」があるからです。

【練習とトレーニングの違い】

目的効果
練習(practice)スキルの上達
技術の向上
永久的(不可逆的)
トレーニング(training)体力・筋力の向上可逆的

練習とは?

  • 中枢神経に効果を定着させる「技術」=「情報系」の訓練
  • 脳を刺激して(考えたりすることで)技術的な動作を身につけるために行うもの

練習の目的は、技術的にできないことを「できるようにする」ことです。例えば、自転車に乗れるのは「できるまで練習したから」ですよね。人によってできるまでの回数は違っても、一度乗れるようになると、乗り方を忘れることはありません。練習の効果は不可逆的です。

ストライダーのコース練習は、相手との位置取りを考えて走ったり、コーナーを速く駆け抜けるための走行ラインを考えたりといった「運動能力とは別の要素である、脳のかしこさを鍛える」ために行います。

これらも一度覚えたことは、数年後でもできる場合があります。

トレーニングとは?

  • 「体力」=「エネルギー系」の訓練
  • 技術的というよりも、体幹や筋力、呼吸器系といったものを鍛えるために行うもの

腕立て伏せや持久走などは、代表的なトレーニングです。筋力や持久力だけでなく、バランス感覚やリズム感も、トレーニングにより鍛えることができます。一方で、トレーニングは継続的に続けないと、パフォーマンスが落ちてしまいます。効果が可逆的なため、トレーニングには持続性が求められるという側面があるのです。

大人でも「腕立て伏せ100回」は、すぐにはできないものですが、1年間努力すればできるようになるでしょう。継続により成果を出すこれが、トレーニングの本質です。

技術向上=練習量だけではない

抜群のライン取りでコースを走れるようになるには、走った経験が活かされることもありますが、実はコース取りにはセンスが求められます。技術的な部分というものは「練習量だけではなく、閃き(ひらめき)も大きなファクター(要因)になる」のです。

二番目の子(次男など)が、いきなりすごい走りをすることは、珍しいことではありません。なんとなく兄や姉の動作を見ていて、走るイメージができているからなのでしょう。

とはいえ、技術的なことがすぐにできないからと言って、諦める必要はありません。もしかしたら「明日の練習で、突然できる(速く走れる)ようになることだってある」のです。練習は、技術が上達できるようにワクワクしながらできたら、最高だと思います。余談ですが、ぼくは練習(セーリングなど)が大好きです(笑)

日頃どんな練習やトレーニングをしているかで、選手の成長の度合いが変わってきます。それは、コーチングやトレーニングの質によって、引き出されるものなのです。

マルチスポーツトレーニング

1つの競技に専念する練習時間とスキルの向上は、必ずしも比例しないと言われています。

オリンピック カーリング女子 日本女子代表チームの「ロコ・ソラーレ」では、トライアスロン、ラグビー、空手、ダンスなど「多様なトレーニングを積極的に取り入れた」そうです。そして迎えた北京オリンピックでは、値千金の銀メダルを獲得しました。

聞いたところによると、空手などの一見カーリングとは関係のないようにも思えるトレーニングをしたことで、体幹がついたり、より身体の使い方を知ることになったとのこと。カーリングの練習と違うことをたくさん経験したことが、プラスに転じたのです。

北京五輪で銀メダルを獲得したロコ・ソラーレ
ロコ・ソラーレ吉田知那美選手のインスタグラムより

同じくオリンピアンの「平野歩夢」選手は、東京オリンピックにはスケートボードで出場し、二刀流として話題になりました。それから半年後の北京オリンピック スノーボードの男子ハーフパイプ決勝では、五輪史上初の「トリプルコーク1440」を決めるなどの圧巻の滑りを披露し、悲願の金メダルを獲得します。

足が固定されないスケボーは、板に完璧に乗ることが求められ、わずかなズレも許されません。シビアなスケボーの技術を磨いたことで、体のしなやかさや着地での修正力が向上したとのこと。新たな強みを得た歩夢選手は、さらに進化を果たし、ハーフパイプで他を圧倒することができたのです。

二刀流でオリンピックに挑戦した平野歩夢選手
オリンピック(The Olympic Games)のインスタグラムより

コーディネーション能力は、いろいろな動きを経験した方が大きく向上します。全く異なる競技だとしても、それは運動能力を向上させることに繋がるのです。さらに、さまざまな世界観に出会うことは、新たな強みを作り出すことになります。ストライダーの練習も然りです。

人生には様々な選択肢があり、多くの学ぶべきことがあります。年齢を問わず、1つのことだけに絞るという考え方は、変えていくべきなのでしょうね。

補食(エネルギー)を入れて、適度な休息を!

