ロードバイクのサドルの選び方と交換方法|プロメカニックに聞いてみた!
ロードバイクに乗り慣れたら、サドルまわりは気になってくるパーツ。股やお尻の痛みがきっかけかもしれないし、見た目を追求して交換したくなるかもしれない。今回はロードバイクのサドルについて、現役メカニックに話を聞いた。プロの意見を交えながら、種類や選び方、おすすめサドル、交換方法までしっかりと解説していく。
目次
ロードバイクにおけるサドルとは
サドルとは自転車に乗る際、一番大きく身体と接するパーツだ。そして長い時間、高い場所に座るように設置されている重要なものである。
人によって相性の差が出やすく、他の人が快適に使っているサドルでも自分はお尻が痛い、などはザラ。一体なぜ? サドルの形状?乗り方?それともポジション?
今回はサドルの基本を知るべく、カスタムショップ「VIKING the MAINTENANCE」の石橋徹也さんに協力いただいた。プロの見解を交えながら、ロードバイクのサドルを徹底解説していこう。
お尻の痛みはサドルさえ交換すれば解決する?
そもそもお尻や股の痛みは本当にサドルが原因なのだろうか。
石橋さん(以下、石橋)「特に初心者の人の場合、痛むのは『ロードバイクのサドルに慣れていない』からかも。ママチャリから急に薄いサドルになっただけで違う。また、しばらく乗らなかったり、着てる服によっても結構痛むか痛まないかは変わりますよ」
ロードバイクとは切っても切り離せないお尻や股の痛み。その原因を「サドルが合わないこと」だけに限定してしまうのはどうやら早計のようだ。
ビギナーはちょっと待った!乗り始めの痛みはつきもの
ロードバイクに乗り始めて数回というビギナーの人たち、「どうもお尻が痛い、やはりこの硬いサドルのせいだ!交換しよう!」はちょっと待った。
ちょっと乱暴に聞こえるかも知れないが、乗り慣れるまでは多少痛みがつきものである。つまり、初めて履くハイヒールが痛いのと同じこと。
乗り方自体がわかっていないから、最初はママチャリのようにサドルにどかっと座ってしまいがち。そうするとサドル部分への荷重が大きくなり、結果痛みが出るのだ。
慣れてくると、力の入れ方がわかってくる。脚には常に力が入っていて、サドルとペダルへの荷重がほぼ均等になるのだ。
また痛みの出る箇所が多少なりとも慣れて強くなり、順応していくことも確かだ。
股やお尻の痛みは、原因が複合しているケースがほとんど
初心者ならではの痛みとは別に、「しばらく乗らない期間があるとまた痛む」ということだってある。ケガで1か月間全く自転車に乗れず、久しぶりにロードバイクにまたがったときなど、痛みの出方がまるっきり違うものだ。
先ほど石橋さんが述べたように、着ている服でもずいぶん違いがある。
石橋「ちゃんとしたサイクルウェアを着て乗る普段のサドルの感触と、ジーパンを履いて乗るサドルの感触とは結構違います」
つまり、痛みはすべてサドル要因というわけではなく、複合的な原因がほとんどなのだ。
石橋「お尻が痛くなる原因はいろんなところにあります。体重のバランス、ハンドルから遠いとか幅広いとか、ドカっと座っているとか、サドル高(BBの軸から座面)が高いとか低いとか……さまざまな要因が重なって痛くなるんです」
サドルの交換の前に、まず調整を
ではサドル周りをベストな状態にするために、まずは何から始めたらよいのだろうか。
石橋「適正なサドル高とハンドルの距離、幅を計ってデータを出して、その形で自転車を作ってみる=ポジション出しをする。その後ポジションがきちんと出てる自転車に乗って、それでも痛いならサドルの素材や幅とかクッション性を疑ってみるという流れですね」
なるほど、すぐにサドルを交換するのではなく、まずは最適なポジションを出すことが前提ということだ。自分の乗り方や目的に合った最適なポジションを追求したい場合は、プロのフィッターによるフィッティングを受けてみるのもひとつの手だろう。
ただ、このようなフィッティングは1回数万円というお金がかかるのが現実。競技志向でない場合、そこまでコストはかけたくない、という人が多いだろう。
では、おおよその目安となるような方法がないのだろうか……?