質の高いパフォーマンスを継続するためにも、補食(モグモグタイム)は必要です。補食は、脳に栄養を補給して集中力を高め、疲労の回復を早めてくれます。疲れてくると、集中力がなくなり、ケガにも繋がります。運動量が多い日は、補食をとるようにしてください。

補食のタイミングは、運動の直後が効果的と言われています。これは、体が失われたエネルギーを要求しているからなのです。活動時間が長い場合には、食事の2時間後(午前中であれば10時過ぎ、午後であれば14時過ぎ)に補食を入れるのがいいでしょう。

補食は体内に吸収されやすい、消化の良いもの(おにぎり、パン、バナナなど)をオススメします。ゼリー飲料など(ウイダーなど)も有効です。

昼食や夕食などが食べられなくなるのは、本来の目的から外れます。補食の食べ過ぎには、注意が必要です。から揚げやフライドポテトなどは、消化に時間がかかってしまうので、なるべく控えた方がいいでしょう。一番食べたくなりますけどね。

そして、長時間練習することが上達につながるという考え方も、見直した方がいいでしょう。疲労の回復が遅れ、心身ともに過負荷になる恐れがあるからです。練習時間が、長ければ長いほど速くなるという根拠はありません。適度な休息を取るように心がけましょう。

アスリートに必要な三大要素は、「トレーニング、食事、休息」です。

安全管理を行う

もっとも大切なのは、安全にランバイクに乗ることです。レースにおいて、接触事故や転倒事故は、少なからず起きてしまうもの。子供たちに「安全面での必要なマナー」を教えてあげてください。

スタート直後に斜めに走る行為は、RCS(全日本ランバイク選手権)において非推奨行為として明記されています。スタート直後の斜行が原因で接触事故が多く報告されているからです。

悪気があって斜行する子供は、いないと思いますが、事故を減らすためにも、子供たちに約束事として「斜行することのリスク」を教えてあげてください。もちろん、真っ直ぐ走る練習も忘れてはいけませんね。

参照:【重要】参加者の皆様にご協力のお願い | RCS 全日本ランバイク選手権シリーズ

RCS(全日本ランバイク選手権)で好成績を残してきた親子へのインタビュー!

※稲葉達也さんとカナタくん

筆者のブログ『ランバイクカスタム講座 カスタム塗装編』で登場していただいた、稲葉達也さんとカナタくん、チームメイトの橋本セイアくんに、ランバイクの取り組みについてのお話を聞かせていただきました。

カナタくんとセイアくんは、RCS(全日本ランバイク選手権)で何回も表彰台に立っている、まさに日本を代表するトップライダーと言っても過言ではないでしょう。このライダーたちが「どんなことを考えて、どのようにレースに臨んでいたのか」をご紹介したいと思います。

――まず初めに、ストライダーを始めたきっかけを教えていただけますか。

※仲良しのセイアくん(左)とカナタくん(右)

カナタくん:お兄ちゃんがストライダーに乗っていて、僕もやろうと思ったからです。

稲葉さん:詳しく説明しますと、従兄弟から「東京タワーのレースに一緒に出ない?」と誘われたのがきっかけで、乗るようになりました。長男のためにストライダー(鉄スト)を購入しましたが、あまり乗らなかったので、カナタがお下がりで乗るようになったんです。練習もしないで、いきなりレースに出たんですよ(笑)

セイアくん:ぼくは「いとこが出ていたレースを観に行った」のが、きっかけでした。2歳になるちょっと前に、おばあちゃんからストライダーをプレゼントしてもらい、それからたくさん乗るようになりました。

――初レースは、どうでしたか。

稲葉さん:カナタは、運動神経が良かったのか普通に走れていたので、イケると思いましたが、カーボンホイールを履いている子がいたりして「このレース、おかしいんじゃないの?」って思いました(笑)その帰りに、さっそくお店に寄ってストライダープロを購入しました。初レースは、衝撃的でしたね。

セイアくん:初めて出たレースは、2015年のRCS第2戦でした。逆走もしたけど、完走できました。その時のまわりのレベルの高さに、とてもビックリしました。

――レースに向けて、どのように取り組んでいましたか。

稲葉さん:平日は週一回程度、脚力強化のために直線30mをタイム計測しながら、ひたすら走っていました。この年代だと、ある程度出せる速さが決まっているので「0.1秒を縮めることは相当しんどい」んです。その中で「まずスタートで0.1秒」、次は「スタートからの10mで、もう0.1秒」削るというような目標を決めて、練習していました。

最後の残り5本くらいは、RCSは直線の距離がだいたい40mということもあるため、距離を50mに伸ばして走り込みます。それぞれの距離でデータがあるので、RCSに向けてどんどん上げていって、レースでピークを持っていけるようにしていました。

うちのチームは「RCSが終わった次の週は、必ず休み」を入れていました。一旦、気持ちをリセットさせてあげないと、メンタルが持たなくなると思うので。親も休みたいですからね(笑)

もちろん人間なので、休んだ後はタイムがでません。40mの直線で、ベストから0.2〜3秒くらいは落ちます。速い子たちは、30km/hくらいは出せるので、相当な距離の差が出てしまいます。でも、そこから上げていくんです。

――練習で大事にしていたことは、ありますか?