石橋「全体のポジションを出すのが理想ではありますが、すぐにはできないですよね。それなら自分にとって適正なサドル高を把握しておくこと。脚の長さから計測するから、信憑性は高いです。自分に適した長さを出して、まずは調節して乗ってみる。それでもダメならサドルを替えればいいでしょう」
自転車のサドル高の測り方
ロードバイクのサドルの高さの目安は簡単に測ることができる。
大まかに知るだけで良い場合は、以下のふたつを意識して調整する。
- 自転車の横に立ったとき、ちょうど腰(骨盤の上部)と同じ位置になる高さ
- サドルにまたがってペダルを踏み込み、ペダルが一番下にきたとき、ヒザが少し曲がる高さ
もう少し詳細な目安を知りたいなら、サドル高の計算式を利用しよう。
これには股下の寸法が必要なので、まずは股下の測り方から。
股下の測り方
測り方はいたって簡単、準備するものは2つ。メジャーと、ハードカバーの本やDVDケースなど、ある程度固くて直角を保てるケース状のもの。
- 壁に背中をつけてまっすぐ立つ(素足で!)
- 足を肩幅ほどに開く
- 股にDVDケースなど、固めのものを強めにグッと押し当てる
- 壁からケースを離さないように足を離し、計測
これで自分の股下がわかるはずだ。続いて股下にもとづいてサドル高を出してみよう。
サドル高の計算式
よく使われる計算式は
股下寸法 × 0.87(cm)= サドル高
というもの。
例えば股下が80.4cmなら、0.87をかけた値 = 69.948、つまり 69.9 cmが自分に適したサドル高というわけだ。
この値にあわせてサドルの高さを調節する。
▶こちらの記事でもサドル調整法を紹介しています。
自転車のサドル高さとはどの部分?
自転車のサドル高=BB(ボトムブラケット)の中心からサドル表面までの長さ。
この長さを、さきほど算出した自分のサドル高の数値でセッティングするとよい。
サドルの高さ調整方法
サドルの高さを決めているのは、シートクランプ部分である。
手順は以下の通り。
- シートクランプのボルトを緩める。
- シートポスト(サドルを支える棒の部分)が動くようになるので、高さを調節する。
- 高さを合わせたら、まずはボルトをある程度まで締める。(仮止め)
- 水平になっているか、進行方向に対してまっすぐかどうかをチェック。
- ボルトをしっかり締めて完了。
角度は「地面と水平」が基本、サドルのうしろから見てまっすぐかどうかもチェック
サドルの種類を知る
サドルの調節はしてみたものの、いまいちしっくりこない。とりあえずサドルを変えて様子を見たい人もいるかもしれない。
そもそも痛み以外の理由でもサドルを変えたっていいのだ。
石橋「初心者の人はカッコいいもの、シュッとスタイリッシュなものにしたいとかじゃないですか。完成車だと最初についてきたものがモッサリしてたりするから。見た目、大事です」
そんなこだわり派の人も含め、気になってくるのがサドルの形状だろう。どんな種類があって、どんな特徴があるのか、ひとつずつ確認していこう。
サドルの幅
サドルの幅は荷重の安定性を左右する。ポイントは体重と骨盤だ。
石橋「手軽に選択するなら、体重が重い人は幅広のものを。痩せている人はそれほど幅広でなくても大丈夫。しっかり選びたいのであれば、骨盤の幅を測ってもらうのがベストです」
座面の反り
座面の反りはお尻のホールド感と関係している。ポイントは身体の柔らかさ。
石橋「深い前傾姿勢をとろうとしたとき、体が柔らかい人は骨盤を立てたままで背中から曲がります。つまり、骨盤を立てた状態で前傾がとれるから、フラットなサドルでいいわけです。対して体が硬い人は、ハンドルに届かせようと、骨盤ごと曲げに行くんです。骨盤ごと体を曲げると、下腹部や性器が骨盤を立てて乗った時よりサドルに接触するので、そういう人にフィットしやすい形状が『サドル上面が波打ちタイプ』になるわけですね」
座面の丸み
お尻に接する部分が丸みを帯びているかフラットかどうかで、腰の自由度が変わる。
- フラット:腰の位置を変えやすく、長距離向けといえる。
- 丸みを帯びている:腰の動きを限定するものの、姿勢の安定感は出る。
またお尻の横が痛い場合は、丸みを帯びたタイプにすると改善されることがある。
穴あき
穴あきは見てのとおり、股間(尿道や前立腺など)部分への圧迫を最小限にしてくれる。ただしそのぶんの荷重がほかの接触部分(恥骨や座骨など)にプラスされるため、股間以外の痛みにつながる可能性も。
パッドの厚み
パッドの厚みはクッション性と関係してくる部分だ。
石橋「痛みからサドルを選ぼうとするなら、基本的に硬すぎるものは避けたほうがいいですね。尿道あたりが痛むなら穴あきサドルという選択肢になるでしょう。他の痛みの場合は形状に着目するより『基本的にやわらかいもの』を選択したほうがいい。やわらか過ぎると、また話が変わりますが」
やわらかすぎる、クッション性がありすぎるとどうなるのか。
石橋「ペダリングが暴れちゃう。だから、適度な硬さもサドルには必要なんです。とはいえロードバイク用で極度にやわらかいものは、あまりないですからね。前傾姿勢をとるからドカッと座り込まないし、そこまでやわらかいものは必要ないんですね」
素材
カーボンレールを選べばもちろん重量は軽くなる。しかし、カーボンの特徴ともいえる振動吸収性が大きく実感できるほどの差はあまりない。むしろレールに限らずカーボン素材のサドルというのは概して高額だ。初心者のうちは、サドルのレール部分の優先順位は低めと言ってもよいだろう。
サドル選びのポイント
サドルの種類を把握したとことで、自分に合ったサドルを手短に見つけるコツを聞いてみたい。
石橋「お手軽なのは、フィジーク『スパインコンセプト・EVO』です。前屈の柔軟性から、身体が固い人、普通の人、柔らかい人に分けて、サドルタイプを提案してくれます。体重と平均速度から適正サイズもわかるので目安になります。iPhone、Androidアプリもあるから、試してみるのもよいかと思います」※現在は公開されていません。本国ウェブサイトの「SADDLE FINDER」をチェック。
スパインコンセプト・EVOアプリの詳しい記事はこちらから↓
石橋「それと、男女の差もあると思います。骨格が違いますから。女性は骨盤が広めなので、幅広のサドルをオススメします。最近はレディース用のサドルも売っているので、そちらから選ぶのもいいですね」
おすすめサドル&主要メーカー11選
メーカーもいろいろあり、その中でもさまざまなラインナップがあるサドルの世界。石橋さんのおすすめを聞いてみよう。
石橋さんのおすすめサドル
石橋「サドルのコンセプトがちゃんとしているメーカーとしてはフィジークか、あとはスペシャライズドかな。フィジークならさっきの『スパインコンセプト・EVO』だったり、スペシャライズドならテストバイクでのサドル位置計測なんかもありますし。僕がいま乗ってるのもフィジークのアンタレスです。やわらかくはなくフラットなモデルですね」
石橋さん自身がサドルで苦労した経験はあるのだろうか。
石橋「実はサドルで苦労したこと、一度もなかったんですよ。前のサドルはサンマルコだったけど、使い込んでスレちゃって、替えようとしたら同じものが廃版で売ってなくて。それと同じような形状のものとして、いまフィジークに乗っています」
なるほど、やはり「相性の良い形状」がベストだということか。自分にあったブランドを探すよりも、自分にあったサドルの形状を探すほうが近道だという結論になる。
主要メーカー11選
そうは言っても、実際に購入する際にサドルメーカーは知っておきたい。主要なサドルメーカーとピックアイテムを紹介しておこう。
fi’zi:k(フィジーク)
イタリアのサドルメーカー「Selle Royal(セラロイヤル)」のハイエンドモデル・ブランド。熟練の職人たちの手作業によって製品が生産されている。グランツールに出場するプロレーサーからの信頼も厚く、クリス・フルームもその一人だ。