カナタくん:さんざん言われていたのが、スタートで早く出ないと追いつかなくなるということです。なので「スタートからの3歩目までの蹴り出しを意識」して練習しました。いい時もあれば悪い時もあったけど、練習しているうちに自信が持てるようになりました。調子がいい時は、みんなより速く走れるから、気持ちよかったです。

セイアくん「1コーナーの手前で、蹴るのを止めない」ように、がんばりました。コーナーへの入り方は「外からじゃなくて、中から入ること」です。引くと「横から、ばあーっと抜かれちゃう」ので。引退レースでは気持ちが入っていて、全然引きませんでした。大体いつも引いていましたが、最後だけは「やばかった!」です(笑)

――いつも、バチバチの練習ですよね。

稲葉さん:以前はセイアが速すぎて、一緒に走っていても相当前にいかれる感じでした。でも、何かのきっかけですごく仲良くなって、一緒に練習する機会が増えていきました。最終的には毎週練習している中で、どっちが勝ってもおかしくない状態になりました。2人のどっちかがいいタイムを出して、それに引っ張られていく感じですね。

――いちばん記憶に残っているレースは?

※2人でRCSの表彰台に立つことができました

稲葉さん:なんと言っても、2021年のRCS第5戦です。初めて、この2人で表彰台(2位と3位)に乗ることができたのが、最高の思い出になりました。自分の子よりも「セイアに、おめでとう!」って言ってたくらい、嬉しくて感動してしまいました。

カナタくんぼくも、このレースが一番の思い出です。ゴールした瞬間に、ガッツポーズしました。

――奥さまは、どんな役割だったんですか。応援に徹する感じでしょうか。

稲葉さん:怒るのは私の役目で、落ち込んでいる時のサポートを妻がしてくれました。よく「パパも、ママも怒っている」のを見かけるんですが、子供の逃げ場がなくなっちゃうんで、どっちかが慰めてあげるようにして欲しいですね。まあ、ホントにひどい走りをしている時は、うちの妻もキレてましたけど(笑)

ぼくは怒りますが、帰って一緒にお風呂に入っている時とかに「今日の練習はどうだった?」とか「レースはどうだった?」って、ちゃんとフォローはしていました(笑)怒りっぱなしは、良くないですからね。

――どんな練習が効果的でしたか。

稲葉さんランバイクに乗らない練習を結構やっていましたね。ゴムチューブで後ろから親が引っ張って、かるく負荷をかけて坂道を走ったり、スタート練習もやりました。シャトルランもやりましたし、マラソンみたいなものもやりました。

週末は静岡の練習会などに、サッカーやラグビーを掛け持ちしながらですが、よく参加していました。

――習いごとを掛け持ちしていたことも、成長に繋がったのではないでしょうか。

稲葉さん:長男の時に、失敗しちゃったんです。「ランバイクを卒業するまでは、他の習いごとをしないというスタンス」だったんですが、小3の夏からサッカーを始めたら、まあ見事に「まわりの子において行かれていた」んです。上手い子は、幼稚園の頃から始めていますからね。それを見て、すごいかわいそうなことをしたなと思って、次男にはさすがに同じことはさせまいと思いました。

ぼくは「子供がやりたいと言ったことは、全力で応援する」けど、親がやらせてしまうと文句が言えなくなるので、本人が何をやりたいのかを尊重しています。カナタが、日本で行われたラグビーW杯を見て「タックルが楽しそうだから、やってみたい!」って言うんで、やらせてみました。二足のわらじですけど、ラグビーの練習でも体幹トレーニングや走る練習があったので、良かったのだと思います。

――2人とも、サッカーやラグビーでも大活躍でしたか?

稲葉さん:ランバイクををやっていて、足が速かったり、体力はあったと思いますが、2人とも走ることだけに特化していたので、最初は「投げる・蹴るは、全然ダメ」でしたね。ひどかったですよ(笑)

――ランバイクレースをやっていて、良かったことは?