ラインナップはウイングフレックスなど独自の技術を採用して大ヒットした「アリオネ」を始め、広い座面とパッド量を有しながら軽量化を果たした「アンタレス」や、快適性を追求したコンフォートモデルの「アリアンテ」がある。また、座面が穴空きタイプの「オープン」もある。
- ARIONE R3 kiumレール for スネーク レギュラー
- VERSUS EVO ANTARES R3 kiumレール レギュラー
- ALIANTE Gamma K:iumレール forブル サドル
- ARIONE R3 OPEN (アリオネ R3 オープン)<レギュラー> キウムレール for スネーク サドル
▶フィジークのサドルについて詳しくはこちら!徹底解説した記事です!
Specialized(スペシャライズド)
創業は1974年、チネリのアメリカ輸入権を得たのちに、タイヤ作りからその歴史が始まったスペシャライズド。いまやプロレベルからシティライドまで幅広いタイプの自転車を製造するメーカーとなったが、サドルについても隙がない。
独自のBGフィットに基づいたラインナップは、ハイエンド「S-WORKS」を冠した「パワーアーク」に始まり、ナローデザインの最軽量モデル「ロミン・エヴォ」や、ジェル入りの「アバター・コンプ」など多彩だ。
また、女性用サドルも展開しているのも良心的。
- S-WORKS POWER ARC CARBON SADDLE
- ROMIN EVO EXPERT GEL SADDLE
- OURA EXPERT GEL SADDLE WOMEN
▶スペシャライズドのサドルをもっと知りたいなら是非ご一読を↓
Astute(アスチュート)
創業は2013年と新興ながら、最近人気を得ているイタリアンブランド。ベネチアに本拠を置き、熟練工たちの情熱と経験に基づいて、デザイン、工学技術、快適性の観点から非常に独創的な製品作りをしている。
ラインナップはフルカーボン製の「スカイカーブ」を始め、振動吸収性が高い「ムーン」や、アスリートの高い要求に応えた「スカイライト」などがある。
- スカイカーブ SR [SKYCARB SR]カーボンレール
- スカイライン VT タカ フルオ チタンレール 穴あき
SELLE ITALIA(セラ イタリア)
創業120年の歴史を持つ老舗ブランド。現在では当たり前になったジェル入りサドルや座面中央に穴があいたサドル、カーボンサドルなどは、すべて同社が先駆けて導入したモデルである。
また独自のフィッティング・システム「ID MATCH」により、それぞれ体格の異なるライダーに適したサドルを選択可能だ。
ラインナップは左右ざっくり割れた中空座面の「SP-01」を始め、骨盤が狭い人に向けたフラットな座面の「SLR」や、乗り心地を犠牲にすることなく軽量化された「フライト」などがある。
- SP-01 KIT CARBON
- SLR Super Flow S Ti316
- FLITE 1990 Ti
SELLE SANMARCO(セラ サンマルコ)
1935年創業のサドルメーカー。常にライダーたちの要望を汲み上げ、最新の研究成果を取り入れてサドルを進化させている。
また新たなフィッティング・システム「DiMA」により、年齢、痛みに対しての敏感度、体型、サドルとハンドルの落差、サドルの上でポジション移動の多寡の5つの要素を選ぶことで、自分に合ったモデルを見つけることができる。
ラインナップには多様なポジションに対応する「アスピデ」を始め、波打ち座面が座り心地の良さを発揮する「コンコール」や、中空デザインの「マントラ」などがある。
- アスピデ Open-Fit Dynamic Narrow
- コンコール ダイナミック UPアーバンパフォーマンス
>> 定番モデル『アスピデ』の最新モデルをインプレッション! ショートサドルのメリットって?
Prologo(プロロゴ)
イタリアンブランドの「プロロゴ」のキーワードは「touch」。ライダーとバイクが「触れる」部分へのこだわりを持ってブランドが立ち上がった。
独自のフィッティング・システム「MY OWN」があり、骨盤の幅や角度を計測することによって最適なモデルを選択することができる。
ラインナップには丸みを帯びたラウンド形状の「スクラッチ」を始め、丸みの緩やかなセミラウンド形状の「ナゴ」や、前後左右がフラット形状の「ゼロ」などがある。また、F1ドライバーのシートやグローブにも使われる素材「CPC」を座面に滑り止めとして配したモデルもあり。
- Scratch 2 CPC Ti-rox
- Nago Evo CPC Ti-rox
Bontrager(ボントレガー)
トレック傘下の自転車パーツ&アクセサリーブランド。ホイールやタイヤなど、トレックの完成車に付属されるアイテムが多いが、サドルも積極的に扱っている。
ラインナップには大胆に中央部が肉抜きされた「カーボンXXX」を始め、丸みが顕著な「セラノ」や、左右がセパレート形状の「ヒロ」などがある。また、硬いサドルに被せて使用するジェルカバーもあり。
- Carbon XXX Saddle
- Serano Pro Bike Saddle
- Hilo Comp Saddle
- Gel Saddle Cover
SELLE SMP(セラSMP)
これまでのサドルの概念だった「坐骨をパッドに据えて座る」という考え方を根底から覆した、イタリアの老舗サドルメーカー。立体的かつ曲線的で大胆な形状を持つモデルの数々は、見た目では判断できない大きな魅力を秘めている。
ラインナップには定番中の定番の「コンポジット」を始め、幅が広く着座時の安定性がある「ブルコー」や、後部のフィット感が増している「ニンバー」などがある。
- COMPOSIT(コンポジット)COMPOSIT02-BK
- VULKOR(ブルコー) サドル
- NYMBER(ニンバー) サドル
▶セラSMPサドルが気になったら、解説記事をチェック。選び方のコツをはじめ、一度フィットしてしまうと他には移れなくなる理由がわかる!
TIOGA(タイオガ)
ヘッドセットから輪行バッグまで、多彩な製品をリリースしている自転車総合パーツブランド。
もちろんサドルも取り扱っており、注目すべきはメッシュ仕様の「スパイダー」シリーズだ。一見弱々しいデザインだが、そんなことはない。高強度グラスファイバー補強ナイロンとエラストマー添加ナイロン、ふたつの硬さの違う樹脂材料のインサート成型技術により、柔軟性と強度を両立。軽量で、乗り続けるうちにお尻にフィットする魔法のようなモデルである。また、着脱可能なアンチスリップパッドを付属している。
- SPYDER Twintail 2
VELO(ベロ)
1979年創業の台湾ブランド。2千円から5千円ほどの廉価なモデルが多く、財布に優しいのが特徴だ。とは言え製品作りに妥協はなく、良質なサドルをリリースしている。
ラインナップにはLEDテールライトが付属した「VL-6363」を始め、クッション性を追求したコンフォートモデル「VL-4283」や、穴あきの「SENSO」などがある。
- コンフォートサドル VL-6363
- VL-4283 ロングライドコンフォートサドル
- SENSO VL-3260
fabric(ファブリック)
2014年、イギリスで誕生した自転車パーツ&アクセサリーブランド。なかでもスタイリッシュなデザインと人間工学に基づいたサドルに人気が集まっている。
ラインナップで特筆すべきは、独自のしなりと真空接着されたアッパー&カスタムデザインレールが特徴の「スクープ」。エアロダイナミックなポジション向けのフラット、一日中乗っても疲れ知らずのシャロー、アップライトなゆったりとした乗り方に適したラディウスの3つのタイプが用意されている。また、ロングライドに適した「ライン」がある。
- スクープ ラディウス エリート
- ライン シャロー エリート
画像あり!サドル交換方法
交換するサドルを決めたら、実際に交換をしてみよう。
シティサイクルのサドルなどは簡単に交換できるイメージだが、ロードバイクはどうなのか。サドルの交換は自分でやれるものなのだろうか?