稲葉さん一番は、日本全国のいろいろな人と出会えたことですかね。価値観も違えば、住んでいるところも違うし、そういう方たちと仲良くなれて、今でも繋がりがあるってことは「自分にとってすごいプラスだと思う」んです。子供たちにも遠距離に友達がいるって、なかなかないことですよね。そういう意味では、息子のレースを通して日本全国いろんなとこに行かせてもらい、本当によかったです。

カナタくん:ランバイクは、たのしかったです。きつかったけど「やっぱり練習をすれば速くなって、1位とか2位がとれて、すごくうれしかった」です。もうレースには出ないけど、ランバイクに乗って小さい子に教えたりするのも好きです。

――ネクストステージでの目標は、ありますか。

カナタくん:ラグビーをがんばっていきたいです。まずは「タックルが、上手くできるようになりたい」です。いいタックルが出来ないと、ステップをきられて、トライされちゃうので。

セイアくん:サッカーで、フォワードをやっているので「まわりが見れるようになりたい」です。味方の選手に声をかけてもらったり、自分も声を出していきたいです。そして、ゴールを決めたいです。

――みなさんへのアドバイスをお願いします。

稲葉さん:小学校に上がるタイミングで辞めちゃう子が、すごく多いんですけど、もし親子で目標を持って続けられるのであれば、RCSでの8歳の引退までぜひ続けて欲しいと思います。

優勝を目指してがんばってきて、最終的には準優勝止まりでしたが、悔しいというよりもやり切った感がすごかったです。最終レースでゴールした後も、カナタが泣かずに誇らしい顔で、これ以上出せないという感じだったので、それでいいじゃんと思いました。

親がやらせてる感が強い場合は、厳しいかなとも思いますが、そこをいかに子供がやりたい、好きっていう風にもっていくのかが大事だと思います。もし、そういう風に持っていけないのなら、途中でフェードアウトするのもありだと思います。見ていて、泣いてばかりいる子は、かわいそうですから。

練習会で「昼休みは遊ぶな」と言う親御さんもいますけど、別に遊んでもいいと思うんですよね。その代わり「午後からの練習は、ちゃんとやろうよ」と持っていくのが、親の役目であって、それを頭ごなしに完全否定したら、誰だって練習嫌いになってしまいます。「昼休みに友達と遊べるから練習会に行く」という理由でも、いいと思うんです。

そして、今日の練習会は「誰々くんが来るから、誰々くんに勝たないとダメ」という風なスタンスも良くないと思います。その子に勝てないと、親は子供に辛く当たってしまうと思うんです。そんなんじゃ、親子のメンタルが持たないですよ。そんな風には、してほしくないと思うんです。ぼくは違う意味で、練習会では怖い人でしたけど(笑)

稲葉さん練習はどうしても厳しいですし、闘争心を鍛えるのは難しいです。競うのが好きな子もいれば、そうじゃない子もいます。その子に合ったやり方は、正直に言ってわかりません(笑)ぼくは、子供たちが続けたいと言うので「責任を持ってやりなさい!」と言っていました。親子で同じ方向を向いて、進んでもらいたいですね。

カナタくんスタートで挟まれたら、とにかく蹴って欲しいと思います。まずスタートを練習して、スタートが良くなったら、スタートしてからの3歩が速くなれば、RCSで準優勝を取れるようになると思います。あとは、スポーツをやるときは、ちゃんと最後までやり遂げることです。自分が決めたことをやり遂げられたので、やっぱり嬉しいと思いました。

セイアくん:1コーナーで、足を止めないことです。スタートで、みんなの前に出れたら怖くないけど、とにかく怖がらないでほしいです(笑)

――最後に、締めをお願いします!

稲葉さん:うちのチーム代表の言葉なんですけど「結果よりも、過程が大事だぞ!」といつも言ってるんで、そこを重要視して欲しいです。結果が大事だろって、言われちゃうかもしれませんが、どのスポーツも同じだと思うんです。結果ありきじゃなくて、いい指導者に巡り合えて、どう成績を上げてきたかとか、どう頑張ってきたかが重要ですよね。

カナタくん、セイアくんへのインタビュー動画(筆者作成):YouTube

まとめ

カナタくんもセイアくんも自信に溢れた表情で、質問に答えてくれました。物事をやり遂げることの大切さを幼いうちから理解できていることは、素晴らしいことだと思います。それをしっかり導いている親御さんも、素晴らしいですよね。がんばれ、ストライダー卒業生たち。君たちの将来には、明るい未来が待っている!

さて次回は、子供たちの成長を「チームだったり、地域の練習会等で」手助けしようとしている団体にフォーカスして、紹介したいと思います。子供たちのために頑張っている大人たちも、素敵ですね。

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