石橋「ロードバイクでもサドル交換は難しくはないです。ただネジが1本だったり2本あったり、細かいものがあったりもする。シートポストのヤグラ(取り付け部分)や止める方法にも種類があります。」
そうすると気になるのは各社の互換性だ。
石橋「互換性はあります。レールの幅は基本一緒ですから。ただカーボンレールはレールが太いものが多く、シートポストによっては取り付けできないモデルもあります。カーボンレールを装着する場合はそのシートポストに対応するかもチェックが必要です。」
それでは実際の交換手順を追って確認していこう。
交換前にやるべきこと
まずは準備として、交換前の位置をメモしておくこと。この位置が変わるとポジションも変わってしまう。
1cm変わるだけで影響も大きい部分なので、必ず確認することをおすすめする。
サドルには前後の位置を確認するメモリがついている。交換前の位置をメモしておこう。
必要なものは?
六角レンチのみ。
(注:シートポストのモデルによっては、六角レンチ以外にも工具が必要な場合もある)
サドルの交換方法
交換前の前後位置メモを確認して、六角レンチを準備したら早速始めよう。
1.サドルを固定しているボルトをゆるめる
お尻側の下部にボルトがあるので、ここをゆるめる。
2.サドルをシートポスト(レール)から外す
サドルのレールを、やぐらで上下はさみこんで固定するしくみだ。
3.新しいサドルをはめて、ボルトを仮締めする
(※今回は同じサドルをはめなおしている)
カタカタ動く程度に仮締めしておこう。
4.角度を調整しながら最終セッティング
基本は水平。水平と進行方向にまっすぐ合わせる点は調節のときと同じだ。
サドルレンタルを利用するという手もある
テストサドルを置いているサイクルショップも多い。数時間~数日のレンタル、無料・有料とショップによって貸し出し方法はさまざま。近郊のショップでテストサドルの用意があるか、身分証明など必要な場合もあるので、あわせて確認してみることをおすすめする。
ポジションを知ってからサドルをかえる、それがベストで最短な方法
石橋さんの話をまとめてみると、「自分のポジションを知り、サドルとの相性を探っていく。遠回りなようで、結果一番近道なルート」という結論になる。
最後に痛みをおさえる隠れポイントとして「サドルに座らないこと」と、石橋さんが教えてくれた。
石橋「ロングライドのときなんかは特に、サドルに座る時間を短くするのが一番大事だと思いますね。都内など街中の場合は信号で強制的に止まるので、長い距離を走っても痛くならないというのが個人的な感想です。ずっと座りっぱなしではなく、走り始めから立てるときは立って立ちこぎをする。座るときは座る。それを交互に繰り返す。サドルに連続して座る時間が長いほど痛みに繫がるので、それをどれだけ少なくするかが鍵です」
Interview and saddle articles by Toshiyuki Masubuchi
VIKING the MAINTENANCE
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〒160-0023 東京都新宿区西新宿3丁目11−16
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WRITTEN BYFRAME編集部
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